研究成果概要


国総研資料 第 958 号

【資 料 名】 アジア・太平洋地域の経済環境変化を考慮した応用一般均衡モデル(GTAPモデル)に基づく貿易動向の分析

【概   要】  我が国の人口減少や東アジア,東南アジア諸国の経済成長,これまでの経済成長で世界第2位の経済規模に達した中国の経済成長鈍化懸念等,アジア・太平洋地域の経済環境は変化している.本研究では,アジア・太平洋地域の経済環境変化を踏まえて,応用一般均衡モデルの一種であるGTAPモデルを用いて,将来貿易の動向分析を行った.
 本研究の分析から,世界的な自由貿易の推進による関税率の低下や国際交通インフラの整備があれば,人口減少が予想される日本も含め,各国の貿易額は概ね増加する可能性があることや,我が国の今後の貿易について,対東南アジア諸国,南アジア等との貿易が活発化し,日本から東南アジア諸国に輸出し,さらに,東南アジア諸国等からアメリカやEUに輸出する,いわゆる三角貿易の構造が強まる可能性があること,さらには,懸念されている中国の経済成長鈍化の日本・アメリカ・EUの貿易への影響は比較的軽微であり,対中国の貿易を対東南アジア諸国等の貿易が補う可能性がある等の知見を得た.

【担当研究室】 国際業務研究室

【執 筆 者】 寺西 裕之,柴崎 隆一



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