平成20年度 第2回 国土技術政策総合研究所研究評価委員会
議 事 録


1. 開会/国総研所長挨拶
2. 委員長挨拶
3. 議事
4. 国総研所長挨拶/閉会

平成20年10月9日

1.開会/国総研所長挨拶

【事務局】  ただいまより平成20年度第2回国土技術政策総合研究所研究評価委員会を開催させていただきます。

【所長】  お忙しいところお集まりいただきまして、どうもありがとうございます。

 7月16日に評価委員会をやっていただきまして、これは国土技術政策総合研究所ができまして初めて、今までの7年間のところを総括してどうかというお話をご審議いただいたんですが、一応結果としてはおおむね良好だというお話はいただいているんですけれども、そのときに各委員の何人かの方から、もっとこういうことを考えるべきではないかとかいろいろなご指摘をいただいています。

 大きくは3つだったと思うんですけれども、人材の育成とか確保をどうする考えなのか。それからもう一つは、国際的な活動についてどうしていこうとしているのか。もう一つが、今までどちらかというと、いろいろな課題に後追いでいろいろなことをどう解決したらというのが主なんですが、こういう時代でございますので、少し先を見てこういう世の中になるんだからこういうことをやっていかないといけないということの種になる予測評価、場合によっては現状評価もあると思いますけれども、そういうことをこれからもっとしていったらどうかという貴重なご意見をいただいたところです。

 今日、その宿題というよりは、正直なところ前回私どもがご説明申し上げた中にはこれまでのことを書いているだけで、今後もう少しこうしたいということにはあまり触れておりませんで、後で我々もしまったと思ったんですが、せっかくいただいたその3つについては、少し私どもの中でも真剣な議論をしまして、こんなふうにできたらと。今日もまだ100点ではありませんし、正直なところ外にはあまり言えないといいますか、少し内部的な話もこの際だからというのできちんとお話しさせていただいて、これからに向かいたいと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。

 あと、説明がありますが、文字ばかりのわかりにくい資料で大変恐縮なんですが、中身につきましては具体的かつ確実にしっかりとやっていきたいと思っておりますので、もっとこうしたらいいんじゃないかとかこうすべきじゃないかということについて、どうぞ忌憚のないご意見をぜひよろしくお願い申し上げまして、冒頭のごあいさつとさせていただきます。よろしくお願いします。

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2.委員長挨拶

【委員長】  ただいま所長のほうからお話がございましたように、人事、あるいは人材の育成、国際活動、長期的な社会資本や国土の予測のあり方という3つの点につきましてご討議いただくことになっております。

 本日は、前回のように形式立って外部評価委員としてどうであるかという判断をいただくようなことはなくてもよろしいと事務局のほうで聞いております。したがって、活発かつ貴重なご意見をいただくと同時に、感想や今後の方向につきましても、仮説の状況でもよろしゅうございますのでいろいろな格好でのご意見をいただくと、今後の展開に役立つのではないかと思っている次第です。

 くれぐれも、今日は評価をする必要がないということを念頭に置いていただきましてのご討議のほどお願いいたします。ありがとうございました。


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3.議事

【事務局】  ありがとうございました。それでは委員長、以降の進行につきましてよろしくお願い申し上げます。

【委員長】  それでは、議題に入ります。今回は、前回の研究評価委員会での指摘事項に対する考え方について事務局から説明を受けた上、意見交換を中心に実施したいと考えております。資料につきまして、事務局のほうからのご説明をお願いいたします。

【国総研】  それでは、企画部長でございますけれども、説明させていただきます。

 まず、別紙としまして「7月16日評価委員会での指摘事項」というものがございます。冒頭、所長からのあいさつでもございましたが、前回の指摘事項でございます。人材の育成についてでございますが、そこに簡単に書いてございますけれども、前回の指摘としまして国総研の考え方が見えてこないと。それは重要なことであるけれども、その方針、あるいは戦略があるべきではないか、どのように考えているかということと、国際活動につきましても同じように考え方が見えてこない、どういう戦略、方針であるかというご指摘がございました。

 その2点と、3点目は「国土管理等の将来像の予測等」ということでございますが、先行的に国土管理の将来的な姿を予測する必要があるんじゃないかと。さらにそれを積極的に発信していくことによって政策をリードするということでございますが、そういうことについてどうやっていってどういう方針であるかわからないという大きな3点の指摘でございます。

 それに対しまして、今回まとめてきたわけでございます。主に、右肩に資料2とございますが、これを使いまして説明させていただきます。「国総研の研究の新たな展開(案)」というものでございますが、1ページ目でございますけれども、改めて言うまでもございませんが、国総研は政策の企画・立案を担う本省等と一緒になって連携する国交省直轄の研究機関でございまして、国がみずから責任を持って実施すべき調査・研究等を行っているということでございまして、1ページ目に@、A、Bとございますが、これだけではなかなか何がどうなのかというのはわかりませんけれども、「政策の企画・立案に係わる研究」、「技術基準の策定等」、「住宅・社会資本整備に関する技術指導・普及」という大きな3つのグルーピングでございまして、従来からこういうものを目標にやってきておりますが、説明等はこれから順次させていただきます。

 こういうものを大きな柱といたしまして、今までの実績を踏まえましてでございますが、従来からの取り組みに加えまして、新たに今後何を展開するかというものについてまとめたものが今回の取りまとめでございます。

 2ページ目でございます。まず、最初の「政策の企画・立案に係わる研究について」ということでございますが、政策の企画・立案はもちろん国土交通省本省が中心になって、住宅・社会資本整備の政策の企画・立案などを行っているわけでございますが、そのときにはどういうものを根拠にそういう政策を立案するかということが非常に重要になるわけでございまして、科学的・技術的な知見に基づいて根拠の整備をするというのが国総研にとっての重要な役割でございます。行政的責任を持って根拠の整備をするということでございまして、さらに、根拠の整備に関連しまして、データの蓄積とか研究の実施等が国総研の重要な役割になってくるということでございます。

 2番目に、現状の課題としてa、bと2つ課題を挙げてございますが、aのほうでございますが、政策の立案部局は本省でございますが、いろいろな事情があって、とかく政策立案はばたばたとなりがちである。本省からのいろいろなお話のもとに国総研でも研究するわけですが、そういうばたばたの中で拙速に国総研までばたばたになるんじゃなくて、技術的本質をしっかり踏まえて、将来の見通しも十分持って根拠づけを行えるようにしていく必要があるということが最初のところでございます。

 それから、次のbでございますけれども、いろいろな社会的構造、あるいは自然状況の重大な変化がございまして、人口減少、あるいは地球規模の温暖化、気候変動等の問題がございますが、そういうものにつきまして、いろいろな物事、あるいは政策の立案に先立って、将来社会構造、あるいは自然状況、気温、降水量の変化がどうなるかということを予測したり、必ずしも将来の予測ではないんですけれども、それにつながるような現状の分析をしっかりやって、それを世の中に提示し、問題提起していく必要があるということでございまして、そういうことについては、例えばIPCCなどでも行われております。第4次報告書が出ましたけれども、地球規模での気候とか降水量の変化が予測して提示されておりますし、あるいはそういう例で言いますと、国内の内閣府が行っております防災対策。防災面から学校などの耐震化の状況、耐震化率を整理して提示して、防災面の問題面の問題点を世の中に提示し、問題意識を喚起するということを行ってきております。

 そういう現状の課題に対して、2ページの下のほうから今後の展開を@、A、B、次のページのCまで4つ提示しておりますけれども、最初は高度な政策の企画・立案に関する根拠の整備ですが、高度な技術力を継続的に確保して、そのために研究者の育成、採用、任用を戦略的に行うということ。これは後のほうの項で出てまいりますので、さらに詳しく説明いたします。

 それから2番目が、いろいろな新しい技術を採用する、あるいは政策の企画・立案に関することですから総合力を発揮する必要がありますが、産学官のネットワークを形成して、形成されているネットワークの運営を国総研の重要な業務としてやっていきたいということでございます。

 それから3番目は、行政関係の本省、地方整備局、地方公共団体、あるいは研究所等の情報流通をしっかりやっていきたいということでございます。

 それから、Cのところでございますけれども、これが将来像の提示、あるいは現状の分析というところでございますが、将来のいろいろな重大な事項について国土像等の将来予測をして提示する、あるいは将来のいろいろな重要な変化につながるような現状の分析をして、その課題を提示し外向きに発信するということでございまして、そこに幾つか挙げてございます。

 我が国にかかわる気候変動による海面の上昇、渇水等の予測、道路の質や機能面での現状分析、港湾関係でございますが、東アジア地域と日本の経済連携による国際貨物動向影響予測、建物の性能データ分析等の将来予測、あるいは現状分析を行って、世の中に課題を提示していきたい。そういうことに取り組むということでございます。

 それから、大きな2番目でございます。後でパワーポイントも多少使いながら説明しますが、文章だけでわかりにくい点があるかと思います。ご容赦願いたいと思いますが、2番目が「技術基準の策定等について」ということでございまして、最初にまた果たすべき役割ということでございますが、国総研の部局で技術基準にかかわる仕事をやっておりますが、部局、分野によっていろいろやり方が違いまして、例えば建築系ですと国総研の建築部局は非常に重要な役割を果たしておりまして、建築基準等重要な技術基準がございますけれども、なかなか本省では実際に建築基準が書けるわけではない。やはり書ける人は国総研。研究もそうでしょうけれども、研究所にしかいないということでございまして、かなり国総研が実際の基準づくりを行っているということでございます。存在感を示しているわけでございます。重要な役割を果たしております。

