平成21年度 第1回 国土技術政策総合研究所研究評価委員会
議 事 録


1. 開会/国総研所長挨拶
2. 委員長挨拶
3. 議事
4. 国総研所長挨拶/閉会

平成21年6月18日

1.開会/国総研所長挨拶

【事務局】 それでは、定刻になりましたので、ただいまから平成21年度第1回国土技術政策総合研究所研究評価委員会を開催させていただきます。私、事務局の研究評価・推進課の○○と申します。本日は司会を務めさせていただきます。よろしくお願いいたします。

 委員の皆様の御紹介をさせていただきたいと思います。大変略儀ながら、この委員名簿をもって委員の皆様の御紹介にかえさせていただければと思います。

 なお、新任の委員がいらっしゃいますので、御紹介をさせていただきたいと思います。○○様でございます。

【委員】 ○○でございます。よろしくお願いいたします。

【事務局】 ありがとうございます。

 なお、○○委員、○○委員につきましては御欠席の御連絡をいただいてございます。

 続いて、配付資料の確認をさせていただければと思います。不足等がございましたら、議事の途中でも結構でございますので、事務局の方に合図を送っていただければ対応いたしますので、どうぞよろしくお願いいたします。

【事務局】 それでは、国土技術政策総合研究所長、○○よりごあいさつを申し上げます。

【所長】 お忙しいところをお集まりいただきまして本当にありがとうございます。国土技術政策総合研究所の研究その他につきまして御理解と御支援を日ごろいただいておりますこと、この場をおかりして厚く御礼を申し上げたいと思います。

 今回の評価委員会でございますが、研究活動について外部の有識者の方々の評価をいただくということで、これは政府全体、研究機関すべてについて今義務化をされていることでございますが、その一環として、本日は全体にかかわります研究の進め方、その他全体のお話、それから別途に3つの部会に分かれて、旧建設系の土木と言うと変ですが、その分野、それから旧運輸系といいますか、港湾とか空港の土木関係、もう1つは建築関係という、その3つの分科会で別途にまた開催をお願いしているところでございます。本日は、それらを全部総括した全体の運営その他研究の進め方、さまざまなところでの御意見をいただければと思ってございます。

 それから、昨年7月にこの会で、実は国総研ができまして7〜8年たつものですから、研究機関としてどうだろうか、ちゃんと見詰め直してみようということで、研究機関としての評価を皆様にお願いいたしました。そのときの御意見をいただいて取りまとめた今後の新たな研究の展開というようなものをまとめさせていただきまして、その後まだ時間もそんなにたっておりませんので十分できておりませんが、きょうもその中のことを具体的に進めていることにつきましても御紹介させていただき、また、続いていろいろな御示唆もいただければと思ってございます。

 ということで、私ども、本日の会でいろいろ言っていただきましたことを、単にお聞きするだけではなくて、しっかりと具体的な改善を図ってまいりたいと思ってございますので、どうぞ忌憚のない御意見をよろしくお願い申し上げたいと思います。よろしくお願いします。

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2.委員長挨拶

【事務局】 それでは、委員長よりごあいさつをいただきたいと思います。○○委員長、よろしくお願いいたします。

【委員長】 ○○でございます。

 ただいま所長さんからお話がありましたように、本日は、機関評価ではなくて、それは去年やっていただいたのですけれども、ことしは昨年度の研究活動についての評価、コメント等をいただくことと、それから、先ほどおっしゃった、去年宿題として残りました点についての進展の方向についての説明をいただきますが、ここについての御意見や評価をお願いしたい、この2つのことが宿題です。私もちゃんとわかっていなかったものですから改めて申し上げて、こういうことでよろしいのですよね。ということでありますので、例年と同様、皆様方の貴重な御意見を反映させた評価書をつくっていきたい、こんなふうに思っている次第です。よろしくお願いいたします。

【事務局】 ありがとうございます。

 それでは、事務局より資料2について御説明をさせていただければと思います。本日の本委員会における評価の方法等についてということでございます。

 評価の目的は、「科学技術基本計画」あるいは「大綱的指針」に従い評価をして、それを適切に反映するということが目的として書いてございます。

 本日の評価でございますけれども、Uの「評価の内容」のところの研究評価委員会というところでございまして、先ほどお話がありましたとおり、国総研の研究活動全般についての評価を行うということでございます。昨年度は13年度〜19年度まで機関運営面を含めて研究活動をあわせて全体として機関評価ということで行っていただいたところでございますけれども、こういった形の運営面を含めた機関評価については5年ごとに行うということとさせていただいております。

 今年度は、平成20年度の活動全般ということで、この部分の評価をいただくということでございます。あわせて、先ほどお話がありましたとおり、前回の宿題と申しますか、国総研の新たな展開について御報告をさせていただくという次第になってございます。

 それでは、以降につきましては、委員長に進行につきよろしくお願いしたいと思います。


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3.議事

国総研における研究活動全般について

・平成20年度の国総研における研究活動について

 ・「国総研の研究の新たな展開」に基づく改善の状況

 

【委員長】 それでは、議事進行役をさせていただきます。

 議事に入りますが、議事次第にのっとりまして、「国総研における研究活動全般について」という項目が1つ、それから「平成20年度の国総研における研究活動について」及び「「国総研の研究の新たな展開」に基づく改善の状況」について、続けて説明をいただきます。その後、この2つ一定程度まとめた格好で議論をいただきたいと思っています。

 それでは、事務局よりこの件につきましての説明をお願いいたします。

【事務局】 それでは、「説明資料」と右肩につけてございますA4横長の資料をお手元にお配りしていると思いますので、これに従いまして説明をさせていただきます。

 表紙をめくっていただきますと、国総研の役割ということで3つ示してございます。1つ目が「政策の企画・立案に係わる研究」、2つ目が「技術基準の策定等」、3つ目が「住宅・社会資本整備に関する技術指導・普及」、こういったような役割を果たすべく研究活動を行っているところでございます。

 下の段が、定員の推移ということで、発足以来の定員を示してございます。定員全体といたしましては減少傾向にございますけれども、研究職の人員は維持をしているという状態でございます。

 次のページが予算の推移でございます。上の段が各年度ごとの人件費や施設費も含めました全体の予算、下の段が研究経費の推移を示してございます。研究経費につきましては、発足以来100億円から140億円の範囲で推移してございまして、平成20年度は112億円となってございます。

 また、右下の円グラフでございますが、これは研究経費の予算別内訳を示してございまして、上の段、薄い黄色と黄緑色で示してございますが、これが行政部費でございまして、この部分が約7%、下の段に道路整備勘定でありますとか治水勘定あるいは港湾勘定、空港整備勘定というのがございますが、これは社会資本整備の特別会計から支弁されているものでございまして、これが全体の約8割を占めている状況になってございます。

 3ページでございますが、主要な研究活動ということで、研究方針の中に5つの研究分野が示されておりまして、その分野ごとに国総研の主要な研究のタイトルを整理してございます。本日は時間の関係もございますので、この中から赤字で示しております5つの研究につきまして、その概要の説明をさせていただきたいと思います。

 ページをめくっていただきまして、4ページが気候変動に関する研究でございます。細かい資料になっておりますので、ここではこの中の「研究の背景」と下の段の「達成すべき目標」、さらにその下の段の「今後の重点課題」の3つの項目について御説明をしたいと思います。

 まず「研究の背景」でございますけれども、地球温暖化による影響でございますが、これは昨年までの研究で、下の段の図で示してございますけれども、将来につきましては現在よりも強い雨が頻発する懸念があるといったこと、あるいは1〜2割程度の降水量の増加でも治水安全度は大幅に低下するといったことが明らかになってございます。また、「研究の背景」の3つ目に書いてございますけれども、世界の共通の課題であります水災害の分野の適応策につきましては、IPCCの5次報告を2014年の早い時期に完成させるといったこともございますので、そういったような研究成果はこういうところに反映をさせて貢献をしていくといったことが必要ではないかということを考えてございます。

 こういった状況を踏まえまして、「達成すべき目標」として、Aのところで書いてございますが、一般論あるいは全体論としての提言から一歩踏み出しまして、具体的な個別の流域ごとにその実態でありますとか、あるいは過去の施策の積み重ね、こういったものを十分反映した実践的施策を立案、実施していくといったことが必要であると考えているところでございます。

 それで、一番下の段の「今後の重点課題」として3つ整理してございますが、まず、治水に対しましてさまざまな施策メニューがあるわけでございますけれども、それを系統立てまして個別対策の組み合わせとしての「施策パッケージ」を提示するための考え方を整理していくといったことが1番目の課題です。2番目の課題は、現在のいろいろな計画におきましては、ある一定の雨量等を想定いたしまして、それをクリアするための治水対策というのをやってございますけれども、その目標としていた計画を超過するような洪水につきましても、万が一そういった洪水が起こった場合にどういった被害が発生するのかといったことを適切に評価するといった手法の開発が必要ではないかといったこと、3番目といたしまして、1番目とか2番目の検討を踏まえまして、これらはハードの対策が主であったわけでございますけれども、ソフトの対策等も含めましていろいろな施策パッケージが効果を発揮する具体的な条件を整理いたしまして、それに基づく選択肢を提示していくといったことが必要であろうと考えているところでございます。

 5ページが、今申し上げました3つの重点課題をクリアするために現在考えております研究の内容でございまして、これにつきましては詳しい説明は申し上げませんけれども、こういったような研究をすることによりまして先ほどの課題を解決していきたい。この研究につきましては、平成24年までに成果を上げまして、その中でIPCCの5次レポートに反映できるものがあれば反映していきたいといったことを考えてございます。

