平成19年度 第1回 国土技術政策総合研究所研究評価委員会
議 事 録


1. 開会
2. 国総研所長挨拶
3. 委員長挨拶
4. 議事
(1) 研究評価委員会(本委員会)における評価について
(2) 国総研の研究活動について(平成18年度)
(3) 研究マネジメントについて
(4) 人材育成について
(5) 個別研究課題の評価について
5. その他
6. 国総研所長挨拶
7. 閉会

平成19年7月4日

1.開会

【事務局】  皆さん、おはようございます。それでは、定刻になりましたので、ただいまより平成19年度第1回国土技術政策総合研究所研究評価委員会を開催させていただきます。私、事務局を務めます事務局の○○と申します。どうぞよろしくお願いいたします。議事に入るまでの司会を務めさせていただきます。よろしくお願いいたします。

 それではまず、本日の委員の皆様方のご紹介をさせていただきたいと思います。資料1が委員会名簿となっておりますので、こちらに従いましてご紹介をさせていただきます。

 まず、委員長、東北大学名誉教授、○○委員でございます。

【委員長】  ○○でございます。

【事務局】  筑波大学大学院教授、○○委員でございます。

【委員】  おはようございます。○○でございます。

【事務局】  大和ハウス工業株式会社技術本部顧問、○○委員でございます。

【委員】  ○○でございます。

【事務局】  青森大学教授、○○委員でございます。

【委員】  ○○です。よろしくお願いいたします。

【事務局】  ジャーナリスト・環境カウンセラー、○○委員でございます。

【委員】  ○○です。よろしくお願いいたします。

【事務局】  名古屋大学の○○先生は、本日ご欠席でございます。

 西松建設株式会社技術研究所所長、○○委員でございます。

【委員】  ○○です。よろしくお願いします。

【事務局】  茨城大学教授、○○委員でございます。

【委員】  ○○でございます。よろしくお願いします。

【事務局】  慶應義塾大学○○委員、淑徳大学○○委員におかれましては、本日ご欠席でございます。

 また、国総研の出席メンバーにつきましては、お手元の座席表をもってご案内にかえさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

 次に、お手元の資料の確認をさせていただきます。

 まず、議事次第が一番上についてございますが、そちらの下に配付資料一覧をおつけしておりますので、ご参照ください。資料1、先ほどの名簿でございます。次に資料2、研究評価委員会(本委員会)における評価についてという一枚紙がございます。資料3が国総研の研究活動について。資料4が研究マネジメントについて、こちらはA3の大きい紙が下に置いてございます。資料5、個別研究課題の評価についてというA4の2枚程度の紙がございます。そして参考資料1、2、3で、左側に参考図書といたしまして各種資料を別途積んでございます。国土技術政策総合研究所研究方針、小さい冊子でございます。国総研アニュアルレポート、赤い冊子でございます。NILIM News Letter、英文の雑誌でございます。平成18年度年報暫定版ということで、仮製本した分厚いものがお手元にございますでしょうか。次に平成18年度第1回国土技術政策総合研究所研究評価委員会報告書ということで、クリーム色の冊子がお手元にございますでしょうか。最後に、国土技術政策総合研究所ということでパンフレットがお手元にあるかと思います。そして丸印をつけておりますが、パワーポイント資料をA4に2スライドずつ入れておりますプレゼンテーション用の資料がございまして、こちらは画面にも出てまいりますが、お手元で確認いただけるようにいたしております。

 以上、お手元に資料はおそろいでございましょうか。もしなければ、途中でも結構でございますので、いつでも合図をいただければと思います。よろしいでしょうか。

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2.国総研所長挨拶

 それでは、国総研所長の○○よりごあいさつをさせていただきます。

【所長】  おはようございます。○○委員長をはじめ、大変お忙しい中、それとお足元の悪い中、ご出席賜りまして大変ありがとうございます。きょうは19年度の第1回の評価委員会ということでございまして、私ども、昨年度いろいろやってまいりましたことを踏まえて、研究所としての活動状態に対してご評価を賜るということと、それから特に3月の懇談会でもご説明申しましたけれども、マネジメントの1つの手法として大枠というものを設定しておりまして、そのときに、まだ作業中ですと申し上げた部分について幾つかできてきておりますので、それについてご報告し、ご意見を賜りたいと思っております。

 実はせんだって、国土交通省の審議会に技術部会がございますけれども、そこでこの大枠について報告する機会がございまして、とても全体を報告できませんので、大枠の中で洪水を1つ例に挙げましてご報告を申し上げたところでございます。いろいろご意見を賜りましたけれども、その1つは、プロジェクト的に研究を進めていくという形になるものですから、反面、各研究者がいろいろなジャンルに関心を持って育っていくといいますか、そういう部分をどういうふうに考えていったらいいのか、一方だけではうまくないのではないかというような御指摘をいただいたと私は理解しております。こうした御指摘にも絡みますけれども、人材育成のためのツールをどう考えていくかというようなことについて、大分議論をしてまいりましたので、これについてもご説明し、ご意見を賜ればと思います。

 まだまだ発展途上の、課題の多い状態でございますので、ぜひ忌憚のないご意見を賜りますようにお願いを申し上げまして、ごあいさつにさせていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

【事務局】  それでは、先ほどちょっとご説明をし忘れてしまいました資料の点で確認を2点させていただきたいと思います。委員の先生方に事前に送付させていただきました資料より、本日最終の修正が入っております点、ご了承いただきますようにお願いいたします。また、先ほどの分厚い年報でございますが、こちらはまだ暫定版でございますので、終了後、回収とさせていただきたいと思っておりますので、この点もご了承いただきますようお願いいたします。

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3.委員長挨拶

 それでは、○○委員長よりごあいさつをよろしくお願いいたします。

【委員長】  この前、まず全体のこの委員会のやることは、全体の研究活動について、あるいは業務活動について事前・中間・事後評価を行うということですね。個別の部会のほうでは個別のテーマについての審査をお願いするということになっておりまして、こちらのほうは、本日は全体の研究活動についてのご審議をいただくというふうになっているということです。今回の全体の審議というところでのコンセプトが、先ほど○○所長がおっしゃいましたようなコアと大枠とそれから人材、こういう形のものがキーワードになっている、こんな位置づけを持って審査のことをお願いしたい、こんなふうに思っている次第です。

 そういうわけで、あまり聞いたことないような概念でして、○○所長のオリジナリティーが出ているのではないかなというふうな感想を持っているのですけれども、ほんとうかなということを疑いながら、皆さんでお話を伺いたいと思っております。よろしくお願いいたします。

【事務局】  それでは、早速ですが、委員長に進行をお渡しいたします。よろしくお願いいたします。

【委員長】  それでは進行役を務めます。議事がありますので、まず1番、研究評価委員会における評価について確認します。事務局から説明をお願いします。


4.議事

(1)研究評価委員会(本委員会)における評価について

【事務局】  評価研究官の○○でございます。よろしくお願いいたします。資料2を開けていただきたいと思います。資料2は、本委員会の目的、それから評価の内容について記したものでございます。

 まず評価の目的でございますけれども、科学技術基本計画、国の研究開発評価に関する大綱的指針、行政機関が行う政策の評価に関する法律等に基づき、公正かつ透明性のある研究評価を行い、その評価結果を研究活動、研究体制の整備・運営等に的確に反映することにより、社会経済状況、住宅・社会資本に係る国民的・社会的要請、国土技術政策の企画立案・実施に必要な技術ニーズ、公共事業等の効果的実施に必要な現場技術ニーズ等を的確に踏まえた研究課題の設定、適切な研究計画の作成及びその効率的かつ着実な実施。また、組織の使命に応じて研究能力が最大限に発揮されるような研究体制の整備・運営。さらに研究成果の円滑かつ適切な行政及び社会への反映並びに国民への研究内容の開示等に資することを目的といたしております。

 評価の内容につきましては、公正・透明な研究評価を行うため、外部専門家及び外部有識者による研究評価委員会を設置し、外部評価を行う。なお、国総研は、みずからの研究活動について十分な自己点検を実施することとし、そのために必要に応じて研究評価所内委員会により内部評価を行う。研究評価委員会、本日の委員会でございますが、先ほど○○委員長からご説明がありましたように、国総研の研究活動全般について評価を行う。もう1つ、研究評価委員会の分科会がございます。これは国総研が重点的に推進する個別の研究課題について評価を行う。これは後日、それぞれ3分科会に分けて行うことになっております。

 最後に、評価結果等の公表につきましては、分科会を含む研究評価委員会における評価結果は、今後の研究活動に適切に反映させる。また評価結果及びその対応は、原則としてその内容を公表する。

 以上でございます。

【委員長】  ありがとうございました。それではご質問ございませんか。よろしゅうございますね、この件は。

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(2)国土技術政策総合研究所の研究活動について

 それでは次にまいります。資料2について今のようなお話を伺いましたので、確認いたしました。次に議題2に行きます。『国総研の研究活動について』に入ります。事務局より説明をお願いいたします。

【事務局】  評価研究官の○○でございますけれども、続きましてご説明を差し上げます。ご説明は、前のパワーポイントを使ってご説明差し上げたいと思います。

 本委員会において評価、意見交換をいただく内容でございますけれども、まず、本日3点ございます。1つ目は、国総研の研究活動について、平成18年度に行われた研究の活動についてご説明を申し上げますが、この内容につきましては、昨年7月に18年度の研究評価委員会でご報告をいたしました内容以降のものを集約いたしております。2つ目は、研究活動のマネジメントでございます。これは今年3月の研究評価委員懇談会にご説明いたしました研究活動の包括的な体系を示しました大枠に関する先行テーマに続きます後行テーマを中心にご報告差し上げます。3つ目は人材育成についてでございます。人材育成についての取り組み状況を幾つかの観点からご説明を差し上げたいと思います。

 それではまず、18年度の国総研における研究活動の概要をご説明いたします。新しく委員になられた方もいらっしゃいますので、冒頭に……。

【委員長】  ちょっと待ってください。関連するパワーポイントと同じものが手元にあるということを確認していただけますか。

【事務局】  申しわけございません。お手元に、ご説明申し上げますパワーポイントを印刷したものがございます。全く同じものを映し出しますので、よろしいでしょうか。画面あるいはお手元を参照していただきながらよろしくお願いしたいと思います。

 新しく委員になられた方もおられますので、冒頭に、評価を行う観点として国総研の設置目的、使命並びに役割について再確認しておきたいと思います。

 まず、国総研の設置目的でございますが、こちらにありますように、国総研は、社会資本整備にかかわる技術で、国土交通省の所掌に係る政策の企画及び立案に関するものの総合的な調査、試験、研究及び開発を行うこと。もう1つは、それらに関する技術に関する指導及び成果の普及並びに情報の収集、整理及び提供を行うこと、これが設置目的となっています。

 それらによる国総研の使命といたしましては、研究方針にも書いてございますように、住宅・社会資本のエンドユーザーである国民一人一人の満足度を高めるため、技術政策の企画立案に役立つ研究を実施するということでございます。この使命を果たすために、大きく3つ活動を行うということをうたっております。1つ目は政策支援、政策の企画立案に関する研究。2つ目は技術基準策定支援、政策実施のための法令等に基づく技術基準の策定に関する研究。それから3つ目は技術支援。これはいろいろな地方整備局等での事業執行あるいは管理に必要とする技術支援でございます。

 このような設置目的、使命に基づきまして、国総研の役割としては、国総研が国土交通本省と政策に関する連携あるいはそのための支援を行いつつ、地方整備局においては、この事業の実施・管理についての連携を行いながら技術支援を行う。さらに研究活動を行う上で、大学、研究機関あるいは独立行政法人と連携を図りながら、技術政策に役立つような研究活動を実施していくというようなことでございます。

 これらのことを行う組織といたしましては、国総研は、こちらにございますように、13の部と3つのセンターが組織されております。さらに、これらの中での国総研の定員でございますけれども、こちらに示すように、18年度は定員が386名でございます。そのうち研究職が252名のような状態でございます。予算につきましては、過去3年、こちらにありますように、160〜180億ぐらいの予算になっております。例えば18年度は、研究費が126億、人件費が40億というような構成になっております。

