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国土交通省 国土技術政策総合研究所 環境研究部 緑化生態研究室

所外発表 2007年度

植生基材吹付工施工後3ヶ月間の植生基材の耐侵食性

発行年:2007
著者名:細木大輔・柏木亨・松江正彦

植生基材吹付工施工後3ヶ月間の基材の侵食量を測定して,植生基材の耐侵食性について把握した.施工後3ヶ月間に侵食した厚さは,勾配63°の区画で0.55〜1.16cmであり,勾配45°の区画では0.15〜0.70cmと比較的小さかった.施工3ヶ月後に100mm/hの人工降雨を1時間降らせた結果,侵食厚の最大値は0.04cmであり,侵食基材重量の最大値は3.6g/uであった.これらの結果から,植生基材は施工後3ヶ月間は耐侵食性を保持していることが実験的に明らかとなった.

日本緑化工学会誌,Vol.33,pp9-14


都市環境における野生哺乳類の生息地としての緑地の管理・配置に関する研究

発行年:2007
著者名:園田陽一

土地利用および植生構造に対するタヌキの環境選好性についてGISおよびテレメトリ調査から明らかにし,都市の広域的なエコロジカルネットワークを計画する際の緑地の配置や緑地の管理について報告した.加えて,タヌキのロードキルの発生パターンから道路による環境影響を低減するためのミティゲーション手法について報告した.

道路と自然, Vol.137, pp28-30


「公共事業における景観アセスメント(景観評価)システム」の本格運用について

発行年:2007
著者名:原田佳道・福井恒明

2006年度より試行され,2007年4月より国土交通省所管公共事業を対象に本格運用を開始した景観アセスメントシステムについて,試行における課題を概観し、本格運用する制度の概要および各地整等での取組み状況について紹介した.

建設マネジメント技術,Vol.348,pp46-50


景観アセスメントシステムを中心とした景観施策の現状と展望

発行年:2007
著者名:福井恒明

道路に関わる事項を中心として国土交通省における景観施策の概要を説明する.特に2007年4月から全ての直轄事業を対象として本格運用が開始された景観アセスメントシステムの要点や,その先行事例について報告する.また,現在筆者らが取り組んでいる土木デザイン集成の編纂、景観形成の事後評価手法開発について紹介し,さらに,景観施策の推進に関して今後取り組むべき課題を紹介する.

交通工学,Vol.42増刊号,pp29-34


土木学会デザイン賞における土木デザインの評価分析

発行年:2007
著者名:福井恒明・岡田智秀

本研究は土木学会デザイン賞受賞56作品に対する選考委員の講評文から評価項目を抽出・整理し,作品種別ごとの評価傾向分析を通じ,土木デザイン共通の評価構造把握を試みることを目的とした.分析の結果,36の評価項目を抽出し,これらをデザイン体制,作品本体,周辺との関係性,波及効果,他作品との関係性の5つに分類した.また,これを用いて作品分野ごとの評価傾向を考察した.

景観・デザイン研究論文集,No.2,pp41-52


景観整備事業の効果と評価手法に関する研究〜横浜・汽車道をケーススタディとして〜

発行年:2007
著者名:福井恒明・角真規子・鈴木洋・兼子和彦

本研究は,景観整備における効果の把握とその評価手法の検討について,横浜・汽車道を対象にケーススタディを行ったものである.利用者へのヒアリングや周辺施設,市民団体へのヒアリングにより,汽車道の利用実態を把握し,@施設利用効果,A活動誘発効果,Bコミュニティ効果の3つの効果を把握した.また,利用者へのアンケート調査により,計画・設計意図と総合評価・個別評価を把握することで,景観評価の具体的な内容を明らかにした.さらに,来訪者の景観整備の評価構造として,計画に関する評価項目について,より評価が顕在化しやすい傾向があることが分かった.