 あるいは道路系の技術基準ですと、基準類でもちろん行政的なものでございますから、本省が主導的な役割を果たすわけでございますが、道路の構造基準等ですと本省が指揮をしまして、国総研もその基準づくり、内容につきましては非常に重要な役割、あるいはいろいろなグループのリーダー的な役割を果たしているところもございますけれども、委員会等は、例えば道路協会に技術基準を設置する委員会をつくりまして、そこでいろいろな英知を結集して技術基準をつくっているところでもございます。

 あるいは、河川系ですと多少国総研の存在が希薄になってくるわけでございますが、本省が主導するわけでございますけれども、もちろん国総研も技術基準づくりには参画しておりますが、例えば何とかセンターという財団法人もたくさんございますが、そういうところに委員会等を設置して技術基準を検討するというやり方もかなり主流のやり方になっております。

 いろいろな分野によってやり方が違いますけれども、そういう技術基準は国民に対して提示するものでございますし、いろいろな構造物管理の基本になるものでございます。そういうものについていろいろな技術的、工学的な観点、あるいはコスト等の観点について検討して、基準として策定する必要があるわけでございまして、当然のことながら、行政全体として本省が主導ですが、国総研がかかわる場合にも行政的な責任を持たなきゃいけないわけでございます。行政との連携のもとでいろいろな高い技術レベルのもとに原案の作成を行っているということでございます。

 次の4ページの上の半分で現状の課題をa、b、cの3つ挙げてございますが、aのところは、新たな技術基準の策定。今まで基準化されていない、技術基準がつくられていない分野について新たに技術基準をつくっていく必要があるということでございまして、例えば施設の老朽化等ということでございますけれども、維持管理に関する基準などはまだ十分整備されていない。どちらかといえば、物をつくる整備関係の基準は比較的しっかり整備されている場合が多いんですけれども、維持管理関係の基準がなかなか整備されていない。社会資本の増大とか老朽化はもちろん進んでいくわけでございますから、そういうものに対する必要性が高まっているということが1つございます。

 それから、地方分権だけではないんですけれども、地方公共団体が管理・整備する施設について、もちろん一定の水準を保つ必要があるわけでございますが、いろいろな事情がありまして、技術者がいるところもいないところもいろいろな地方公共団体がありますけれども、地方公共団体向けの技術基準をしっかりつくっていく必要性があるというニーズがございますし、また、技術力がなかなか継承されないといいますか、一つのきっかけとして団塊の世代が大分いろいろな組織で60を過ぎて退職される時期になっておりまして、技術力が低下していくのを補完するような法的な基準というよりもマニュアル的なものが、今はないけれどもこれから必要になってくるという課題がございます。

 bは、既につくり上げられた基準を適切に更新していくということでございます。いろいろな技術の進歩、新たに事件・事故が発生した場合等ございますけれども、適宜更新していく必要性があるということでございます。

 それからcのところは、逆にといいますか、技術基準はもちろん必要でつくっていくんですが、基準ができてしまうとそれに縛られてしまって、必要なところを縛られるのはもちろんいいんですけれども、必要以上に拘束されてしまって、ほんとうは自由度があるのにそれに無理やり従ってしまうというところがございまして、現場で画一的な業務が実施される場合がある。何とかそうではなくて、創意工夫が生かされるようにする必要があるということでございます。

 4ページの下のほう、今後の展開として@、A、Bでございます。最初の@は、上のaのほうに対応するわけでございますけれども、穴のあいているといいますか、これから重要で新たにつくるべき技術基準を作成していくということでございまして、特に管理系でございますが、施設管理情報の蓄積、課題の分析を行って、点検要領とか運用要領等の管理基準をこれからつくっていく必要があるということでございます。

 それからAのところは、産官学のネットワークを通じて技術情報の動向を把握して、基準の改正を適宜行うということ。

 それから3番目が、基準にあまり縛られ過ぎず創意工夫が行われるようにするために、逆に守らなくてよい事柄を明記するということで、技術基準は普通こうしましょうとかこういう基準値ですということですが、そうじゃなくて、これは守らなくてもいいとか自由度があるということです。そういうことを明記していきたい。新たな技術基準の運用体系の構築を行っていきたいということでございます。その促進を図るため、講習会等も行っていきたいということでございます。

 では、技術基準について、もうちょっと早くお見せしたらよかったかもしれません。これは、現在の技術基準で国総研の果たしている役割でございますけれども、研究成果の施策への反映状況ですが、以前にもお見せしたことがあるグラフでございますが、右のほうの円グラフを見ていただきますと、国総研全体でたくさん研究成果がいろいろな施策に反映されているわけでございますが、約5割が技術基準への反映ということで、このグラフですと下半分といいますか、163件、55%と書いていますが、ここのところは技術基準へ反映したところでございますけれども、国総研にはいろいろな役割がございますが、やっぱり技術基準に関係する研究というのが従来も非常に大きなウエートを占めているわけでございまして、今後こういうことには力を入れていきたいということでございます。

 それから、次の5ページでございますが、3つ目の「住宅・社会資本整備に関する技術指導・普及について」ということでございますが、そこにありますように、いろいろな現場といいますか国直轄事業、補助事業など国、地方公共団体が事業を行っておりまして、現場がございまして、そういうところのいろいろな技術課題に対する対応がありますし、さらに、大規模災害が起こりますと、急いで普段とは違う高度な技術的判断を求められるということがございまして、国総研は今述べてきましたように、政策の企画・立案の仕事も行っていますし、技術基準もいろいろな面から基準づくりを行っておりまして、専門知識、技術力がある国総研が現場に出向いていって、主に技術指導を行う。

 現場の方からお話を聞いてということはありますけれども、いろいろな局面で技術指導を行う必要があるということでございまして、今後もしっかりとこういうことはやっていきたいということでございますし、それから技術相談窓口です。ともすれば、知っていらっしゃる方は国総研のどの部局がどういうことをやっているかというのはご存じなんですけれども、県とか市町村の技術屋さんではなかなかそこまで知らない方がたくさんいらっしゃるので、技術相談窓口を開設して技術的要請に速やかに対応していきたいと思っておりまして、パワーポイントのここに出ておりますけれども、技術支援の状況でございます。

 技術指導の件数ですが、平成19年ですと623件ということでございまして、色分けで相手方も国交省、地方公共団体、独法、財団、社団等いろいろございますけれども、いろいろな相手方に対しまして要請に応じまして技術指導、支援を行っております。それから、災害調査は右側でございますが、主に自然現象でございますから災害が起こった年に多くなっておりますけれども、大ざっぱに言うと100件前後の災害調査などを行っているところでございます。

 それからもう一つ、これが技術指導で最近のあれですが、今年は岩手・宮城内陸地震、あるいは岩手の地震がございましたけれども、このときも、従来から国土交通省は国総研も地方整備局も災害が起こると技術者を派遣して高度な技術的指導、あるいは手が足りないときには技術的ないろいろな支援をしておりましたけれども、今年はTEC−FORCEとして宮城、岩手のほうへ行きまして指導を行っております。これは砂防関係でございますが、天然ダムができまして下流が非常に危険な状況になりましたので、そういうものの状況を調査して、対策方法の検討・立案を行ってきております。これは一例でございます。

 それから、次は5ページの下のほうの「4.研究者の確保・育成について」でございますけれども、現状の課題ということでございます。パワーポイントで、この図自体は前に見ていただいたこともあるかと思いますが、研究中心型の人が非常に減ってきていると。左側のグラフを見ていただきますと、下が平成13年で上が平成20年でおよそ7年たっていますけれども、水色が、3分の2以上という基準ですが研究中心型で過ごしている研究者ということですけれども、平成13年の研究官の水色のグラフと平成20年のほうを比較していただくと、60%を超えるところから40%ぐらいまで減ってきておりますし、あるいは、主任研究官というのはいろいろあってあまり変わっていないように見えますけれども、室長のところを見ていただいても、室長は研究マネジメントもやりますがもちろん研究実務も行いますけれども、平成13年の40%ちょっとから、平成20年になると30%弱、二十何%になってきておりますが、このような状況ですし、これは国総研の建築も土木も合わせたグラフですけれども、どちらかといいますと建築系は非常に研究中心型の専門的な人が国総研の中に研究者として多いんですが、逆に差し引きしますと、土木系はさらにこれよりもひどい状態で、研究中心的な研究者が非常に減ってきている、欠乏しているという状況でございます。

 5ページの現状の課題がaからありますが、そういうことをここに述べておりますけれども、中核的な研究者が減少してきているということで、国総研はもちろんハイレベルの研究をし、ハイレベルの技術力がなければならないんですが、長い期間研究に携わって専門分野に精通した中核的な研究者が減少してきているという課題がございます。

 それからbのところは、国総研では十分だとまでは言いませんが研究予算がありまして、かなり現場と直結していますから実証実験も容易に行えます。それから、道路、河川いろいろな現場がありますけれども、研究成果を実際に現場で適用しやすいところでございますが、そのような研究者にとっての魅力がなかなかわかってもらえていない。体系的に発信できていないということでございます。

 それから、cのところは研究者の育成ですけれども、育成方針というものは国総研としてもいろいろ持っているわけでございますが、具体的にどうやるかという具体方策が整っていなくて、したがって実際にはあまりされていない局面もあるということでございまして、育成の具体方策が整っていないことが課題であるということでございます。

 それで、最後の6ページでございます。今後の育成に関する展開でございますが、まず、最初の@でございます。研究所に勤務する研究者はもちろんそうですが、現場での勤務も、行政経験という面もありますけれども、現場へ行けば直接道路、河川等いろいろなところの技術的に深い面も経験することができるわけでございますが、そういう研究所、現場での勤務での各自の専門分野のノウハウや経験の蓄積状況につきまして、国総研の組織全体として体系的にフォローアップしまして、中核的な研究者を育成していきたいということでございまして、パワーポイントをごらんください。

