研究成果 論文(概要)
タイトル
生活道路対策エリアにおける対策前後の車両挙動の変化に関する傾向分析
概要
道路交通安全のさらなる向上のためには、自動車交通を担う幹線道路と人中心の暮らしの道である生活道路が機能分化され、生活道路がその機能に応じた適切な方法で使われることが望まれる。しかし、ドライバーが道路を生活道路であると認識することによる車両挙動の変化の実態や、車両挙動と事故削減の関係については、十分に明らかになっているとは言えない。そこで本研究では、生活道路であることの認識と道路の使い方に関する意識調査を行ったうえで、複数の生活道路対策エリアを対象に、対策前後の車両挙動の変化の実態を分析した。そのうえで、事故件数の減少が確認されたエリアの傾向と全体の傾向を比較した。その結果、対策を実施したエリアでは、対策後に車両の速度や急挙動の発生頻度が低下する傾向が確認された。そのうち事故件数の減少が確認されたエリアでは、速度、急減速において特にこの傾向が強く、これらの値が事故の減少につながる車両挙動の変化を示すものである可能性が考えられた。
書誌情報
土木計画学研究・講演集 Vol.61
著者
大橋 幸子, 野田 和秀, 小林 寛