 続きまして、研究マネジメントとして昨年来行ってきております、先ほどお話ありましたコアあるいは大枠についての簡単のご説明を差し上げたいと思います。こちらはコアを活用したマネジメントシステムとございますけれども、これは国総研として、他ではなし得ない、国の組織の研究機関でございますので、その組織を使いまして全国から収集される情報を継続的に収集する、それらをもとにいろいろなデータあるいは事例を分析しながら、常に現状を把握しながら、現状の課題、問題点を抽出し、あるいはいろいろな研究成果についての効果についても把握するというようなもので、かなり長期間において行う研究活動でございます。

 具体的には、各研究部・センターで長期継続的に行う核心となるコアの研究活動の事例がこちらに示してあるとおりでございます。時間の関係上、個別の説明は省略させていただきます。

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(3)研究マネジメントについて

 もう1つ、研究活動のマネジメントといたしまして、大枠を活用したマネジメントの取り組みをやっております。この大枠というのは、既成の組織の枠にとらわれないで、技術政策上の課題を包括的に提示して政策目標の実現につなげていく行程、行政や他の機関との連携を示すものでございまして、研究活動のあるテーマに対する包括的な研究体系でございます。具体的には、後ほど後行テーマでご説明いたしますけれども、それらのテーマに基づきまして個別の研究課題が出てまいります。それらの個別研究課題について、具体的な研究計画を立案し、研究を実施する。その中ではコアというふうな継続的なデータに基づく現状認識等を踏まえながら行っていきまして、ある一定期間を過ぎますとチェックを行う。この場合、うまくいかない場合もございますので、その場合は原因を探り、手法を見直してもう一回計画に帰るというふうなことを行いながら、1つの研究課題が終わりますと、それを評価する、具体的な効果を把握をするということで、実際その研究成果自体がうまく効果が出ていない場合は、またその原因、手法の分析をして、研究計画へ反映する、こういうふうなPDCAのサイクルを行って研究を進めていくというようなことにいたしております。

 具体的な大枠のテーマにつきましては、この3月にご説明いたしましたところのテーマ、例えば自然災害に対する安全・安心についてはご説明差し上げましたけれども、今回は、この破線の部分でございます人のモビリティの向上、それからユニバーサル社会の創造、持続可能な社会の構築、景観の保全と創造について、あと自然災害については一部追加がございますので、それについてご説明を後ほど差し上げたいと思います。

 これからは施策への反映ということで、先ほど申しましたように、国総研の使命といたしましては、技術政策への企画立案に関する研究を行うというのが使命の大きなものでございます。そういう目で見てみますと、平成18年度におきましては41件のものが法律等へ反映されております。具体的には、法律については2件、政令・省令等は8件、ガイドライン・基準等は23件、新規施策への反映は2件、その他が6件でございます。こちらにはその経年的な推移を載せております。これは各部・センター別にそれぞれ研究成果が出る期間が違いますので、それぞれの部で政策等へ反映されているのが見受けられます。

 これからは具体的な活動についてご説明を差し上げたいと思います。1つの事例といたしましては、法律への反映ということで、こちらにございます密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律の改正が今般行われております。その改正につきまして、国総研の研究成果を踏まえたものとして、1つは、防災街区整備事業の耐火建築物等の要件、118条の見直しについて技術的な知見を提供いたしております。これだけ具体的にご説明いたしますけれども、もともとの防災街区整備事業の事業区域要件といたしましては、防火建築物または準耐火建築物の割合があるのですけれども、たとえ耐火建築物であっても、地震時等に外壁や開口部を損傷するおそれがある場合には防火性能が低下するため、耐火建築物であってもそういうものは除外するという改正を行っております。その除外をするための根拠として、国総研では、開口部の割合や外壁の損傷状況によってどの程度防火性能が低下するかを明らかにして、根拠を提出いたしております。同様に、建替計画認定制度の拡充ということについても同じような知見・成果を提供いたしております。

 続きまして、告示への反映につきましてです。これは建築基準法並びに住宅品質確保促進法に基づく技術基準見直しというのがございまして、これにつきましても建築基準法の技術基準について逐次見直しを行っておりますが、その技術的な根拠につきまして、こちらにある検討項目について、国総研としてその成果を提供いたしておりまして、一部、告示が改正されているものもございますし、また、パブリックコメントを実施済みあるいは実施予定のものもございます。

 それから技術基準への反映といたしましては、降雨指標による土砂災害警戒避難基準の設定と運用ということで、多くの雨が降り続きますと、土砂の災害が起きてまいりますが、その土砂災害に対して降雨を指標とした土砂災害の警戒避難基準、どういう場合には避難をすべきであるかというような基準の設定、さらに市町村のそれらの防災活動に役立つような危険度情報の提供を行っております。こういうふうな形で、これは島根の状況でございますけれども、一定の雨が降り続きますと、その状況を反映してこちらのような災害の危険度情報を提供した事例でございます。

 これはガイドライン等への反映の事例でございますけれども、時間の関係で項目のみにさせていただきます。公共工事における出来高部分払方式の本格的導入ということで、従来、工事を行う場合は、前払金と完成したときあるいは中間においての支払いだけでございましたけれども、3カ月おきに出来高を確認しながら支払いをする方式の要領を国総研のほうで策定をいたしました。

 同じようにガイドラインへの反映でございますけれども、これは走りやすさマップの全国展開ということで、全国の都道府県で道路の走りやすい状態を地図で表現するということで、道路の構造と、あとは渋滞をしているところ、あるいは事故の危険箇所、そういう情報を織り込んだものを、昨年、全国の都道府県でつくっておりますが、そのもととなるマニュアルを国総研でつくっております。

 これもガイドラインの反映ですけれども、道路工事完成図等作成要領の本格運用ということで、これは実際の道路の工事を行う場合、こういう図面を電子的なCADデータで納入をされて、それを実際の、こちらにあるような管理に関するGISデータに転換をするというようなものをつくるための作成要領を策定して、それが実際に現在国土交通省で使われております。以前は紙のデータで、こちらも紙でございましたので、非常に転記に時間がかかっておりました。そういうふうな効率の改善に役立ちます。

 次に、新規施策への反映についての事例でございます。これは国際海上コンテナ貨物流動モデルによるスーパー中枢港湾政策の評価ということで、国総研のほうで国際海上コンテナ貨物流動モデルを開発いたしました。そのモデルを用いまして、スーパー中枢港湾の東京港、横浜港において、港湾計画の中で取扱貨物量の増分に使われております。計画への反映でございます。

 今までは研究成果が実際に政策に反映された、採用されたという事例でございますけれども、これからの幾つかは、実際に研究成果が政策に反映され、さらにそれが社会的にどういうふうな効果があったのかというのを少し整理を試みたものでございます。

 まず、かなり以前問題になりましたシックハウス対策のために行われた建築基準法改正、平成15年7月でございます。この改正によりまして、新築住宅室内の化学物質、ホルムアルデヒドとかトルエンとかいうものでございますが、大幅に低減がされております。この改正のために国総研としては、シックハウスの元凶である有害化学物質の発生・移動モデルの作成、さらに適切な設計施工に不可欠な実用的測定・評価技術、具体的な設計技術等を成果として出しております。それが法改正に貢献いたしておりまして、具体的には、こちらにございますように、例えばホルムアルデヒドにつきましては、平成12年からずっと、若干下がりぎみですけれども、平成15年7月の改正でかなり大きな値のダウンをしております。こういうふうなことで、多くの新築住宅については健康上問題ないような形の環境が今つくられております。

 同じく研究成果が施策に反映された効果でございます。これは合流式下水道の改善ということで、全国の下水道の場合は、雨水と汚水を同じ管で排除されておりますけれども、これは大きな洪水になりますと、実際に直接川に汚水等が出てくる場合がございますので、未処理のまま放流される、これが大問題でございまして、これに関係する事柄について、国総研としては問題提起から解析モデルの開発を行って、実際の行政に対しては、合流式下水道緊急改善事業であるとか、あるいは下水道法施行令の改正というようなところに反映されております。一例でございますけれども、お台場でオイルボールという化学物質の塊みたいなものの漂着が一時非常に問題になりましたけれども、それがかなり少なくなってきているというような事例です。

 次に、従来は料金所でとまって料金を払っておったものでございますけれども、ETCというノンストップの自動料金収受システムというのを、これはかなり長い間の研究開発期間がございましたけれども、これも国総研の前の土研からずっと研究開発に着手いたしておりまして、1996年には具体的な実証実験を道路公団等で一緒にやっております。そういうような現場実証実験を伴いながら、具体的な仕様書を策定いたしまして、首都圏の主要料金所でこのETCサービスが1999年に開始されています。

 右のこちらのほうを見ていただきたいのですけれども、これは首都高速の18本の料金所でございますけれども、従来、いろいろなところで入り口あるいは出口の渋滞が生じておりましたけれども、このETCを大体半分ぐらいの方が使われるようになっておりまして、ほとんど渋滞が現在解消いたしております。この基準につきましては、国際標準にも採用されております。

 このETCの応用例でございますけれども、全国にいろいろなインターチェンジがございますけれども、従来、こちらにあるような、料金所を1カ所にしますと、両方向から出てくる場合は大きな面積が必要になってまいります。このETC、自動料金収受システムを用いますと、料金所を4つ設けることによって、こういうコンパクトなダイヤモンド形のインターチェンジにすることができます。そうすると、かなり大幅なコストの縮減ができる効果がございます。

 これは最近やっておりますものでございますけれども、前方障害物衝突防止支援システムということで、これは実際にドライバーが運転をして接触事故あるいは追突事故などを防止するための路車間の通信システムでございますけれども、首都高でこういうようなカーブがあって前方が見えないときに渋滞している場合がございます。この車が突っ込んでいって事故が起きるというような形態がございますけれども、事前にこの渋滞情報をこちらのドライバーにカーナビで表示をしまして、さらに渋滞の情報板で情報を提供することによって、実際、参宮橋というところで実験をしたところ、この情報提供する前と後では6割交通事故が減少いたしております。こういうものを国総研としては開発し、実証実験をしておりますが、今後、全国展開へ向けていく予定になっております。

 次に、今までは国総研の技術政策支援についてご説明をいたしまして、そういうところをさらに強化をしていく予定でございますけれども、技術支援活動について簡単にご説明を差し上げます。1つは、技術政策に関するいろいろな検討委員会に参画いたしておりまして、全体で年間1,200件余りでございます。主任研究官以上であれば年間8件ぐらいの参画をいたして活動しています。技術研修等への講師につきましては、年間248件参りました。例えば国土交通省の専門課程の研修、主任研究官以上だと年間1.6件でございます。

 次に技術指導でございます。いろいろな行政運営あるいは事業の執行管理について、地方整備局あるいは公共団体に技術指導を行っております。昨年は426件でございます。具体的には説明を省略いたしますが、このような具体的な事例において、主任研究官あたりは約3件ぐらいは行っているということでございます。

 さらに災害調査、大きな災害が起きますと、その現状の調査あるいは支援に出てまいります。昨年は総数42件でございまして、ジャワ島の中部地震、能登半島沖地震、それから揖斐川の地滑り災害、それから18年7月の天竜川、斐伊川等の出水の被害、こういうところへ出かけて現状調査、アドバイスをしております。

 さらに国総研だけではなくて、いろいろな研究を行うためには幅広い研究体制を構築する必要がございまして、他機関との連携も進めております。共同研究26件、委託研究21件を昨年度行っております。例えば、共同研究の事例でございますけれども、先ほどご説明いたしました走りやすさマップをカーナビへ実際に活用していこうというようなものを官民共同で、松下電器等民間企業と共同研究を今しております。

 さらに、地元の筑波大学との包括的連携・協力を行いながら、幅広い分野において相互の資源を活用していこうということで、包括的な協定を締結いたしております。

 国際的な活動についてこれからご紹介を差し上げたいと思います。まず国総研として主催または共催を行いました国際会議が10回ございました。こちらにありますように、アジア地域土木研究所長等会議、それから多国間の技術協力が14件、例えば世界道路協会の活動について、それから2国間協定プロジェクトが30件ございます。例えば天然資源開発・利用に関する日米会議、通常UJNRと呼ばれるものでございます。それからJICA専門家等の海外への技術支援が14名、ルーマニア、インドネシア等でございます。それから外国人の研修の受け入れも行っておりまして、ここに挙げる国等で59カ国・139名の研修を受け入れております。