 横軸が西暦2000何年という年次でございまして、縦軸がその人の年齢で、例えば一番左は、1983年にある研究室、研究分野に何歳の人がいるかあらわしておりまして、それをずっと年を重ねていってあらわしたものでございますが、したがいまして、ずっと続いて斜めにくくってございますけれども、これは1人の人をあらわしているわけでございます。そうすると、3本45度斜めの柱が立っておりますけれども、こういう方は同じ研究室に在籍して研究室の柱である。つまり、中核的研究者で、その分野についての研究、技術力の中心である人であるわけでございます。

 そういう人が国総研の各研究室、研究分野に過去にはいたわけでございますけれども、年代的には右上のほうが最近の年代になってまいりますけれども、そこに柱が立っていないわけでございまして、なかなか最近は育成、確保ができていないという状況がこれを見るとわかるわけでございまして、ある数年は在籍するとかいう人はいるんですけれども、すぐ外へ移動してしまって、なかなかその後はということです。

 うまく育成ができていないということでございまして、これを今言いましたように体系的にフォローアップするということです。例えば、こういうツールといいますか見方を持って、この人はいつからいつまで研究所にいて、今は現場にいると。現場でも必ずしも行政だけをやるわけじゃなくて、研究的、技術的な仕事もやるわけですから、そこでも能力のアップが図られますけれども、ずっとフォローアップすることによって中核的な研究者を育成していく観点から育成していきたいということでございます。

 それから2番目でございます。選考採用でございます。中核的な研究者の確保で、最初はみずから育成するということですが、これは博士号取得者を対象にしました選考採用です。今まで細々といいますか、そういうこともやってきてはいますけれども、国総研としましては非常に数が少ないわけでございます。それから、これからは研究者の確保で、育成するのは育成するので頑張りますけれども、なかなかそれだけでは立ち行かない面がありますので、さらに積極的に選考採用を拡大していきたいという方針でございます。

 それから、次のBでございますが、これは短期的なものです。したがって、テーマもある特定のテーマということでございまして、内容的にはかなり高度なものになりますけれども、そういうことにつきまして大学から来ていただきまして、これも今までやってきたこともそれほど多くはないんですがありますけれども、大学からの受け入れ人事をやる、あるいは任期付研究員制度はかなり広範囲に現在でも活用しておりますが、さらに活用していきたいということでございます。

 それから、Cでございますけれども、国総研では政策の企画・立案に関すること、技術基準の策定とかいろいろな重要な役割を果たしているわけでございまして、非常に世の中の役に立っているわけでございます。そういう役割を明確にして、研究機関として研究の成果を広く発信して存在感を示すことによって、国総研の魅力にもつながってくるということでございます。

 それから5番目は、博士号取得。これは研究者のためでもあります。研究所全体のレベルアップのためということもございますけれども、博士号の取得を積極的に推進する。そうしますと、今は各大学に何年かという年度を設定した博士号取得コースがございますけれども、そういうものを利用させていただきながら取得を促進していきたい。また、博士論文をいろいろな形で書く必要がありますけれども、可能な限り日々の研究の積み重ねで論文執筆がしやすいような指導、対応も図っていきたいということでございます。

 それから6番目でございますが、研究能力向上のための方針はあるんですが、具体的方策が整っていないということを現状の課題のところで申し上げましたけれども、オン・ザ・ジョブ・トレーニング、あるいはいろいろな場での研究発表、成果発表をしっかり計画的に行い、それをやったかどうかチェックする、達成状況を確認するという体系をつくっていきたいと考えているところでございます。

 研究関係と人材関係は、今資料2でお話ししたとおりでございます。

 もう一つ国際関係でございますが、資料3をお願いしたいと思います。別の資料でございますが、「国総研の国際活動について(資料3)」ということでございまして、国際的な活動についても、方針とかこれからの戦略が見えないというご指摘でございますが、前回の7月の評価委員会でもお示ししたんですがほとんど説明しておりませんでしたので、内容の説明もあわせてこの場で提示させていただきます。

 国総研の国際活動でございますけれども、2本柱として1、2とございます。国際的な研究活動で各国との共通課題、あるいは一国では解決できない課題について研究をするということと、2番目に日本からの技術支援、技術協力するということがございまして、何のために行うかというと、研究情報を交換して人のつながり、ネットワークをつくり、そういうものによって日本国内での政策立案等いろいろな業務に資するようにするということと、国際貢献といいますか、災害支援や途上国の人材育成等に資するという2つの大きな目的がございまして、1ページの下のほうに「1.国際研究協力」とありますが、そこに書いてあるようなあれでございますが、国際研究活動の一環として2国間、多国間の研究協力等いろいろなものを行っております。

 国土の整備、管理の多分野に及ぶ研究協力として、例えば天然資源の開発利用に関する日米会議です。ここでは構造関係とか台風関係とかいろいろな分野がございますけれども、そういう研究協力も行っております。

 あるいは、次の2ページでございます。(2)として「アジアにおける研究ネットワークの形成」ということで、最初の黒ポチに「アジア地域国土整備関係研究所等会議の開催」とございますが、これはアジアの国の組織とか政府機関の研究所、技術系の所長さん等に年1回集まっていただきまして、以前は土木研究所長会議という名前のこともございましたけれども、技術的な諸問題について話し合い、さらに研究者のネットワークをつくっていくための会議でございます。

 それから、(3)でワークショップ等の開催、日米ITS云々というのがございまして、それから、海外の災害・事故等のデータ収集で、数年前ではハリケーンカトリーナで大きな災害がアメリカでございましたが、そういうものの調査等に赴いております。

 それから、2ページの下の「(5)国際標準化活動への参画」でございますが、ISO、国際標準化機構の技術委員会、あるいはそれに対応する国内委員会に参画しまして、世界的な技術基準の動向把握はしますけれども、国内基準と国際基準との整合を図ることによりまして、日本の基準が外国から物を日本へ入れるときの貿易障害だといって批判を受けることもございますが、そういうことが発生しないようにする、あるいは逆に、我が国の技術を途上国などに提供するときに、国際基準がその国の基準になってしまって日本の基準と合わないと、日本の技術が提供できないという問題が発生する場合もありますけれども、それを防ぐために国際標準化活動へ積極的に参画しております。

 3ページからがそういういろいろな国際活動の状況でございますが、図1は国際研究協力プロジェクトの年度推移ですが、2国間協定プロジェクト、それから多国間の推移でございまして、平成19年は多国間で15件、2国間で30件の活動を行っておりますし、下の図が英文での論文発表の推移です。去年、19年は94件でございますので、大体100件前後ぐらいで英文の論文発表が推移しております。

 それから、4ページは国際的な技術協力で、JICAの技術協力プロジェクトに一員として参画するということですが、ルーマニア等の例がありますが、そんなこともやっておりますし、災害への支援も、4ページの下の表のような内容でやってきております。

 それから5ページは、外国人研修員の受け入れの推移でございます。これは技術協力ですけれども、外国から研修員を受け入れて、研修の全体のスキーム自体はJICAの要請に基づくものでございますが、ただ、研修の内容自体の企画は、主に国総研がどういう研修をどうやるかということを計画しまして、それで実施しているという内容のものでございますが、そこのグラフのように、昨年は出身国54カ国から121名の研修員を受け入れて、研修を行っているということでございます。

 それから、下が海外派遣でございますが、昨年ですとJICA関係で10人、それからその他のほうが多いんですがその他の派遣が164名ということでございますが、そういう海外の派遣でございます。

 それから6ページは、4番で国際活動関係旅費でございます。これは非常に厳しくて、1つの大きな悩みの種なんでございますけれども、そのような国際活動関係の旅費でございます。上のほうに旅費の金額を書いてございまして、4つに分けて国総研の旅費、本省・国際会議の旅費、他省庁からいただく旅費、一番上は科研費の旅費とございます。非常に苦労しながら確保しておりますが、なかなか厳しい状況もございます。

 それから、下がその件数でございます。上は金額で下は件数ですからあれが違うんですけれども、下のグラフの右側の灰色と黄色のところは、色は対応しませんが上のグラフに載っているものを下に件数で示してございます。ピンク色のところは依頼出張でございまして、ですから予算の上の金額には載っておりませんけれども、本省とかいろいろな他の機関からの依頼出張がございまして、そういうものもある程度活用しながら国際活動を行っているということでございます。

 最後の7ページでございますが、「今後の国際的活動の方針について」ということでございますけれども、諸外国の最新の研究情報の収集、あるいは日本の情報の発信を行っていく。それからグローバル化。いろいろな経済活動、世界的な動きがございますからそれに対応するため、国際的活動も全体の研究活動の一環ではございますから、本省と関係部局の連携、あるものは指揮のもとに、国際標準化活動等に戦略的に取り組んでいくということでございます。また、国際協力、技術支援でございますけれども、国総研の人、知識等を活用して技術協力等も積極的に行っていきたいという今後の活動の方針でございます。

 長くなりましたが、説明は以上でございます。

【委員長】  ありがとうございました。

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 それでは、意見をいただきたいと思っておりますが、いろいろな課題、話題が出ておりますので、もう一度資料2と資料3をごらんいただいて、一応区切って議論をいただきたいと思っております。

