平成17年12月24日
国土技術政策総合研究所

− 平成18年度 国土技術政策総合研究所 予算政府案について −




国土技術政策総合研究所の平成18年度予算政府案は、新規9本が認められ、その結果予算額は、39億円。(対前年度 0.971倍)
平成18年度に新たに取り組む研究課題の概要は次のとおり。

1.持続可能な社会を支える美しい国土の形成

●下水道管渠の適正な管理手法に関する研究

総延長36万qにも及ぶ下水道管渠に関する現場データを全国的に収集・解析、適切な評価指標を選定し、予防的維持管理を行う手法を開発する。これにより、下水道管渠の延命化、維持管理コストの低減及び損傷・老朽化が引き起こす道路陥没事故の防止を図るとともに、これを新設・改築の設計方法へ反映する。

【参考資料1】

 

●地域活動と協働する水循環健全化に関する研究

水循環健全化の実現にはより一層地域活動が活性化することが重要であるが、なかなか広がっていないのが現状である。この課題解決の重要な鍵は、活動によって得られる便益(人によって重視する便益は違う)をより多くの人が具体的に認識することであるため、水循環の健全化を図る施策や活動の多面的な効果の評価を行うなど、地域活動の活性化のための手法を構築する。

【参考資料2】

2.安全で安心な国土づくり

●降水量予測情報を活用した水管理手法に関する研究

洪水・渇水による被害を防止・軽減するために、精度の向上が予定されている気象庁の降水量予測情報を活用して豪雨や渇水の発生する時期と規模を予測し、洪水予警報、河川管理施設の操作運用の手法を開発する。

【参考資料3】

 

●国際交通基盤の総合的リスクマネジメントに関する研究

想定外の自然現象や人為的事故・犯罪等が、港湾・空港といった国際交通基盤の運営、安全確保上の重大な影響を与えている。このため、重要性が益々高まる国際交通サービスに関し、ハード、ソフト両面から費用対効果の高い合理的なリスクマネジメント手法および危機発生時の国レベルでの国際交通ネットワーク確保の方策の提案を行う。

【参考資料4】

 

●低頻度メガリスク型の沿岸域災害に対する多様な効用を持つ対策の評価に関する研究

発生頻度は低いが、ひとたび生起すると大きな被害をもたらす低頻度メガリスク型沿岸災害への対策として、災害時に減災効果があり、非災害時(平常時)にも社会的効用がある対策を提案するともに、こうした多様な効用を有する施策に関する評価手法及び地域住民等と行政との合意形成手法の構築を行う。

【参考資料5】

 

●建築空間におけるユーザー生活行動の安全確保のための評価・対策技術に関する研究

回転自動ドアによる事故など、建築空間における不慮の事故が多発していることを踏まえ、従来の安全対策やユーザーの注意等だけでは防止し難く予想されにくい事故等について「事故リスク」として評価する手法を開発し、あらかじめ適切な安全対策を講じることにより建築空間におけるユーザーの安全を確保する。

【参考資料6】

 

3.生活コストが安く、豊かでゆとりある暮らし

●建築基準の性能規定化の一層の推進のための建築材料等の性能表示・認証システムに関する研究

建築材料の品質確保のための新たな仕組みとして、建築物の性能基準に対応した建築材料の性能評価・表示システムを開発するとともに、工事に用いられる建築材料の性能品質の認証システムに係る信頼性評価・承認基準の開発を行い、建築基準の性能規定化の一層の推進を図る。

【参考資料7】

 

4.活力・国際競争力のある社会と個性ある地域の創造

●地方都市再生に向けたLRT活用方策に関する研究

地方都市においてLRTを活用するために必要な計画・評価技術、ハードウェア技術の開発により、既存公共交通機関の利便性向上、都市交通のモビリティー性向上に資する都市の再生を進め、全国各地で衰退する中心市街地の活性化を図るとともに、高齢者等のモビリティー確保、地球環境問題への対応等を促進する。

【参考資料8】

 

5.高度情報化社会に対応した国土づくり

●災害時要援護者向け緊急情報発信マルチプラットフォームの開発

震災や水害などの災害時に、老人や身体障害者等の要援護者に向け、災害情報を迅速・確実・的確に伝達するために、テレビ、携帯電話、情報家電などを複合的に利用し、画像・文字情報、音声によって、要援護者の特性に応じた適切でわかりやすい情報伝達を行うための共通仕様を提案する。

【参考資料9】