 6ページが、ことしの4月に気候変動につきましては気候変動適応研究本部を設置して、この資料に示しますような体制でもって研究を進めているところでございます。

 7ページが、2つ目の研究でございますが、セカンドステージITSということで、この研究につきましては平成18年〜平成21年度の予定で現在進めているものでございます。現状認識といたしましては、交通事故の死者数というのは減少傾向にはありますが、事故発生件数は依然として高い水準にある。その事故の原因を調べてみますと、大半が発見のおくれなどのドライバーの事前行動に起因するものであるといったことがわかってございます。この事前対策につきましては、今までなかなか対策を立てることができなかったわけでございますが、IT技術が発達してきたといったことがございまして、こういったような事故直前対策を実施することが可能となってきてございます。これを踏まえまして、達成目標といたしまして「世界一安全な道路交通社会」を実現していくといった目標を掲げまして、右上の段で具体的な目標を掲げてございますけれども、2008年度までに大規模実証実験を実施する、2010年度から全国展開を図るといった目標をクリアすべく、現在研究を進めているところでございます。

 8ページに、具体的に今まで何をやってきたかということを整理してございまして、左の側の欄でございますが、19年度までの取り組みということで、官民共同研究を実施いたしまして、ITS車載器の仕様でありますとか、あるいは道路管理者が設置いたします路側機の仕様を策定してございます。また、首都高速道路におきまして実証実験を実施しておりまして、下の段に具体的な実証実験の内容を書いてございますけれども、例えば一番左の欄で申しますと、見通しの悪いカーブ等の先に停止車両がある、あるいは渋滞等が発生しているといった場合には、事前に情報を提供するようなシステム、こういったことを、実証実験をすることによってシステムの構築を図っているところでございます。

 また、右側の欄でございますけれども、20年度につきましては、首都高以外の全国各地で実道実験を実施いたしまして、多様な道路環境で検証を行っているところでございます。これらの検証を踏まえまして、21年度の予定といたしまして、今まで研究開発いたしましたシステムの仕様化を図るといったことでありますとか、2010年度から始まります全国展開の技術的支援を行うといったことを考えてございます。

 9ページが、建築基準法等の技術基準原案の策定でございます。真ん中の欄、図で示してございますけれども、国総研の建築研究部におきましては、建築研究所の技術的支援あるいは基準を制度化いたします本省の住宅局、こういったところと連携いたしまして、建築基準法等の技術基準のレビューでありますとか、改正等のニーズ把握、あるいはそういったことに向けました調査研究、あるいはそういったことを受けまして技術基準の原案の作成を行っております。

 また、右側の欄に「関係団体との連携による調査等の実施」と書いてございますが、これは建築基準法とか住宅品確法と申しますのが性能規定化されておりますので、その性能規定の効果が十分発揮されますように、民間などの技術開発の状況に即して見直しが適切に行われるような取り組みをやっているといったことでございます。こういった活動を通じまして技術基準等の改正を行っているという状況でございます。

 下の段に、20年度の主な成果ということで、20年度につきましては、エレベーターに関しまして建築基準法の施行令の改正を行うといったこと、あるいは建築基準法等にかかわります告示につきまして14件の改正を行っている、こういった原案作成などに携わっているといったような取り組みをしてございます。

 10ページが、国際物流に関する研究でございます。港湾研究部におきましては、政策の企画・立案あるいは港湾の技術基準を策定するために、データ分析でありますとかモデル解析を行ってございます。その際には、コンテナ船の大型化の動向を踏まえまして検討しておりますし、また、右の欄に書いてございますが、港湾選択モデルの開発、これは何かと申しますと、荷主が港湾を選択する場合にはいろいろなルートがあります。これは、例えば東北地方で生産されたものを北米に運ぶ場合に、日本海側の港に出て、それから釜山に運んで北米に持っていく、あるいは太平洋側の仙台なり東京なりに陸送をして、そこから北米に運ぶといったようないろいろな選択があるわけでございますけれども、これにつきまして、荷主は一番時間とコストが少ない港湾を選択しているといった行動をとってございますので、それを適切に反映したようなモデルの開発を行ってございます。

 20年度の成果ということで下の段に掲載してございますけれども、この研究は、中国を初めといたします東南アジアにおきまして経済発展が非常に著しい、あるいはこれらの地域におきましては自由貿易協定等の経済連携が図られているといった状況がございまして、こういったことが進展しております中で、貿易構造そのものが変化している、あるいは物流がさらに増大しているといった背景がございます。こういったような背景を踏まえまして、それらを適切に反映できるような貿易動向の予測でありますとか、国際・国内物流の予測、そういったようなことをできるモデルをつくりまして、それらの手法を使ってインフラ整備の評価を行うというような手法を開発しているものでございます。

 この研究成果の一部として、右側のところでグラフをかいてございますけれども、一番上のグラフは、いろいろな貿易協定等の経済連携が進展するに従って、輸出・入額等の金額がふえていくといったことを示してございまして、日本におきましては世界の伸び率よりも大きな伸び率を示しておりますが、さらにそれを上回る伸び率を中国なりインドなりが示しているといったようなこと、あるいは下の段は港湾政策ということで、現在、スーパー中枢港湾の整備が行われておりますが、そういった整備が行われますと、入港料が30%少なくなるといったことでありますとか、ターミナル内のリードタイムが24時間に短縮されるといったことになりますので、そういったようなところでは非常に貿易量がふえるといったようなこと。一方、シンガポールとか釜山等を見ますと、丸印で囲ってございますが、若干減少しているところがございまして、スーパー中枢港湾を整備することによりまして、ほかの国に奪われていた荷物の一部でございますけれども、それを日本に取り戻すことができるといったことが予測できるという結果が出てございます。今後はこういったような手法を用いまして、最新の状況を反映してスーパー中枢港湾等の施策の評価を行うといったことを考えているところでございます。

 最後が維持管理に関する研究活動でございますけれども、社会資本整備につきましては高度成長期に大量に整備されておりまして、それらの施設が今後急速に高齢化して老朽化していくといったことが想定されております。その際に、今までの事後的な管理から予防的保全管理へ転換するといったことが必要であると考えてございまして、「基本的な考え方」のところで書いてございますけれども、予防保全管理を実施していくことが必要であろう。その際には、きちんと点検をして健全度を評価して劣化予測を行う。これらを踏まえて、長寿命化あるいは延命化等に関する計画を立てて、適切な補修ないしは補強を実施していくといったことが必要であると考えてございます。

 12ページでございますけれども、国総研におきましては、現在、ストックマネジメント研究会というのを組織いたしまして、左側の欄に施設名ということで、下水道、道路、港湾、空港、河川、砂防、海岸、こういった施設ごとに、それぞれどういった研究をやらなければいけないかといったことを整理してございます。性状把握であれば、劣化メカニズムでありますとか点検・診断手法、こういった項目がございますが、それぞれの項目について現在研究の進捗状況がどの程度進んでいるかといったことを整理してございます。表の中で、「青色の丸」がある程度進捗しているところ、「水色の丸」が進捗程度はまだ低いといったようなもの、あるいは空白の部分につきましては未着手といったことを示していまして、こういった整理をした上で、必要な研究をそれぞれの部門で実施している状況でございます。

 13ページが、その一例といたしまして、道路資産維持管理システムの高度化・合理化ということで、細かな説明はいたしませんが、道路橋につきまして直轄の点検データを活用して、こういった維持管理システムの高度化・合理化に資するような研究をやっている状況でございます。

 以上が主要な研究活動でございます。

 15ページでございますが、これが「施策への反映」ということで、20年度、国総研が行いました研究の成果などが施策へ反映された件数が何件あるかと申しますと、50件でございます。ここ数年、毎年50件程度の施策への反映数がございますので、ことしも多くの成果が施策へ反映されたということが言えるのではないかと考えてございます。

 また、真ん中の円グラフでございますけれども、今申し上げました50件につきまして、研究分野別に整理したものがこの円グラフでございまして、安全・安心、環境との調和あるいは総合的な技術の確立、こういった項目の反映数が多いといった結果になってございます。

 また、一番右の欄でございますけれども、施策への反映数64と書いてございますが、例年、建築基準法に関係いたします告示につきましては1件としてまとめて計上しておりますが、それをすべて1件1件計上し直しますと、一番右の欄にありますような64件になります。それを施策への反映先別に分けますと、ガイドライン、マニュアル等が31件、政令、省令、告示が16件、あるいは通達となった基準が5件といった状況になってございます。

 16ページが技術支援活動でございますが、技術指導といたしましては、平成20年度は401件の技術指導を行っておりまして、ユニットプライス型積算方式に関する技術指導でありますとか、橋梁の補修、耐震補強に関する技術指導、こういったことを実施してございます。また、災害調査につきましては、平成20年度は70件実施しておりまして、中国の四川省の大地震あるいは岩手・宮城内陸沖地震、こういったところに災害調査に出かけてございます。

 17ページが、岩手・宮城内陸沖地震におきましてどのような技術支援活動を行ったかということをまとめてございます。岩手・宮城内陸沖地震は6月14日に発災いたしましたが、その直後から国総研のTEC-FORCEは先遣隊といたしまして現地に赴きまして、河道閉塞の早期発見でありますとか、土砂災害の危険箇所緊急点検、こういったようなことを行ってございます。また、現地に対策本部ができたわけでございますけれども、危機管理技術研究センター長は、その現地本部長といたしまして調査の指揮、取りまとめを実施してございます。また、その後1カ月以上、刻々と変化する現地の状況に応じまして危険度を判断いたしまして、対策の技術的アドバイスを行うといった支援を行ってございます。総計、国総研からは、下水道や河川、道路、建築分野を含めまして延べ102人・日の派遣者を送っているところでございます。

