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景観の保全・形成
歴史まちづくり
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国土交通省 国土技術政策総合研究所 環境研究部 緑化生態研究室

所外発表 2011年度

ゴルフ場の生物多様性保全に向けて (特集 都市近郊におけるゴルフ場の生物多様性保全における役割)

発行年:2011
著者名:園田陽一

ゴルフ場における生物多様性の現状についてのレビューと先行研究や保全事例を基に今後のゴルフ場における生物多様性保全へのあり方を整理した.

ランドスケープ研究,Vol.75,No.1,pp48-50


樹木の可視化技術の現状

発行年:2011
著者名:飯塚康雄

植栽樹木の幹内部や土壌中に分布する根系を対象として非破壊・非掘削で画像診断する可視化技術について現状をとりまとめた.

グリーン・エージ,No.448,pp36-39


地域生態系保全のための緑化技術の開発

発行年:2011
著者名:松江正彦

平成23年2月1日に開催された日本緑化工学会の公開シンポジウム「斜面緑化の過去・現在そして未来」で話題提供をした「生物多様性に配慮した緑化工法の現状と課題」の講演内容をまとめ特集記事としたもの.のり面緑化における要注意外来生物の利用状況や,森林表土利用工や自然侵入促進工の利用状況を照会するとともに,森林表土利用工の,全国ののり面に施工現場における植生の成立状況,共通的な課題とのその対応等について紹介した.

日本緑化工学会誌,Vol.36,No.4,pp456-461


栃木県真岡市の切土のり面における駆除処理2年後のイタチハギの再生状況

発行年:2011
著者名:久保満佐子・松江正彦・柏木亨

外来植物であるイタチハギについて,薬剤処理と伐採による駆除処理から2年後には萌芽によりイタチハギが再生し,種子生産を行っていることが明らかになった.再生力の強さから,イタチハギは特に注意すべき外来種であることを報告した.

日本緑化工学会誌,Vol.36,No.4,pp490-494


奥多摩橋―住民の想いがつないだ橋―

発行年:2011
著者名:阿部貴弘

土木学会選奨土木遺産となっている奥多摩橋に関して,建設経緯や歴史的な価値に関して概要を報告した.

土木学会誌,Vol.96,No8,pp38-39


地上型レーザースキャナを用いた樹木の形状及び体積計測の試み

発行年:2011
著者名:山岸裕・松江正彦

地上型レーザースキャナにより街路樹として植栽されているイチョウ,プラタナスの地上部を計測し,計測データの編集及び樹木のサーフェスモデルを作成することにより地上部の体積計測を行った事例について報告した.

日本緑化工学会誌,Vol.37,No.1,pp241-244


生物多様性とのり面緑化―外来種を用いないのり面緑化手法の確立―

発行年:2011
著者名:松江正彦

生物多様性の確保の要請に対する,のり面緑化の現場における現状と課題について,外来種の利用状況や,森林表土利用工や自然侵入促進工など,国総研緑化生態研究室で進めている研究成果に触れながら紹介した.

ベース設計資料,No.150,pp49-52


豊かでうるおいのある道路空間をめざして〜道路緑化技術基準〜

発行年:2011
著者名:松江正彦

特集「技術基準・温故知新」の一環として,道路緑化技術基準の変遷について,昭和51年の「道路緑化技術基準」の策定の経緯から,昭和63年の改正に至るまで,当時の社会的背景とともに俯瞰した.

道路,No.843,pp62-65


歴史的風致維持向上計画にみる歴史まちづくりの現状と土木史研究に期待される役割

発行年:2011
著者名:阿部貴弘・北河大次郎・脇坂隆一

地域における歴史的風致の維持及び向上に関する法律の制定・施行をきっかけとして,まちづくりにおける土木遺産の活用に対する要請が急速に高まっている.本論では,国の認定を受けている歴史的風致維持向上計画の記載内容についてレビューするとともに,各認定都市に対するアンケート調査により,歴史まちづくりの取組みの現状と課題を把握・整理した.さらに,現状と課題を踏まえ,歴史まちづくりの取組みを進めるうえで土木史研究に期待される役割を抽出し,特にインフラ整備の視点からの都市構造の総合的な評価や,実践的・実務的な土木遺産の保全・活用技術の構築等の研究が期待されていることを指摘した.

土木学会論文集D2(土木史),Vol.67,No.1,pp49-63


公共事業の景観創出が地域のまちづくりに及ぼす効果に関する研究

発行年:2011
著者名:阿部貴弘・松江正彦・福島秀哉

国土交通省国土技術政策総合研究所では,主に公共事業の現場の技術者に向けて,地域のまちづくりに効果を及ぼすことを意識した景観創出を進めるための知見や情報を取りまとめた『みちしるべ』の作成に取組んでいる.この『みちしるべ』の作成にあたっては,事例調査に基づく景観創出効果の類型化,効果の相互関係及び効果と景観創出の取組み手法との関係の分析,さらに,効果の発現プロセスの分析等を行っている.本論では,『みちしるべ』作成の中間報告として,これまでに一定の取りまとめを行った,公共事業における景観創出が地域のまちづくりに及ぼす効果の類型化について報告し,効果の発現を意識した景観創出の推進に資する知見を提示する.

景観・デザイン研究講演集,No.7,pp191-200


公共事業における景観整備効果の経済評価手法に関する一考察

発行年:2011
著者名:福島秀哉・松田泰明・阿部貴弘

本論は,公共事業における景観創出効果に関する基礎的研究として,事業評価に用いられている経済評価手法,及び,既往の景観整備効果の分類・整理体系化に関する研究について,その現状と課題について考察するとともに,試論として,景観整備効果の分類・整理体系化に関する既往の成果を活用したCVMによる経済評価手法の枠組みについて提案するものである.

