研究成果概要


国総研資料 第 718 号

【資 料 名】 津波災害の初期段階における代替空港に関する検討

【概   要】  東日本大震災では,仙台空港は津波によって大きな被害を受けたものの4日間で回転翼機,5日間で緊急物資・人員輸送等の固定翼機の運航が可能なまでに復旧した.災害初期段階において,「仙台空港防災拠点計画」で仙台空港は,救急・救命活動等,及び緊急物資・人員等輸送の拠点として運用することが想定されており,応急復旧後,直ちにこれら活動に活用された.応急復旧期間中の仙台空港の代替空港として,霞目飛行場,山形空港,海上自衛隊・海上保安庁の船が,救急・救命活動等における回転翼機の拠点として使われた.本研究では,被災した仙台空港等の代替機能を果たした霞目飛行場,海上自衛隊艦艇の活動の実態を調査し,代替空港に求められる回転翼機による救急・救命活動等の拠点としての役割を明らかにした.霞目飛行場,海上自衛隊艦艇での活動の調査結果を踏まえ,津波被災の恐れのある空港について,定性的なリスク評価手法を用いて空港間での津波対策の必要性の優先順位づけを行い,南海トラフの巨大地震時に代替空港の無い低地空港の津波対策が最も優先するものとした.

【担当研究室】 空港新技術研究官

【執 筆 者】 中島由貴,中神啓介,西崎英治,清水啓



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