 また、この災害調査の結果につきましては、8月25日に調査報告会を実施いたしまして、スピーディーに情報発信を行ったところでございます。また、3月には、今回の災害等も踏まえまして、天然ダム形成時の初動対応指針を取りまとめまして、今後の対応に現地で役立てていただくための成果を取りまとめたところでございます。

 18ページが研究成果の発信状況ということで、左の上のグラフが学会誌とか専門誌に投稿した件数でございます。平成20年度は、査読つきが139件、査読なしが327件、合計466件の論文を発表してございます。左の方に黄緑色で棒グラフをかいてございますが、これが各年度の研究課題数を示してございまして、研究課題数よりは多くの論文を発表しているといったことが言えようかと思います。ただ、近年、発表論文数そのものが大きく減少しておりますので、今後は発表論文数をふやしていく取り組みが必要であると考えているところでございます。

 また、右上につきましては、研究報告書等の出版数ということで、平成20年度は80件を出版してございます。また、右下のところで、論文の引用率というデータを今回整理いたしましたが、各研究機関別に発表した論文に対して何件の論文が引用されているかということを示したものでございまして、国総研の論文につきましては約30%になってございまして、ほかの研究機関と比べても遜色のない引用率ではないかと考えているところでございます。

 19ページが、マスコミへの登場ということで、左側の棒グラフでございますが、平成20年度は122件が記事として取り上げられてございます。また、右側の棒グラフでございますが、記者発表した件数は29件、そのうち記事になったものが11件でございます。この記者発表につきましては、記者発表の数そのものが少ないといったこと、あるいは発表した記者発表が取り上げられる掲載率も低いといったことを考えてございまして、今後は記者発表の件数そのものをふやしていくといったこと、あるいは住民の関心に沿った記者発表資料をつくっていくといったこと、あるいはマスコミとの意見交換を行うといったような取り組みを実施していくということを考えてございます。

 20ページが、実際新聞に載りました記事の例を掲載してございます。

 最後のページでございますが、そのほかの研究成果の発信状況ということで、国総研講演会を昨年度も開催いたしまして、706名の方が参加していただいたといったこと、あるいは33件の出前講座を実施したといったこと、あるいは一般公開を開催いたしまして国内外から多くの訪問者が訪れたといったこと、あるいはホームページのアクセス数につきましては、昨年度は41万6,000件ということで、対前年度比1万件ふえているといったこと、あるいはメールサービス、これは月1回国総研の最新の研究活動情報を発信しているものでございますけれども、これの登録件数が約1,900件ということで、一昨年に比べまして約300件ふえているといったことで、いろいろなメディアを通じまして研究成果の発信を行っている状況にございます。

 以上でございます。

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【事務局】 では、引き続き、資料4で「国総研の研究の新たな展開」に基づく改善状況について御説明させていただきます。

 前回の委員会で委員の皆様方の御指摘を踏まえて取りまとめたのが「国総研の研究の新たな展開」で、資料4の左側の一番上に「1.政策の企画・立案に係わる研究について」2番目に「技術基準の策定等について」、3番目に「住宅・社会資本整備に関する技術指導・普及について」、4番目は「研究者の確保・育成について」と、それぞれの項目を記載し、項目毎に、果たすべき役割、現状の課題、そして今後の展開を整理しました。

 それぞれの課題ごとの「今後の展開」を左側に、現在の取り組み状況を右側に対比して書いています。ここでは主に右側の取り組み状況について御説明させていただきます。

 まず1番目の@、技術力の継続的な確保です。研究や技術基準策定の経緯などが円滑に引き継がれるよう、資料の蓄積、研究者の採用、任用、配置等を戦略的に行うことが必要であり、国総研の技術力を維持していくために何をすればいいのか、これは前回の委員会における一番大きな課題だったと思います。

 この問題で一番大事なのは、長期的な観点から適正な人材配置を行うために、それぞれの分野ごとに、どういった研究実績を持った人、あるいは研究職を経験者した者、今、がどこにいるのか。国交省の中全体を見渡して整理し、人材管理マップを作成する。そして、このマップに基づいて、20年後、30年後を見据えた人事を考えていくことだと思います。特に土木の分野について申し上げますと、将来の国総研の中核的な研究者となることを期待し、ことしの4月に博士号の取得者を対象に選考採用3名を実施しました。これは、マップ上で欠けているといいますか、弱い部分がございましたので、それの部分を補強するために選考採用を行ったわけです。こういった人事面の戦略、それから組織的に記録を残していくという面では、研究によって得られた知見を蓄積する仕組みとして、例えば研究のアウトプットだけではなくて、技術基準を改定したときの経緯や検討過程についても、国総研資料として取りまとめ、整理して残していくことを考えるべきではないか。こういったことに、今、取り組んでいます。また、どこまで情報を開示していくのかという検討も当然必要だと思っております。

 それから、A、Bは産学との連携です。産学との連携の充実を図るための具体的な手法も現在検討しているところですが、大きく言ってウェブ上の手法と、直接顔を合わせるフェース・ツー・フェースの手法があると思います。ウェブ上の手法から話しますと、研究成果だけではなくて、国総研や行政のニーズと、産のシーズやニーズをマッチングさせていくサイトを構築します。つまり、今、こんな研究をやっています、あるいはこんな行政のニーズがあります、国の施策の方向性はこうですといった情報を広く提供することで、共同研究のテーマの設定等に活用できないかと考えています。さらに、メーリングリストを作成して、積極的に情報をお伝えしていくことも、あわせて検討しています。

 フェース・ツー・フェースの手法としては、定期的に講演会や有識者の方々との勉強会を開催して交流を深め、情報交換やネットワークの形成に取り組んではどうかと考えています。

 Cは、情報開示の範囲等についても検討中ということです。

 Dは、現場との情報の共有です。例えば土木研究所のOBがおおぜいおられる財団法人土木研究センターでは、現場の自治体や企業とでネットワークを構築して、技術面の相談に乗るという取り組みをしています。そういった取り組みなどと連携し、現場で発生している課題を吸い上げて、速やかに対応していく体制を整えることが必要と思っています。それから、土木研究所などの独立行政法人との情報共有も、今後一層推進していきたいと思っています。

 E、Fは、分野横断の総合的なテーマ、あるいは将来の国土像や社会状況の予測に基づく分野への取り組みで、例えば気候変動に関する間題等、今でも既に幾つかこういった課題に取り組んいますが、今後とも、さらに多くの課題に取り組みたいと考えています。。

 2ページ目は、「技術基準の策定等について」です。技術基準に関しては、モノをつくるための技術基準ではなく、モノを管理していく、それも、どのような観点で管理していけばいいかという基準の作成、あるいは、これだけはやらなければいけないとか、これさえやっておけば大丈夫という、そういった新しい発想に基づく技術基準が必要ではないかとの御意見をいただきました。既に、そういった観点に基づいて幾つか指針とかマニュアル等を作っていますが、今後とも、ここに事例を挙げているように、合理的な維持管理のあり方、あるいは、これだけやっておけば大丈夫、これだけは必要というポイントを示すマニュアルなどの作成に取り組んでいきたいと考えています。

 3ページ目の「住宅・社会資本整備に関する技術指導・普及について」ですが、高度な技術力を維持するために、外部から国総研に異動してきた職員を、現場における技術指導にできるだけ随行させる方向で検討しております。といいますのは、やはりまず現場に出かけて行って、先輩と一緒にどういった問題が現場で起きているのか、それをどういう形で指導していくのか、そういった現場経験を積み重ねることで、技術指導の能力アップが図られると思っています。それから、大学でも同様だとの御意見もございましたが、研究者が研究業務に専念できるよう、非常に煩雑になってきている事務手続を軽減するという取り組みを積極的に推進したいと思っております。

 国総研に技術相談窓口を開設して、地方公共団体からの技術的要請に対応するということで、担当のセクションを定めたいと思っています。それも、ただ単に電話の取り継ぎをするだけではなくて、財団法人土木研究センターや独立行政法人との連携、あるいは簡単な想定問答を整備・充実して、現場で発生している課題に速やかに対応できるような体制の構築に努めたいと考えています。

 最後の「研究者の確保・育成について」ですが、@、Aは、先ほど申し上げた内容と重複しますので、説明は省略します。

 Bは、大学からの受け入れ人事あるいは任期付研究員制度の活用ですが、現在、任期付の研究員が国総研に14名在籍しており、うち、4月採用が2名です。現在、大学との交流人事は行っていませんが、これについては交流人事に伴う課題を整理しているところです。

 Cは、個人の発想を生かし、研究意欲がわくような、そういう研究をしやすい体制をつくるということです。これには、競争的資金による研究の促進が効果的だと考え、各種の競争的資金の特性や申請スケジュール等を職員に周知しています。

 また、博士号の取得促進では、企画部に博士号の取得相談窓口を設置して、学位の取得に関する説明会を実施しています。特に研究所に異動してきた職員に対しては、博士号の取得に計画的に取り組むよう促していきたいと思ってます。

