第1回 はじめに

ダムを巡っては、「環境破壊」「無駄な投資」といった批判が多く出されています。ダムは本当に無駄なものなのでしょうか?また、環境を守るためにダムを壊してしまうことが適当なのでしょうか?ここでは、皆さんと一緒にダムを巡る問題について考えていきたいと思います。
平成14年7月の台風6号は東海地域に被害をもたらしました。
我が国はは、全人口の50%、資産の75%が河川の下流域に広がる河川氾濫域、すなわち洪水の危険がある場所に存在します。
堤防はこうした洪水から私たちの生活を守っています。しかし、堤防だけで洪水から私たちの生活を守ることが可能でしょうか?
西日本では今年も渇水が心配されています。お金を貯めるのと同じように、水を貯めておくところが必要ですね。
人口増加が緩やかになり、工場が海外に移転していくと水もいらなくなる、だからダムはいらない。山に木を植えて、ダムを壊せ。本当にダムは不要なのでしょうか?
ダムを造ると環境が大きく変わります。だからダムを造るべきではない、というのは少し単純すぎないでしょうか?
ダムによるメリット、デメリットを比べて考えることが大切だと思います。ダムは太陽エネルギーを効果的に利用し、二酸化炭素の排出が少ないエネルギー源にもなっています。環境をトータルに考えることも必要ではないでしょうか?
もちろんダムを造るべきかどうかは、皆さんで議論して考えていくべきです。ダムについて気になることも皆さんお持ちだと思います。じっくりと話し合う場を設けることが何よりも大切でしょう。

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