研究成果概要

国総研資料 第 1257 号


【資 料 名】 海藻種・環境条件を考慮した着生・成長を促す生育基盤の工夫の重要性に関する考察
【概   要】  港湾におけるブルーカーボン施策を推進するにあたり,港湾における海藻の現存量の増大が重要となる.しかし,港内の環境は必ずしも海藻の生育に良好な場所とはいえず,光量不足や細粒分の堆積,食害等による様々な着生・成長の阻害要因が課題となっている.これらの課題に対して,細粒分が堆積し難い被覆ブロック等の工夫,食害を防ぐブロック形状等の工夫,海藻の着底を促すブロック形状や表面形状等の工夫,海藻の成長を促す構造物の材質等の工夫など様々な技術開発が検討されている.本資料では,111 事例の生育基盤の工夫の効果について統合的に整理した.その結果,海藻種によっ て増殖効果が期待できる生育基盤の工夫は異なること,また,生育基盤の工夫が効果を発揮する環境指標の適切な範囲は海藻種および生育基盤の工夫によって異なることが,データに基づいて示された.他の水域で成功した工夫をただ単に真似しただけでは成功しない可能性が高く,海藻種や環境条件を 適切に考慮して生育基盤の工夫を選択することが重要であることが示唆された.
【担当研究室】 港湾・沿岸海洋研究部 海洋環境・危機管理研究室
【執 筆 者】 岡田知也,秋山吉寛,内藤了二


研究資料全文

全 文

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目 次

1. はじめに

2. 海藻の着生・成長を促す生育基盤の工夫に関するデータベース作成

2.1 データ収集
2.2 生育基盤の工夫の区分
2.3 効果の定量化
2.4 生育を支援する方法
2.5 環境データ

3. 生育基盤の工夫の効果

3.1 報告書のスクリーニング結果
3.2 抽出結果
3.3 海藻の着生・成長を促す生育基盤の工夫の効果

4. 考察

5. おわりに

謝辞

参考文献

付録

付録A 解析に用いた報告書およびデータベース
付録B 事例集