研究成果概要


国総研プロジェクト研究報告 第 55 号

【資 料 名】 東日本大震災によって影響を受けた港湾域の環境修復技術 に関する研究

【概   要】  2011年3月11日に発生した東日本大震災によって,東北地方の太平洋沿岸の港湾域の水環境は,干潟や藻場等の生物生息基盤の消失等の多大の被害を受けた.また,震災前において湾内水質悪化の要因となっていた港湾構造物の復旧には,環境に配慮した構造が強く求められた.さらに,福島第一原子力発電所から放出された放射性物質が東北地方から関東地方の広い沿岸域に流入し,航路浚渫等の際の放射性物質を含んだ底泥の取り扱いが課題となった.そこで,本プロジェクト研究では,@湾口防波堤に付加する環境配慮技術の開発,A津波被害を受けたアマモ場の再生手法の開発,およびB底泥中の放射性物質の測定を適切に行うための知見の獲得,をサブテーマとして研究を実施した.サブテーマ@については,大船渡湾の湾口防波堤について検討し,湾口部の底層の海水交換を高めることが湾内水質を良好に保つためには重要であることを明らかにした.サブテーマAについては,宮古湾のアマモ場について検討し,底泥の状況に基づき水域を3つにゾーニングし,ゾーン毎の回復の予測を示した.サブテーマBについては,東北地方の太平洋沿岸5地点と東京湾1地点において鉛直コア採泥を実施し,通常のグラブサンプラーで表層泥を分析することで,Csの汚染地点をスクリーニングすることができることを示した.

【プロジェクトリーダー】 沿岸海洋・防災研究部長



表紙  
中扉  
目次  
本文  
   
1. はじめに  
   
2. 湾口防波堤に付加する環境配慮技術の開発  
   
3. 津波被害を受けたアマモ場の再生手法の開発  
   
4. 底泥中の放射性物質の測定を適切に行うための知見の獲得  
   
5. まとめ  
   
謝辞
   
奥付  
   
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