 専門分野における研究能力向上のためのオン・ザ・ジョブ・トレーニングでは、学会や技術発表会等での成果発表等を計画し、その達成状況を評価するための指標や方法について検討しています。

 最後は情報の発信です。国総研における研究の成果は、原則としてすべて論文として発表したりや雑誌に投稿するという方向で検討しているところです。これまでの実績については、先ほど説明させていただいたとおりです。

 以上です。

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【委員長】 ありがとうございました。

 それでは、最初に申し上げましたとおり、資料3と資料4につきまして、最終的には取りまとめて評価を行うという形になっておりますが、そのプロセスにおいては、御自由に御質問から始めていただいても結構ですし、御意見からでも結構でございます。御発言いただきたいと思います。御発言の際に当たりましては、でき得れば、資料3については大体オーケーだとか、資料3のこれはちょっと気に食わないとかということを一言おっしゃっていただいて、いろいろな質問、御意見をいただくと、取りまとめる方としては助かるのですけれども。

【委員】 資料4の1のAに関してですが、産学との連携ということで現在検討中ということですので期待しておりますけれども、最近、国総研あるいは国と産の方の共同研究というのがなかなかできていない状況かと思います。例えば国交省での建設技術研究開発助成制度の採択テーマにいたしましても、やはり学中心のテーマが多いという印象がございまして、ここにありますようなウェブを使ってニーズとシーズのマッチングを図るサイト等の構築によって、ぜひとも産も含めた研究体制の構築ができるような仕組みをつくっていただきたいと思いますので、よろしくお願いしたい。

【委員長】 ありがとうございました。

【委員】 何点かあるのですが、説明資料のページで箇所を示したいと思います。最初は、説明資料の2ページに「研究経費推移」というのがありまして、世の中で選択と重点化のときとか、政策が大事とかと言われているわけですよね。ところが、いろいろなところで調査費等を見ておりますと、事業費とあわせて減ってきて、中でも特に政策の決定とか重点化のために役立つような本当のソフトの調査研究費が非常に減っております。事業実施のための試験費とか測量費というのはそこそこ確保されているのですけれども、世の中で言っている選択と重点化、そのための賢い意思決定というのに逆行するような予算になっていまして、国総研の方もそうならないように努力されているとは思うのですが、それへの応援です。実情と必要性はきっちりあちこちへアピールしないといけないだろうと思いました。それが1点目です。

 2点目ですが、気候変動適応研究本部は実にいい企画だと思うのです。こういう目に見える形で組織をつくられてやっていきましょうということは、画期的な試みで高く評価できると思います。一部入っているのですけれども、例えばこの前の中央防災会議等では、地下鉄の隧道を通って洪水が地表より早く行きますとか、特に都市部では下水と河川というのは一体的にネットワークとして考えた方がよかろうという、そういうことも考えますと、もうちょっと広がってもいいのかなという印象でございますけれども、これはすばらしい試みだと思いました。

 あと、話が個別のことになって申しわけございませんけれども、ちょっと気になったこともございまして、その次のセカンドステージITSです。確かに安全というのは今この世の中で攻め口としては一番いいのかなと思うのですけれども、情報技術というのはやはり間口が広い、何でも使えるというところもありまして、その辺はとうに織り込み済みだと思いますけれども、料金の問題とか制御の問題とか、あるいは、道路特定財源はなくなりましたけれども、その次の財源の問題とか、すごく先が広がっている技術でもございますので、ぜひその辺もお忘れいただかないとありがたいなと思いました。

 それと、10ページの「国際物流に関する研究」も非常に大事だと思います。こんな話をしたらしかられるかもわかりませんけれども、先ほどの温暖化とも絡むのですが、温かくなって北極海が使えるようになってくるかもわからない。そうすると、ヨーロッパ航路とか北米の東海岸航路ががらっと変わって、今の日本海側と太平洋側の関係というのがどうなるかよくわからない。こんなことを言うと申しわけないですけれども、今のスーパー中枢港湾というのはやはりちょっと負けてしまっていますので、北極海が航行できるようになるのが望ましいのか望ましくないのかというのはちょっと別の議論としてはあるとは思うのですけれども、その辺を見通した長い視野の研究というのがあればいいのになと思いました。

【委員】 ○○でございます。大変全体わかりやすく御説明いただきまして、実によくわかりました。私の研究所もぜひお手本にさせていただきたいと思うくらいでございます。

 まず、説明資料の1ページに定員の推移がございます。私、大変感銘しましたのは、研究職が減っていないということです。全体は減っていますけれども。私は、研究所は当然こうあるべきだと思います。これは大変御立派な運営であると思います。

 2つ目でございます。今、○○先生も発言されましたが、6ページの気候変動適応研究本部のことでございます。これは極めて大事なテーマで、大変結構だと思います。これに関して1つ、2つ申し上げたい点があります。いわゆる地球環境問題というのは緩和と適応と2つございまして、どうしてここでは適応だけなのかということが理解しづらいと感じました。それについて説明します。いわゆるエネルギー需要というのは産業部門、運輸部門、民生の3つございまして、運輸と民生を足すと日本全体の5割以上のエネルギーの使用になります。これらはある意味で国交省の管轄の範囲です。もちろん他省庁も関係しますけれども、国交省が直接的に需要行政として関与しているわけでございます。そういう意味では、国交省はエネルギーの需要行政については非常に大きな責任と権限を持っているわけでございます。ということは、地球環境問題に直接関連する省エネというのは、やはり国土交通行政の大きな柱の1つだろう思います。省エネというのは実は気候変動の緩和の方に関連が深いわけでございまして、国総研で気候変動の研究をするならば、緩和ということがあってもおかしくはないのではないかと思いました。

 それから、気候変動に関連して、今、2050年に向かってCO6割削減とか8割削減と言っているわけでございます。となりますと、やはりいろいろな意味で経済規模や社会基盤の規模の縮小をするところが出てくると思うのです。もう1つ、人口減少時代に入っております。その意味では、私はある種のインフラが余るのではないかと思います。インフラが余るということもある程度想定して、そういう研究をする必要はないのだろうかと思います。名古屋大学の林先生らは結構そういう研究をやっておられます。くりかえしますが、人口減少社会と低炭素社会ということになりますと、関連する経済活動も縮小する可能性が十分あるわけでございまして、それに従ってある種のインフラが今後余る可能性もあると思います。人口減少時代あるいはエネルギー消費減少時代における社会資本整備のあり方を御検討いただいてもいいのではないかということを考えました。

 もう1つ、資料4にでてきます人材育成の話です。これに関しまして1つだけ質問したいと思います。国総研の場合、本省の行政とのかかわりが非常に強いかと思うのですけれども、今後の中長期的な人材育成の方向として、行政支援にどんどん活用できるようなゼネラリストという人材と、研究者として博士号を取れるようなスペシャリストの2つ面の人材育成が必要であるかと思います。その辺の仕分けと申しますか、中長期的にどういう形でゼネラリストとスペシャリストを養成するのか、その辺の見通しをある程度お持ちいただいて人材を養成いただけるとよろしいのではないかということを感じました。

 以上4点でございます。

【委員】 ○○ですけれども、先ほど国総研の方から説明を聞いたときには何ら興奮しなかったのですけれども、今、○○先生、○○先生から指摘があると興奮してくるのですね。それはどういうことかというと、本来、国総研が評価していただこうとすると、そんなに平たんな表現で説明されると、それでもいいではないかという気になってしまいます。最初に変なことを申し上げますけれども、こういう評価委員会が開かれるというのは、一人一人ヒアリングされるのではなくて、この中での公開の場で議論しているというのは非常にいいことだなという気がいたしました。

 私も幾つかのポイントがあるのですけれども、1つは、まず予算の話と組織の話ですね。これは今回20年度の議論をするという中でタブーのところかもしれないのですけれども、それに向かってどうやっていくかということも含めて議論されるということで、ちょっと述べたいと思います。それにしては、20年度のやったことの評価だといいながら、20年度何をやったかというのは余り明確に示されなかったような気がするというのも、この評価委員会の仕組みに対してちょっと不満のあるところですということをまず言っておいて、予算の話ですけれども、では国交省として、あるいはその中の国総研として、いわゆる科学技術予算というのが必要なのだということをどういうふうに言っていくのか、それをどうやって予算を取っていくのかということの議論をやはりそろそろ根本的にやられた方がいいのではないかという気がしました。

 総合科学技術会議で社会基盤の分野に入る国交省から、科学技術予算としての分が非常に見えない、小さいというところが非常に気になります。それは、先ほど言われたように、事業費あるいは測量調査費のようなところからかき集めて研究しなければいけないから、あるいは調査しなければいけないからということは非常に効率的なのだけれども、これからの中ではやはりその辺を論理的にやっていかないといけないし、社会基盤を国交省が担っているのだということのアピールという面でも非常に重要ではないかと思います。そうすれば、先ほど少し地球温暖化、気候変動枠組みの中でもおっしゃいましたように、社会基盤を担っているということは、決して適応策だけではなくて緩和策も実は担っているのは国土交通省のさまざまな役割の中で関与しているということの認識が出てくるのではないかという気がいたしました。

 もう1つは、組織の人数の方ですけれども、先ほど任期付の研究員の話が、その人事の問題をどうするか、研究職の不足分をどうするかという話が出ていました。一方、土木研究所の方は最近多数のポスドクを採用しています。それに比べて国総研はその枠が非常に少ない。これは、私は理由があると思うのです。それは手続上の理由だけではなくて、研究の課題等にかかわって、どういうやり方でやっていくのがいいのか悪いのかという議論をして、なぜ国総研は任期付ポストでない部分でやるのだけれども、土研の方はそういうところに助っ人をいっぱい入れて研究を推進するのがいいのだとか、その辺も少し整理されたらいいのではないかという気がいたしました。