 続きましては、研究成果の発信の面でございます。これは各種学会誌あるいは専門誌等について和文投稿が昨年は約500件、それから英文が約100件の投稿をいたしております。

 さらに研究成果の発信としては、国総研として講演会を行い、多くの方に来ていただきました。さらに施設の公開も行いまして、国内外から5,000名余の来場をいただきました。

 最後に発信といたしましては、ホームページを運営いたしておりますが、昨年度はリニューアルをいたしまして、できるだけわかりやすい形として、一般の方向けと技術者・研究者向けに分けましてリニューアルいたしました。年間40万件のアクセスをいただいておりまして、一昨年から比べますと5万件の増でございます。英語ページも年間7万件ございます。さらにプッシュ型のメールサービスということで、1,100名の方々に毎月1回技術情報等についてご提供いたしております。

 18年度の研究活動については以上でございます。

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【委員長】  現在のご議論いただいていることは、今、ご説明がありましたことは、平成18年度の国総研の研究活動について、十分な成果が上がっているかどうかというところのチェックでありまして、マネジメントのこととか人材の問題は、この後議論いただきますので、当面これは置いておきまして、使命として政策支援や基準策定支援や技術支援というのがありまして、それぞれ説明がありましたように、どこから出てくるかというと、政策支援としての例は、ページでいいますと、15ページのようなところから、政策あるいは施策への反映という形でのご説明と、それから研究活動が続きまして、技術支援というのが続きまして、情報の発信をしておりますよというお話でございます。ご審議のほどをお願いいたします。

 具体的にどういうところに政策支援とか基準策定支援が行われたかということなんですが、具体的な例がこんなふうに出てまいりまして、私が言うのもおかしいですけれども、格段の進歩ではないか、こんなふうに思っておる次第でございますが、いかがでしょうか。

【委員】  何回か聞かせていただいておりまして、○○委員長おっしゃるとおり、非常に全体の見通しもよくなりましたし、成果もわかりやすくなったと思います。特に国総研の使命といいますか、大きな方向性について整理をされて、それに沿った活動を推進されているということなんですが、それも非常にわかりやすくなりました。

 1つだけ質問は、政策支援のあり方なんですが、例えば法令や基準などにいろいろな知見を反映させていくときに、自分たち自身の、つまり国総研の研究に基づいてそれを反映させていくという考え方なのか、国総研の研究だけじゃなくて、日本やあるいは世界の幅広い研究をレビューして、そういう成果に基づいて全体の見通しの上で提案をされるのか。そういう点では、個々の研究というよりも、レビューといいますか、今の技術や政策の動向をよく知っていて、そういうものをきちんと把握した上で政策支援に当たるというものも非常に重要なんじゃないかと思うのですが、ちょっと今の説明ではよくわからなかったので、お答えいただければと思うのですが。

【国総研】  それぞれの各研究部で進めておりますので、個々の話についてはなかなか説明しづらい部分があるんですけれども、例えば建築基準法などで取り組む場合には、海外においてどんなことを、例えばEUのほうではどういう動きがあるとか、そういうのを各研究者は踏まえて、実際に必要な場合は海外調査も行いながら、それをベースに研究成果を出しているというような形になっておりまして、国内にこもって自分たちだけで研究しているというようなことで考えているわけではありません。まだ不足している部分もいろいろあろうかと思いますので、ご指摘も受けて、いろいろ各研究部のほうで海外の動向も十分踏まえるように、これからも考えていきたいというふうに思っております。

【委員】  今、そういうレビューが欠けているという話ではなくて、自分たち自身の研究と、幅広く現在の動向を踏まえるというのは両方必要なんじゃないかという理念的なことを言っています。例えば、法律の改正では、国総研のメンバーだけじゃなくて、外部の専門家なども含めたワーキンググループをつくって、その問題について認識を深めて、そういうものに従って政策にインプットするとか、そういう方式もあり得ると考えたのですが、今までそういうことをやられたことはあるんでしょうか。

【国総研】  そういうことをやったことがあるというよりも、むしろ個別のプロジェクトを考える際には、国総研の中だけではなくて、ほかのところとの連携を個別に考えながらやっておりますし、分科会では個別の案件に関しまして、このプロジェクトに関して、例えば大学とも連携していますとか、海外の方とも連携していますというようなことをご説明して、もうちょっとこういうところもあるよみたいなことをアドバイスを受けながら、ご指摘を受けて、改善すべき点は改善するということで進めさせていただいているところであります。

【国総研】  建築研究部ですけれども、姉歯問題があり、今も、建築基準法の改正に関連した活動をしておりますが、ここでは外部の、主に構造分野ですけれども、かなりの人数の構造分野の専門家の先生方に入っていただいて、全体委員会というような形で、具体的な名前を挙げますと、○○先生に全体の取りまとめをお願いして、構造基準とか、プログラム関係の問題とか、それから実務での審査指針だとか、そういうものの検討を、連携し進めているところです。本日の資料では、昨年度の成果としてまとめられているので、全体委員会などの成果は入っておりませんけれども、このように外部と連携しながら検討を進めているという状況です。
 外国については、すぐ行くという訳にはいかないので、事項立て研究だとかの規模の研究を通じて、海外の情報を継続的に、なるべく漏れのないような形で情報収集していきたいということでやっております。

【委員】  今のようなことを伺ったか理由は、以前議論したときに、研究成果とか政策支援をやるときに、国総研だけでやっていくような考え方にするのか、それとも、国総研が全体をコーディネートするような機能を発揮していくという方向で考えるのかという議論が若干ありました。おそらく政策の支援という場合には後者のような機能も非常に重要なんじゃないかなと思います。先ほど、建築基準法の改正について、そういう委員会とか幅広くやっておられて非常に結構なことだと思うので、ちょっとお伺いしたということです。

【委員】  今の話とも関係すると思うのですけれども、国総研の使命のところで、技術政策の企画立案に役立つ研究を実施すると書いてありまして、きょうご報告いただいたいろいろなタイプの研究のあり方って、まことに役立っていると思うんですが、役立つということに重きが置かれるあまりに、ちょっと視野が狭いというきらいがあるんじゃないのかなというふうに思いました。例えばどういうことかというと、第3次の科学技術基本計画に、有名なほうはナノテクとかITとかという重点4領域と、研究テーマの部分が非常に有名で、皆さんよくリファーされるのですけれども、それと同じように、研究者の自由な研究をできるような環境をうまくつくるということも大きな問題だというふうに、同じレベルで書かれているんですね。そういう意味でいくと、後で人材の養成とも絡むかもわかりませんけれども、特にコアという考え方と、基礎的なものとか研究者の自由な選択とか、国総研の、特に私は道路系とか環境系の人とおつき合いすることがままあるんですけれども、皆さん非常に忙しくて、その辺、ちょっとかわいそうかなという気がするのと、第3次科学技術基本計画の中では、つくばをどうするんだということが名指しで書かれている箇所が何カ所があって、その中で連携をどうするんだということも問われて居ます。国総研って、やはりつくばの機関の1つでありますから、その辺への目配りというのを始めようということで、筑波大との間で包括的な協定を結ばれたということだと思うのですけれども、その辺、さらに活性化していく、活発化していくということをぜひお考えいただければなと思いました。感想です。

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【委員長】  多分、マネジメントの方向と連動していますね。その次の議題に入っていますね。

【委員】  この段階で1つよろしいですか。私、今回初めて伺いまして、いろいろ研究のお話などを伺って、非常に驚いたというか、大変うれしく思ったことがあります。それはやはり、今回、コアと大枠というのが、最初、申しわけありません、意味がぴんとこなかったのですけれども、私が普段使っている言葉で置きかえれば、コアのほうはコアですけれども、大枠のほうはきっと連携・協働で総合化する、そういうことだということで、私はやはり、こちらの部門がそういう基本的なところと連携・協働で総合化しながら、今ほんとうに必要な改正のベースになるところを、そういうデータをちゃんと出していくとか研究していくというところをきちんと押さえていらっしゃるというのが、やはりそういう国民の満足度にすごくつながるという意味では、やはりすばらしい視点だと思いました。

 ただし、今、身近な視点ではないかというお話があったのですが、例えばこういう短期的に解決すべき視点と、例えば地球温暖化の2050年ぐらいの将来を見据えた長期的視点で、今、研究を始めておくべきこととか、幾つかやはりタイプを分けていくという視点が必要なのかなという感じがしていました。

 あと、これだけすばらしいことをやっていらっしゃるので、それをどう発信するかということをうまくやっていただくことで、国民との信頼関係とかそういうことをもっと向上させていただければ、せっかくのいろいろな政策がより効果が上がってくるんじゃないかというふうな感じがいたしますので、この発表のところが割に、講師派遣とか後援会をやった、シンポジウムをやったということなんですが、そういう情報発信プラスコミュニケーションのところに次の手を打って、やはりそういう国民との信頼関係づくり、あるいはそれがひいては、今、地域社会では、きちんと市民が責任を持っていくという地域社会をつくっていこうなんていう動きもありますので、できるだけそういう国民全体の関心を高めていくということにつなぐのがいいんじゃないかなという感じがして伺っておりました。感想という感じになってしまって済みません。

【委員長】  ちょっと時間が大分オーバーしているようでございますので、この件は、大体もううまくいっているので、感想はもうやめて、大体オーケーという線で次に行きたいと思いますが、よろしゅうございますか。ありがとうございました。

 それでは、議題としては、研究マネジメントにつきましてご審議をいただくことになります。それでは事務局のほうから、マネジメントについてのご説明をお願いいたします。

【事務局】  先ほどご説明いたしましたように、先行テーマにつきましてはこの3月にご説明差し上げましたので、残っておりました後行テーマについて、これから個別にご説明を差し上げたいと思います。具体的にはパワーポイントでは見にくいので、お手元に資料4というA3の大きなものがあると思います。それを見ていただいて、個別に説明をさせていただきたいと思います。

 まず、2枚目を開けていただきますと、こういう画面が出てまいります。もう一回開けていただきますと、具体的なものが出てまいります。ページ数は下に打っておりますので、まず12ページ目から、雪害についてご説明差し上げます。よろしくお願いします。

【国総研】  道路研究部長の○○でございます。

 雪害につきましては、大きくは自然災害に対する安全・安心の中の小テーマでございまして、この大分類、中分類、小分類につきましては、自然災害に対する安全・安心全体の共通のフレームワークを用いております。例えば大分類では、災害の知識を日ごろから持っているか、それからソーシャルキャピタル、助け合う状況が地域にでき上がっているか、それから次のページにまいりまして、情報システム、必要な情報が得られるか、そして抵抗力、災害が起きたときの復興力、そういう大きな4つの枠組み、これは共通でございます。その下の中分類、小分類につきましても同様に安全・安心のフレームを使っております。多少、小分類のところで全体に空欄が多くなるのを避けるために集約した部分が幾つかございますが、基本は同じでございます。その小分類の下に達成すべき状態というのがございまして、この項目からは雪にまつわる取り組み、雪害に対する取り組みとしてどういう状態が達せられるべきであるかということをそれぞれ考えまして、そしてその右の実施すべき行動、実施すべき研究を考えて表を作成していったものでございます。そして一番右側のバーチャートで示された実施すべき研究と実施行程のところで、具体の研究、実際に行われている研究、あるいは今後やっていくべきものも含めて整理しております。雪害に関しては、色分けが少し見づらいですけれども、オレンジ色が国総研、黄色が地方整備局、そして水色は他機関が実施するテーマということです。他機関とは独法土研、特に北海道にありました寒地土研が、一昨年ぐらいでしたか、独法土研と合併して1つの組織になっておりまして、特に寒地土研で行われているテーマが非常に多いということと、それから地整、特に現場で実際に取り組んでいるといったものが非常に多くなってございます。国総研は技術政策、政策オリエンテッドの研究機関でございますので、例えば除排雪作業の契約方式として、海外では複数年にまたがるとか、あるいは出面でやるのではなくて、でき上がりの状態で契約するとか、そういったところを日本でも適用できないかなどについて取り組んでおり、また、ソーシャルキャピタルのところで、地域の互助の中でどううまくやっていくかといったところが実施中の研究として入れております。それ以外はほかの機関での研究が多く、他機関に色々問い合わせをしながら整理をさせていただいたという状況でございます。