 それで、資料2は現在国総研が持っておられる機能を大きく3つに分けて、政策関係にかかわる研究、技術基準の策定、技術指導・普及の点が課題になっておるんですが、それぞれの点について現状の課題が何であるか。それに対して、前回は現状の課題は説明したけれどもこれに対する答えがなかったと思われたのではないかと僕は思っておりますが、それで今回は今後の展開としてこういう方針をしたいとご説明しておられると思っております。それが1つ目。それで、特に政策立案にかかわる研究につきましては、最後の4番目の国土像の現状やデータを中心としていくということが大きな取り組みかなという印象を私は受けました。

 2番目は、技術基準の策定等についてですが、これはすごくうまくいっているような感じがいたしまして、大体いいんじゃないかと思っている次第ですが、これは私の勝手な予見です。3番目の住宅の技術指導・普及につきましても、基本的に大体うまくいっているんじゃないかとまとめられたと思います。

 それで、次は5ページの研究者の確保・育成ですが、この問題で、長い期間研究にかかわっている中核的な研究者が減少しておられ、これが技術力の低下を起こしているのではないかというご指摘です。私は、今回一番注目すべき点は、先ほどグラフでありました現状のデータにおいて長い間の蓄積のある研究者が相対的に少なくなって、右側にあったように短期においでになっておられる方はおられるんですが、長期的な研究を続けておられる人が少なくなっているという事実をお示しいただいているというのが1つの焦点かなと思っております。後ほどご意見をいただきたいと思っております。それが問題でして、最後は、国際的な関係のことでありました。

 以上3つのことにつきましてお話を伺ったわけですが、議論を集中するために、まず、最初の3つの点についてご意見を伺いたいと思います。人事のこと、国際的なことは後回しにしまして、最初の3つ、研究のあり方の点についてご意見を賜りたいと思います。ないようでしたらすぐ人事のほうに行きますので。どうせ人事はいろいろなご意見をいただくと思っておりますので。

 それでは、まずはご自由なご意見、ご感想等を賜りたいと思います。ご質問ももちろん結構ですが。どうぞ。

【委員】  よろしいですか。ありがとうございます。

 先に発言させていただきます。前回のいろいろな意見をもとに今回の日が設定されたということは、私は大変うれしく思っております。まずそれはありがとうございました。

 そして、今国総研の研究の新たな展開を拝見していて思ったんですが、今後の将来予測とか将来の国土像という視点が必要になってくると明確に課題のbに書いていただいておりますけれども、この辺のところはほんとうに難しいと思うんですが、頑張っていただきたいと思います。

 なぜかと申しますと、例えばこの前の新しい国土形成計画の策定の過程で、いろいろな委員会で将来のビジョンを予測して、そのバックキャスティング手法でつくっていこうとか、随分いろいろな話し合いが起こったわけですが、例えば2050年に関していろいろ今社会で言われてきている将来予測が、どういう形が一番ほんとうに日本の将来にとって役に立つ大事な将来予測なのかというのをきちんと見せていただくということがやはりこれから大変重要になってくると思いますので、こういう研究機関がきちんとやっていただくことが大事だと思っています。

 なお、その道筋を考えるときに、今後の展開のところで例えば産官学のネットワークとかいろいろ書いていただいて大変ありがたいんですが、あと、各省が持っている政策を統合化してきちんとやっていかなければいけないものに関して、そこの政策をどうつないでいくかというところの視点、配慮も入れておいていただくと大変ありがたいと思っています。

 なぜそういうことを申し上げるかというと、たまたまなんですが昨日下水道と浄化槽の大きなシンポジウムに出させていただいたんですが、下水道整備のところを少しこれから浄化槽に変えていくみたいな話をしたときに、じゃあそれに対する整備のお金をどういう予算で持ってくるかとかいろいろな話をしていると、かなり今の制度を地域、あるいは国がつなげなきゃいけないとかいろいろな話が出てくるんです。そういう意味で、これからの将来ビジョンを実現するに当たってどういう政策の柔軟性が必要かとか、大きな視点でいろいろ研究をしていただくと大変ありがたいと思いました、ありがとうございます。

【委員長】  ありがとうございました。○○先生、どうぞ。

【委員】  私も、前回国土の将来像の話をしたのですが、ちゃんとまとめていただいて、課題のbとか今後の展開で書いていただいたので、ぜひそういうものにしていただければと思います。

 それで、今後の展開に関係する問題ですけれども、今まで研究評価でいろいろ聞かせていただいて、プロジェクト研究には確かにいろいろな部が入っていてプロジェクトの形にはなっているんですけれども、少しプロジェクトを見るレンジが狭かったりとか小さい感じがしたんです。今後の展開の中には明示的には書いてないんですけれども、ぜひ国総研のいろいろな部が参加して、長期的で国土全体を見通したプロジェクトを実施することを考えられたらいいんじゃないかなと思います。

 もう一つは、ネットワーク運営というのは、私はかなり重要かなと思っています。というのは、将来像の話を考えるときに、国総研が持っておられる研究資源だけでは全部がカバーできないわけですよね。例えば、気候の問題なんかでも、気候モデルを走らせるだけでも非常に大きなプロジェクトが走っていたりするものですから、国総研自体がそういうものをまとめていくときに、どれだけ有用なデータを集めてこられるかとか、国総研の仕事をサポートして一緒にやっていけるネットワークをどうつくっていくかというのは非常に重要な視点なんじゃないかと思いました。

 以上2点です。

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【委員長】  ありがとうございました。ほかにございませんか。

【委員】  よろしいですか。

【委員長】  どうぞ。

【委員】  今のお二人のご意見と重複するところもあるんですけれども、国総研の研究の非常に特徴的なものとして、@の政策の企画・立案にかかわる研究。その中で、特に背景情報になるものをしっかりつかむ。その中には予測もあるという話がございました。幾つかあるんですけれども、その辺の研究というのは国土にかかわるもので、必ずしも国総研だけでなくて、ネットワークという話も出ましたが、国環研の推計のところとかも同じようなことをやはり考えられているでしょう。そういうものをどうつなぐのかということ。

 それから、その辺の研究はもう少し学も含めたオープンな研究になり得る可能性があるでしょう。そういうところで、行政の研究機関とアカデミックをどうつなぐのかというところを一つ視点として考えていかなければならないのかなという気がします。行政としましては、その後政策が提案されて、それを実行していくところも○○委員がおっしゃいましたけれども、これを実行する手法の研究は、まさに行政が主導的にやらなければならないところだという気がします。

 今まで述べられたようなところは、かなり今後学、アカデミックな部分が入ってくるところで、一緒にやっていく役割分担みたいなものも考えなきゃいかんのですけれども、そこからもう一つ主導的、あるいは先導的にやらなきゃいかんところは、実行する手法を考える、やっていく、研究していくというところじゃないのかなという気がしました。

 以上です。

【委員長】  先生、質問ですけれども、実行するための研究というのはどんなイメージですか。

【委員】  1つは、先ほども○○委員がおっしゃいましたように、どんな仕組みでその計画を実現していくのかというのは、政策を立てた後どことどこの行政機関がどう連携してやっていくのか、あるいはこれから特に行政主導だけでなくてガバナンスの問題も当然入ってくるので、そういうところを早く研究しておく必要があるのではないかというところが気になったので、発言しました。

【委員長】  ありがとうございます。どうぞ。

【所長】  短く言いますが、今○○先生が言われたやつで、最近は例えば例の環境のやりとりのやつがございますけれども、ブロックで……。

【国総研】  排出量取引です。

【所長】  ああいうのも、あるブロックの町で下水道だとか熱処理だとか全部一緒にやればいいんですけれども、そういうやつの個別技術みたいなのとかいろいろなものは整理されるんですが、それがうまくだれが負担してどうしてというところをひもとかないと動かないというのがあって、まさにこれは来年度要求でしておりましたり、あと、今よく海のごみの処理は港湾のほうでやっていますが、あれも大きなネックはどう転がすかというか、大体はごみの処分だけじゃなくてその跡地利用という仕組みとなっていたのが、今環境問題でなかなかうまく転がらないというか、簡単に捨てられなくなっている。じゃあ今度は跡地利用ができないからというと、お金が転がらないから結局捨てるところもできないというスパイラルになっている。それをひもとくようなことは、おっしゃるように今たくさん出てきているのかなという気はして、幾つかのテーマとしてやり始めたり、やろうとしております。

【委員長】  どうぞ。

【委員】  いいですか。2点ありまして、第1点目は、研究における組織と個人という問題なんですけれども、ずっと国総研での議論を拝見していますと、組織としてどう取り組むかということがずっと中心的に展開してきていると思うんです。今日の資料2の2ページの今後の展開なんていうのは全部そういうトーンなんですけれども、これは人材の育成とも絡むと思うんですが、個人のチャレンジングな研究をどうするか。

 これはインセンティブにもモチベーションにもなりますでしょうし、あるいは国総研全体の研究面での安全保障という面があるかもわかりませんけれども、そういうことに対してどう取り組んでいかれるんだろうかというのがもうちょっと明確になってもいいのかなという気がいたしました。予算はいっぱいお持ちでしょうけれども、実は時間がなかったりするわけで、その辺の案分の問題に帰着するのかなと外部からは見えております。

 それと2点目は、技術基準の策定等についてで、これから維持管理のことが重要になってくると。まことにそのとおりなんですけれども、維持管理と言ってしまうと施設を維持管理するととらえられがちなんでしょうが、今ある施設をどう使いこなしていくかという意味での維持管理はなかなか今までの視点にはなかったような気がするんです。

