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樹木のCO2
固定能力の評価
景観の保全・形成
歴史まちづくり
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国土交通省 国土技術政策総合研究所 環境研究部 緑化生態研究室

所外発表 2012年度

津波による倒伏被害に強い海岸林のマツ再生

発行年:2012
著者名:飯塚康雄

東日本大震災による津波に被災した海岸林において,残存したマツと倒伏したマツが混在した林地に着目し,両者の特徴を比較することにより倒伏要因を明らかにした結果から,海岸林の再生にあたっての樹木育成目標について報告する.

新都市,Vol.66,No.7,pp17-21


緑化分野におけるLCCO2に関する検討−街路樹を対象とした事例−

発行年:2012
著者名:山岸裕・松江正彦

本研究では,街路樹を対象として,植栽から老朽化して伐採されるまでをライフサイクルとしてとらえ,植栽工事から維持管理にかかるCO2発生量,剪定枝葉・街路樹本体等に蓄えられたCO2固定量,剪定枝等の植物発生材を有効に利用した場合のCO2削減量などを総合的にとらえLCA(ライフサイクルアセスメント)評価を行った.

土木技術資料,Vol.54, No.7,pp14-19


街路樹剪定枝の有効利用を想定した処理・処分方法別のCO2削減効果の推計

発行年:2012
著者名:山岸裕・栗原正夫

本研究では,街路樹等の都市緑化樹木の維持管理によって大量に発生する剪定枝に着目し,有効利用を行った場合のCO2削減量の推計を行った.さらに,通常行われている焼却処分と比較し,CO2削減量の評価を行った.剪定枝の処理・処分方法としては,木質バイオマスの有効利用に用いられている,燃焼(熱利用・発電),堆肥化,炭化,ペレット化,チップ化,ガス化,バイオエタノール化を対象とし,アンケート調査により事例を収集した.

環境情報科学 学術研究論文集,No.26,pp237-242


歴史まちづくり法認定都市における歴史的建造物の復旧過程に関する調査

発行年:2012
著者名:曽根直幸

歴史まちづくり法に基づき,国の認定を受けて地域の歴史や文化を活かしたまちづくりに取り組む都市のうち,東日本大震災で歴史的建造物に被害を受けた茨城県桜川市を対象とし,真壁地区における歴史的建造物の復旧過程を調査した.その結果,法制度の活用や現場での技術的な工夫により,多くの歴史的建造物の復旧が進められていることを把握することができた.

平成24年度日本造園学会関東支部支部大会事例・研究発表資料集,No.30,pp25-26


都市公園に係わる技術基準等における景観の位置づけに関する研究

発行年:2012
著者名:曽根直幸・阿部貴弘

都市公園に関わる技術基準等において景観への配慮がどのように位置付けられているのか,考え方や具体的内容の整理を行った.その結果,公園の配置及び規模に関する基準,公園施設の構造等に関する基準として定性的規定及び定量的規定が設けられてきたこと,当初から景観形成が事業の本来目的として認識されていたものの基準として示されたのはごく一部であること,制度改正に対応して基準や指針等の内容も変化していることが分かった.

景観・デザイン研究講演集,No.8,pp200-205


都市における再生可能エネルギー活用の推進−都市の植物廃材の利用−

発行年:2013
著者名:曽根直幸・山岸裕・栗原正夫

公園・街路等から発生する未利用の剪定枝・刈草等を再生可能エネルギーとして活用し,災害にも強い低炭素・循環型都市の実現を図るため,様々な技術の都市における活用可能性の検討,国営公園をフィールドとした小規模ガス化発電技術の実証実験など,都市由来の植物廃材に適したエネルギー利用手法に関する研究開発を行っている.

土木技術資料,Vol.55, No.1,pp12-15


マイクロチップを用いた小型サンショウウオ類の行動追跡と生息地利用の解明

発行年:2013
著者名:園田陽一・上野裕介・松江正彦・栗原正夫

マイクロチップの装着による個体識別とトランスポンダーを用いた個体の移動状況の把握は,様々な動物調査で採用されるようになってきたが,小型サンショウウオ類を対象とした例は多くない.そこで本研究は,マイクロチップを装着したクロサンショウウオの行動を追跡し,生息地利用を明らかにするとともに,本手法の技術的な課題を明らかにすることを目的とした.調査は,一般国道253号線八箇峠道路(新潟県十日町市)近くの小型サンショウウオ類の産卵池とその周辺で実施した.

第60回日本生態学会講演要旨集,p.330


河川における外来植物の使用実態とその逸出リスクの地域差

発行年:2013
著者名:畠瀬頼子・小栗ひとみ・松江正彦・栗原正夫

河川管理では堤防の被覆や河川敷公園の植栽等で外来植物を含む多くの植物が利用されている.一方,河川環境中には多種の外来植物が逸出・定着しており,その一部は自然環境保全や河川管理上の課題となっている.このため,影響を回避しつつ植物を利用していくためには,利用される植物の逸出・定着のリスクを把握する必要がある.そこで,アンケート調査により河川における外来植物の使用実態を把握した上で,利用されている種類の河川での確認状況と比較し,逸出リスクの地域による違いを検討した.

ランドスケープ研究,Vol.76,No.5,pp477-482


インターバルカメラを用いたオオキンケイギクの開花量の推定方法

発行年:2013
著者名:小栗ひとみ・畠瀬頼子・松江正彦・栗原正夫

特定外来生物オオキンケイギクについては,堤防等の除草による防除の取り組みが進められているが,結実後の除草など管理時期の設定が適当でない事例が見受けられる.より効果的・効率的に防除を行うためには,当該地域におけるオオキンケイギクの開花結実の時期を正確に把握し,最適な管理時期を設定することが必要である.そこで,インターバルカメラを用いて連続撮影した画像から,開花状況の推移を定量的に把握する手法について検討を行い,開花数の現地計測との比較によりその有効性を検証した.

ランドスケープ研究,Vol.76,No.5,pp493-496