令和元年(2019年)・第26回

令和元年度最優秀賞は、以下の3作品です。各作品について、蓮見審査員長より講評を頂きました。

自然豊かなすべり台橋

つくば市立二の宮小学校 上村 凌雅 さん
<製作者の作品アピール>
トラス構造を用いて、1kgの重りにたえられる様にしました。かざりの材料もていねいに選びました。         
<審査員の講評>
橋の路面の両側が、すべり台になっていて、それぞれが逆方向なので、右側通行の習慣がつくことでしょう。すべり台の外側の草木は、橋が自然と一体化した様子を示しています。


Book Museum(ブックミュージアム)

つくば市立手代木南小学校 木村 緒乃 さん
<製作者の作品アピール>
好きな本のイメージで、それぞれの本はページが動くようにしました。上側の面は本の中身が見えるようにあなを開けました。下側は美術館のように石をならべました。
        
<審査員の講評>
川風にふかれてめくれているような色とりどりの美しい本のページ。それはハニカム構造のような効果を生み、橋の上下をしっかりと支えています。知的で印象的な作品です。


まだ工事中

つくば市立春日学園義務教育学校 渡辺 莉緒 さん
<製作者の作品アピール>
ボール紙をたてと横にはめこんで組み立てることで強くしました。ブルドーザーの立体感を出すためにスポンジを使いました。
        
<審査員の講評>
まだ工事中?この作品はとてもユニークです。四角形が連続した構造は見るからに強固で、上に乗ったショベルカーがそれを強調しています。ものづくりの力強さが表されています。





令和元年度構造デザイン賞は、以下の5作品です。作品について、福田審査員、金澤審査員より講評を頂きました。

スタイリッシュブリッジ

つくば市立二の宮小学校 林 千陽 さん
<製作者の作品アピール>
シンプルで強く、美しい橋を目指しました。かざりにたこ糸を使って、かげも美しく見えるようにしたのがポイントです。
        
<審査員の講評>
ななめの柱とケーブルによる、斜張橋(しゃちょうきょう)のようなシルエットがまさにスタイリッシュです。柱がたおれないよう、中央の柱の上部にたこ糸でつなげています。


レインボースター夢ブリッジ

つくば市立島名小学校 戸村 泰介 さん
<製作者の作品アピール>
虹色の星部分と真ん中の歩道が異次元空間になっている所です。
        
<審査員の講評>
5つの星形の門は三角形の組み合わせによるトラス構造となっています。星の真ん中を通る、とう明のトンネルも全体が三角形のトラス構造になっていて、橋全体をとても強くしています。


2020へ号!

つくば市立手代木南小学校 原田 知翔 さん
<製作者の作品アピール>
ジャバラ構造を青と白の市松模様にして、東京オリンピックをイメージしました。線路をハニカム構造にして、補強しました。
        
<審査員の講評>
線路と車両が一体化した段(だん)ボールの様な構造は、一番下の線路で一段、車両の部分で四段、合計五段重ねで作られていて、波形の紙をたてにすることで、橋全体をとても強固にしています。


シドニーハーバーブリッジミニチュアモデル

つくば市立沼崎小学校 岡野 智志 さん
<製作者の作品アピール>
シドニーハーバーブリッジがきれいだったので、構造をおおよそ一緒にしました。8ミリ角の四角柱を組み合わせ、板状の部品で強化しました。
        
<審査員の講評>
部品をていねいに組み立てて、シドニーにかかるハーバーブリッジを正確に再現しています。アーチを構成するトラス構造は特にしっかりと作られていて、橋全体をより強くしています。


秋橋

つくば市立手代木南小学校 望月 千広 さん
<製作者の作品アピール>
橋のうら側は細長い三角形の組み合わせで折り、丈夫で見た目も美しい橋にしました。橋の上のもみじは、秋らしい色と、配置にもこだわって作りました。
        
<審査員の講評>
非常に少ない材料で美しい太鼓橋(たいこばし)を形作っています。特に下側の1枚のボール紙は、おそらくこの折り紙の技術のみで1kgの重りをのせることが出来ると思います。





令和元年度美術デザイン賞は、以下の5作品です。各作品について、佐山審査員より講評を頂きました。

枯山水の橋

つくば市立秀峰筑波義務教育学校 杉山 大知 さん
<製作者の作品アピール>
白と影の色合いが美しかったので、シンプルな形にしました。箱形の中をハニカム構造にして強化し、また、紙を何重にも折ることで、橋を頑丈にしました。
        
<審査員の講評>
日本の美「和」の世界をこんな形で橋にする発想と表現力は、すばらしい風格を放っています。外国人旅行者がこの橋を見たら、時をこえた世界にビックリすることでしょう。


木とレンガの橋

つくば市立葛城小学校 荒川 悠聖 さん
<製作者の作品アピール>
公園にあるようなやさしい感覚を表現するために、手すりは木、通路はレンガをイメージして作りました。
        