 それから、せっかく気候変動枠組みの中でその本部をつくられて、研究テーマとしては気候変動下での大規模水災害に関する施策群というテーマを打ち出されているのですけれども、やはり気候変動という重荷は必ずしも災害の面だけでなくて、水資源の面、それから環境の面、これはまさに本部の中ではジョイント、連携を組まれているわけだから、研究テーマの中でどんなふうに出てくるのかというのがちょっとまだ弱いのですね。ぽーんと大規模水災害のところはやれそうなところが見えてきて、かぶりつくところができたのだけれども、水資源の問題とか、それに関連する資源の問題、これは省庁を超える、水資源というのは、バーチャルウオーターでもわかるようにいろいろな意味でのリソースであるわけですから、それとの関連でしっかり地球温暖化に対する適応の中で考えていかなければいけないし、今、国総研の中で環境を組まれたという話の中では、やはり生態系の問題とか自然環境の問題とか、その辺についても組めるはずなのだけれども、これも国土管理の中で、気候変動下の中で明快になってきていない問題で、国総研の方でやはり率先的にその辺に対するアドバルーンを上げていただきたいなという気がいたしました。

 それから、大規模水災害の問題というのは、先ほど中央防災会議の話も出ました。施策と密着しながら研究を進めていかなければいけないはずですね。そこをどうやっていくのかというのが、すなわち国総研の研究と防災会議、これは必ずしも国土交通省だけでないにしても、そういう大規模施策の問題とのリンクした研究をどう進めていくのか、この辺もやはり国総研の方からイニシアチブをとってやっていただけたらと思います。先ほど国総研のTEC−FORCEというふうな表現をされたけれども、TEC−FORCEには当然国総研でない、それぞれの地整の部隊もいますね。その中でどんな役割をするのかというのは、まさに今ちょっと申しました施策と申しますか、行政の中での国交省のある部分の施策の担い方と国総研としての担い方、その辺の仕分けも、今大きな問題に関しては、今私が申し上げたのはちょっとわかりにくくなりましたけれども、施策と連動した連動するというのは、研究したからどれだけガイドラインになった、マニュアルができたか、通達があったかというのではなくて、まさにリアルタイムで連携しながら研究していくということができたらいいのではないかと思いました。

 それから、気候変動でも出ましたけれども、前からも言っているのですけれども、国際的な取り組みというものをどうするのかなというのが、IPCCに貢献するというふうな、第5次報告に貢献するというふうなおっしゃり方をしたのだけれども、日本の特殊な状況の中で研究したものを、1つのイグザンプルとしてIPCCの事例の中に取り込んでもらうというのも1つのやり方かも、そういう意味での国際貢献かもしれないのですけれども、日本のすぐれた国土管理技術を、日本のように高度にインフラが整っていないところでもどんなふうに生かすのかという観点というのはやはり忘れないでほしいという気がします。気候変動に対する取り組み方も違うし、それから、その後に出ましたITSとか社会基盤上のさまざまなオペレーションの問題は、日本固有の問題になってくるのか、それともアジアでも発達した都市部では非常に有益な問題なのかとか、そういう国際的に通ずるところと通じないところに対する手当てみたいなところにケアしていただけたらという気がいたしました。

 ちょっとばらばらに申しましてわかりにくかったと思いますけれども、以上、私の意見でございます。

【委員長】 私も申し上げたいのですけれども、気候変動に関しては、ここではこの研究本部、私も大賛成でありますが、この対象を河川と下水道のレベルになっているのですけれども、高潮も入れていただきたい。高潮と、それともう一個、土砂災害も一緒に入れていただくと、ここを効率よくいろいろなことが計算できるのですね。ぜひともその辺のことをお願いします。

 ほかに、ついでに注文等ありますか、気候変動に関して。

【委員】 気候変動に関しては、私は専門が全然違うのでよくわからないのですが、気象分科会に参加しています、いつもここで議論されるべき議題で、気象庁の方が責められるのですね。気象変動の原因を研究する気象庁あるいは結果の防災に対応する自治体といった人たちの意見を取り入れてはどうでしょうか。ここのメンバーに入れるかどうかはともかくとしても、多少彼らを巻き込んではと思うのですが、そのようなことは必要ないのでしょうか。

【委員長】 気候変動に関してありますか。

【委員】 皆様と似たような部分ではありますけれども、やはり悪化したときの対策だけではなく、どうやって対策をとっていくかという、今、日本の国自体が非常に大きな目標を上げてやろうとしているところだと思うのですが、そういう数字を国土交通省の皆さんが抱えていらっしゃるところでどういうふうにやれば、2020年15%マイナスとか2050年50%、いや60〜80マイナスというのが組めるのか、そういう展望を、いわゆるバックキャスティング的な形になると思うのですけれども、少し思い切った検討を実際にやっていただいて、現実の施策にこの部分だったら生きるのではないかみたいな提案をどんどんしていただくというのが社会にとっては大事かなとすごく思っています。

 関連で申し上げてしまうと、研究の発信というふうに資料3のところのテーマなどでも書いてあるのですが、それをどう活用するかということも今にすごく重要になってくると思っていて、地域の大学の先生方と自治体と住民や事業者さんが、自分たちの地域をこれから環境的に改善するためにどうしようかと、いろいろなプロジェクトが今全国各地で起こり始めていて、こういう研究を活用して、では自分たちの地域はいろいろな規制とか法律がある中でどういうふうに改善するかとか、結構皆さん苦労するようなプロジェクトが最近非常にふえてきておりまして、そういう活用するためにどういうふうに規制緩和するとか、方向が必要なのかという、そういうような話し合いとか研究も少し進めていただくとうれしいかなという感じがしております。よろしくお願いします。

【所長】 この本部はうちの中の体制として、特に適応策ということについての体制を組んでいるだけですので、実は私どもがやっている研究だとかいろいろなかかわりは、先ほど来お話が出ている緩和策は各部署で相当駆り出されて一緒にやっております。ただ、適応策については、緩和策の方は省内もうちだけではないですし、それから先ほど来出ていますように役所も経済産業省から何から、環境省からみんなでやっているわけですけれども、こういう水災害その他の適応策については、うちの方でかなりしっかりやらないとどこもやってもらえるところがないというのがあって、そういうニーズを逆に言われているのもあって、本腰を入れてこういうことを突っ込もうと。ですから、これだけをやっているわけではないです。

 そういう意味では、先ほどの機関、この関係でも、適応策についても気象庁ですとか関係自治体ですとか消防庁ですとか、いろいろなところが活動としてやっています。うちの体制はこの中の体制ですということです。ただ、おっしゃった中にあった、これは今もやっていますが、砂防、土砂災害のは書いていないかもしれませんが、一応入っているのですよね。いつも出ていなかったのでしたっけ。まだうまくできていない部分があっても、港湾だとか何かとか、それを当然合わせてやろうという話を中でしておりますので、言われるように、うちの中でまず体制を組むにしても足りない部分というか、ちゃんと連帯できるのはしっかりやらせていただきたいと思っています。

 それから、先ほどこれに関連して国際的取り組みというお話があったのですが、その問題意識もあって、今はまだ十分できていないのですが、幾つか世界のWMOからユネスコ、国際防災戦略だとか国連機関ですが、いろいろな機関、それから幾つかのこういうことについて熱心にやっているオランダだとかイギリスだとか、既に連携をとっておりまして、そういうところと、これは本省の方も含めてでありますが、今、国際的な少しアウトプットを出そうと。あと、場合によっては、日本国内ではよく学者の方々から御意見をいただいた委員会や審議会があったりするのですけれども、それを国際ベースで、私どもの方から少しちゃんと資金は出して、運営経費を出して、その委員に、先ほど言いましたWMOだとかユネスコだとかの、世界の重立ったようなところも皆入っていただいて議論をしようと。そういうことで、実際は日本というのは災害大国なので、かなりノウハウみたいなものがあるのを、しっかりと議論している中でうまく活用できていただくようにしていけないかなということを今やろうとしてございます。

 そういう意味では、ちょっと水資源環境も弱いというのは、先ほどのようなことで環境等についてもいろいろ駆り出されているのですが、極めて水災害についてしっかりうちが出さないとまずいなという問題意識でなっています。

 気候変動関係は、基本的にはそういうことでございまして、委員の先生方おっしゃることはごもっともだと思っていますので、さらに発展をさせていきたいと思っています。

【副所長】 気候変動関係でさらに御意見があれば。

【委員長】 ○○先生からは、渇水の方も一緒に考えねばならないのではないかと、こういうお話だったのですが。

【所長】 渇水もやっているのです。ここには渇水の紹介がしていないというので、渇水も、中では荒唐無稽な検討ではないかというぐらい、ダイナミックに、チャレンジングにやっております。

