平成16年新潟県中越地震に伴う斜面崩壊について

国土交通省国土技術政策総合研究所砂防研究室、独立行政法人土木研究所土砂管理研究グループでは、平成16年10月23日に発生した平成16年新潟県中越地震によって発生した崩壊の判読を行いました。その結果、余震の震央に近い新潟県古志郡山古志村の西部では、4.7%の崩壊面積率であることがわかりました。
地震に伴って崩壊が発生した過去の事例と比較しても今回の地震による被害の程度の大きさが示唆されます。

地震被害 崩壊面積率(%) 判読対象面積(ku) 文献 備考
新潟県中越地震(2004) 4.7 21 崩壊地、流下堆積範囲を含む
台湾集集地震(1999) 7.0
(13.3)
690 林ほか(2002) (地震後の台風による崩壊を含む)
兵庫県南部地震(1995) 0.2 140 建設省資料
新潟地震(1964) 0.2 151 大村ほか(1980)
関東大震災(1924) 15.2 53 山口・川辺(1982) 地震後の降雨による崩壊を含む
7.0 86 自然災害科学総合研究班(1982)
4.5 100 安江・仲野(1981)
 

山古志村の西部における斜面崩壊、地すべり分布図

※崩壊地の判読には平成16年8月13日(地震前)および10月24日(地震後)のIKONOS衛星画像を比較し、崩壊地を抽出した結果です。抽出した範囲には流下堆積範囲を含みます。立体視のできない画像を用いているため誤判読もありうる暫定的な結果です。