 以上でございます。

【事務局】  済みません、お手元の資料4は、先行テーマも含めて全体の、現在の状況を示しております。これから後行テーマのみをご説明差し上げます。

 続きまして、ページ数では14ページからでございます。渇水についてご説明を差し上げます。

【国総研】  14ページですが、その前に色分けでございます。右側の、薄い色で申しわけございませんが、茶色っぽいのが国総研で我々が実施するものでございますし、中段下ぐらいにございます緑っぽいものが気候変動関連の研究ということで、特に抜き出しをしております。それから水色が他機関、そして薄い白に近い水色が他機関における対策でございます。ということで、渇水は、現状の渇水もさることながら、やはり長期的な気候変動に対応して将来の雨の降り方がどのようになるんだろうか、具体的には関東、東北、北海道というような地域分けをいたしまして、将来の降雨なども予測をしていきます。雪も含めてでございます。さらには、生活の仕方を含めて水需要のあり方が変わってくると、渇水の構造も変わってまいりますので、将来の水需要がどうなるかというようなこと、それから海外における事例というようなこともここで研究の対象にいたしております。

 15ページに行っていただきますと、単に我々の施設管理だけではなくて、渇水の情報提供ですとか、あるいは節水に関する研究ですとか、社会的・経済的な複合的な対応策の評価とか、あるいは対応策のコストの算出とか、渇水全般にわたる政策を網羅的に研究するような体系を考えておりますし、人数も少ないのでなかなか進みませんが、着実に一歩ずつ進めたいという枠をつくってございます。

 以上でございます。

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【事務局】  では続きまして、人のモビリティの向上ということでございます。18ページでございます。

【国総研】  人のモビリティに関しましては、かなり関連研究部が多うございまして、道路が中心にまとめましたが、都市研究部、空港研究部、港湾研究部、高度情報化研究センター、そして河川研究部、この6研究部で関連しているものでございます。フレームワークの組み立ては、いろいろ試行錯誤いたしまして、結果的には一番わかりやすいという形になりました。大分類のところは、1つは、国際競争力、地域活力を支えるということで移動環境の整備、どちらかというとハード系というのでしょうか、そういったもので1つ大分類を起こす。2つ目の大分類ですけれども、このハード系の一方で、社会経済動向、ニーズの変化への対応ということで、データとかニーズの収集でありますとか分析そのもの、あるいは分析や評価の手法といったようなもの、そういうマネジメント、ソフト系で一まとまりにしたらわかりやすいのではないかということ。そして3つ目は、この赤色の災害やテロへのリスク対応ということでございまして、両方にまたがる、あるいはなかなか両方に分類しづらいものをここに一まとまりにしたという大きな3つの大分類にさせていただきました。

 その上で、移動環境整備のところの中分類ですけれども、安全、快適、円滑、環境といったところが思い当たるわけでございますが、安全については交通安全の大枠を別途設けておりますので、安全を除いた円滑、快適、環境というところで整理をさせていただきました。

 一方、ソフト系、ニーズの変化への対応のところでございますが、1つは分析手法あるいは政策の評価手法といった手法のところで一まとまり、それから意識とかニーズの把握手法、データの収集系、調査把握方法で1つ起こしております。それから3つ目はソーシャルキャピタルの形成ということで、各地域での人間関係、信頼関係、社会的ネットワークをきちっと形成していくためにはどうしたらいいかといったところを一まとまりにしております。

 それから災害、テロ等へのリスク対応は、これはこれで小分類をそのまま1つ設けております。

 さらに、それぞれいろいろな研究部がかかわっておりますので、各交通モードを考慮しながら小分類をセットして、以降、実施すべき状態からずっと右側の実施行程までそれぞれ表を作成し、他機関での研究もできるだけ把握したものを落とし込むような形でつくらせていただいております。

 以上でございます。

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【事務局】  続きまして、ユニバーサル社会の創造でございます。24ページでございます。

【国総研】  都市研究部長の○○でございます。

 ユニバーサル社会の創造についてご説明をさせていただきますが、まず、テーマそのものが非常に大きなテーマでございまして、そもそもユニバーサル社会とは何ぞやというようなところからかなり内部で議論がございました。個人個人によってかなり考え方が異なっているところがあろうかと思いますけれども、ここでは下のほうに注釈をつけてございますけれども、兵庫県が県庁を挙げてこのユニバーサル社会の実現ということでかなりいろいろな検討を進められてまとめられたものがございます。それを参考にさせていただきながら、以下、中分類、小分類等の整理をさせていただきました。そこでは、注釈に書いてございますように、ユニバーサル社会を一応、「年齢、性別、障がい、文化などの違いにかかわりなく、だれもが地域社会の一員として支え合う中で安心して暮らし、一人一人が持てる力を発揮して元気に活動できる社会」、こういう非常に理想的な社会ということで定義をしてございます。したがいまして、本来、国総研の枠をかなり大きくはみ出てしまう性格のものでございますので、中分類、小分類当たりのところまでは整理をさせていただきましたが、そこから先、上のところで行きますと、達成すべき状態あるいは実施すべき行動というものにつきましては、私どもが少なくとも何らかの形で関与できそうな部分に少し絞り込んで整理をさせていただいたというところがございます。

 中分類を大きく五つに分けてございます。人はユニバーサル社会を目指しているかという人の行動を規定をするもの。あるいは2番目は設備、装置がちゃんとつくられているか。3番目は情報が的確に流れているか。4番目はまちでございますが、これは個々の施設あるいは市街地全体としてユニバーサルにつくられているか。さらには、一番下の5番目でございますけれども、ソーシャルキャピタル等の社会参加というものについてもユニバーサルになされているかというような整理の中で、それぞれ小分類を決めさせていただきました。その後、ただいま申し上げましたように、比較的国総研がかかわりやすいテーマということで、達成すべき状態、実施すべき行動、それから具体の研究というところに落とし込んだような形で作業をさせていただいております。

 一番右の実施すべき研究と実施行程のところでございますが、実はこのユニバーサル社会ということにかかわって、国総研でこれをほんとうの主目的としてやられた研究というのはなかなかございませんでして、ここでは他の大枠でいろいろと具体に記載されております研究内容で、多少なりともユニバーサル社会にかかわっているだろうと認められるものを私どものほうで抽出して整理させていただいた状況にとどまってございます。テーマそのものが非常に大きいテーマでございますので、私どもといたしましては、引き続きこの作業を継続させていただきまして、もう少し精緻なものにつくり上げていくという努力を続けていきたいと考えております。

 以上でございます。

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【事務局】  では続きまして、持続可能な社会の構築(省エネ・温暖化)についてでございますけれども、25ページからでございます。

【国総研】 環境研究部長の○○でございます。

 25ページから29ページまで、持続可能な社会の構築という大枠の整理をしたものでございますが、3月の懇談会のときには循環型社会の構築というテーマでございました。その後、作業をしてみまして、より適切なタイトルとして持続可能な社会の構築が適切であろうということで名称を変更し、さらに省エネ・温暖化と廃棄物についてはそれぞれ法体系が、法律とか基本計画が確立しておる分野ですので、まとめるに当たりましては別々にまとめさせていただきました。

 まず、省エネ・温暖化、3ページにまたがっておりまして大変大きくなってしまいましたけれども、この省エネ・温暖化につきましては、政府全体の計画がありまして、国土交通省にはあまり関係ない部分も多くあるわけですが、そのうちのやはり国土交通省関連でできること、やるべきことという範囲で大枠をまとめさせていただきました。大きく分けますと、運輸部門におけるCOの排出削減、それから26ページにいきますけれども、民生部門における排出削減、この民生部門といっておりますのは、業務その他とか家庭というふうに京都議定書達成計画では定義されているものでありまして、国交省関連では主に住宅・建築に関することでございます。27ページにまいりまして、都市整備における地球温暖化対策ということで、特に民生部門と似ているわけですが、もう少し大きく、地域としてどのようにしていくべきかというような分野があるだろうということで、これを特出ししております。

 以上が排出削減の関係でございますが、吸収源という対策も重要でありまして、吸収源対策としてやるべきことを整理しております。

 最後に基本的な問題として、気候変動に係る知識についてはいろいろな対策を考える上での基礎となりますので、大枠の大分類に位置づけまして整理をいたしました。基本的には、国土交通省の環境行動基本計画が平成16年に定められておりまして、そういったものと京都議定書達成計画を参考にさせていただきましてまとめたものでございます。

 次に28ページ、29ページにつきましては、廃棄物の大枠でございます。これは循環型社会形成推進基本法に基づく基本計画がございますし、それにあわせて特別法であります建設リサイクル法がございます。それに絡みまして、いろいろな基本計画がありまして、国土交通省でも、先ほどと同じ計画ですが、環境行動基本計画が定められております。そういったものを主に参考にさせていただきまして、大きく建設工事のゼロエミッション化、輸送関連部門のリサイクル、それから静脈物流システムの構築、バイオマスの活用という4つの柱で大分類を分けさせていただきましてまとめております。この持続可能な社会の構築ということでは関連する部・センターがほとんどでございますので、それぞれ研究テーマがありますけれども、できるだけこの大枠を今後活用して、できるだけ連携を図れるようにしていきたいと考えております。

 以上でございます。

【事務局】  では、最後の説明の大枠でございます。景観の保全と創造ということで、30ページからでございます。

【国総研】  同じく環境研究部でございますが、これも各部・センター、相当数にまたがっているものでございます。この景観の保全と創造につきましては、体系立ったものがありませんので、今回、作業を通じて全体像が1つの試案として把握できたんだろうと考えております。参考にしたものは、美しい国づくり政策大綱と景観法でございまして、そこに掲げられている理念とかキーワードを目標とすべきものの参考にしまして体系化を図っております。

 まず、大分類のほうですが、30ページの1番目に地域個性を重視した持続的な景観形成の実現という分類を設けておりまして、これは景観法が策定されまして、それをいかに運用していくかという課題があります。そういったものとか、あるいは公共事業における内部目的化を図るべきという理念がございますので、そういったことをするにはいろいろな制度づくりをしていかなくちゃいけない、そういう課題、それから地域との協働をしっかり図るようなことをしていく必要があるということで、そういったものをまとめて分類をしております。30ページは以上です。

 31ページですけれども、景観につきましては、良好な景観というものに対する共通認識がまだまだ確立しておらないというのが実態でございますので、その辺の評価の考え方を整理する必要がある、あるいは共通認識を支援するツールの整備が必要である、あるいは他のユニバーサルデザインとか防災・観光等の課題との連携を図る分野の研究が必要であるというようなことで、良好な景観に関する共通認識形成という分類を設定いたしました。

 32ページにまいりまして、3番目の大きな分類でございますが、地域の社会背景ごとの良好な景観保全・創出という分類をつくりまして、これはある1つのまとまった特質を持った景観別に個別の研究があり得るということで、それぞれ整理をさせていただいております。

 最後に、社会変化に対応した景観形成の実現ということで、今後ともいろいろな環境が変化していく中でどのように景観形成を持続的にしていくかという課題があるということで、最後に設定させていただきました。

 以上のような整理をいたしました。

【事務局】  以上で後行テーマについてのご説明を終わります。先行テーマにつきましても、実施行程については、昨年は2006年を中心として書いておりましたけど、今回の資料では2007年を中心として実施行程の見直しを行っておりますので、それ以外にもブラッシュアップをしているところもございます。

 以上でございます。

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【委員長】  ありがとうございました。今回の研究マネジメントにつきましては、港湾のほうは前回説明がありましたし、その後変化もないので、今回は説明がないという形の状況になっています。それで、先ほど○○先生のご意見の中にもありましたように、そこでの自主的な研究等のあり方についてのコメントをいただいたという状況になっております。