【委員】 こういうふうに言うとそう答えられるのもよくわかっていたのですけれども、やっていられるのもよくわかっているし、ミティゲーションの方もそれこそLCAとかで、やっておられるいろいろな事業に対してどれだけのミティゲーションの効果があるかもはかるような研究もされている。それが実はやっているのですよというのではなくて、うまくこういう研究と実際には結びついていないといけないということを申し上げたかったのです。特に水災害に対するアダプテーションというのは、日本がリードしてやっていかないといけないというのはよくわかるのですけれども、やはり個別の施策ではなくて、流域とかそういうところに手を出していかなければいけないわけですね。そうすると流域の改変みたいなものがある、あるいはダムみたいなもの。ダムは日本で決して洪水調節だけのために働いているわけではなくて、水資源の問題とも密接に結びついているし、流域環境とも結びついているわけだから、幾ら水災害のアダプテーションだといっても、水資源の問題と貯水量を分け合わなければいけないし、環境とも分け合わなければいけないところが出てくるので、ぜひ一緒にやっていかないといけない。

 それから、余り政治の批判もできないのですけれども、ミティゲーションばかり走り過ぎているところもある意味では問題で、ミティゲーションとアダプテーションというのはコンビネーションを上手にとっていかないといけないというのですけれども、例えば今、私、流域でアダプテーションとか環境の問題とかをしっかりやりなさいというのは、本当は排出権取引ではなくて、その流域であったことがまさに全体のGCMにどんなふうに影響するかというのは場所によって違うはずなのですね。ここで炭酸ガスを削減することと地球の裏側で炭酸ガスを削減することでは、GCMにかかわってくる量というのは全然違うのに、今や場所によらず取引していますね。そういうふうなことも含めて、流域で日本がアダプテーションを考えていくときに、それは翻ってミティゲーションにどんな効果があるかということも学術的にはやっていかれたらよろしいかなと思って申し上げました。

【所長】 この本部の中には環境とかいろいろ入っておりますので。

【国総研】 河川研究部には河川と水資源と海岸と3つの研究室がございます。そのうちから人材を切り出してこの班をつくったものですから、ここに入っていないのですが、実はこの本部の打ち合わせをやるときには、ここにプラス河川と水資源と海岸の私どものほとんど全員が入ってやっております。そういう体制もあるものですから、今、所長に、7月からは河川研究部の海岸、水資源、河川も全員できたら本部の中に入れたという形で、全体でそういうふうにやらせていただきたいというお願いをしているところでございますが、まさにおっしゃるとおりだと思っておりまして、そういった意味で、ほかの関係のところを総挙げで頑張っていきたいと思っております。

【委員長】 今ちょっと突然気候変動のテーマに限定してディスカッションをいただきました。もし追加として御意見があればいただきたいと思いますが、いかがでしょう。

 それでは、地球環境問題はこれでおいておきまして、また戻っても結構ですが、どうぞ。

【所長】 何人かの方が言われましたことで、若干お答えを申し上げておいた方がいいのがあればと思ってでございますけれども、大体御指摘のとおりであれなのですが、今の情報技術も広く全体でどうだということはそうだと思いますし、それから、やはりそういう戦略といいますか、研究戦略みたいなものをまだちょっと十分できていないのですが、去年のこの会でもいろいろやりとりをさせていただきましたが、お金の使い方から何から、単に研究がいっぱい並んでいるのではない、我々、目的意識で組み立てようということでございますので、そうさせていただければと思っています。

 それから、人口減のお話がありました。これもきちんと検討してからいたしますが、前簡単なものをやったときには、ヨーロッパとかは人口減だから逆に国力を維持するためにインフラ整備みたいなことをしたりしているので、そこも含めてトータルで考えたいと思ってございます。

 人材育成については、マップの関係。

 予算は、ですから戦略的にどうやるか。人事も、ゼネラリスト、スペシャリストのお話がございましたが、正直なところ、ゼネラリストならいいのだけれども、みんな素人になってしまっている部分があるというのは、これは我々も気づいている部分でありますし、先生方からも何だというふうなことをいただく分野もあったりするので、そういう意味で、正直いろいろなことを考えないといけないのですが、根っこでしっかりと支えるところが今、特に建築とかはかなり体制がしっかりしていると思いますが、分野によってそういう意味では違うのですけれども、問題意識としてはそこにありますので、そこの部分は先ほどの選考採用、まさにオーバードクターの方だとかのところで、全体の人事計画がまたおかしくなるといけないので、そういうことができる範囲内では相当そこに問題意識の中心があって今運用しようとしてございます。

 ちょっと雑駁なお答えで、十分お答えできていない部分があるかもしれませんが、以上でございます。

【委員長】 今のお話に連動して、ゼネラリスト、スペシャリストの問題とか人材の問題で、人材管理マップを作成するとありますね。これは何年か前にどこかの部署でそういうマップを作成されて、それを河川でしたか、そういうものがあって、それがこことどういうふうに連動しているかなということに気がついたのですけれども。

【副所長】 去年の9月の、外部評価委員会、全体委員会の2回目をやっていただいたときに。(スクリーン表示画面を示す)これですよね。この課題を受けてこの取りまとめをして、その取りまとめの結果こうなっていますので、全部つながっています。

【所長】 まさにこれをもうちょっと、これは国総研の中だけなのですけれども、たまたま転勤して外へ行っている人も含めて、どこに技術が保持されているかというのを各分野ごとに整理をして、それはぴたっとはいかないかもしれませんが、ある程度きちっとこのことについてはしっかりと言える人がいるというような体制をつくっておこうと思っております。だから、これだけがということではないのですけれども、これが1つの問題意識でございます。

【委員長】 これは河川ですけれども、ほかのところにもこういうものをつくっておられるのですか。

【所長】 同じ……。去年議論したときには、どうですかね。

【国総研】 以前お示しした河川の人材管理マップはこれのことだと思ます。これは研究の分野としてどんなエリアがあるのか、そして、それぞれのエリア毎に、今の時点でどこにどんな人がいるのかを整理したものです。一方、去年お示しした図は、ある分野において、時間の経過とともに、20年後、30年後にどう推移していくかをシミュレーションし、どの部分が弱点になるのかを示したものです。しかし、細かく分野分けをして分野ごとにスペシャリストを育てていくのは不可能ですから、ある程度大ぐくりしていかなければいけません。研究分野の全体をどの程度のエリアにくくって、長期的な人材の育成計画を考えていくか整理するのがこれからの作業だと思っております。

【委員長】 わかりました。

【委員】 ○○でございます。私は、自分の属している建築といいますか住宅業界の方で、特に説明資料で言いますと9ページが関連が深いのでございますが、こういう景気の状況の中で、特に私もそうなのですが、民間の会社にいても技術系の人間というのは、大体景気が悪くなってきてあれしますとかえって忙しくなるという状況で、恐らく皆様方もある意味では同じ状況で、あれやれこれやれというのがどんどん来るのではないかなという気はします。そんな中で、ちょっと気になっているのが、ある意味で行政の方で急いでどんどんやらなければいけないという中で、研究者の方々からしますと、やはりもうちょっときちっとやってから出したいというようなものが案外中途で出ていってしまうといいますか、そういう危険性があるかなという気がしているのと、それは単純にそう思っているだけですけれども、あと、環境問題にしてもそうですし、あるいは少子高齢化対策にしてもそうですけれども、いろいろな複雑な目的の中でいろいろな制度が絡まり合ってきますと、出てきたものを見ていますと、やはりかなり複雑化してきているのではないかという気がします。そんな中で、先ほど○○先生もおっしゃいましたけれども、ある意味でインフラが余ってくる可能性もあって、単純に言えば、増築ばかりでなくて減築もありかな、あるいはどこか1カ所にまとまって住むような住まい方もあるかなというようなことを考えますと、複雑化したものを何とかシンプルな、単純化するような、そういうような動きもお願いできたら。結局最後はお願いになってしまうのですが、規制緩和も含めて、ある意味ではシンプル化するような研究というのも、できましたらお願いしたいということでございます。

【委員長】 ありがとうございました。

【委員】 情報の発信のところなどに関して一言申し上げたいと思ったのですが、最近の国土審議会での新たな国土の形成計画のところで非常に大きな特徴として、新たな公を位置づけるというのを持ってきたというのは大変大きなポイントだったと思っているのです。そういうときに、なぜ新たな公が必要か。やはりできるだけ行政のスリム化とともに、市民が積極的に参加をする、役割を担う、実践をする、いろいろなことで役割を担うという、そういうこともあると思うのです。ここで今いろいろ出てきているのを拝見すると、情報を発信しましたというようなことで割に書いているような感じがするのですが、どうやって発信して、それを市民に伝えて、市民をやる気にしてもらって動いてもらうかとか、こちらの研究課題に合うのかどうかというのはあれなのですけれども、そういう研究成果をきちんと発信をして、それをもとにどうやって市民社会の中で現実に活用するような状況に持っていくのかという、それも研究テーマとしては非常に重要な次の展開なのではないかなという感じもしながら、この資料を拝見していました。ほかのところが研究しなければいけない話かもしれませんが、そういう視点もこれから必要ではないかというのを、この資料を拝見しながら思ったものですから、よろしくお願いいたします。

【所長】 たまたまですが、きのう、マスコミの人とかがたくさん集まって話をしていたときに出ていた話で、なるほどそうした方がいいなと思っていたのですけれども、ある種研究、これは大学の先生方もそうだと思うのですけれども、専門的なことを考えている集団もしくはそこのアウトプットが今のこの社会の中で一般の市民のところにどう貢献できるかというか、そこの人たちの運営でどうできるか、どういうことを専門的なところプラス要は、専門的なところまで全部一般の人に考えろというのは、やはり情報量からいろいろ考えるプロセスから難しいのだけれども、そこへちょっと専門家が助けることによって、地域の社会の運営みたいなものがすごくうまくいくというようなことを、例えば防災だとかまちづくりだとか幾つかのところであって、それを何とかできないかなといって、彼らが国総研で何とか検討しないかと言われて、きのうたまたまなのですが、あったのですけれども、まさにそういう問題意識ではありますが、まだちょっとそういうやり方をできていない。ただ、少し名前だけになっていたけれども、ソーシャルキャピタル云々と言って少しそういうのを検討ぽくしているのですが、具体的な中身はそうはなっていないので、ちょっとちゃんとしたのがあるそうです。

