研究成果概要


国総研資料 第 1063 号

【資 料 名】 内貿フェリーの将来貨物量の試算

【概   要】  今後のトラックドライバーの労働力不足や地球環境問題を背景として,国内貨物輸送において,大量輸送が可能で環境負荷の小さい鉄道や内航海運の重要性が高まっていくことが想定される.2015年に閣議決定された「交通政策基本計画」においても,物流の省労働力化のための方策が位置付けられており,港湾が必要な機能を持つためにも,国内貨物の海上輸送についての精度の高い需要予測が必要である.
 ここで,国土交通省が行う国内貨物量の需要推計については,省全体で考え方を統一し,各分野の推計モデルを統合した予測モデルにより実施されることが基本となっている.しかし,フェリー貨物量は自動車貨物量に含まれており,推計値が示されていない.また現モデルの推計の基準年は2010年であることから,2010年以降の社会情勢の変化については反映できていない.
 以上の状況を踏まえ,本資料ではまず直近の港湾統計や内外貿ユニットロード貨物流動調査,全国貨物純流動調査(物流センサス)のデータを用いて推計の基準年を更新し,省全体の統合モデルの伸び率を適用することにより,将来フェリー貨物量の最新のデータに基づく推計を行った.さらに更新した基準年以降の,新規就航フェリーや船舶の大型化などの社会情勢の変化等に関する貨物量の変化についても推計を行った.
 推計の結果,推計の基準年を更新し,省全体の予測モデルの伸び率を適用して推計したフェリー貨物量は横ばいとなったが,将来の社会情勢の変化の影響で新規需要が見られたため,2015年実績貨物量に対して,2030年推計貨物量がLoケース:104.1%,Hiケース:109.9%となった.

【担当研究室】 港湾計画研究室

【執 筆 者】 杉田徹、佐々木友子、赤倉康寛



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