研究の目的
これまで我が国では、人口増加や経済的成長の圧力により水域や湿地を乾燥した陸地に改変してきました。しかし、もはや全国一律で右肩上がりの社会成長シナリオは適用できず、むしろこれまでの地形改変による環境劣化が問題となってきています。このため土地利用に密接に関わる治水、水資源開発、水環境保全を目的とする社会資本整備計画においても、流域毎にこれまでとは異なる今後の社会状況を見据えた戦略的な流域圏における水管理手法の確立が望まれます。本課題では、今後の社会構造変化に伴う土地利用変化を予想すると共に、これまでの変遷を考慮して、自然の地形やそれにともなう水循環特性を活かした流域圏における水管理手法について研究を行うことを目的としています。
研究の内容
研究担当:望月貴文
河川の任意の地点において、その流域の環境特性と河川特性から河川水質・環境を評価するシステムを開発し、河川環境の現状の把握や環境保全効果の評価の実施を目指しています。
研究の背景
近年、河川の水質は下水道事業の進捗等によりBODについては改善が見られますが、窒素やリンといった栄養塩類については依然として問題が解決されておらず、河川環境や生息する生物に影響を与える上に、湖沼・内湾等の閉鎖性水域において水質問題を引き起こしています。
河川水質や環境は、流域における汚濁負荷特性や流出特性等の流域環境特性に大きな影響を受けています。また、河川形状や流量等の河川特性も河川水質・環境に影響を与えます。しかしながら、河川水質・環境の保全・改善に関する目標設定や現状評価のための具体的手法がないために、単発的あるいは狭い視点にのみ着目した事業が行われることが多くあります。
このため、流域環境特性の状況を把握するとともに、河川特性を踏まえた環境評価手法を確立し、保全・改善の方向性を定める必要があります。
研究の内容
研究担当:鶴田舞・望月貴文
淡水と海水が混じりあう汽水域では、物理・化学的現象が複雑で、多様な生物の生息・生育の場になっています。このような複雑な物理・化学環境と生物の生息・生育との関係を踏まえ、中・長期的な地球温暖化による諸影響を考慮し、治水・利水・環境を総合的に勘案した汽水域の保全・再生・管理について提言を行うべく、研究を行っています。
研究担当:・中村圭吾・鶴田舞・望月貴文
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