研究成果 論文(概要)
タイトル
座屈推定による土中式ボラードの強度に関する検討
概要
車両の衝突に対して抵抗できる高い耐衝撃性をもつボラード(以下、「耐衝撃性ボラード」という。)は、国内ではあまり普及していない状況にあり、基準等もなかった。交差点の歩道で待機する歩行者等の保護対策に対するニーズの高まりを受け、令和3年3月に「ボラードの設置便覧」が発刊され、ボラードの設置や耐衝撃性ボラードの強度性能の考え方が示された。本便覧における耐衝撃性ボラードは、車両用防護柵を連続的に設置できない交差点の横断歩道接続部などに設置することを前提としており、歩道への車両の進入を防止することを目的としている。交差点で直進車と右折車が衝突(右直事故)して進行方向が変わった直後車が歩道に進入する場合、車両は歩道に対して斜めに進入して耐衝撃性ボラードに1本ずつ順番に衝突していくことが予想される。その衝突時に車両のエネルギーが吸収されるため、耐衝撃性ボラード1本が吸収するエネルギー量が分かれば、何本で車両の衝突エネルギーを吸収することができるかが分かる。なお、「ボラードの設置便覧」では、車両の衝突に対して最大4本の耐衝撃性ボラードで抵抗することを基本としている。これらのことから本稿においては、耐衝撃性ボラードの強度(エネルギー吸収量)に関する考え方を整理し、地下埋設物への影響を小さくした耐衝撃性ボラードの構造を検討した。
書誌情報
第34回日本道路会議論文集 No.1052
著者
久保田 小百合, 池原 圭一