 今回は、この大枠と言われるテーマの中で、前回説明がなかったところについて試作された結果をお話しいただいている、こういう次第です。

 ものすごい労力がかかっているということがわかると思いますが、いろいろなコメント、ご意見、審査のほどをお願いしたいと思っております。よろしく。

【委員】  どういう議論をすればいいかよくわからないのですが、ご苦労さまでございました。大変なことをされたと思います。さっき○○先生と夏休みの予定表みたいといってちょっと皮肉を言っていたのですけれども、すごい労力なんだけれども、予定をつくって安心するということのないように、ぜひしっかりお願いしたいと思います。

 個別の中身についてなんですけれども、3点ばかりちょっとお願いがあります。ソーシャルキャピタルって、非常に大事で魅力的な概念なんですけれども、気をつけなくちゃならないのは、非常に政治的な言葉あるいは概念でもあるんです。そういう使われ方をしているんです。それぞれの分野で大枠の観点から必要性があって魅力的なんですけれども、ソーシャルキャピタルというのはそもそもコミュニティですから、生活であり経済活動であり、いろいろな活動すべてなので、その辺をどう実現していくかということは、この大枠の壁をさらに越えたような高い、広い視野が要るので、その辺どういうふうに育成に気を遣っていくかが重要だと思います。風景街道の活動なんかをしていて、それはソーシャルキャピタルに非常に有効なんですけれども、活動されている方は、非常にアクティビティーレベルの高い方ばかりですから、例えば国交省の仕事とか経産省の仕事とか環境省の仕事とか何でもかんでも参加されるような方も多くて、その辺のやり方をきちんと考えておかないといかんなということが1つ。

 あともう1つ、政治的な言葉と申し上げましたけれども、コンセプトは非常に魅力的なんだけれども、ほんとうにどういうふうにして計測すればいいのかとか、効果を検証すればいいのかということに関しては、まだまだものすごくプリミティブなんです。だから、その辺ぜひ頑張っていただければなと思いました。

 済みません、長くなって恐縮なんですけれども、それとCOの問題なんですけれども、道路でCOの検討をしたことがありまして、渋滞ポイントを解消すれば速度が上がるから減りますよということで、それは運輸部門でカウントしますよと。ところが、そのために必要な建設工事から出てくるCOは、今の政府の目標達成計画では、これは産業部門ですね、関係ありません、こういう取りまとめをせざるを得なかったんです。

【所長】  取りまとめってどこのですか?

【委員】  政府のです。ですから、国交省としては運輸部門ですと。何か変だなと思ったんですけれども、それで、運輸部門で道路整備をすると、あるいは都市整備をするとこれだけ減りますよ、あるいは公共交通の整備をするとこれだけ減りますよと。でも、その整備等から出てくるCOというのは産業部門ですから、我々とは切り離して考えますという整理を道路局の委員会としてはしました。

 そういう観点からすると、この中でゼロエミッションというのはちょっと数字が違うかもわかりませんけれども、建設工事そのもののCOの削減というのがあまり明確に浮かび上がってこないので、これがやはりこれからの国土整備のあり方、あるいはその中での社会資本の維持管理のあり方、整備のあり方ということを考えるときに、非常に重要なテーマだろうと思うので、その辺、ぜひ浮かび上がるようにしていただければなというふうに思いました。

 3番目、景観のところなんですけれども、これは実際に事業ができること、施設整備ができること及び管理範囲の中にあることだけで済む話じゃないんですね、景観の話は。例えば道路から眺める景観の95%というのは街であったり森であったり田であったりするわけです。そういうときに、直接的な権限が及ぶ、あるいは事業スキームを持っている以外のところも同時に考えるようなことをしないと、いい景観とかいい風景とかってでき上がってこないんですね。その辺の総合化あるいは省を超えた総合化を本気になって考えないと、何かほんとうに陳腐な景観デザインだけになってしまったりとか、そういう可能性が非常に高いので、その辺もぜひ表に出していただければなと思いました。

 以上です。

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【委員長】  ありがとうございました。

 どうぞ、ほかに。

【委員】  この大枠という言葉になっていますが、これはこの研究方針にある4つの柱からの展開を大枠という言葉にしていると考えてよろしいのでしょうか。表には出ない言葉ですよね、大枠というのは。

【所長】  そうですね。

【委員】  これが2009年度くらいまでタイムスケジュールが出ているんですが、その時々の政策などによって、例えば昨年、住生活基本法ができたとか、それから来年、議定書の第一約束期間が来るというようなことで、民生用の、先ほども発表ありましたCOの発生とか運輸部門の発生というようなことで、これが取り上げられて政策として出さなきゃいけないということが言われていますが、こういったことによってこの大枠のタイムスケジュールがリアルタイムに見直されているのかどうかということです。昨年度の大枠と今年度のタイムスケジュールが、そういった社会的なニーズとか変化によってこれがどのように見直されているのか、これで研究の進捗管理が実際行われているのかどうか。この資料の役割というのですか、その辺をお伺いしたいのです。

【国総研】  まず私のほうからお答えして、何かあれば所長からも。

 大枠の話については、研究方針の中に、5ページに4本の柱と総合的な指標という大きな枠組みがあるというふうに書いていますが、その左側の4ページに研究のマネジメントということで、研究を進めるに当たっては「大枠」とか「コア」ということを考えながらマネジメントしていきますよというふうに、去年、研究方針の見直しの中で位置づけさせていただいて、この中で進めております。

 それで、いろいろ社会情勢の変化の中でどういうふうに見直すのかという話なんですけれども、これについてはまだ取り組み始めたばかりですので、これが第1号、できたばかりというか、まだ完全にはできてないし、動かそうとしている段階です。○○先生が、予定をつくって一安心するなとおっしゃられましたが、そのとおりでありまして、やはり世の中のニーズに合わせてそれぞれいろいろな計画ができたり動きがあろうと思います。それに合わせて研究の内容とかニーズの方向も変わってくるかと思います。状況の変化をふまえて部分的に少しずつ修正していくとか、そういう努力は永続的にしていかないといけないのかなと思っております。つくったから一安心、これで終わりということではなくて、いろいろな方のご意見もふまえて、社会的ニーズに合わせてローリングしていくというような性格のものではないかと思っております。

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【所長】  ちょっと付け加えさせていただきます。

 今の説明のとおりですが、どうも放っておくと目先のテーマに集中せざるを得ない状況になって、そうすると、あれやったりこれやったりで、全体として何やっているかわからないという状況になってしまう。しかし、今やはり大事なのは、数十年単位ぐらいで先を見ながら、何をしていかなきゃいけないのかということをしっかり継続的に勉強していくことだろうということで、大枠というのをつくらなきゃいけないんじゃないかという議論に至っているわけです。そういう意味では、先ほど景観について○○委員からふれられましたけれども、非常に幅広いジャンルをそもそも相手にするべきだと思っているので、恐縮ですが、若干私どもの各研究部長からの説明の中で残念だなと思いながらこっちに向かって言うのですけれども、今の私たちの国土交通省の所掌の範囲で物を考えるとかいうようなことではだめだと。もっと幅広く物を見なきゃいけないし、その上でよその省にやっていただかなきゃならないのであれば、その省にやっていただければいいし、だれもやらないなら自分でやるということも含めて、トータルで見ていかないと物は見えないなと思っております。したがって、かなりある意味でチャレンジングな部分なので、動かしていく過程で当然ちょっと修正をしなきゃいけないとか、かなり修正をしなきゃいけないとかいうものが出てくると思いますので、この大枠の構成の部分、大分類とか、そういうところを含めてガラッと変えざるを得ないというようなことも当然あるだろうと思います。

 実は、この研究全体、進め方全体の中に大きく隠れている部分、しかし大事な部分というのは、今どういう状態になっているのかということを把握することですね。非常に雑駁な言い方をすれば、社会のある部分を切り出して社会そのものを論じているのであれば、今の社会がどういう状況になっているのか、東北のこの地域の社会はどうなんだ、九州のこの地域の社会はどうなんだということを把握するということをしないと前進しないわけで、一応、先ほどの大きな表の中に入っているのですけれども、今まであまりやってこなかった、そういう社会の状態を計測するというようなことが、そしてその施策の効果なりがどうなっているかを計測するということがかなり重要なポイントになってくる。この辺は大きな物の見方としては、従来の20世紀型のある単純な目標があって、それに対応して、とにかく技術的な基準をつくって、物をつくっておしまいという話ではどうもなくて、社会と対応しながらぐるぐる回していくような仕掛けをどうしてもつくっていく必要がある。数十年を考えれば当然そういうことになるわけで、そこのところをしっかりやらなければならないと思います。

 したがって、先ほどのソーシャルキャピタルの、政治的という○○委員のご指摘は、私はあまりよくわかっていないのですけれども、ソーシャルキャピタルという言葉がいいのかどうかはわかりませんが、その社会のありようとか社会の現状とかというものに切り込んでいかざるを得ないのかなと思っておりまして、ここはかなり大事なテーマだと認識しております。

 ○○委員のご指摘に戻れば、ほんとうに動かしながらまさに変えていくべき筋合いのものなので、毎年変わってもおかしくないし、1年のうちにどんどん変わってもおかしくないというようなことです。その中で緊急課題が入ってくれば、それはそれでまた資源配分その他を見直すということになろうかと思いますし、それから資源配分という意味では、これを見ながら、やらなくてはいけなくてやれてない部分はどこなんだとか、それから外部の、例えば大学の研究者の皆さんとかそういうところにお願いしなければいけないところはどこなんだとかということが見えてくるように使えればいいなと思っております。

【委員】  それで関連しまして、そういうことで、かなり中長期の視点でのとらえ方も必要だと今所長はおっしゃったわけですが、先ほどの13ページの最初の、昨年度の成果のところでございますか、マネジメントの取り組みの13で、18年度において41件のこういった成果があったということで、これを成果としてとらえますと、非常に目先の、実際の政策に反映されたものが成果ということになりますと、中長期、また後の人材育成その他で出てくるかと思いますが、そういったものが成果として取り上げられるのは相当先になるわけですね。この辺が評価と、実際中長期の視点でやっていかなきゃいけないといったものとの兼ね合いが評価されないまま長期間が過ぎてしまうというようなことが、果たしてそういう取り組みが可能かどうかということですね。その辺はいかがですか。

【所長】  まず、ご質問に対する直接的なお答えではないのですけれども、先ほどご説明いたしました13ページに法律への反映が何件といった記述がございますが、これは表面的な評価にすぎないという議論を内部でいたしまして、結果、社会にどういうふうに最終的な効果があったのかという例はないのかということで、後のほうで3つほどの例をご説明をしたということであります。

 それで、おっしゃるようにぱっと目で見えない評価をどうするのかということは大課題だと思います。国総研のよって立つ本来的な存在価値ということからすると、ロングランといいますか、ショートタームではなくて、長期的に見て物を推し進めていくというところが多分よって立つところだと思いますので、短期的な成果でない評価の仕方をどうやるのかということが非常に難しい課題であることは重々認識しておりまして、それを次にこれからどうやっていくのかを考えていかなければならないという現状でございます。

 公務員制度改革の法律が成立いたしまして、これに対してどう考えるのかということも同時に考えなければならないのですけれども、いわゆる成果主義についていえば、例えば民間企業でいろいろおやりになられている中で、結果を求めるのではなくて、努力の度合いとか、過程、プロセスを重視するというようなことをされて、名前は成果主義だけれども実は成果主義じゃないという、トヨタなんかそうだと伺っていますけれども、少しそういうところを見習いながら組み立て直していくのかなと思っているところでございます。いずれにしても、今後そこのところはしっかり詰めていかなければならない課題だと思います。

【委員】  いろいろ拝見いたしまして、こんなにもやることがあるのかという……、いや、大変だなということと、国をつくっていくということは、ほんとうに大きなビジョンと、あと大変な細かいところというのでしょうか、その両方が同時に行われることが重要だというのを実感いたしました。

 そこで、この大きな資料4のほうの32ページの良好な景観保全・創出のところですが、農山漁村景観のところが、実施すべき行動までは書いてあるのですけれども、そこからが空白なんです。ちょっとほかのところをぱらぱらと見せていただいたところ、やはりここからが空白のところというのは、ほかはないんです。ここだけなんです。それで、先ほどからいろいろなお話を伺いながら、例えば農水省との連携とか、これは他省との連携が非常に重要な部分であるということと、それからもう1つは、景観ということを考えたときには、ほとんど農村、山村、漁村はきれいな理想的な景観がありませんと観光立国にもなりませんし、それから過疎化の問題も関係していますし、それから、じゃあ団塊の世代がふるさとへ回帰するかといったら、私はやっていますけれども、その問題もありますし、すべてここのところを、どこの部署がどう手をつけてくださるかということが1つ重要なんです。