<審査員の講評>
やさしい橋を作るという考えがきちんと表現されていますね。近づいてみると、ていねいな接着や色付けなどの高い工作技術が見え、じんわりと静かな感動を覚えます。


月のはし

つくば市立葛城小学校 小川 実桜 さん
<製作者の作品アピール>
モザイクタイル風にしあげました。月と星(天の川)をイメージしました。月に穴をあけたので、そこから見える景色を想像してほしいです。
        
<審査員の講評>
ユネスコ世界遺産(いさん)バルセロナのグエル公園にいるようです。タイルもようは一つ一つがていねいに書かれており、根気強く最後までされた仕上げが、心地よい集中力を感じます。


なげればし

つくば市立柳橋小学校 髙野 快晴 さん、篠崎 七翔 さん (グループ名:やぎっ5)
<製作者の作品アピール>
願いがかなうように、ながれぼしの橋を作りました。流れ星を切りぬいたところに、セロハンと金紙をはりカラフルにしました。 6個のひし形を合わせて中に三角形のボール紙をいれ、形を整え、重さに耐えるよう工夫しました。
        
<審査員の講評>
「ながればし」、「流れ星」、まずはタイトルにニンマリ。橋全体が大きな流れ星で宇宙(うちゅう)空間を表し、その中に小さな流れ星を切りぬき、カラフルなセロハンで演出しています。


お城への入口

つくば市立春日学園義務教育学校 高橋 一歌 さん
<製作者の作品アピール>
石がきを一つ一つはりました。門を動くようにして、強度を高めるために、1まいの紙で段差をつけました。
        
<審査員の講評>
石でできた階だん状の橋をわたると、橋の真ん中にそびえる円筒(えんとう)形の大きな柱があり先をふさいでいるのですが、実はその柱の金のとびらがスルスルと上がる仕組みになっています。





令和元年度努力賞は、以下の5作品です。作品について、本松審査員、中島審査員より講評を頂きました。

ロングロング橋

つくば市立吉沼小学校 櫻井 琉翔 さん
<製作者の作品アピール>
橋を長く見せるために、道が開くように工夫しました。
        
<審査員の講評>
他の作品にはない「長さ」。最初は3つに折りたたんでありますが、広げるととても長くなります。どんなところにかける橋なのか、いろいろと想像できるスケールが大きな橋です。


花かご橋

つくば市立大曽根小学校 松田 寧々 さん
<製作者の作品アピール>
橋となる部分を、かごを作るようにあみこんで、橋の強化をしました。橋を渡る人が、幸せな気分になれるよう、たくさんの花をつけて華やかに仕上げました。
        
<審査員の講評>
全体が大きな花かごのように美しくて華やかな橋です。橋げたの部分は細く切ったボール紙を丁寧に編み込んでおり飾りとしての花や葉も、色や大きさのバランスを考えて仕上げています。


みんなが通れる森の橋

つくば市立九重小学校 倉田 眞瑠 さん
<製作者の作品アピール>
下には車が、上には動物がとおるように作りました。
        
<審査員の講評>
丸くて大きな橋は、車が走れるように大きく作られています。上側には小さな木材で小動物が通れる道が作られています。森の中で車も人も動物も仲良くできるような楽しい橋です。


アートブリッジ

つくば市立栄小学校 相馬 琉惺 さん
<製作者の作品アピール>
強度を上げるために、三角柱を橋の中に均等に配置しました。見る角度によって、見え方が変わります。
        
<審査員の講評>
細部にとても時間をかけて作られています。歩く部分はリズミカルな市松もようで、カーブした屋根の部分がアクセントになり、橋全体がすてきなアートになっています。


ねぶた橋

つくば市立東小学校 鈴木 里彩 さん
<製作者の作品アピール>
青森のおばあちゃんとつくばのおばあちゃんをねぶたの橋でつなぎました。
        
<審査員の講評>
「青森のおばあちゃんとつくばのおばあちゃんを橋でつなぐ」という作者の想いに心を打たれました。橋を見上げてふる里を思い出したり、大好きな人を思ったりできる作品です。





土木の日2019賞は、以下の1作品です。「土木の日2019」一般公開で投票頂いた皆さま、ありがとうございました。

飛行船橋

学園の森義務教育学校 松田 悠雅 さん
<製作者の作品アピール>
球状の土台を、風船の張子で作りました。
        


※「土木の日2019賞」とは?

「土木の日2019賞」は、「土木の日2019」研究所一般公開(令和元年11月23日(土))で作品をご覧いただいた来場者の皆さまによる賞です。
 「ボール紙で作る橋コンテスト」は、26年にわたる歴史のなかで、のべ約10,000名の児童による7,000以上の作品の参加がありました。 作品投票は、コンテストの四半世紀の歴史を記念し、参加者への感謝の意味をこめて、平成30年より実施しています。