ヒトと生き物を護る下水道の新しい役割

 

下水道研究官  高橋 正宏

 

 日本の都市部での下水道整備は大きく進展し、下水道無しの生活はもはや考えられなくなっている。家庭やビルから大量の下水が下水処理場に流入し、処理されて川や海に排出されている。下水処理は、BODを指標とする有機物や大腸菌などの細菌を除去、消毒し、更に高度処理を行うとりん・窒素といった富栄養化の源となる栄養塩類も除去できる。しかし、最近は、ノニルフェノール等の環境ホルモンによるコイのメス化、通常の処理では消毒されないクリプトスポリジウムによる水系感染症など、新たな問題が顕在化している。本講演では、これらの問題と下水道との関係を述べ、下水道が果たすことのできる役割を紹介する。




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