 例えば、僕は交通ですから交通に即して申し上げますと、道路のネットワーク構成理論というのがあるんですけれども、それは建設整備のネットワーク理論なんですが、ネットワークとしてどう機能して、どういうサービスを提供していくんだろうかということについてのネットワーク論というのはないような気がするんです。多分これは河川とかも同じような状況なんだろうという気がいたしまして、その辺は大変難しい問題だと思いますので、ぜひお考えいただければと思いました。

【委員長】  ありがとうございました。

【委員】  もう一度いいですか。

【委員長】  どうぞ。

【委員】  今○○委員がおっしゃった知識の安全保障というところは、研究をどうやっていくのかというときに、先ほど私は学との連携とかいうことも非常に重要だと申し上げたんですけれども、場合によってはその問題を本来国総研はしっかり考えていかないといけないのかなと。

 すなわち、研究を非常にオープンなものにしていくということはものすごく大事なことで、これは人事とも当然絡んでくるんですけれども、人を交流させながらやっていくというのは、基準とかも全部非常に透明なものになっていく一方、秘密にしておくというところまでは言わないんですが、国総研として守っていかなきゃというものがひょっとしてあるのかないのかということをしっかり考えていかなきゃいけないかなという気がします。

 といいますのは、逆に今までの基準はどうやってつくってきたのかというと、意外とアカデミーにオープンにせずに国交省の中で蓄積した技術、すなわち国交省の中だけの、象牙とは言わないけれども1つの塔の中で蓄積されてきた技術が基準になったりしていて、今の学会の議論とそぐわないものが基準になっていったりすることもあるような気がします。

 それはそれなりに1つの知識の安全保障であったのかもしれないんだけれども、やはりそこを洗い出す必要があるのかなという気がします。オープンにしていくかわりに、どこはきちっと守っていかなければいけないのか。守っていくのであれば、人事の問題でもしっかり軸を持った人を残していかないといけないし、非常にオープンな議論で基準とか技術をつくっていけるならもっとオープンにして、学と非常に人事交流しながら基準をつくっていくというのも1つの考え方だろう。

 そこが明確にならない限り、国総研の研究方針として守るべきものと外とも非常に透明にしながらやっていかなきゃいかんことの区別があるのかないのか私もよくわからないんだけれども、よく考えないといけないところだという気がします。それが人事の問題にもかかわってくるという気がいたしましたので、追加的に申し上げました。

【委員長】  ありがとうございました。

 じゃあ、最初の研究の中身につきましてのご議論はこのような状況だと思いますが、研究所のほうで、例えば○○先生からは将来の国土像の状況をつくり出すデータにはいろいろな部局とか個人が協力して参加していく必要があるというご指摘をいただきましたが、これを実現していくための検討、あるいはご意見がございましたら、伺いたいんですけれども、検討中でも結構です。

【所長】  ちょっと個人的になるかもしれませんが、先ほど○○先生から省を越えてみたいなのと、○○先生のうちが仲立ってというのと両方あるんですが、なかなかできていないのかもしれませんが、正直霞が関的感覚から言うと、縦割りという気持ちみたいなのがかなり風化というか、過去の感じになっていまして、みんなそのつもりで、擁護しようみたいな勢いはないんですけれども、ついつい精通しているかどうかについての濃淡というのがあるので、これは先ほどの国際の話もそうですが、実際のところ全然文化が違うところでもいろいろあって、フェース・ツー・フェースで話をしていろいろ一緒に議論して問題を解決等何かやろうとすると、案外うまくいくんです。

 これは、役所と役所の話で、うちと農林水産省は昔から仲が悪いというのは幾つかの分野で言われているんですけれども、それでも共同で何かやる、例えばプロジェクトを1つ進めると、理解がすごく急速に高まる。前は、わからないと自分たちの主張を100、0、100の議論になるんですけれども、共同作業をすると80点同士でいいから物にしようということになってくるので、ぜひそういうふうにつないでいくしかないのかなと当面思っています。もうちょっと深く考えてとは思いますが、そう思ってございます。

 あと、こちらのほうからもよろしいですか。

【委員長】  どうぞ。

【所長】  ○○先生が今おっしゃられた学も含めたオープンなつながりとか、ネットワークの話もいろいろそうだなと言っていただいているんですけれども、どうしたらいいかというのを逆に今日は委員の先生方、特に学のご出身の方は非常に多うございますが、何でやりますから言ってくださればチャレンジしたいというぐらいの気持ちなんですけれども、正直みんな情報がつながっているようであまりつながっていない感じがあって、そういうところを僕らが全体を仕切るなんていう偉そうなことではなくて、縁の下の力持ちでいいので、うまくやれればいいと正直思っていますので、この場だけでなくても結構でございますけれども、こんなことをやってみろと。我々もウエブ1つからでもやり始めたいと思っておりますけれども、ぜひお願いしたいと思います。

【委員長】  いかがでしょう。どうぞ。

【委員】  直接国総研の研究に関係するということではないですけれども、基準の問題です。○○さんが海岸室におられたときに海岸施設の設計基準の改定という問題がありました。私はもともと海岸の出身なものですからそれに参加したんですけれども、日本の海岸は4つの省庁が分けて管理していて、それぞれの省庁ごとに基準があって、場合によっては設計の考え方が違うものだから、境界線上で護岸の高さがちょっと変わることもあったというのが昔の状態だったわけです。

 それじゃあいかにもおかしいし、それから、技術的にも省庁の関係者が持っている知識だけで最新の技術になるわけではないというので、4省庁がそろって土木学会の海岸工学委員会に研究の委託をしていただきました。土木学会のほうでは、基準そのものをつくったんじゃなくて、基準を作るときの考え方について今どういう考え方があるかという膨大なレビューをして、本にして出したんです。解説のほうが先にできて、解説の中からエッセンスを拾って、国総研、土研、港研、いろいろな方々がそれを1つの基準にまとめて政府の基準になったというわけです。ですから、今アカデミーとか大学という話が出ていましたが、それの集合体である学会をうまく使うというのも1つのアイデアなんじゃないかと思います。

【委員長】  ありがとうございました。

【委員】  ちょっといいですか。

【委員長】  どうぞ。

【委員】  今の話とも関連するんですけれども、それから○○さんがプロジェクトを立ち上げると意外とうまくいくものだとおっしゃったんです。プロジェクトを立ち上げたときは、行政はうまくいくんです。そのときに学がどう入るかはわかりません。それに比べて、今○○さんがおっしゃったように、研究としてプロジェクトを立てるというのは1つの手かもしれません。

 研究としてプロジェクトを立てると、今みたいに海岸堤防のあり方みたいなものについて研究しましょうということになれば、学も入りながらさまざまな省庁が入ってこられるという、○○さんがおっしゃったまさに事業のプロジェクトから思いついたことなんですけれども、研究プロジェクトを大きく構えるという相談は、いろいろな場でできてくるんじゃないかなという気がいたしました。

【委員長】  ございませんか。それじゃあ、この点につきましては○○さんがおっしゃるとおりでありますので、皆さん思いついたら○○さんのところにメールで我々はこういうことを望んでいるということを言っていただきたいと思っております。

 僕としては、やっぱり情報の公開ですよね。どこまで公開するかというのが学会でも非常に大きな問題になりますし、地球温暖化問題でも世界的にマクロモデルがありまして、例えば有名なスターンレポートというのが一昨年ぐらいに出たんですけれども、その背景にあるマクロモデル、あるいはノードハウスという人はそのプログラムまで全部公開しておいて、皆さん自由に使ってくださいと。私の結果が間違いないことを確かめていただいても結構ですということまで公開しているような状況なんです。

 ここで、おそらく将来の国土構造の予測を公開していくとなると、プログラムそのものも公開しておいて、この結果はこうなっていますというところまでやらないと、説明責任の問題になってくるんじゃないかと思うんです。そういう意味において、とにかく原則全部丸裸にやっちゃうというのが一番楽でいいんじゃないかと僕は思う次第ですけれども、1つの方向性ではないかと私は思っております。

【委員】  ちょっと。

【委員長】  どうぞ。

【委員】  私がさっき申し上げましたように、場合によって国が守らなければいけないところがあるのかないのかは議論をしっかりやっておいてほしいと思うんです。例えば、アメリカでは河川のところは陸軍工兵隊が握っています。これのある部分は民間に出さない部分もありますし、逆にものすごくフリーに使えるものを提供しているところもあるんです。

 そういうものがほんとうにあるのかないのかをきちっと議論しておかないと、私は次の方針が立てられないんじゃないかと。もし丸裸にするんだったら、逆に国総研はほとんど任期つきのばらばらで十分やっていける。人事の構成の頭の部分はむしろ本省に置いてしまって、何も国総研の中にヘッド部分を置く必要はなくて、自由に研究者が行き来できる空間にできるわけですから、やはりなぜこういう構造をとらないといけないのかというところの議論が心配なんでしょうね。隠すものがあると言ったら怒られるし、全部オープンにしたらいいとは言うんだけれども、ひょっとしたらあるのかもしれないしないのかもしれないし、その辺の議論をまじめにやっていないから心配なまま進んできているんじゃないかなという気がしましたので、あえて言いました。

【所長】  ごく短くだけ。

【委員長】  どうぞ。

【所長】  実は、その辺のことも中でも大分議論しているんですけれども、基本的には隠したい情報があるからクローズしてやってきているという意識よりは、行政責任論がずっとあるからだけなので、この2ページ目にもその辺を書かせていただいているんですが、それが長くというのは蓄積過程、例えば基準をつくったりいろいろなことを考える、それを責任持ってこうしないといけないとやってきたプロセスもみんなある程度わかった人が組織の中にいるかどうかというのがものすごく大きくて、部分要素でぽんとやることも大事なんですけれども、そこがないとなかなかしんどいというのが正直我々の気持ちで、外へ出さないようにしておいたほうがいいデータがあるかどうかはもう一回真剣に考えてみますが、ほとんど中でもそういう意見は出ていないというか、正直なところはよく認識していないという感じでございます。

