研究成果概要


国総研資料 第 989 号

【資 料 名】 東京港京浜運河周辺のシースケープの検討
−浮遊期をもつ貝類・甲殻類に着目して−

【概   要】  東京港京浜運河のシースケープを,新たに定義したメタ個体群動態モデル(ハビタット評価モデル)を用いて,生態ネットワークの状況と共に変化するメタ個体群存続可能性に基づき定量評価した.京浜運河の底質および護岸基質から成る基盤の空間分布を調べ,これらの基盤の分布の,生物生息場としての適性を定量的に調べた.基盤の分布は種類ごとに異なった.この基盤の分布の生物生息場としての適性を,メタ個体群成長率λmaxを用いて評価した結果,現状の基盤の配置は,付着性二枚貝類の存続に適しており,底生二枚貝類の存続には適さないと判断された.様々なケースのシースケープにおけるメタ個体群の存続可能性を調べると,現状のシースケープにおける存続可能性の程度や,存続可能性の高いシースケープのデザインに関する情報が得られた.生息場の面積,あるいは近接指数の変化の程度に対する,メタ個体群存続可能性,および個体数が飽和するまでにかかる時間の変化の程度を定量的に示すことができた.

【担当研究室】 海洋環境研究室

【執 筆 者】 秋山 吉寛,黒岩 寛,岡田 知也



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