【副所長】 横須賀で港湾空港の方をやっております副所長の○○でございます。私のところの研究者で、まさしくおっしゃるように自分の研究成果を持ってNPOの中に入り込みまして、海辺の環境づくりですけれども、このノウハウを市民に移植して、行く行くは自分が手を引いても市民が海辺の環境の維持をできるような、こういう体制をつくろうとする、そのつくること自体のまたノウハウを蓄積しようと。これをライフワークのように研究している研究者もおります。

【委員長】 今の具体的な海辺の環境というのは、例えばどういうものですか。砂浜とかですか。

【副所長】 磯だまりをつくって、ここに生物の多様性を取り戻そうというような研究をやっております。

【所長】 ちょっと専門的知識があれば、こうやってやったらこんなふうによくなるぞということをうまく言ってあければ、すごく進むので。

【委員】 今の情報発信の方法なのですけれども、広報担当というのはいらっしゃるのですか。

【副所長】 いません。担当者はいますけれども、本来の意味での情報……、いません。

【委員】 それから、トータルな年間の広報計画というのは立てていらっしゃるのですか。それとも必要に応じて広報活動をするとういうことでしょうか。

【所長】 ないに等しいと言った方がいいです。

【副所長】 定期的刊行物を広報戦略としてどうするのかという議論を投げているのですけれども、その回答が来ないので、できていないと思ってもいいのと、それと場当たり的です。みんなできるだけ記者発表しろということを口頭で言っているだけの状態です。

【委員】 これほどの活動を広報しないのはもったいないといつも思うのですけれども。私も評価委員就任当初、いろいろな研究活動を見学させていただきましたが、こんなにすばらしい仕事をしているのに、内輪の人にしか知られていなのは残念だと思いました。、一般的には知られていないですよね。せっかく戦略をお持ちでしたら、その戦略を見せるという戦略もお立てになって、年間を通して計画的に、課題を追いかけるのではなくて最初から計画を立てていくべきではと思います。、機関紙を出すだけではなくて、市民にむけたイベントなどの活動も含めて年間計画をお立てになって進めれば、かなり効果が上がるのではないかと思います。

【副所長】 既刊物自体も問題でして、何かというと、だれに何のために送りつけると言うと怒られるのですけれども、きょう調べてもらっていたら、例えばここに書いてあるNILIMのレポートは大学の図書館らしいのです。この前、○○先生と会議をしていたときに、これは関係する先生に直接渡さないと意味がないという御指摘があったものですから調べてみたら、図書館に行っている。図書館に行っているということは、何も使われていないということですから、そういうことも含めて広報戦略というか、割と細かなところから大きいところまできちっと本当は組み立てないといけないという問題意識ではおります。ちなみに、これの19ページ、これは単独で動いているのですけれども、例えば液状化のものがNHKのテレビに出たとか、そういうのがあるので、NHKは2〜3回出て、国際ニュースにも出てということで、中身は実際は大したことないのではないかと思うのですけれども、出るだけですごい効果があるみたいなことがあるので、もう少しインテンショナルに研究者あるいは我々管理者が考えて、きちっと。

 実は、前の評価委員をされていた毎日新聞の科学部の○○委員に言われていたのは、記者発表するときは科学部に送ってくれと言われているのですけれども、まだ何もやっていないと思うのです。つくばクラブというところと国土交通省記者クラブに投げているだけで、一番やってほしいと言われている新聞社の科学部に送っていないというのがあると思うので、それも1つやっていかないといけないという意識ではおります。

【委員】 だれに広報するか、いつやるか、何をするかというような全体の戦略を立てておやりになったら、かなり効果が上がるとは思うのです。

【副所長】 実は、きょうの資料は、今まで見ていただいた資料とかなり変わっていると思うのです。これは所長の指示で、今までのものではないものを、ちゃんと実際に全体の研究所の活動について忌憚のない意見をいただくためにはどういう材料がいいかという視点でやっていまして、ちょっと不十分な点もあると思いますけれども、担当者が一生懸命この2〜3週間頑張った成果です。今までのものだと、あれもやっている、これもやっているということで40枚ぐらいのパワーポイントだったものを半分ぐらいにして、中身も一応一新したので、今までと違うということは、○○委員以外は2回目、3回目の方ですからわかっていただけると思うのですけれども、こういう努力をしておりますので、よろしくお願いします。

【委員】 私はそのご苦労は非常によくわかります。本当によくわかります。

【所長】 問題意識はそのとおり持っていまして、去年のこの会の後に内部でも広報の戦略のシートをA3でつくって、左側に、だれに向け、一般の人なのか、大学の先生にはどうするのかとか書いて、今やっている最中なのですけれども、なかなかできていないです。できれば、全部整理できなくても、具体的に進めるものだけでもやれば、またやっている方も元気も出るので、そういうふうにやっていくのですよね。

【委員】 これからいや応なく日本は分権化が進んでいくと思いますし、社会資本も整備よりは維持管理の時代に入っていくと思うのです。そういうときに何を考えたらいいのかなと思うので、例で申し上げますと、説明資料の11ページに「維持管理に関する研究活動」というのがあるのですけれども、左下に一般国道と都道府県道の橋長15m以上の物件がこれだけあって大変だよという話と、その右側に、事後保全から予防保全にやっていきましょうという話があって、一見すっとつながりそうなのですけれども、左側の絵と右側の絵にはすごく大きなギャップがあると思うのです。それは何かというと、例えば管理者が違うものをネットワークの中でどこに重点を置いて何からやっていけばいいのかという議論が実はないのですね。そういう評価のあり方とか政策のあり方とか、その中には、国がやるべきこと、あるいは国道の機能って何なのだろうかとか、県道はどうだ、市町村道はどうだとか、代替性はどうだとかという、そういう議論がいっぱいあるのですが、そこがすぽっと抜け落ちていて、大丈夫かしらと実は思いました。

 それと、今の広報とも絡むのですけれども、地域に住んでおられる方とのコミュニケーションをどうするかというのが実は大事だと思うのですが、全体の研究のフレームワークで気になりましたのが、説明資料の3ページ目に「主要な研究活動」という絵があって、一番下に「国づくりを支える総合的な手法の確立」というのがあって、その中に「公共事業の構想段階における計画策定プロセスガイドライン」というのがあるのです。これは大事なのだけれども、本当に公共事業の構想段階だけ考えておいていいのかしらと。維持管理の問題とか、あるいは新たな公に期待すべきことということなんかもあって、やはり分権でいろいろな人がちょっと立ちすくんでいる中で、だれと一緒にやっていけばいいのかということもやはりもう一度よく考えなければならないと思うのです。道路の問題でコミュニケーションがだめよというふうにあちこちで言われて、不幸な状態になっているのですけれども、実はそこがすごく大事なところではないかと思いまして、今回はそういう意味でちょっと遠慮されているなと。ソーシャルキャピタルの研究もされていますし、コミュニケーションの研究もされているので、その辺もうちょっと打ち出されてもいいのではないかなと思いました。

【国総研】 御指導ありがとうございます。まさに、今、○○先生おっしゃった、道路管理者の枠を超えて、ネットワークの観点からの重要性を踏まえた上でどういう戦略で維持管理していくか。実は来年度からのプロジェクト研究でぜひ立ち上げたいということで、7月15日の第1分科会の方で審査いただくように、新たな施策として打ち上げようと思っていますので、ぜひそのときにまたいろいろ御指導いただければありがたいと思います。

【委員】 そのときに、もしできれば、先ほど○○先生がおっしゃった、縮退していくので余るインフラという話が多分あると思うのです。道路の話になってしまいますけれども、道路の中期計画は、高規格道路をやります、通学路もやります、全部やりますと書いてあるのですね。それぞれのセクターで効果と費用を考えて厳しく順位評価をして選択しますと書いてあるのですけれども、全部やりますと書いてあるのです。ところが、多分、高速道路ができればそっちへ転換をするので、幹線道路がすくから、幹線道路に行くとまた地域の通過交通がなくなりますので、地域の総容量台キロはふやさないけれども、整備をしますと。むしろ非幹線については、地域の乳母車とか自転車とか歩くということにお返しします、そういう意味で空間をきちんとやりますよみたいな、そういう、道路ネットワークとしてどういうサービスを提供して、それはどういう分担にあるのかというところと維持管理の議論とかミッシングリンクの議論というのが連携してくると思いますので、ぜひそういう方向も、7月にまた議論させていただくことになるかと思いますけれども、せっかくの機会ですので。

【国総研】 わかりました。その辺のネットワークの中での機能分担については、道路構造令について、今は弾力的運用を進める上で自治体が例外規定をどうやって使っていけるか、それの根拠をつくらなければいけないというのが喫緊の課題なのですが、さらにその先には、そもそも種級区分、道路のそれぞれの機能の役割自体を見直して種級区分も見直さなければいけないのではないかというところの議論を始めようとしておりますので、○○先生に御意見をいただきながら、その辺の議論を進めていきたいと思います。15日にお願いしているのは、もうちょっと維持管理の観点からの道路管理者を飛び越える、さらに言えば、現在は橋梁は橋梁の中でプライオリティを考えていますので、本来そうではないだろう。トンネルがあり、橋梁があり、急傾斜地がありと。それぞれの中の横並びで統一の土台の上でプライオリティを考えてやっていかなければいけないのではないか、そういったところとあわせて取り組んでいきたいと思います。その辺のところを提案させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