【委員長】  ちょうどいい橋渡しをいただきました。以上で最初の3つの研究そのものについてのご議論を終わりまして、5ページの「4.研究者の確保・育成について」というところの議論に参りたいと思います。まさに今おっしゃった中核的な研究者が極めて重要な存在になっているというご指摘なんですが、この点についてのデータが現状はこういうもので示すことができるのではないかというお話でした。ご意見、感想をお願いします。どうぞ。

【委員】  この研究所には定員が当然あるわけでございます。ですから、中核的研究者を減らすか、ふやすか、現状維持でいくかというのは、僕は研究所の最も大きな方針だと思います。

 それで、7年ぐらい国総研がスタートしてから国総研のあり方をいろいろ見せていただいておりまして、減ってきたのは国総研のミッションから見てある程度当然ではないかと私は解釈しておりました。それで、現象だけ見ると確かに減っている。人事とか予算にいっぱい枠があって何ぼでもやっているのであれば両方満足できるんですけれども、減りぎみの定員の中でどう最適配置するかということは大変な問題で、僕は減ってきたのはそれなりの必然性があったんじゃないかと感じております。ですから、これは当初からゼネラリストでいくか研究者のスペシャリストを育てるかという根幹にかかわる問題がかかわっていると思います。

 それで、もう一つは、国総研のミッションというのはかなり行政と密着しているところがあると私は理解しておりまして、そうなると、専門的研究者が国総研を志望するインセンティブがあるかという問題は別途あると思います。それからもう一つ、そういう人を雇った場合に、人事の異動とかローテーションといった将来の処遇にもかかわるわけで、ある程度そこまでにらんでおかないと、減ったからふやせばいいという、そう簡単にはいかないのではないかと感じております。

 以上でございます。

【委員長】  ありがとうございました。ほかにどうぞ。

 それじゃあ、今のやつを。先生がおっしゃったのは、あそこのクエスチョンのところですよね。新しい人が入っていないじゃないですかというのは当たり前ではないかということですか。

【委員】  いえ、当たり前というか……。

【委員長】  そうじゃなくて。あるいはなぜそういう状況にあるのかというお話を伺いたいということですか。

【委員】  限られた定員の中で、国総研と行政のありようとすると結果的にこうなったのではないかということです。

【委員長】  どうぞ。

【委員】  今のグラフの代表性はどの程度あるんですか。

【委員長】  代表性ね。

【委員】  人数を数えたら19人分しかないんです。ここにおられる方はほとんど入っていないと思うんだけれども。

【国総研】  これは縦の年次で見ていただいて、どこかの室だと思うんですよね。

【国総研】  一研究室。

【委員】  一研究室ですか。

【所長】  ある分野です。

【国総研】  一研究室のトップで四、五人がいて、こういう通過で流れている。歴史的にはメーンストリームというか、よく知っている人が1人か2人いたんだけれども、この2人が卒業した後だれも継ぐ人がいないという現状をこれは書いています。

【委員】  こういう研究室が一般的になっちゃったということですか。

【国総研】  いや、これは土木系なんですけれども。

【所長】  土木はそうですね。

【国総研】  土木系はかなり代表的だから、ほかもこういうような状況ですということです。これは1つの例でありますけれども。

【国総研】  いや、だから建築は違いますし、港湾も違うと思うんですけれども。

【委員】  はい。

【委員】  いいですか。

【委員長】  どうぞ。

【委員】  私の経験なんですが、欧米系の官庁にしても研究所にしても、1人の人が結構長くやっていて、さっきどなたかがおっしゃっていましたけれども、20年前、25年前から何があったのかというのを全部1人が覚えている。その人と話をしていたら、インスティテューショナル・メモリーという言葉を教えてくれました。要するに組織的記憶と訳すんじゃないかと思うんですけれども、アメリカの研究所なんかでは、室長さん自体がメモリーになっている。

 日本でも、昔の土研以来ずっと国総研とかでやってこられた縦に長い経歴を持っておられる方はまさにそうだったわけです。最近それがなくなってきている。じゃあどこにそういうメモリーがあるかというと、もしかしたら○○先生がメモリーだったりとか、○○先生がメモリーだったりとか、要するに、委員会に出ている大学の人間がそういうメモリーの一翼を担っているかもしれないわけです。

 さっき、ネットワークについて言いましたけれども、国総研が自前でちゃんと1つ1つの分野についてメモリーを担保する人間を確保するのか、それともネットワーク型にして日本のネットワークのどこかにそういうものがあればいいと考えるのかというのが、かなり大きな分岐点なんじゃないかなと以前から考えています。

【委員長】  どうぞ。

【委員】  全く同感でして、資料2にも色濃く出ていますけれども、中長期的な視点を持った研究機関という意味合いはすごく大事だと思うんです。本省は短期的瞬発力にはすぐれているけれども、ブラウン運動をしていて中長期的にはあまり進んでいないんじゃないのという体験をすることが多いものですからあえて言うんですが、そういう意味では組織的な分野のくくり方というのはいろいろ議論する余地が非常に大きいと思いますけれども、そういった分野でのいきさつとか何でそんなことを発想するに至ったかという情報が非常に大事だと思うんです。

 外にいればいいじゃないかとは僕はあまり思わないです。やっぱりそういうのはぜひ内でやっておくべきである。なぜなら、お近くに二十数年おるんですけれども、気がついたことをいっぱい言ってもあまり反映されないですから、やっぱりそういうのは内部化しておかないとと思うんです。個人的な体験も含めて申し上げました。

【委員長】  ほかにどうぞ。私も、○○先生がおっしゃったことの連動ですけれども、国総研でも時々過去のプロジェクトを行った人、あるいは制度を変革した人にヒアリングで当時どういうものだったかという格好でそのときの状況の掘り起こしをして、それを報告書にしておられますが、同様に、例えば大きなプロジェクト、都市計画の制度変更、大規模プロジェクトのつくばエクスプレスなんかをつくるときの委員会がずっとありまして、それこそ昔だったらヤスジマ先生、ナカムラ先生、ムラカミ先生なんかがずっと委員会であったデータを持っておられて、当の役所にはもうデータが全くないで散らばっているということがざらにありますよね。

 今でもヤスジマ先生の資料等はいろいろな形で土木学会の方々が整理されたり、ボランティアでやっておられることも僕は知っておりますけれども、難しいんですが、おっしゃったように確かにインスティテューショナルメモリーというものがどこかにあって、その使い方をうまくやったらすごく効率が上がるだろうという感じはするんです。そのいい知恵はないんですけれども、そういうのはいっぱいあるということは事実だと思います。

【委員】  今の話は、もしかしたら国総研だけじゃなくて、日本の土木全体かもしれないですけどね。

【委員長】  行政そのものかもわからない。

【委員】  行政もそうかもしれないですね。どうやっていいかよくわかってないんですが。

【委員長】  どうぞ。

【委員】  今のところなんですが私にはいくつかわからないことがあります。、土木分野において長い期間研究に携わり専門分野に精通した中核的な研究者が減少しているということを課題として挙げていらっしゃいますが、課題として挙げているということはこれをどうにかしたいと思っているのでしょうが、なぜそういう状況になってしまったのかその理由が私はよくわかりません。、先ほど先生がおっしゃったように、インスティテューショナルメモリーというのは企業でしたら普通企業内に蓄積していき、アカデミズムの世界ですと個人に蓄積していくのでしょうが、国総研は国土交通省の機関でありますから、機関内に蓄積していくはずなのに、専門分野に長いこと精通した人がいなくなって困ってしまうという状況をつくり出してしまったこと自体が私にはよく理解できません。、それが困るなら個人に蓄積するようにしなければいいわけですし、それが困らないんだったら個人に積み重ねていけばいいのですから。

 それからもう一つ、国総研の魅力、要するにその下のb、「国総研の研究予算や現場での実証実験、研究成果の現場への適用状況等の研究者にとっての魅力を体系的に発信できていない」とある点が良くわかりません。魅力を体系的に発信できていないというなら、何が障害になっているのか。発信能力があまりない、PRをやる人がいない、あるいは魅力を体系的に理解していない、もともと魅力がないとか、その辺がよく理解できません。例えば研究者にとって給料や待遇ががこうだからあまり魅力的に見えないと思っていらっしゃるのか、あるいは魅力というものを発信する力は別の能力ですので、発信力のある適当なスタッフがいないということなのか、その辺がよくわかりません。

 それから、研究者の育成は整理されているが、具体的な方策が整っていないとご本人に言われてしまうと、それでは何で具体的な方策を整えないのかなと不思議になってしまいます。私にはここがわからないです。

【委員長】  いいご質問ですので、十分詳しくお答えいただきたくお願いいたします。

【所長】  一応これは外部評価委員会ですから、基本的には私どもの内部でほんとうは考えるべきところを外部の委員の方にご意見をいただいてということかと思うので、先ほどの本人は何とかというのは、反省して何とかしたいというところを素直に書いたので、すいません。そういう意味では、恥ずかしながらというか、みっともない話もいろいろあってあれではあるんですが、今きちんと見つめて直すところはきちんと直そうと思っております。

 さっきのこっちの絵の話から言うと、人によって感じ方が違うかもしれませんが、僕は個人的に言うと、役人人生のうち10年ちょっと人事に携わってというか、人の矢印にたまたまなんですけれどもかかわってきたんですが、多分人事戦略とかいうことを省全体として、建築のほうはどうかわかりませんが、特に土木のほうはよく考えてきていない。