景観・デザイン研究講演集,No.7,pp201-206


歴史的風致維持向上計画の進行管理・評価システムの構築に関する報告

発行年:2011
著者名:阿部貴弘・脇坂隆一

地域における歴史的風致の維持及び向上に関する法律の制定以降,歴史的風致維持向上計画の認定は着実に進み,各地で歴史的風致の維持向上に向けた取組みが進んでいる。その一方で,歴史的風致維持向上計画に基づく施策や事業の実施にあたり,計画の進行管理・評価の視点を取り入れる必要性が強く指摘されている.こうした背景を踏まえ,国土交通省では,平成22年度に歴史的風致維持向上計画の進行管理・評価システムを新たに検討・構築し,平成23年度からシステムを本格運用する予定である.本論は,平成22年度に構築した歴史的風致維持向上計画の進行管理・評価システムの設計意図や設計過程に関する報告を通して,関連分野における計画の進行管理・評価の取組みに資する知見を提示することを目的とする.

景観・デザイン研究講演集,No.7,pp230-239


緑化のり面におけるイタチハギの駆除処理と再生

発行年:2012
著者名:久保満佐子

外来植物であるイタチハギについて,薬剤処理と伐採による駆除処理から2年後には萌芽によりイタチハギが再生し,種子生産を行っていること,在来の植生を残してイタチハギのみを伐採する方法が本種の駆除の方法として適切であることを報告した.

日本緑化工学会誌,Vol.37,No.3,pp386-388


施肥量の違いが埋土種子の発芽および初期成長に及ぼす影響

発行年:2012
著者名:久保満佐子・松江正彦

異なる施肥量で二次林及び草地の表土に含まれる埋土種子の発芽実験を行い,植被率と在来植物および外来植物の成長を調べた.その結果,施肥量の多さによる全体の植被率に差はみられず,在来植物と外来植物の被度は表土により異なった.

日本緑化工学会誌,Vol.37,No.3,pp429-432


斜里エコロードにおけるGPS首輪を利用したエゾシカのモニタリング施肥量の違いが埋土種子の発芽および初期成長に及ぼす影響

発行年:2012
著者名:園田陽一・松江正彦

本研究は,セミリアルタイムでデータを取得できるGPS首輪を用いてエゾシカの行動追跡を行った.また,越冬期の生息分布を明らかにするためにスポットライトセンサスを行った.これらの結果から、ロードキル発生予測や道路横断施設の設置,維持管理を行う上で必要なエゾシカの生息環境と移動の季節変化について報告した.

野生生物と交通研究発表会講演論文集,No.11,pp79-86


Road ecology in Japan-Mitigation for wild mammals-

発行年:2012
著者名:Sonoda, Y.・Matsue, M.

In many countries, several mitigation techniques are in use to minimize road-kill, habitat loss, and reduced habitat quality. In Japan, the significance of mitigation techniques is currently uncertain, and no standard procedures are being used to minimize the detrimental effects that road systems can have on wild mammals. Therefore, we studied the ecological effects of road-crossing structures (RCSs) in this country. We analyzed the biological and physical factors that contribute to the selection of RCSs by wild mammals. Furthermore, the future direction of mitigation techniques and the placement criteria in Japan is discussed.

5th East Asian Federation of Ecological Societies International Congress,Proceedings


礫河原におけるオオキンケイギク埋土種子の表土はぎとりによる除去効果

発行年:2012
著者名:小栗ひとみ・畠瀬頼子・松江正彦

オオキンケイギクは表土に多量の埋土種子を蓄積する.埋土種子による新たな個体の供給を効率的に防止するためには,表土のはぎ取りが有効と考えられるが,その場合オオキンケイギクの種子が多量に含まれる残土の処理が問題になる.そこで,表土はぎ取りによる埋土種子の除去効果と,残土中の埋土種子の減少速度を検証するため,木曽川中流域の礫河原において表土はぎ取りおよび残土のモニタリングを行った.表土はぎ取りによる埋土種子の除去率は80%程度となったが,残り20%は作業時の土壌のこぼれ落ちに起因するものと考えられた.また,防草シートでマルチングを行い発芽を抑制した残土中の生存埋土種子は,2年間で50%弱の減少率となった.

ランドスケープ研究,Vol.75,No.5,pp441-444


オオキンケイギクが侵入した河川敷における表土はぎとりによる礫河原植生の再生効果

発行年:2012
著者名:畠瀬頼子・小栗ひとみ・松江正彦

オオキンケイギクは表土に多量の埋土種子を蓄積する.そこで,オオキンケイギクの埋土種子による供給を防ぎ,、植生再生を進める方法として,、表土はぎとりが有効か検討するため,、木曽川中流域において表土はぎとりを実施し,3年間の調査を行った.表土はぎとりによるオオキンケイギク埋土種子の残存率は20%程度だったが,表土はぎとり2年半後までに再生したオオキンケイギクは実施前の1%以下であった.オオキンケイギクの再生抑制は生育環境改変の効果と考えられる.一方,カワラヨモギ,カワラサイコ等の礫河原固有植物は播種,管理の有無にかかわらず植被率が低かったが,表土はぎとりの1年後以降は徐々に個体数の増加が進んでいる.

ランドスケープ研究,Vol.75,No.5,pp445-450