【速報】平成20年(2008)年岩手・宮城内陸地震への地震時斜面危険度評価手法の適用


平成20年(2008年)6月14日8時43分に岩手県内陸南部を震源とする平成20年(2008年)岩手・宮城内陸地震が発生しました(気象庁)。 揺れの強かった地域では、土砂災害が多数発生しています。
国土技術政策総合研究所危機管理技術研究センター砂防研究室で開発した地震時斜面危険度評価手法によって今回の地震による斜面崩壊の危険度評価を行った結果を掲載します。


本手法は、斜面の傾斜と平均曲率、および地表面の最大加速度を用いて、崩壊しやすい斜面の概略判定をする方法です。 詳細については、国土技術政策総合研究所資料の第204号「地震による斜面崩壊危険度評価手法に関する研究 (内田太郎,片岡正次郎,岩男忠明,松尾修,寺田秀樹,中野泰雄,杉浦信男,小山内信智 )」をご覧ください。

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図1 計算対象地域の位置図 図2 計算対象地域の標高と地名

解析した範囲は土砂災害や天然ダムが多数発生した磐井川、一迫川、二迫川、三迫川を含む範囲としました。
図1は広域図です。図2は図1で示した計算範囲を拡大した図で、色は標高をメートルで表しています。また、一部地名を記載しています。


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図3 計算結果 図4 計算結果(多数の土砂災害が発生した地域を拡大)

地形のデータは、今回の地震で山が崩壊するまえの地形を表している国土地理院の数値地図50mメッシュ(標高)を使用しました。 また、地震の加速度データは(独)防災科学技術研究所の強震観測網K-NETのデータの使用しました。
数値標高は50mから10mに補間したのち、傾斜と平均曲率を算出しています。
図3と図4は、色が赤いほど崩壊の可能性が高いことを表しています。花山湖上流の両岸の斜面で色赤い部分が多くみられます。
図3は図2と同じ範囲で計算した結果を示したものです。図4は図3の中央下にあたる花山湖、二迫川、三迫川の上流部部分を拡大したものです。


国土技術政策総合研究所 砂防研究室 2008/06/20