 もう1つは、別な観点からもご説明いただきたいのは、例えばここが空白になっているということは、公共施設でやればいろいろな施設をつくるとか、それから河川を親水的なものにしていくとか、土砂災害を防ぐとか、ほかの分野からここの部分は景観の構築に寄与しているというのでしょうか、そういう部分があるならあるで、それがわかるような表現をしていただきたい。ここが空白だと非常に不安で、どうなっているのかなということになります。ただ、ほんとうにここは連携している部分ではないかと思うのですね。だったら、そこの部分を、例えば土砂災害なんていうのは、大体山崩れが起きたり、地震が起きれば川が崩れたりみんなしているわけですから、その辺のところがもう少しわかるようなことでご説明いただきたいと思います。

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【委員長】  今のは質問じゃないですね。質問ですか。

【委員】  質問なんです。そこが空白で、だからそこが連携しているなら連携しているで書く、それを表現するべきですし、その辺のご説明をください。

【国総研】  農山漁村においても公共施設はつくられるものですから、公共施設のほうには農山漁村の1つの要素である河川、水辺とか道路とか、そういったもののいろいろな実施すべき研究が入っておりますけれども、それと重複する形でも入れる方向で検討していきたいと思います。

 それから、他の省庁との連携につきましては、特に31ページの他の政策課題との連携というところに、やはり国交省だけでは良好な景観を達成できませんので、環境省、農水省、文化庁、財務省等との総合的な景観政策研究を実施すべき行動に位置づけておりまして、これに関連して実際に実施すべき研究というものを今後考えて、そしてその結果として、農山漁村景観に対してどういう研究をだれがするかというようなことにつなげていきたいと思いますし、あと、農水省関連でやられていることは、いまひとつ十分把握されておりませんので、それをしっかり把握した上で、じゃあ抜けている研究は何で、だれがやるべきかということを位置づけていきたいと思います。ありがとうございました。

【委員】  マネジメントという観点から意見を述べさせていただきたいと思います。実施すべき研究と実施行程というものが大分明確にはなってきておりますが、やはりほかの委員からも指摘がありましたように、国総研だけの研究だけでは目的に達していかない。ほかの研究機関との共同で物事を進めていく必要がある。そのためのマネジメントをどうやっていくのか。また、研究から行動または達成すべき状態というものにだんだんとまとめていかなければいけない。それに対してのマイルストーンを、やはり次のステップとしては明確にしていく必要があると思います。きょうも暫定版で年報が出ていて、個々の研究テーマについては大変分厚い成果がありますが、全体的なまとめが欠けていて、個々の成果の集合になっていると思います。もう少しこの部分をしっかりとわかりやすく管理する傍ら評価して、全体像の中で現在ここまで達成できています、今後、課題はこういうものが残っています、そういう課題については、他研究機関とあわせて全体を早急に仕上げて行きます、といった目標を毎年度見直しながら報告していく姿勢がマネジメントとしては必要だと思います。

【所長】  ありがとうございます。おっしゃるとおりです。これだけをつくったのではおっしゃるようなマイルストーンみたいなものはなかなか出てこない。ただ、ばっと見ただけで、こんなにやることがいっぱいあって、とてもじゃないけど単独ではできないなというのは、もう見た瞬間にわかる話で、これはほんとうにほかの皆さんと一緒にやっていかなければならない。

問題はマイルストーンです。これはまだこれからの議論ですけれども、例えば地球環境問題でいうと、IPCCの4次報告が出ましたけれども、五、六年後に5次報告が出ると。今、ミティゲーションはさんざん議論されているんですけれども、アダプテーションがほとんど議論になってない。これは大問題です。とすると、マイルストーンの設定を、例えば、5次報告にどれだけアダプテーションをはっきりと盛り込ませるかということを戦略のターゲットに時間つきでセットして、それには何と何と何をそれまでにやっておかなくてはならないのかという設定をする。そうすると、その中で国内や海外も含めて含めて連携して動いていくという話になると思うのです。多分、コストがどのくらいかといったことがわかってこないと、発展途上国に対するODAと言っても、とてもじゃないが幾らかかるかわからないと思ったらだれも出さないので、それも具体事例で弾けるようにするとか、まだ思っているだけでございますから、これから議論いたしますけれども、例えばそんなことをイメージしております。

大変大事なご指摘だと思います。ありがとうございます。

【委員長】  あらかじめお断りしておきたいのですが、大幅に時間がオーバーしておりまして、どう見ても12時に終わりそうもありません。どう見ても12時半に終わるかどうかという感じでございますが、しかし、重要な議論でありますので、皆様方のご了解をいただきまして、何とかこのご議論をもうちょっと続けていただきたいと思っております。

 どうぞ。

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【委員】  ありがとうございます。できるだけ短くします。

 今、お答えの中で温暖化のことを例えておっしゃいましたけれども、私も、例えばテーマとしてはその辺のところを見据えながら、長期的な視点をどういうふうに具体的に研究していくかというのはすごく大事なところだと思っています。今、25ページから29ページのところをそういう気持ちで拝見していたのですが、この辺のところ、やはり実施すべき研究のところがあいているところが大変多くて、やはりこの辺をこれから意欲的に埋めていただくのが日本の将来にとってはとても重要だというふうに感じています。

 それで、先ほどご説明のときに、法体系が違うので省エネ・温暖化と廃棄物と分けたというお話があったのですが、さりげなく分けてもいいのですけれども、その法律にあまり引きずられないように、省エネ・温暖化、廃棄物、エネルギーと、そこまで入れちゃうとか、やはり結局は、どうやってエネルギー源を地域で確保していくか、その基盤をどうこの分野で整備するかというのが2050年あたりの戦略として一番求められているところだと私は感じていますので、やはりこの辺がいかに強気でそういう戦略をつくるためのもとを、基盤を研究整備をしていくかというところが大事なんじゃないかなと感じています。ですから、ここをそういう視点でもう一回見ていただきたいと思っています。

 あと、27ページの下のほうに気候変動に関する知識ということで、今、ここ全体は温暖化にならないような対策なわけですけれども、着実に進む温暖化の中でどういう災害が増えてきて、どういうふうなところを今まで以上に考えなきゃいけないかというのは、それぞれの、例えば災害のところに入ってきているとは思うのですが、こういうところで一括して見せることで、どれだけコストがかかるとか、そういうところが明確になってくれば、またより啓発というか発信にもなりますので、少しこの辺の、今きっと意識的にあけていらっしゃるんだと思いますが、こういうところを今度のときにはぐっと大きくして、将来展望も10年後じゃなくて50年後ぐらいまでちゃんとベースに入れていただくとか、この辺はそういう視点で見ていただくと、やはり日本全体の関心事に関してこちらが持っている力というのは大変大きいと思いますので、ぜひと思います。よろしくお願いいたします。

【委員】  何度も登場して申しわけありません。これはすごいと思うのですけれども、冒頭の夏休みの予定表ということの関連でちょっとコメントさせていただきますと、所長が、やることがいっぱいあって大変だと。おっしゃるとおりだと思うのです。そうすると、これを実際に実行する部長さんとか室長さんが、やはりつぶしていくことを考えるわけです、これをやりましょう、これをやりましょうと。大変ですから、そういう中で効率的に研究を進めていく必要がありますね。やはりある意味で、やりますという宣言だと思うのです。ところが、これは左から右へどんどん行くと、設置法とか所掌業務等があって、抜けているところがどんどん大きくなっていると思うのです。そうすると、所長がおっしゃっていた全体の目的から乖離する可能性がありますので、この評価委員会の評価というのは、多分こういうものに対してどれができて効率的に進んだかという評価が主になると思うのですけれども、逆の、抜け落ちている部分というもののフィードバックのかけ方、それはマイルストーンであったりいろいろなものであったりすると思うのですけれども、その辺も同時によく考えておかないと、ほんとうに夏休みの予定表みたいなものになってしまうのかなと思いましたので、よろしくお願いいたします。

【委員】  皆さんがおっしゃるとおり、それから○○所長がおっしゃったように、長期的な視点が非常に大切だというのはまさにそのとおりだと思います。他省庁などほかのところと協力しないとできない分野もたくさんあるというのもそのとおりで、例えば総合科学技術会議の中には環境プロジェクトチームあるいは社会基盤のチームがあって、そういうところでほかの省庁も含めて全部議論しているわけです。ですから、これだけ整理されているんだったら、我々としてはこういうことを考えている、それを他省庁と組み合わせて取り組むにはどうしたらいいかという提案を持ち出すとか、あるいは連携融合拠点というような考え方で、ほかの省庁と組んでその問題を進めていくような枠組みというのもあるので、国総研の枠の中で研究するということと、政府全体の枠組みを使ってうまく進める、両方考えられたらいいんじゃないかなと思います。

【委員長】  ありがとうございました。

 それじゃあ、マネジメントについてですが、大枠という形で、基本的に資料4のようなデータベースができました。コメントは大変大きな成果が出ているということが1つありますけれども、さらにこれをどのように使うかというところで、特にローリングという形だと思いますが、モニタリング等新しい計画のプランニングをこのデータに基づいて出していって、それをまたここにインプットしていく、それを個別評価のところでも見ていく、こんな形の使い方がいいのではないかというふうにまとめることができるんじゃないかと思いました。

 皆さんのコメントは、基本的にこの成果は結構上がるのではないかというふうな高い評価をしていただいていると思いますが、しかし、将来のことはわからないので、十分今から監視する必要があるよ、こんなふうなまとめ方でよろしかったかなとは思いますが、いかがでしょうか。

(「結構です」の声あり)

【委員長】  ありがとうございました。
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(4)人材育成について

 それでは最後ですが、今度はまた大きなテーマでありまして、人材育成についてという議題4にまいります。

 まことに済みませんが、12時をオーバーしますので、ご都合のつく委員の方々は、ぜひともできるだけお残りいただきますようお願いいたします。

【事務局】  では、人材育成について2つほどご説明を差し上げます。まず、お手元にA3の大きな資料がございます。河川分野の事例について河川部長のほうからお願いします。

【国総研】  河川研究部長の○○でございます。

 まず、パワーポイントをご説明する前に、A4縦長の人材育成管理表というものについてご説明したいと思います。実は、人材育成管理表というのは、とってつけたような、今回つけた名前でございまして、この表自体も、内部で人材育成をどうするんだという議論の中で、今回のために、じゃあやってみようということで整理したものでございます。というのは、今までこれに似たようなことは、我々がだれにどういう研究をしてもらおうかとか、あるいは総合的な河道計画の技術の集大成をしようとか、そういった際に考えていたものでありますけれども、それをきちっと一回整理してみようということでつくったものでございます。人材育成管理表というのは、わざわざ人材育成のテーマのために整理をしたということもありまして、そうつけましたが、我々は通常これを畑と呼んでおります。

 表を見ていただきますと、左のほうに縮小版がございます。この赤枠で左の縦型の中に入っていますのを拡大して、引き出し線をつけてございますが、大体上半分ぐらいにございますのは基礎的技術でございます。水文、水質とか河川あるいは物質循環とかという基礎的技術のジャンルを大分類、中分類、小分類のように分けてございます。それから下半分のさらに上は、河川計画、マネジメントと書いてございますが、総合化された技術でございます。そしてさらにその下は河川構造物のような個別の技術です。それから上の年次は何かと申しますと、「生年+23」と書いてございますのは、我々でいうと、大学卒で入所年というふうなご理解をしていただきたいと思います。

 クリップを外していただきますと、今回、表を2つつくりました。まず最初にございますのは、人材育成管理表〔T〕、公式もしくはそれに準じる実績への関与度に基づく整理、要するに基準とかマニュアルとか本をつくったというものでございます。このホチキスどめの1ページ目は、全体を俯瞰できるように縮小したものでございます。ですから、次のページを見ていただくと、それを拡大したものでございますが、これは河川だけでございますけれども、例えば中小河川の洪水予測という実用化をした、例えばマニュアルをつくったときには、こんな年次の人がこれに携わったとか、あとは洪水流解析技術の技術公式集に載っけた公式はだれがこういう形でつくったというようなことがこの表のTからはわかるわけでございます。