 そういうものを失っているということに気づいていないとか、こういうことをやっていかないといけないということに気づいていないとかいっぱい反省するところがあって、今定員の削減がある、それから社会状況もいろいろ変わっているという中でひずみとかほころびにすごく気づかされる部分が出てきたと。ほんとうはそんなことになる前にいろいろな手を打つべきなんでしょうけれども、今からでもきちんと戦略の立て直しをしてやっていかないといけないのかなと思っています。

 それで、この資料の中にもそういう意味で選考採用というのがありましたが、これは我々の中の普通の話で書いちゃっていますけれども、実は国総研ができるときには、研究建築書は前からそういうのがあるんですが、国総研、土木研究所で、基本的には通常採用ではなくて選考採用とか大学の例えば博士課程が終わった方なんかがどんどん入ったり流動したりするふうにと昔言っていたんですけれども、旧来の人事のまま通常の行政職と一緒に採用する中で一部の人が研究所に回ってくるということになっちゃっているんです。

 だから、○○先生がおっしゃったように本人の人生とかもあるのでよく考えないといけないですけれども、人の採用、構成、流動の仕方を変えないといけない時期なのかなというので、まだよく練らないといけないんですが、今そういう覚悟をし始めているところでございます。

 それから、もう一方の絵でもあれなんですが、グローバルというか、うちの役所の歴史から言うと、特に理系、技術系の人が専門ばかになってはいけないと言っているのが20年から30年近く前なんですけれども、そういうところでゼネラリストを目指すべきみたいなことがわっと言われたんです。結果、それは大きな失敗であったと評価されて。

 というのは、いろいろなことを何でもできる人は何もできない人に限りなく近づいて、結局今はどう言っているかというと、T型人間といいますか、あることについては絶対きちんと自分たちが持っていて、できて、しかし視点は広くと。多分今日おいでいただいている各委員の方がいろいろな委員会に入っていただいている場合でも、そういうことでご活躍いただいているんじゃないかなと思いますので、やっぱりきちっと自分のあれするものがあるというのが特に理系の人間のあれかなと思っています。

 なので、中途半端にずっと悩んで人事構成とかを考えてきた名残みたいなのがあるので。ところが建築のほうは、結構建築基準はしっかりとおれたちがやるんだという感じで我々研究所のほうでやっているので、それがきちんと今でも引き継がれている。

 いい面、悪い面はいろいろあるんですけれども、答えになっていないかもしれませんが、状況だけお話ししております。最初に申し上げたように、ほんとうは前から気がついてきちんと計画的にやれればいいんですが、今からでもやれるところはやろうと。大きな問題は戦略を何もうまく立てられていなくて来ているかもしれないので、発信力もないんですけれども、やっぱり戦略をつくってこなかったというのが大きな問題かなと思っておりますので、ちょうどこういう評価の中で整理させていただければと思っています。

【委員長】  どうぞ。

【委員】  今のことと絡むんですけれども、よそ様も多分同じだと思うんですが、大学側も特に今博士課程への進学者が少なくて何とかしようと。そのためには、売れ口をつくらないといかんという状況に置かれておりまして、そういう意味でいくと、博士号取得者を選考採用していただくということは極めてありがたい話です。

 ですから、こういう望ましい資質を持っている人を育ててほしいという要求です。多分そういうことを今所長もおっしゃいましたけれども、関連する大学には伝わっていると思いますが、そういうのをもうちょっと発信するということも大事かなと思いますし、6ページのDの博士号取得を積極的に促進するという意味合いにおきましても、カリキュラムとか教育目標に要求、要請すべきことはいっぱいあるような気がするんです。そういうこともぜひ戦略の中に入れていただければいいんじゃないのかなと思いました。

【委員長】  どうぞ。

【委員】  よろしいですか。

【委員長】  はい。

【委員】  1つには、国総研でどういう人材集団を抱えるかという問題とかかわると思うんでございます。それで、私はずっと研究所と大学におりまして、研究所の場合にはカバーすべき分野というのは決められていなくて、とにかく研究成果が目立ち、上がればいいわけなんです。ところが、大学の教育の場合には、ある程度カバーすべき分野はあるということで、それなりに人を配置しなきゃいかんということがあるわけで、例えばつくばの産総研なんかは、想像ですけれども産業分野を全部カバーするんじゃなくて非常に目立つ研究、フィージビリティーを上げる研究が非常に優遇されているんじゃないかと思います。

 国総研の場合に、本省とのかかわりでかなり行政とのかかわりが強いわけでございます。そういう中で、少数の専門家を抱えてその人たちが目立っても、本来のミッションをどこまで全うできるかという問題があるんじゃないかという感じがします。一方で、研究所は目立たなかったらすぐつぶしてしまうということを言われますので、そのジレンマはあるんじゃないかと思います。

【委員長】  そうですね。

【委員】  よろしいですか。

【委員長】  どうぞ。

【委員】  今日紹介していただいた今後の展開に書いてありますが、これを具体化していくことは大変難しいという感じで受け取りました。1つは国総研という立場があって、あくまでも政策ということになると、例えば社会資本を整備する予算面で見ると、毎年3%以上削減してきているという大きな方向転換があります。

 それと、国民生活に着目すると、人口が今後どんどん減少していくという大きな背景があります。これらの変化に合わせて国総研は存続していかなければならないと私は思います。研究者のレベルおよび自分が若いころから培ってきた研究の背景を存続したいという気持ちと、環境が大きく変わってきていることとの折り合いが非常に難しい時代に来ているという印象を私は受けています。

 私は建設業の代表で来ていますが、この問題は建設業でも全く一緒です。例えば土木の分野で言うと、建設業界に優秀な人材が入ってこなくなっています。ということは、国民全体で見ると、また学生から見るともっと魅力のある就職先がたくさんあるということです。建設業、特に土木系を見ると、新たな建設という意味合いでのニーズ、将来性がほとんどなくなってきています。 このような変化があっても、建設業の中にいると、入社希望者が少なくなってきているという変化にもなかなか気づきません。もっと自分たちの技術を伝承したいけれども、なかなか伝わらないとかいう悩みばかりが強調されて、ドラスティックな変化が自分の周辺で起きていることに気づいていないという面があります。

 ですから、国総研の中においても社会の全体的な変化を客観的にとらえて、自分たちの研究の方向性が実は変わっていくものだということを認識していく必要があるということを感じています。

【委員長】  ありがとうございました。

【委員】  よろしいですか。

【委員長】  どうぞ。

【委員】  今のご発言は非常に重要だと思います。最初に出た国の将来像という話にも若干関係しますけれども、例えばハード志向だったものがソフト化していくとかいろいろな変化があると思うんですが、国民の安全、安心を守ってきちんと国土を保全していくという基本的任務は幾ら時代が変わっても変わらない。

 その形態や方向性が変わるということだと思うんですけれども、そのときにじゃあどういう研究者を育成したらいいのかということが問題になります。前にアメリカの研究戦略に関する本を読んだことがあるんですが、狭い分野で優秀な人をとらないということなんだそうです。それで、例えばある大学で計算機の分野の先生をとろうとしたら、計算機のソフトウエアの何とかの最先端のエキスパートというのはとらないんだそうです。コンピューターサイエンスにおいて最もすぐれている人を探すんだそうです。

 狭い人をとると、やがてテーマが変わっていくから、その人にとっても大学にとっても不幸になるということです。それで、広い範囲で視野を持っていて、その分野で優秀な人をとると、その人はテーマや方向が変わってもそれをフォローアップ、あるいは逆にリードする力を持つというんです。さっきのT型人間がさらに発展するとそういうことになるのかもしれません。

 まさに今、時代も非常に大きく変わるし、日本の社会も非常に大きな変貌が予想される。そうした時に国総研が欲しい人材を考えると、例えば今ある非常に狭い分野で非常にすぐれた成果を上げている人をチョイスするんじゃなくて、先まで見通してそれをフォローできる柔軟な視点や能力を持った人という視点が重要なんじゃないかなと思います。

【委員】  一言すみません。

【委員長】  どうぞ。

【委員】  今のご意見に似ているのかもしれないんですが、私も先ほどからの先生方のお話を伺っていて、スペシャリストとゼネラリストのバランスとか、両方の知恵の交流できちんと将来像を読むという力を発揮することが大事なんじゃないかと思って伺っておりました。

 ちょっと範囲は違うんですが、私は地域で行政の環境学習センターの運営をしているんですけれども、今そこで地域環境学習コーディネーターが6人いるんですが、その人たちだけが事業をやるんじゃなくて、いかに地域のグループとか企業の方に参加してもらって、その知恵を使いながら広げていくかというやり方をとっているんです。いろいろなやり方があると思うので、やはりできるだけ民の活力を広げるとか、活力と一緒に研究するとか、総合力を使うというか育てるというのも大事なことかなと思って伺っておりました。よろしくお願いします。

【委員長】  どうぞ。

【委員】  まさに戦略だと思うんです。さっき○○先生が大学は1つに秀でた人をとらないとおっしゃったんだけれども、これからの大学はひょっとしたらそれをとりに行くかもしれないという気が私はするんです。先ほど○○先生もおっしゃったように、何かに秀でた人でその大学とか研究所の価値を上げていくというのも1つの戦略。

 確かにその人がそこに根づいて育てていくと、2世、3世というのは大した人が育たない。確かに総合的には立派なものになっていくんだけれども、同じことを継いだ次の人が前の人を超すよりも、むしろだんだん2世、3世はしょぼくれていくのが常だということを考えますと、確かに土台はできるんだけれども目立ったものができていかないということから言いますと、大学とか研究所はひょっとしたら違う戦略をとるやり方もあるだろう。それに比べて、国総研は何をするのかということを考えるべきだと私は思います。