【委員】 この説明資料、先ほど大変すばらしいと申し上げました。そのとおりなのでございますけれども、私どものようなある種の国土交通行政のセミプロが見ると極めてよくできているわけでございます。今社会全般の雰囲気として、国土交通行政に、道路とか箱物に対してある種の逆風が吹いている。このようなときに、社会資本整備の必要性を国民の人たちにどう理解してもらうかという視点が必要かと思います、はっきり言って、今回の資料は、建設省目線というか、土木目線というか、そういう感じの資料になっている部分があると感じます。一般の人にとっては、健康とか住まいとか生活とか文化とか、そういう事柄は非常にすっと入ってくるわけですよね。ですから、そういう一般の市民の方にこういう国総研の研究になじんでもらうためには、そういう視点が少しあった方がなじみやすいのではないかと感じました。プロが見ればこれは100点なのでございますけれども、そういう感じがします。

【委員長】 何かいい知恵はありませんか。いつも大きな話題ですよね、ここのところは。

【副所長】 昔、絵本をつくったのですけれどもね。あれを一回御紹介した方がいいかな。

【委員長】 住宅はまだいいですね。

【副所長】 あれは国総研の絵本でしたね。

【委員】 「国総研の仕事」というものでしたよね。

【副所長】 ええ。正方形の。

【委員】 わかりやすかったですけどね。

【委員長】 だけど、マスコミ受けはしないんだよな。

【委員】 この間、文化庁長官の青木先生とお話しする機会がありました。例の「アニメの殿堂」について、嘆いておられました。アニメ文化は日本でこれから誇るべき、そして一層伸ばすべき文化ですよね。ところが、メディアのとらえ方は、また箱物をつくるのかという形です。ああいうメディアの対応というのは、極めてまずい流れでありまして、何としてもああいう雰囲気を変えなければいけないと思います。政策の趣旨は、箱物ありきではなくて、まず文化ありきだということを理解してもらわなければならない。逆風の中で、日本のアニメ文化とか、漫画文化は極めて大事な国の財産で、そういうものをさらに発展、保存するにはああいう殿堂が必要なのだということをメディアの人に理解してもらわなければいけない。だけど、具体的にどうすればいいかということで私に今提案があるわけではないのですけれども。社会資本整備に関して、非常にまずい風が吹いている、これは何としても変えなければいけない、そう思っています。

【委員】 まず、このメンバーの中に大きなマスコミ関係の人に1人入っていただくとか。私はフリーランスのジャーナリストですので、もっと大メジャーのどこかの、まずそういう方に入っていただいて、どうしたらマスコミ陣に情報がちゃんと届くのかというのを一緒に語っていただく。

【委員長】 当面マスコミが絶対飛びつくと思いますのは、河川適応性、気候変動ですね。環境省で発表するときは、記者発表は何でも取り上げますよね、1面に。だから、ここでも、これを始めましたよということだけで多分これはニュースになっているのだと思いますけれども。

【所長】 これをやるときに、たまたま個人的にマスコミの人のつき合いが多いところもあって、幾つか聞いていたのですけれども、NHKも朝日も読売も日本テレビもTBSもですけれども、やはりこういう枠、形ができましたというものはニュースにはだめで、プラスこんなことを出ますとか、やりますとか。私どもの、先ほど申し上げなかったのですけれども、第5次のIPCCのものに、ぜひ日本が一生懸命蓄積していたことだとか一緒にやってきたことを何とか反映させたい。それは何も胸を張ってという意味ではなくて、持っているものが、災害に対するノウハウだとかをやりたいと思って、それにターゲットを合わせて今ずっと時間軸で流していまして、ちょっとばたばたなのですけれども、なるべく成果を出そうとしているのですが、そのタイミング、タイミングでちょっとマスコミにはうまくあれしたいと思っています。

 それから、先ほどあったように、科学部だけでなくて、すごくそういう記事を欲しがっている人に渡すようにしないと、今、国土交通の記者クラブでも毎日すごい量があって、表紙を見るだけで全部ごみ箱へ行くというのがあれなので、その中でしっかりプレゼンスはしたいと思います。

【委員長】 そろそろ時間が近づいていますけれども、どうぞ御発言ください。

 私、もう1つだけ。説明資料の方の10ページ、「国際物流に関する研究」のところですが、「研究の体系」というところを見ますと、GTAPモデル、これは実は一般均衡分析の有名なモデルなのですけれども、これによる貿易動向予測ということがなっていますね。そうすると、これは、経済成長とか日本のGDPの予測もここで一緒に行っているのですね。ということですよね、これは。

【国総研】 現状再現を確認して、現状での状況変化と将来での状況変化を踏まえて、それらの予測を実施しています。

【委員長】 やっているのですね。そうすると、例えば通常の道路の将来動向予測をやる場合には、GDPがどうなるかを与えて、人口がどうなるかを与えて、それに合わせて需要予測をやるようになっているのですね。仕組みが違うのです、ここでのやり方と。私は道路の需要予測に関しても石田先生とも一緒に長い間委員会をやりまして、GDPを内部で予測しようと私は一生懸命言ってきたのですけれども、まさにここがこういうことをしておられる。私はこちらの方がいいのではないかと思うのですけれども、ぜひこの予測の方法論的な位置づけとしての研究を、私らも喜んで参加したいと思いますが、お願いしたいと思っています。

【国総研】 ありがとうございます。ただ、この研究は昨年度で一応終了しています。この成果は、今度、第3部会で発表させていただきます。

【委員長】 それはそれでいいですけれども。終わってもいいですから。

【委員】 質問なのですけれども、国際物流を研究するときには、要するにモデルを使う研究とともに、港湾管理者や物流業者、荷主、船会社などの方々のヒアリングをして実態と理論を統合したりするのでしょうか。それともモデルだけでやるのですか。

【国総研】 この研究ではモデル中心で実施していますが、港湾研究部としては別途ヒアリング等を行っています。例えば船舶の大型化の動向とか、パナマ運河の動向について、関係者の方に伺ったりしています。

【委員】 今ふと思ったのですが、いろいろな研究をされていますけれども、例えばいろいろな研究テーマをこちらがやっているものと、例えば今国土交通省のさまざまな部署でのいろいろな検討会が開かれているものとがリンクしているようなものを相乗効果で高めるとどうなるかとか、ほかの省庁で、微妙に違うのだけれども似たような将来展望を持っているような検討会をやるのは、ではそれを合わせるとどうなるかとか、少しそういうつなぐとか総合化するような視点でいろいろな政府全体の流れをウオッチしながら、できるだけ生かしていただく、そういう視点でいただくとうれしいかなという感じがしました。

【所長】 省の内部はほとんど一体的にやっています。外とうまくできているかどうかについては、まだできていないところがたくさんあるかと思いますので。

【委員】 先ほど○○先生がちょっとおっしゃったエネルギーの分野なども、今かなり今までのエネルギーの考え方と変わって、地域の未利用エネルギーを徹底活用した上で、どうやってこれからの社会展望とか随分いろいろな話になってきているので、かなり違ってきていると思いますので、いろいろ研究を合わせていただくとうれしいなと思います。

【委員長】 ありがとうございました。

 それでは、最終的な評価をせねばならぬということになっているのですが、第1番目に説明資料の方ですね、昨年の活動と成果ということですが、基本的に皆様方これについては結構だというお話だと思います。プレゼンテーションの中身が重点化されて、非常におもしろそうなテーマがあって、こういう点で長い間評価をしておられる○○先生も、大変わかりやすくできましたと、こういうお褒めの言葉をいただきました。これは結構ですと、こういうことでいいのだろうと思います。よろしいですね。

 それから、資料4の方ですが、これもいろいろなことをやっておられますが、書いてある内容は、ただいま模索中ですというようものですから、これでよろしいでしょうというわけにはいかないかもしれませんけれども、引き続き成果を聞かせてください、こういうことでよろしいですかね。

 では、そんな形でまとめさせていただきます。ありがとうございました。

 それでは、これで事務局の方にマイクをお返しします。

 

・今後のスケジュール

 

【事務局】 ありがとうございました。

 本日の御議論につきましては、議事録をまとめまして、また報告書を取りまとめたいと思います。後日メールで委員の皆様方に御確認をいただくことになろうかと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。また、評価結果の取りまとめ等につきましては、議事録もあわせてホームページ等で公開していくことになっておりますので、あらかじめお知らせをさせていただきます。

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4.国総研所長挨拶/閉会

【事務局】 それでは、最後に国土技術政策総合研究所長の○○よりごあいさつを申し上げます。

【所長】 本当にありがとうございます。冒頭申し上げましたけれども、いただきました意見、非常に大切な意見としてしっかりと、単にお聞きするだけではなくて、具体的にしっかりと改善なりを図っていきたいと思っております。引き続き国総研、チャレンジングに進めていきたいと思いますので、御支援、御指導をよろしくお願いしたいと思います。本日はありがとうございました。

【事務局】 ありがとうございました。

 

 

【事務局】 それでは、本日の研究評価委員会を閉会いたします。皆様、長時間にわたり御審議をありがとうございました。

 

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