 それから同様に、もう1つのホチキスどめの表のUは、これはまさに人でございまして、色分けを申しますと、赤い色は現在つくばにいて研究に当たっている者。それから茶色はつくばにおって、その後、現在現場あるいは本省等の行政に携わっている者。緑色は、今、民間等にいらっしゃる方、青色は大学あるいは財団法人の研究所等におられる方というようなことでございます。この俯瞰表を見ていただきますと、左のほうは青色が多くなっておりますのは、これはOBになられて財団法人の研究所に行っておられる方とか、あるいは大学の指導的立場になっておられる方。それから真ん中の辺に赤の縦がございますが、例えば入省して20数年たちますと、いろいろな河川分野の研究をきっちりやるようになって、大体埋まってきている。さらにそれから10年後になってくると少しぱらぱらしてきますが、それでも少しずつ埋まっている。さらに10年ぐらいたって、入省10年ぐらいになってきますと、ぽつりぽつりとしか埋まっていない。こういうようなことがこの表から読み取れるということになるわけでございます。

 それで、パワーポイントに戻っていただいて、こういった管理表をきちっと整理することによってどういった活用ができるか。1つ一番大きいのは、人材的に空白となっている分野がこれでわかるわけでございますので、今後、人材の確保、育成、配置の具体的方法をこの表を見ながら組み立てることができるということでございます。外部との交流、先ほど言いましたが、大学に行って今ばりばりの研究をされておられる方がある一方、我々の分野はそこは埋められていないというようなことがこの表でわかりますので、とはいいながら、人も今、はっきり申しまして昔のようにいません。育てていくにしても、少ない人数ですべての分野を埋めるのは難しいので、そういう分野は、じゃあ大学の先生にお願いしようかとか、あるいは民間と連携しようかとか、それから先ほど申しましたように、10年ごとぐらいに将来の柱になる人材には多様な経験をといいますか、幅広い分野を勉強させたいということで、育てたいということになれば、その人材を次はこういう畑の研究、次はこういう畑の研究ということで、20年あるいは30年たつと必要な分野が大体網羅されているというような育て方ができるとかというようなことで、育成とか配置の具体的方法を見出すということに使えます。

 それから2つ目は、旗を立てて技術の総合化、高度化を図るということでございまして、例えば要素技術だけですと、個々の問題の解決には役に立つわけでございますが、河川は総合技術でございますので、河道計画検討とか総合土砂管理というような旗を立てて、関連技術者を集めて、これは大学、研究所その他の協力も得てですが、旗を立ててみんなで総合的技術の指針とか技術基準とかそういうものをつくっていくということを、この表を見ながら、どの分野で旗を立てていくかとかということを決めていくということでございます。

 それから3つ目は、この縦軸ですが、先ほどの地球温暖化、気候変動対応みたいな新しい分野が出てきたときに、技術分野を随時見直しをして、必要な研究も行いながら技術体系を整理しつつ新しいものをつくっていく。それからもう1つ大事なことが、現場でも同じような枠を整理していただくことによって、つくばの人材とあわせて一体的、技術的な研究を行っていくことができるということでございます。

 やはりこういう表を整理して一番意味があるなと思いましたことは、我々は、個別の現場の問題点もさることながら、技術政策をやるわけでございますので、パワーポイントでいいますと2つ目の、旗を立てて必要な個々の技術を研究すると同時に、かかわる人を集めて、それらを指導しながらきちっとした総合的な体系をつくっていく、それが国総研の役割なんだろうなと。そういうことをできるような中心となる柱となる人材を育てるとか、個々の要素技術を育てるとかというようなことを、この畑の表を見ながらこれからやっていけるなということを確認をしたというような段階でございます。

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【事務局】  では、もう1つの資料でございます。管理調整部長、よろしくお願いします。

【国総研】  2枚目の最後の資料でございます。人材育成について、横須賀庁舎における取り組みについてご報告させていただきたいと思います。

 具体的な分野は、空港研究、港湾研究、沿岸海洋研究でございます。内容としましては、先ほど紹介がありました国総研のミッションである技術政策の企画立案に役立つ研究の実施へ向けて、人材育成という切り口で、どのようなポリシーを持ってゴール、オブジェクティブを設定しつつ、具体的なアクションとして何をやっているかということを表にして書いております。

 まず、横須賀庁舎の分野の特徴としては、右下に円グラフがございますが、行政経験者が非常に多いという特徴がまずございます。そういった背景といいますか強みも生かしつつ、目標としては、研究活動を通じてOJTを中心に行政的センスを有する研究者を育てることでございます。その具体的な内容としましては、左にございます、行政ニーズを把握する能力の向上ということです。取り組みとしましては、本省あるいは地方整備局との連携として、赤いところが具体的なアクションということですが、港湾空港政策の研究あるいは意見交換等を本省レベルあるいは地方整備局レベルで交流を密にすることによりまして、具体的な技術政策に関係する課題、イシューを把握し、それを具体的な研究計画に立案していく能力に生かしていこうということでございます。

 一方、真ん中の四角の国総研(横須賀)の下の四角にございますもう1つの柱であります研究実施能力の向上ということにつきましては、具体的なニーズを把握した上での科学的あるいは合理的に研究を実施していくということで、大学あるいは学協会とのシンポジウムあるいは共同研究等によりまして、具体的な研究活動の能力向上を進めていきたい。さらに独立行政法人港湾空港技術研究所とも非常に場所的にも近いということもあり、講演会、研究会等を行うことによりまして、お互いの研究実施能力の向上を図っていきたいということでございます。国総研の横須賀庁舎では、真ん中にあります、研究部内での討議あるいは論文審査、さらにはシーズ発掘というもの、また一番下にあります、国際学会等での発表を行いまして、国総研の使命であります技術政策の企画立案に役立つ研究者の人材育成について取り組んでいるという状況でございます。

 簡単でございますが、以上です。

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【事務局】  以上で人材育成に関する資料の説明は終わります。

【委員長】  それでは、この人材育成管理表が本日の目玉商品であるような印象を受けましたが、これもまたものすごいデータベースだと思います。皆様方のご意見、審査のほどをお願いいたします。

 当面、この人材育成管理表の左側の研究項目といいますか、分野の項目立て、クラシフィケーションは、先ほどの大枠みたいなところからのピックアップをされて分類なさったんですか。

【国総研】  これは実は上半分は、水理公式集がベースで、水理公式集の分野を大きく分けて、さらに細分類しています。それから下半分のところは、技術基準ですとか構造例ですとか、そういう我々の技術体系のほうがベースになっています。ですから、ここの縦枠の畑のところは直接ストレートに大枠とはつながっていませんが、しかしながらこういうものの中でやった人材を活用して大枠のプロジェクト研究みたいなものが要素になっているということでございまして。

【委員長】  わかりました。そういう位置づけですね。

【委員】  特にはっきりした意見があるわけじゃないんですが、若干感想めいたことを言わせていただきますと、人材育成という場合に、いい研究者を育てるという視点と、それから国総研に必要な研究者を育てるという視点と2つあるような気がします。それで、いい研究者を育てるというときには、先ほど○○先生がちょっとおっしゃいましたけれども、今、社会でどういうことが求められているか、あるいは学問的に挑戦しなきゃいけない課題は何かということについて大きな見通しが持てて、それに自分の力で挑戦できるような、そういう課題を設定する力を持った研究者ということだと思うのです。ところが、国総研の研究者という話ですと、国総研のミッションに沿って、どっちかというと大枠というよりもコアの方かなといます。河川部長さんがこの課題を水理公式集と技術基準からとられたということは、ベースになる今までの知識をどう継承するかというようなところでこの表がつくられたと思うのですね。そうすると、いい研究者を育てるという視点と、国総研で継承すべき分野をどういう考え方でやっていくかというのが問題です。それがうまく一致すれば全然問題ないのですけれども、場合によっては対立するものも出てくる可能性があるかなと。だからどうしろとはなかなか言えないのですが、これは私の感想です。

【委員長】  その辺は。

【国総研】  いい研究者という定義もなかなか難しいとは思うんですけれども、過去、例えばこういう表を見て、これは実は、実データはほんとうの実際のデータを入れてあるんです。それをかなり抽象化していまして、この表をつくって思ったことは、先生方からいうと右側の、卒業なさって財団法人に行っておられる方とか、大学へ行って指導的立場でおられる方々のお名前とか業績を拝見しますと、この国総研で求められる研究者であり、いい研究者が同時にできていたんだろうと思います。その方々はほんとうに国総研とか昔の土研にいてほんとうによかったな、それで自分たちがやったのがいろいろな構造例だとか河川砂防技術基準だとか、あるいは何とかの手引きだとかという、すごく河川にとって中心的なものをつくってこられたわけでございます。その次の世代が真ん中の赤いところにいるのですけれども、この世代はその薫陶を受けて、やはり私から見ても求められる研究者であり、いい研究者であると思います。また、本人たちもそう思っているんだと思うんですが、課題はその次の10年、さらに10年ですね。入省10年未満ぐらいで、これからあと20年間ぐらい育てていって、育ってもらって、中心的な役割を果たしてもらわなきゃならない人たちをどう育てるんだろうかというところが非常に課題でございまして、人も少ない、要するにいっぱい勉強させるゆとりもない。どちらかというと、いい研究者というよりも国総研で求められる必要な研究者になれといって育てるしかないようなところがあるので、いい研究者のところは、先生おっしゃるように、これからの課題ではあろうかと思っておりますが、しかしながら、非常に楽観的で申しわけございませんが、おもしろい研究をすることでいい研究者になってくれるだろうなということを期待しながら、単に個別の要素をやると同時に、プロジェクト研究のような形で、先ほどの大枠のような形で地球温暖化の議論ですとか、あるいは新しいテーマですとか、そういったところにチャレンジする中で、外部との連携といいますか、先生方のお力もかりながら、いい研究者にも育ってほしいなと思っているというか、そういう形で使っていきたいなと思っています。

【委員長】  今の状況は○○さんのほうはいかがですか。表をつくってみたら同じようなイメージですか。それから今の世代間の……。

【国総研】  ちょっと私が答えさせていただきます。

 横須賀の状況を人材管理表までつけなかったのは、実は組織をつくるときに、横須賀では、独法のほうと国総研のほうで何となく独創的な研究をやる、ある意味ではよい研究と言ったほうがいいかもしれないですけれども、そのメンバーが独法の港空研のほうに配置され、国で継承すべきものが国総研のほうには配置され、人材的にそういうバランスで現実的に配置されてしまったという経緯があります。あとは、2つの研究所に分かれていますが、研究者同士が研究活動をするときにお互いの情報が切れないように一緒に議論するという場を意識的に確保しておくということを今やっておりますので、今日現在までのところはバランスがまだ保たれている。今後どうするかというのは非常に悩みです。両研究所とも人数が減ってきていますので、その中でどういうふうに人材を配置するかというのは非常に悩みなのですが、今日現在のところまではそういう形で横須賀は推移してきております。そういう意味では○○部長が説明した、人材管理表の上の基礎的なところというのが独法のほうに行き、下のマネジメント系のところが国総研側に来ている。だから、つくれば同じ人材管理表がそれぞれの研究所でつくられるというイメージはありますが、そこまでまだ横須賀はしておりません。

【委員長】  ありがとうございました。ほかにどうぞ。先ほど事務局のほうから、20分まではよろしいということでございましたから。

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【委員】  この管理表、「育成」を取れば人材管理表としてはよくわかるのですが、育成の部分がよく見えてこない。つまり、育成としての人材育成のプログラムというのですか、そういうものがおありになるかどうかということ。人材の流動化というのは非常に大事なことであると思いますし、それから行政職を経験するとか、そういった優秀な研究者として育てるにはどういうような育成等、あるいはジョブローテーションとか、そういったものが先に研究所として何かおありなのかどうかということです。それをお尋ねしたいのですが。

