【概 要】 |
消波ブロック被覆堤では,本体工側壁に穴あき損傷が生じることにより,中詰材の流出を招き,防波堤の機能低下に至るケースがある.点検診断等を通じ早期発見し,対策することが重要である.一
方,点検実施が可能な範囲が限られる等の問題から,変状を発見するのは容易でない.また,防波堤全延長の点検診断には時間等も要する.したがって,変状が発生し構造物の性能低下へと進行していく過程(変状連鎖)等を考慮しながら,効率的に点検診断していくことが必要である. しかし,実際には必ずしも変状連鎖等を考慮しながら点検診断が行われていない.また,これまで,劣化度aの穴あき損傷事例を対象に発生箇所の傾向分析等は種々行われてきたが,鉄筋露出等(劣化度b〜d)の変状も含めた劣化度判定結果に着眼した本体工側壁の変状に関する分析はほとんど行われていない. したがって,本研究では,効率的な点検診断に資することを目的に,平成25年度に全国で実施された集中点検の劣化度判定結果等を用いて,本体工側壁とその他部材の変状の関連性や変状位置・大きさの発生傾向等を分析した. |