景観・デザイン研究講演集,No.3,pp41-52


英国建築都市環境委員会(CABE)のデザインレビュー制度

発行年:2007
著者名:高松誠治・福井恒明

景観デザイン誘導・調整手法としての英国建築都市環境委員会(CABE)のデザインレビューの取組みを紹介する.1999年の設立以降,その存在感を増しているCABEは,研究,出版等さまざまな活動を通じて建築・都市環境デザインの質の向上を図ろうとしている.その中でも中心的な活動であるデザインレビューに焦点を当て,筆者の実体験も踏まえて,その活動が好調である要因を考察する.

景観・デザイン研究講演集,No.3,pp170-175


歴史的街路の印象に与える緑の導入効果に関する研究

発行年:2007
著者名:福井恒明・松江正彦・内藤充彦

本研究は,歴史的印象を有する街路において,その演出を考慮した緑化を実施する際の方針検討に資するため,街路の歴史的印象と道路敷地における緑との関係を評価する手法に関する検討を行うとともに,評価実験を実施し,歴史的街路における植栽導入の効果について分析するものである. まず伝統的街路における緑の姿について整理した上で,街路の歴史的印象を規定する要素,街並みの状態に着目した歴史的街路のタイプ分類を行い,緑の導入効果に関する仮説を提示し,これを検証するための実験を行った.その結果,歴史的街並みの原型を留めている街路では,街並みが改変されている街路に比べて歴史的印象の向上に関する緑の導入効果が低いこと,街並みが改変されている街路では街路の条件によって「連続高木」「連続低木」の導入効果に差が出ること等が明らかとなった.

景観・デザイン研究講演集,No.3,pp253-264


街路樹の危険性と診断機の開発

発行年:2007
著者名:飯塚康雄

街路樹の倒伏に関する危険性について,樹木の外観から確認する欠陥および幹内部の腐朽に対する評価について述べた.また,新たに開発した腐朽診断機器としてγ線を利用した診断機を紹介した.

都市緑化技術,Vol.64,pp29-33


機器による樹木腐朽診断

発行年:2007
著者名:飯塚康雄

樹木内部の腐朽を診断することが可能な機器の概要及び方法について,代表的な3機種における診断比較結果を基に利点や欠点を踏まえて紹介した.

樹木医学研究,Vo.1.11,No.3,pp135-139


地形条件を利用した里山植物のハビタット推定−カタクリ・イカリソウによるケーススタディ

発行年:2007
著者名:井本郁子・大江栄三・小栗ひとみ・畠瀬頼子・宇津木栄津子・松江正彦

国営みちのく杜の湖畔公園の管理実験区域におけるカタクリとイカリソウの分布位置と,DEMから算出される地形条件および現地踏査によって得られた微地形区分図を用いて,生育適地の推定を行い,V期地区におけるポテンシャルハビタットマップを作成した.その結果,それぞれの植物が生育可能な場所の空間的な連続性やまとまりが明らかとなり,それら生育適地の分布パターンを考慮することで,公園の合理的な資源保全計画の作成が可能と考えられた.

日本景観生態学会第17回福岡大会講演要旨集,pp23


5.2 景観シミュレータ

発行年:2007
著者名:小林英之・小栗ひとみ

河川技術の最前線をまとめた書籍において,景観シミュレーション技術について解説した.

川の技術のフロント,pp148-149


13.動物、植物、生態系

発行年:2007
著者名:大塩俊雄・松江正彦 他

道路事業の環境影響評価を実施するための具体的な技術手法とその解説をまとめた書籍において,動物,植物,生態系の執筆を担当した.

道路環境影響評価の技術手法 2007改訂版,第3巻,pp175-313


14.景観

発行年:2007
著者名:小栗ひとみ・松江正彦 他

道路事業の環境影響評価を実施するための具体的な技術手法とその解説をまとめた書籍において,景観の執筆を担当した.

道路環境影響評価の技術手法 2007改訂版,第3巻,pp315-355


15.人と自然との触れ合いの活動の場

発行年:2007
著者名:小栗ひとみ・松江正彦 他

道路事業の環境影響評価を実施するための具体的な技術手法とその解説をまとめた書籍において,人と自然との触れ合いの活動の場の執筆を担当した.