【所長】  まずご質問にお答えする前に、何でこんなことをしなくてはならないかという非常に危機的状況についてお話ししたほうがいいと思います。河川関係というのは全般的にいって、あまり民間レベルで突っ込んだところまでやってないとか、あるいは国の側でもあまりやってないというか、し残してあるジャンルがたくさんあります。それで、このままでは、いろいろなジャンルで、ほんとうによくわかっている人がいなくなってしまう可能性があるのです。したがって、どうしてもこのジャンルで人がいなくてはならないということであれば、これは意識的に育てなくてはいけない。ところが、河川で言いますと、土木研究所と国総研と2つに分かれたわけですけれども、国総研は先ほど来ご説明しているような大枠をつくって、プロジェクト的に、全く別なジャンルへ目がけて進めているという部分もございまして、そればかりやっていると、どうも穴が開いたままになってしまう。一方で独法自体は、非常に厳しい経営状況で、ほんとうに人材育成のところまで手が回っているかというと、そうではない。ですから、一方でプロジェクトを進めながら、もう一方でこのジャンルでは最低限このぐらいの人材はそろえておかなくてはいけない、若い人も育てておかなくてはならないということを、土木研究所と一緒になって意識的に動かしていかなければならないのではないか、背景はそういうことです。

 それで、今おっしゃったようなどんなプロジェクトを仕掛けるか、どういうふうな方法で人材を育成していくかということなんですけれども、それは当然テーマなり課題を設定しなくてはならないわけです。今、検討中ですけれども、河川の関係の技術基準はたくさんございますけれども、それを一回全部分解し直して、分解し直してという意味は、この表に挙がっているジャンルで分解し直して、それでそれを逐次更新していくという作業をしようと思っているんです。ですけれども、それはそれだけを考えていると、とてもじゃないけれどもできない話ですので、ここから先は例えばになってしまいますけれども、先ほどアダプテーションの話をさせていただきましたけれども、アダプテーションの議論をすると、例えば現有施設がどのくらい信頼できるのかということを徹底的に究明しなくてはいけません。しかし、非常にデータがないんです。諸外国を見てもまともなデータがないんです。例えばどのくらいになったら破堤するのかといったことについ十分な議論ができてないわけで、そうすると、これは破堤まで至らなくても、大洪水があってかなり損傷が生じたとか、そういう事例がたくさんあるわけですので、そういうものをとにかく各現場と一緒になって拾いまくって、解析する技術もレベルアップしていくという作業をしなくてはいけない。その過程の中で、今申しましたような個々の技術基準そのものに対するデータを伴ったバックができて順次改定されていく、こういうような動きが出来れば良いというふうに今思っていまして、本省とも今ディスカッションをしている最中です。ですので、これが唯一かどうかわかりませんけれども、例えばそういう方法で各ジャンルにもう一回光を当てて、人も育てていこうと思っている、こんなところでございます。

【委員】  大学でカリキュラムを構築するときの作業と極めてよく似ているなと思って聞いておりまして、やはり今、どういうことが話題になっていて、こういうことにチャレンジしてほしいというものと、骨格的、根幹的な技術との橋渡しをどうするかというところでものすごく悩むんですが、やはりここでも旗を立ててとか、縦軸とかという、これは大枠とかコアに極めて近い概念だと思うのですけれども、その辺との関係というのはもうちょっと説明してほしかったなという気がしました。

 それとあと、目が悪いせいもあって、表が小さくてよく見えないのでわからないのかもわからないですけれども、キャリアパスという目から見てどんなふうな動きになっているのかなということです。それが今、ここでこういう穴ぼこがあって、昔はキャリアパスをしているとうまくふさがっていたけれども、実は最近うまく埋まらないんだよという話は興味深く聞かせていただきました。そういうのは非常に個人的に興味があるなと、そういうレベルですが。

 それともう1つ、スタッフィングという観点から考えたときに、これは連携の話になりますけれども、やはりアウトソーシングって相当重要に考えなければならないと思うのですね。やはりそういう割り切りも必要だと思うのです。だから、先ほどの大枠とコアとの関係の中でその辺がどう整理されていくのかなというのは、これは始まったばかりで非常に難しいチャレンジングなことだと思いますので、ぜひまたいろいろ考えて教えていただければなと思います。

【所長】  では一言だけ。

  大枠との関係だけご説明しますが、大枠のほうで走っていくと、どうしても抜けてしまうところがあるだろう、そのチェックにも使おうと思っています。ですから、うまく整合的に動かすのが理想ですけれども、多分そうはいかない。そうすると、ある部分が開いてしまうのであれば、そこは意識して別なものをそこで動かす。大枠だけに目を奪われない、こういうふうに使うのかなと思っております。

【国総研】  今、キャリアパスのご質問が出ましたのでちょっと補足します。横須賀の今までの大体のキャリアパスを申しますと、国総研の伝統的なジャンルを引き継いでいるのは、研究室長が現在の行政需要に対しては対応しています。その下に主任研究官というのが配置されるのですが、これは研究室じゃなくて部付に配置されています。主任研究官は、一応部屋は研究室長のところにいますが、室長の仕事のしぶりを見ながら、自分で自由に研究テーマを選んでもいいという時間が10年間ぐらい与えられています。その中には伝統的に自分の仕えている室長をまじめに引き継ぐ主任研もいれば、全く新しいことにチャレンジして、研究テーマを自分で選んで論文を書き出す主任研究官もいます。部長なんかはそれを見ていて、今の室長の時代が終わった後、世の中がどの問題に行くだろうかということで、主任研から室長に上がるときに1つの研究テーマの切りかえみたいなのを研究所では意識的にやって、そこで非常に長期的な研究テーマの入れかえみたいなものが来て、まだ前の行政需要が残っていれば、その室長が今度部長になって、部長として自分の行政需要には対応するけれども、新しいテーマについては新しいテーマでチャレンジングして、主任研が室長として次の研究テーマをやり始めている。何かそういう大きなグラデーションで今までは管理をしてきましたが、問題はその主任研の人数がだんだん減り始めているというか、人材が配置できなくなっているというところです。今日現在までのところでは保っていますけれども、将来のことを考えると、非常に先が厳しくなっていく、そこをどうするかという問題があります。

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【委員長】  それはどこかで少しフォーメーションを、フォーミュレーションというか、今のようなお話を何らかの文章みたいな格好で一回出していただくと、来年でもいいですけれども、それとこういうものとどう関連するのかというようなところもひとつチャンスがありましたらご検討いただきたいと思いますが。

【委員】  済みません、ちょっと視点の違う質問なんですが、私は文化系でずっと来ているんですが、理系でこういう研究職できちんとやっていきたいという人材、そういう学生さんは今ちゃんといらっしゃるのでしょうか。そこがちゃんといなければ、その次のこういう研究所で今議論していても、その辺からどう育ててくるかという全体の話かと思いまして、伺いました。

 あと、こういうところに女性の研究者というのはいらっしゃらないのかなとか……。

【委員長】  たくさんいますよ。

【委員】  そうですか、わかりました。

【委員長】  それから学生たちにとっても国総研は非常に人気がある就職先です。特にドクターを取った連中が、連中がと言っては失礼ですけれども、ドクターを取った人を3年間という格好で、最近たくさん公募しておられるのですよね。

【委員】  だけど、定員としてとる数は今どんどん減っているということですね、だから学生さんは志望する人はたくさんいるんだけれども、とれる数のほうが減っているから問題、そういうことですね。

【委員長】  減っているという状況なんですね。

【国総研】  女性の話ですが、昔は男性ばかりの職場でしたけれども、最近は結構女性も、多くはありませんけれども入ってきていただいています。

 それと、学生さんなんですけれども、一種の職員で土木の研究職としてこられる方もおられますし、任期付研究員ということで3年ないし5年で来ていただいている方については、最近はオーバードクターの方が非常に就職に苦労されているのか、公募するとたくさん来られる方が多いです。今、悩みなのは、最近はゼネラリストを育てようということで、いろいろな部署を最初の10年ぐらいで経験させようというような人事施策もあり、行政に行ったり研究所に行ったりさせています。昔は研究所に行けばずっと研究所というような方もおられたんですけれども、そういう多様な経験をさせることで、メリットもあるんですけれども、この表でも見えますように、そこの部分で穴が開いてきているという部分も一方の側面としてあるのかなと思っています。

【委員】  ありがとうございます。

【委員長】  それじゃあ、人材育成につきましてもこの辺で審議を終わらせていただきます。ごらんいただきましたように、あるいはコメントいただきましたように、非常に創造性ある取り組みを行っておられる、こういうふうに理解しております。しかも、先ほどのマネジメントの大枠との補完性をも意識した格好での人材育成のあり方についてのデータベースを作成してみる方向性を打ち出しておられる、こんなふうに理解することができます。

 今回は、大きく3つの評価を行ったのですが、1番目は、18年度の研究成果ですが、政策への反映とか、活動を通じての知見を生かした技術支援ということにつきましても十分な活動があったということは、先ほど、第1番目のまとめのときに言ったとおりです。それから研究マネジメントにつきましても、先ほど、必要なデータベースに基づいた今後の発展の可能性が十分あるということを確認しました。

 本日は、各委員からこれ以外にいろいろな指摘をいただいておりますが、全部メモをとっておられますので、確実に反映させていただくもの、こんなふうに思っております。したがいまして、以上、雑駁な私の評価ですが、最後は皆様方のご意見とも調整の上で取りまとめたいと思いますが、最後は私のほうにご一任いただきますようお願いいたします。ありがとうございます。

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(5)個別研究課題の評価について

 それでは最後の議事5ですが、個別研究課題の評価について確認したいと思います。事務局からのご説明をお願いいたします。

【事務局】  資料5でございます。今回は研究所全体の活動評価をいただきましたが、国総研の個別の研究課題の評価につきましては、後日行うことになっています。こちらに事後評価が5課題、中間評価が2課題、事前評価が12課題ございます。1ページにあるような研究課題につきまして、2ページ目を開けていただきますと、評価の項目、視点がございます。ここに掲げられているような視点をもちましてやっていただくことになりますが、実際には研究評価委員会分科会でございます。分科会におきまして、第一分科会、主査が○○先生でございますが、それから第二部会、主査は○○先生、3ページでございます。第三部会、主査は○○先生のもとで、後日、個別の研究課題の評価をしていただく内容が書いてあります。時間の関係上、詳細は省略させていただきます。よろしくお願いします。なお、結果は公表いたすことになっております。

 以上でございます。

【委員長】  ありがとうございました。ご質問、ご意見ございませんか。ここの本委員会との仕組みはどうなっているかというと、主査の3人の先生以外は全部別の委員の先生方から構成されている。分科会のメンバーと、この本委員会のメンバーとは違う委員がなっておられる、こういう状況になっています。こうしてクロスチェックを行っているという格好です。よろしゅうございますか。ありがとうございました。

 それでは、以上で議事は終わりました。例によって時間を大幅にオーバーして申しわけございません。事務局に謝りながら進行をお返ししますので、よろしくお願いいたします。


5.その他

【事務局】  先生、ありがとうございました。それでは、大変時間もない中、恐縮でございますが、事務連絡を何点かさせていただきます。

 本日のご議論を踏まえまして議事録を作成いたしまして、各委員の先生方にメールでご連絡を差し上げさせていただきます。内容の確認をご依頼を申し上げます。その内容修正等を踏まえまして、必要な評価の内容につきまして、委員長とご相談をさせていただきながら委員長にご確定をいただこうと思っております。

 また、本日の議論、資料等につきましては、報告書を作成いたしまして公表されますので、その点ご留意をお願いいたします。

 なお、分科会につきましては、今月の27日、30日、8月2日に開催予定でございます。また、ホームページ上でも公開されますので、よろしくお願いいたします。

 最後、もう時間もございませんが、所長、一言ごあいさつをお願いできますでしょうか。


6.国総研所長挨拶

【所長】  非常に長時間にわたりましてほんとうにありがとうございました。まだ仕掛け途中でございますので、引き続きいろいろご指導とご指摘を賜ればと思います。ほんとうにありがとうございました。


7.閉会

【事務局】  それでは、本日の研究評価委員会を閉会いたします。どうも長時間ありがとうございました。

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