<道路部> |
高度道路交通システム研究室
●平成10年度に実施した調査・試験・研究の成果概要
交通渋滞・事故・環境問題など道路交通を取り巻く諸課題の解決を図り、社会コストの低減、快適な生活を実現するため、環境に優しくかつ社会コストの低減が図れる新たな道路交通システムの開発について検討を行うこととした。
10年度は、本研究で取り扱う環境の定義を明らかにし、環境に優しい道路交通システムのコンセプトを設定するとともに、その考え方について整理した。また、都市規模と公共交通から特徴付けられる都市特性と施策コンセプトを想定した新たな交通システムのイメージについて、ケーススタディを通じて具体化した。
本研究は、ITSの体系的整備の道しるべとなるシステムアーキテクチャ(全体像)を構築するとともに、共通基盤となる道路通信標準の策定し、また、国際標準化の動向を把握し、国際標準化と整合のとれたITSアプリケーションの整備推進に資するものである。
10年度は、ITSの9分野において177のサブサービスを体系化し、論理アーキテクチャ、物理アーキテクチャの作成を行い、ITSシステムアーキテクチャを構築した。道路通信標準については、VICSや道路情報板システムなどを対象に通信のプロトコル、メッセージセット、データディクショナリを構築した。
また、ISO、欧米の国際標準化動向の把握を行うとともに日本のITSで標準化すべきテーマについて、国際標準との関連性分析および国際標準化すべき優先度の評価を行った。
走行支援道路システム(AHS)にはi(情報提供)、c(制御)の段階があり、道路交通の安全性向上に資するサービスを提供することが期待されている。本研究では安全に関する基本ユーザサービスを事故統計データ、交通データ等を用いて選定するとともに、基本ユーザサービスの実用化に資するリクワイアメント(第1次)を策定した。
リクワイアメントとは、AHSに対するニーズの分析によって得られたニーズ側の要求を記述したものであり、ニーズとシーズ(開発)を結びつける接点となる文書である。
走行支援道路システム(AHS)は、情報・通信技術を活用により、従来不可能だった前方の見えない障害物や交差車両等の情報をリアルタイムにドライバーへ提供することにより、飛躍的に安全で安心な走行を目指し、事故の大幅な削減を図ることを目的としている。本研究はAHSの障害物衝突防止サービス、出会い頭衝突防止サービス、右折衝突防止サービス、横断歩行者衝突防止サービスの実現に必要な道路上の障害物、走行車両を把握できるセンサ技術の開発を行っている。
10年度においては、道路上の走行車両や障害物等の検出を目的とする道路状況把握道路システムを開発するため、可視センサ、赤外線センサ、ミリ波センサ等の障害物検出アルゴリズム及び走行車両検出アルゴリズムの改良を行い、その対環境性能を評価した。
走行支援道路システム(AHS)は、情報・通信技術の活用により、従来不可能だった前方の見えない障害物や交差車両等の情報をリアルタイムにドライバーに提供することにより、飛躍的に安全で安心な走行を目指し、事故の大幅な削減を図るシステムである。路面状況把握道路システムはAHSの7つの基本ユーザサービス、1)障害物衝突防止、2)車線保持(直線)、3)車線保持(カーブ)、4)出会い頭衝突防止、5)右折衝突防止、6)横断歩行者衝突防止、7)安全車間保持、の実現に必要な路面の状況を把握する。
10年度は、路面状況の検出が可能と思われる各種センサのアルゴリズムを開発し、その検出性能を評価した。
本研究の目的は、道路システムと車両システムの協調による安全性の高い車両走行を実現する走行支援道路システム(AHS)において、道路上の車両位置のリアルタイム検出ならびに基点等の位置情報検知を行う位置検出支援道路システム(レーンマーカ)の開発を行うことである。
10年度調査では、9年度に土木研究所テストコースに敷設したレーンマーカの改良とその評価を実施するとともに、各種レーンマーカの特徴を生かした共有化・統合化システムの開発を行った。
車両誘導制御支援道路システムは、走行支援道路システム(AHS)において、道路に設置したセンサから道路状況、路面状況の情報を収集し、路車間通信を用いてAHS車両へ提供することにより、ドライバーへ情報提供や警報を行ったり、車両を適切に制御するための情報を提供するシステムである。
10年度は、安全に関する基本ユーザサービス、1)障害物衝突防止、2)車線保持(直線)、3)車線保持(カーブ)、4)出会い頭衝突防止、5)右折衝突防止、6)横断歩行者衝突防止、7)安全車間保持、を実現するために必要な情報の内容や提供方法に関する検討を行った。
走行支援道路システム(AHS)は、情報・通信技術を活用し、従来不可能だった前方の見えない障害物や交差車両等の情報をリアルタイムにドライバーへ提供することにより、飛躍的に安全で安心な走行を目指し、事故の大幅な削減を図ることを目的としている。本研究はAHSの基本ユーザサービス、1)障害物衝突防止、2)車線逸脱防止(直線)、3)車線逸脱防止(カーブ)、4)出会い頭衝突防止、5)右折衝突防止、6)横断歩行者衝突防止、7)安全車間保持、の実現に必要な路車間通信技術の開発を行っている。
10年度においては、AHSの基本ユーザサービスを実現するための通信手順について検討を行った。
本研究の目的は、情報・通信技術を活用した車や道路により、従来不可能だった前方の見えない障害物や交差車両等の情報をリアルタイムにドライバに提供する事により事故の大幅な削減を図る走行支援道路システム(AHS)の基本ユーザサービス毎に物理アーキテクチャの構築とシステム設計を行い、システムの仕様書を作成することである。
10年度は、道路インフラ単独のシステムとして先行的な導入を図る(走行支援パイロットシステム)について検討した。
本研究の目的は、道路システムと車両システムの協調による安全で効率の良い車両走行を実現する走行支援道路システム(AHS)開発において、そのシステムが効率的に開発されるために必要な体系的なシステム評価の計画を策定し、ユーザニーズからシステム構築までの開発全体のプロセスにわたって、そのプロセスと結果が、目的と目標に照らして妥当であるかどうかを評価し、検証することである。
10年度は、ヒューマンファクタ評価装置を用いてドライバの運転行動データの取得を行いシミュレータのモデルを修正するとともに、各基本ユーザサービス毎に走行支援(情報提供、警報、操作支援)タイミングと事故低減率の関係を算出した。
交通渋滞の激化・事故の多発及び環境の悪化等のトラック輸送に関わる社会的な問題を解決し、多様化する物流ニーズに対応可能な新たな物流システムを構築することを目的とする。
10年度は、基幹物流である都市間及び大都市圏での物流に対するニーズ(要求機能)を明らかにし、新たな物流道路システムの構築について検討した。具体的には、物流トラックの走行形態に着目しその実態を分析することにより、物流システムの全体構成と、プラトーン走行を輸送方式とした物流道路システムの運行方法について検討した。