 秀でた人は、むしろ国総研が大学との連携の中で使えばいいわけで、逆に言えば大学とか研究所の中にそういう秀でた人をつくってもらうというのは、国総研から見たら非常にいい戦略で、ただし国総研はそういう戦略はとらなくて、あちこちのところに秀でた人がいれば自由に使えるような体制と戦略を持つということが私は重要じゃないかなと。だから、別に国総研の中に秀でた人がいて国総研からノーベル賞が出る必要は全然ないという気がしました。戦略をしっかり考えるということは、人に頼らないで自分で考えることだという気がします。

【委員】  なるほど。

【国総研】  ちょっといいですか。

【委員長】  どうぞ。

【国総研】  これは僕がつくったやつじゃないのでうまく説明できないかもしれませんけれども、これをつくって議論しているときに、ここでずっとつながっている人がエキスパート、スペシャリストではなくて、スペシャリストと会話するためにはこれぐらいのキャリアが必要だという議論をしていました。

 だから、これだとスペシャリストをつくっているという印象を先生方に与えているかもしれませんけれども、先ほどから出ていますように、外部の非常に秀でた人と少なくとも対等のレベルで会話するためには、ゼネラルかもしれないんだけれども、相手と普通にコミュニケーションできる人材を育てていかないといけないし、二、三年、あるいは四、五年の滞在だけではそういう人になかなかなりにくいんだということをうちのほうとしては説明するためにこの資料をつくらせていただきましたので、一応補足的にご説明させていただきました。

【委員長】  そろそろ時間が参りましたので、もしもご意見がないようでしたら人事関係はこれで終わらせていただきまして……、人事関係というとおかしいですけれども、国際的な関係につきましてのご意見を賜りたいと思います。ございませんか。なければないですっ飛ばしてもいいんじゃないかと思っていますけれども。

【委員】  すみません。

【委員長】  どうぞ。

【委員】  前回もぜひ外国との交流をというお話もしまして、こういう課題意識でかなり取り組んでいらっしゃるということがわかって大変うれしく思います。

 それで1つ、5ページの上の外国人研修員の受け入れの推移とか海外派遣の推移でかなり大勢いらっしゃるんですが、例えば研修の方をその後どうフォローしたかとか、こういう方との交流をどう育てているかみたいなことが、実はすごく今後のさまざまなことに影響するんじゃないかと思うので、そういうお話をお聞かせいただければうれしいかなと思うのですが。

【所長】 正直なところはできていない感じがあるんです。さっきのアジアの土木関係の所長会議というか、ある程度のクラスの人たちをというのも、せっかくそこで人が知り合ったりしたけれども、その後どうしているというのがないんです。

 ところが、ヨーロッパなんかでは北欧のデンマークがマイクイレブンという水関係のソフトをつくって、国を挙げて研修生を受け入れて、そのソフトでみんな学習して戻っていったら、そういう環境で育っているので、実はメコン川のカンボジアだとかあの辺の委員会の親分もノルウェー人とかです。決してそういう派遣を日本がという意味ではないんだけれども、きちんとフォローしている国かしていない国かでこんなに差が出ているということだと思います。ちゃんとしていきたいと思います。

【委員】  質問ですけれども、国際的な関係なんですが、研修員の受け入れとか派遣とかいろいろなことをやっておられるけれども、それは国総研の個別の箇所でやっているやつを集めてきた数値なのか、それとも国総研の中に何らかそういうものを束ねているところがあって、しっかり方針を持ってやっているのかというところについてご説明願えますか。

【国総研】  全体的には、国総研全体の研究活動とか国際協力の方針の中でやりますから、国総研全体というよりは国交省全体の方針の中でやる部分が強いので、どちらかといえば国総研全体のあれは弱くなりますけれども、そういう中でもなるべく研究所としての全体の方針を持ちたい、あるいは研究所の能力のアップにつなげるようなこともやりたいということで、ある程度の戦略的なものは持ちたいとは思っておりますが、全体的に見たら、本省の方針に従ってやるという面が強くはなっております。

【委員】  組織はあるんですか。

【国総研】  国際室があります。

【委員】  国際室というのが置いてある。

【国総研】  企画部長の配下に国際室があります。

【委員】  わかりました。

【委員長】  ほかにございませんか。ないようでしたら、国際関係も含めて今までの3つの課題全般を通じましてご意見等ございませんか。研究所のほうからもございませんか。

【所長】  正直、国際のペーパーだけ別になっているのは、ほんとうは今後こうやっていこうというのがあまりうまくつくれなくて。というのは、いろいろな場で国際的なつながりとかはやっているんだけれども、まさに今のご質問じゃないんですが、国際ととらえて、そういうことについてどうしていこうとはあまりやってきていないんです。すいませんが、これから考えないと、今持っているものがうまくないというのはそんな状況かと思いますが、やはり戦略的にすべてできたらと思っております。

【委員】  ちょっといいですか。

【委員長】  どうぞ。

【委員】  これはすごく難しい問題だと思うんですけれども、○○先生にしろ、○○先生にしろ、○○先生にしろ、1つのものに長く携わっている、かかわっているというのはポストと関係ないからですよね。

 役所でそれをちょっと緩めるというのは非常に難しいと思うんですけれども、例えばインスティテューショナルメモリーの問題、あるいは先ほどの国際との関係でいくと来る人の議論をしていましたが、今度は行かれる人なんかを見ていましても、例えばOECDの国際的な委員会とかに関して言うと、日本はポストでころころ変わってずっと発言力がないままなんですけれども、北欧の人なんかを見ておりますとずっと10年とか20年ぐらい来続けていて、友達関係で結構発言力があったりというのがございますよね。そういうのに対して、非常に難しいんですけれども、どう対処するかなというのが大きな課題のような気がしますけれども。

【委員長】  ついでに悪乗りしますと、国際関係では留学生倍増計画が現在起きていますよね。

【委員】  30万。

【委員長】  3倍ですか。

【委員】  30万人計画です。

【委員長】  というふうになっていまして、これと例えば外国との交換研究生という関係とか、留学生の受け入れという形も絡めると結構な動きができるような感じもしたんですけれども、勝手に思ったことだけです。

 ほかにございませんか。よろしゅうございますか。そろそろ時間になりましたので、今日のご意見を伺っていますと、大体3つの分野、まずは研究の分野について現在持っておられる問題意識と、それに対してまだ取り組みましたというんじゃなくて取り組みますという宣言の段階なんですけれども、それはよろしかろうと伺いました。

 それから人事に関しましても、いろいろと制約があるということはよく認識しているけれども、その範囲内でT型人間の形成を目指すことがいい方向ではないかということでありました。

 僕は、1点この点については気になっている点がありまして、旧土研系と旧建築系では基本的に人事のあり方がどうも違うようだと。これはどっちがいいんですかという話はなかったんですけれども、おそらく土研の中でも分野ごとに建築系統に近い人事効率がいい場合と、そうじゃなくて旧土研系の短期に入れかわって、あるいは行政に直接タッチする分野である形のほうが効率がいい場合もあるのではないかと思いますが、そういう分類をした格好でさてどちらがどんな状況かなというお話を今後伺うと、役に立つかどうかわかりませんけれども、そういう見方も一つあるのではないかなと思いました。

 国際活動につきましては、特に受け入れの研修生の成果はどうなんですかと。これは追っかける調査が大変なんですよね。JICAなんかは時々やっているんですが、私の大学でも時々環境問題なんかがありますので追っかけているんですけれども、例えば経済学部、文学部、もちろん教育学部とかは結構こういうことに興味を持っているんです。追っかけています。

 だから、ここでやられるよりもどこかやっているところを取っ捕まえてきて、こんな成果があるんじゃないかということぐらいはまずフォローしていって、こんなものかなということをやられないと、直接これを調べるとなるとものすごく手間暇がかかりますから。必要で、しかも一番焦点を当てるべきところではないかということは思います。おっしゃるように、国際的な派遣というほどでもありませんけれども、これはノウハウの競争でありますから、そういうことも一緒に連動する政策ではないかと思っている次第です。

【委員】  一言よろしいですか。

【委員長】  どうぞ。

【委員】  建築研究所と土木研究所と少しやり方が違うんじゃないかというお話がございましたけれども、そのとおりでございますが、ローテーションで人事をやった場合には、釈迦に説法かと思いますけれども、定年後の面倒もローテーションの大きなシステムが面倒を見てくれるわけですよね。ところが、もしも長くスペシャリストを雇った場合には、研究所が先々の面倒を見なきゃいけないという非常に大きな問題があるわけでございます。ですから、僕は人を雇うというのは20年、30年の問題で、定年までいかなくてもかかわってくるということだけ一言申し上げておきたいと。

【委員長】  ありがとうございました。ほかにございませんか。よろしゅうございますか。

 それじゃあ、これで私の司会は終わらせていただきます。事務局のほうにマイクをお返しいたします。どうもありがとうございました。


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4.国総研所長挨拶/閉会

【事務局】  長時間ご審議ありがとうございました。本日の議事録につきましては、別途ご照会をかけさせていただきますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 それでは、最後に所長から一言お願いします。

【所長】  しっかり具体的になるようにしたいと思います。話だけで終わらないように。それから、急に全部できないんですが、具体的なものを積み重ねてしっかり前に進みたいと思います。よろしくお願いします。

【事務局】  以上をもちまして、本日の研究評価委員会を終了させていただきたいと思います。本日はどうもありがとうございました。

 

―― 了 ――

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