道路環境影響評価の技術手法 2007改訂版,第3巻,pp357-401


国営みちのく杜の湖畔公園における森林管理が林床植物の種多様性増加と開花に及ぼす効果と影響の分析

発行年:2007
著者名:畠瀬頼子・小栗ひとみ・松江正彦

国営みちのく杜の湖畔公園において実験的な森林管理を行い,林床植生の変化,林床植物の開化・生育に及ぼす管理効果を検討した.この地域では下草刈りのみでも種数の増加および多くの種の開花に効果が見られた.間伐と下草刈りを合わせて行った場合は,より多くの種の開花を促進した.ただし,減少した種もあり,モニタリングしながら管理方法を見直すことの重要性が示された.

土木技術資料,Vol.49,No.12,pp58-63


みどりの研究室@(国土技術政策総合研究所 緑化生態研究室)

発行年:2007
著者名:松江正彦

緑化生態研究室の紹介を行ったものである.

都市緑化技術,No.66,pp38


ネット利用型の自然侵入促進工法による切土法面の緑化

発行年:2008
著者名:細木大輔・中村勝衛・亀山章

栃木県の岩盤切土法面において周辺植生から侵入する植物体で法面を緑化する自然侵入促進工を実験的に施工した.植物の侵入・定着に関する5年間の調査の結果,最も良く被覆された区画は,目合い12.0mm×20.0mmのネットを張り,肥料袋を用いて施肥した区画であり,この方法が最も有効であると結論づけられた.この区画では,施工後5年目には被覆率62±15%,群落高は1.0m,出現種数は29種/5u,木本個体数は21.6個体/u,ススキ,リョウブ,ノキシノブなどの積算優占度が高い群落が形成された.

日本緑化工学会誌,Vol.33,pp474-483


大規模壁面緑化による都市環境改善効果の把握

発行年:2008
著者名:長庸介・松江正彦

壁面緑化に期待される都市環境改善効果を把握することを目的として,2005年日本国際博覧会(愛・地球博)に登場した大規模緑化壁(バイオラング)を用いて,暑熱環境改善効果や生物誘因効果に関する調査を実施した.その結果,壁面緑化には暑熱環境の改善効果があること,壁面緑化に導入する植物を工夫することで,多くの生物が壁面緑化に集まり,繁殖する環境の創出が期待できることが示唆された.また,バイオラングの見学者はバイオラングに良いイメージを持ち,都市環境改善効果について高い期待を寄せていることが示された.

日本緑化工学会誌,Vol.33,pp492-497


里山林とタヌキ-里山における薮の意味とは-

発行年:2008
著者名:園田陽一

タヌキのマクロ・ミクロスケールでの生息環境について言及し,タヌキを含めた野生動物にとっての薮環境の重要性を報告した.

山林, Vol.1485, pp44-47


道路事業における景観の環境影響評価

発行年:2008
著者名:小栗ひとみ

「道路環境影響評価の技術手法」の改訂内容を中心として,道路事業における景観の環境影響評価および景観アセスメントの取り組みについて紹介を行ったものである.

環境アセスメント学会誌,Vol.6,No.1,pp62-66


木曽川中流域における植生変遷と特定外来生物オオキンケイギクの分布特性

発行年:2008
著者名:畠瀬頼子・小栗ひとみ・松江正彦

オオキンケイギクの分布特性と植生およびその変遷との関連を明らかにするため,木曽川においてオオキンケイギク分布調査および植生図作成を実施し,これらの結果と既存の植生図により植生変遷の定量的解析とオオキンケイギクの分布特性との関係把握を行った.

ランドスケープ研究,Vol.71 ,No.5,pp553-556


コラム・会員の自慢(国土技術政策総合研究所 緑化生態研究室)

発行年:2008
著者名:松江正彦

緑化生態研究室の紹介を行ったものである.

日本緑化工学会誌,Vol.33,No.3.pp510