>沿岸域

研究室の紹介
 沿岸域を総合的に開発・利用および保全していくうえでは,沿岸域における産業,輸送,漁業,生活などの人間活動と,海象,気象,地象,生態系などの自然機構を広い視野のもとに調和させる必要がある.また,沿岸域の状態や利用は,域外の事象と相互影響を持つとともに,自然や人間に起因する多くの不確実性を持っている.このために,当研究室では,これらの諸課題に対する現実的な対処方法を研究しています。

研究課題
港湾整備に伴う温暖化ガス排出の推計手法の研究
 大規模な施設整備とその上に成立する大量の物資輸送を中心とする港湾活動は,大量の物質・エネルギーの消費を伴うため,その整備・運営において環境負荷の最小化の努力が求められる.これを実践してゆくためには原材料採取・製造・使用・廃棄の全ステージを通した環境負荷を評価する手法が必要である.そこで,代表的な負荷である温暖化ガスを対象にライフサイクルアセスメント(LCA)手法をとりまとめる。


常時微動観測による地下構造推定の概念図
 

 

海面埋立と各種経済指標の関係分析

海面埋立は,環境問題の争点となる沿岸域の開発のなかで,最も典型的な開発様式である.沿岸域を調和の取れた形で総合的に利用して行くためには,海面埋立の現状をできるだけ正しく把握することが必要である.このため,海面埋立を各種関連経済指標との関係から分析し,その特徴を整理する。


閉鎖性海域の水質改善に関する住民意識の分析
 沿岸開発における開発と環境保護の問題で住民運動が生まれる背景には,事業者と住民の意識の間にギャップが生じていると考えられる.そこで,閉鎖性海域における水質改善を事例として住民意識を調査し,その傾向を分析し,湾域利用に伴い発生する環境問題への対応策を検討するための一助とする。

海表面における風速場・流速場の把握のための研究
 沿岸域における環境保全や防災対策の策定のために,水深の影響や複雑な沿岸地形に対応した高精度な波浪予測手法の開発を行う.特に風から波へのエネルギー輸送や砕波によるエネルギーの散逸過程を風洞水槽実験用いた実験から明らかにし,それらをモデル化することで高精度波浪予測手法を構築し,それを技術基準に反映する。

信頼性設計に関連したマウンドの支持機構(内的安定性)に関する模型実験の様子
 

 

沿岸域の総合的な利用のための計画要素の抽出
 調和の取れた沿岸域の利用を導くという大目標を出発点として,沿岸域計画において考慮すべき計画要素の抽出を試みる。





研究者情報
室   長 鈴木 武 沿岸域計画,システム分析
主任研究官 高田 悦子 海岸工学
研 究 官 水谷 夏樹 実験流体力学
研 究 官 村野 昭人 地球温暖化




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