公園管理者のための生物被害対処ガイド
都市公園等において健康被害等を与えうる生物の情報と被害の予防・低減について


公園の環境管理のポイント

 環境管理の目的は、園内の適切な管理を通じ、被害を及ぼす可能性のある生物の生息や増加を抑制したり、人との遭遇可能性を低くしたりすることで、被害を予防・低減することにあります。ここでは、以下2つの手順に分けて整理します。

   1. 被害を及ぼす可能性のある生物の生息をあらかじめ抑制するための管理はこちら >

   2. 被害を及ぼす可能性のある生物の生息が確認された場合に、追加して行う管理はこちら >

 なお、公園管理者自身が被害に遭わないよう、作業の際には適切な服装を身につける、被害対策グッズを携行する等、十分に注意するようにしましょう。また、公園内の環境がほかの多くの生物の生息場所でもありうることに留意して、希少種の生息環境を保全する等、状況に応じた適切な管理を検討することも重要です。


❖ 1. 被害を及ぼす可能性のある生物の生息をあらかじめ抑制するための管理


■陸域:園路・施設とその周辺
 利用者が訪れる頻度が高いため、生物の隠れ場所となりやすい写真のような箇所を中心に点検や管理を行います。生物を誘引しうるゴミ等を適切に管理することも重要です。


植生のはみ出しを抑制し、落ち葉等を除去する
 
ベンチ裏や側溝等、小動物の隠れ場所となりうる場所を確認する

■陸域:樹林
 利用者が訪れる頻度は低いものの、生物の生息場所や隠れ場所となる可能性の高い環境です。散策路、あずまや等の相対的に利用者が訪れる頻度の高い施設とそれに通じる場所を中心に、部分的な草刈り等を行います。

利用者の往来がある場所では見通しのよい状態を保つ

伐採した枝等は利用者が近づかない場所で保管する

■陸域:草地
 利用者が訪れる頻度が比較的高いことが予想されます。定期的な草刈り等を行うとともに、草地の周囲で生物の隠れ場所となるような場所についても確認しておきます。


定期的な草刈りを行い、草丈を抑える
 
草刈りを実施していない場所や、樹林との境界部分を確認する



■淡水域
 利用者が水辺に接近可能な水際付近において、草刈り等により見通しをよくします。また、生物の拡散防止のため、園外に通じる水路の有無や経路も確認しておきます。
  
人が立入り可能な水際付近の草刈り等を行う


■海域
 海水浴、釣り、磯遊び等で利用者が訪れる頻度の高い区域では、写真のような箇所を重点的に見回る、利用者への聞き取り調査を行う等して、生物の生息状況の把握に努めます。

外洋からの漂着がないか、波打ち際や汀線付近を中心に確認する

磯遊びができる潮だまりを確認する

❖ 2. 被害を及ぼす可能性のある生物の生息が確認された場合に、追加して行う管理

 対象となる生物の生息が確認された場合の対処の流れは、①確認地点周辺への立入制限、②生息数や規模の確認、③生物の除去等の実施、④制限の解除、と進むことが一般的です。
 その際、どのような環境で対処を行うのかによって、各段階での留意点は少しずつ異なると考えられます。

対処の流れ 環境ごとの留意点
陸域(園路・施設、樹林、草地) 淡水域 海域

①確認地点周辺への立入制限

■園路・施設、草地(利用者が訪れるが高い環境):看板等による周知に加え、ロープや柵等を設置する
■樹林(利用者が訪れる頻度が低い環境):主に看板等による周知を行う
水際(水の手前)に看板やロープ等を設置し、周知とともに水中への立入制限を行う

②生息数や規模の確認

状況に応じて除去等の対処方針を検討する
生息数や規模が大きい場合は、必要に応じて立入制限範囲を拡大する

③生物の除去等の実施

除去、追い出し等を行う 除去を行うとともに、園外に通じる水路においても網の設置等を行い、拡散防止を図る 除去等は困難な場合が多いため、侵入防止ネット等の設置により、外洋からの侵入や漂着を防ぐ

④制限の解除

状況を再度確認し、安全を確認した上で立入制限を解除する

 実際の対処では、対象となる生物に応じた配慮が求められるため、各生物のページも参照ください。
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