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バリアフリー

高齢社会の進展と、道路利用者
交通バリアフリー法
歩道空間におけるバリアフリー化
道路空間高度化研究室における研究
  1)歩道高さ
  2)路面勾配

高齢社会の進展と、道路利用者  TOP
 我が国は、世界的にもかつて例のない速さで高齢社会を迎えています。1995年現在、65歳以上のいわゆる高齢者人口の割合は14.8%で、先進諸国に比べても高い割合を示しています。高齢者人口は、2015年には総人口の26%に達し、国民の4人に1人が高齢者という社会が到来するものと予測されています(国立社会保障・人口問題研究所:日本の将来推計人口(平成14年1月推計))。高齢者は、加齢につれて歩行能力や体力の低下、視力等の低下を伴い、その結果、段差や路面の凹凸につまずきやすくなったり、狭い幅員での歩行が困難となってきます。

 また、ノーマライゼーションの考え方の浸透を背景に、車いす使用者や視覚障害者にも利用しやすい歩行空間が望まれています。このような点から、高齢者や障害者を含めた歩行者が安全に通行できるよう、通行する部分の幅員を確保することや、段差・勾配を縮小すること、路面を平坦化すること、道路を横断する際の安全性を確保することなど、空間整備をはじめとした対策が求められています。


(出典)国立社会保障・人口問題研究所:日本の将来推計人口(平成14年1月推計)・中位推計
総人口と高齢者人口の推移・予測
交通バリアフリー法  TOP
 2000年11月には、高齢者や身体障害者さらには妊産婦など、様々な人々が公共交通機関を利用して移動する場合を考慮し、移動の利便性や安全性の向上を促進することを目標として、「交通バリアフリー法」が施行されました。「交通バリアフリー法」は、その正式名称を「高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化の促進に関する法律」といい、次の諸策により移動空間のバリアフリー化が進められることになりました。
  1. 駅、バスターミナル、旅客船ターミナル、航空旅客ターミナル、あるいは鉄道車両、バス、旅客船、航空機などのバリアフリー化を推進する。
  2. 駅などの旅客施設を中心とした一定の地区において、市町村が作成する基本構想に基づいて、旅客施設、周辺の道路、駅前広場、信号機等のバリアフリー化を重点的かつ一体的に推進する。
歩行空間におけるバリアフリー化  TOP

 歩道など歩行空間が途切れている場合や、歩行空間の幅員が狭い場合などは、高齢者や障害者の通行に対して問題となります。これら問題点を改善していくことは、歩行空間におけるバリアフリー化を進める第一歩となります。

 具体的なバリアフリー化の着眼点は次のように整理できます。

  1. 歩行者のための空間が連続的に広がるように計画・整備する。
  2. 高齢者・障害者が安心して通行できる空間・幅員を確保する。
  3. 勾配を小さくし、段差は適切な処理をして、高齢者・障害者が支障なく通行できるようにする。
  4. 疲れたり迷ったりすることなく通行できるように、各種施設を適切に配備する。
道路空間高度化研究室における研究  TOP

1)歩道高さ

 歩道は、「車道より一段高い方が安心感がある」とされてきました。しかし、一段高いが故に、歩道に段差や勾配が生じているのも事実です。そのため当研究室では、35名の歩行者に参加していただき歩道の高さ(縁石高さ・歩行面高さ)に関する実験を行いました(車道を自動車が走行し、歩道上での危険感等を回答いただきました)。

 実験で得られた危険感等に関する評価は図のとおりです(注:歩道種類の「10−10」とは「縁石高さ10cm、歩行面高さ10cm」の略記。縦軸は「問題でない」とした割合)。この結果、1)歩道の幅員が広いほど歩行者の評価は高い、2)歩行者の評価は、歩道の種類とはあまり関係しない、という2点がわかりました。今後は、幅員が広く、歩行面の高さを抑えた歩道形状としていくことが、バリアフリー構造として望ましいと考えられます。

写真 実験用歩道
実験用歩道
写真 実験状況
実験状況
グラフ 歩行者の評価
歩行者の評価(自動車の走行速度60km/h)
2)路面勾配  TOP

 歩道上の勾配は、高齢者や車いす使用者の通行に問題を生じさせます。当研究室では、33名の手動車いす使用者に参加いただき、歩道に生ずる勾配と車いす使用者の通行のしやすさについて実験を行いました(2%、4%、6%、8%、10%の5種類の勾配を通行いただき、危険感等を回答いただきました)。

 この結果、車いす使用者の通行する方向に勾配が生じる場合(縦断勾配)では、6%程度までの勾配ならば、多少速度が低下するものの支障や危険感はそれほど大きくなく、通行が可能であるといえました。一方、車いす使用者の進行方向と直角方向に勾配が生ずる場合(横断勾配)は、4%程度の勾配まで通行が可能であるといえました。これらの結果は、道路の構造基準を改訂する際に、基礎実験データとして参考にされています。

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