平成18年度 第3回 国土技術政策総合研究所研究評価委員会分科会
(第三部会担当)

議 事 録


1. 開会
2. 国総研所長挨拶
3. 分科会主査挨拶
4. 議事
(1) 評価の方法等について(確認)
(2) プロジェクト研究等の事後評価
@ ゴミゼロ型・資源循環型技術に関する研究
A 東アジアの航空ネットワークの将来展開に対応した空港整備手法
に関する研究
(3) プロジェクト研究等の事前評価
@ 地方振興を目指した空港利用の地域間連携及び空港ターミナルの
交通連結機能の高度化に関する研究
A 低頻度メガリスク型の沿岸域災害に対する多様な効用を持つ対策
の評価に関する研究(研究内容の拡充)
その他
5. 今後の予定
6. 国総研所長挨拶
7. 閉会

〈開 会〉

(事務局) 

それでは、まだ一部の委員の方がお見えでないようでございますけれども、定刻になりましたので開催させていただきたいと思います。

 ただ今から平成18年度第3回国土技術政策総合研究所研究評価委員会分科会を開会いたします。委員の皆様におかれましてはご多用中にもかかわらず、本分科会にご出席いただきまして誠にありがとうございます。

 私、本日司会進行を務めさせていただきます企画調整課長の○○でございます。よろしくお願い申し上げます。

 本日の分科会は第三部会の担当会議でございまして、平成17年度終了プロジェクト研究に関する事後評価及び平成19年度新規研究開発課題などに関する事前評価のご評価をお願いするものでございます。

 それでは、まず、配付資料の確認をさせていただきます。

 お手元に議事次第、配付資料一覧、続いて座席表があろうかと思います。その後、資料1が名簿の一覧、資料2が研究方針、これは先月7月に改定いたしました私どもの研究方針の資料でございます。それから資料3が評価の方法等について、資料4、5が課題等の一覧表でございます。資料6からは本日ご評価いただきます各課題で資料6から9まで4つございます。その後に他部会の先生方から事前にいただいたご意見の資料。それからプレゼンテーション資料といたしまして、国総研における研究活動のマネジメントのあり方についてのパワーポイントのコピー、それから参考資料等でございます。また、お手元の横に事後評価シート、それから事前評価シートの3枚ものがあろうかと思います。過不足等はございませんでしょうか。

 それでは、議事次第に従いまして、冒頭、○○国総研所長よりご挨拶を申し上げます。

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〈国総研所長挨拶〉

(国総研)

 本日はお忙しいところご出席を賜りまして誠にありがとうございます。

 私ども、事前に事後評価と事前評価の自己評価をさせていただいておりますが、それなりに行ったつもりではございますけれども、是非いろいろな角度から更にご指摘を賜ればというふうに思います。それから、事前評価につきましては、これから研究を立ち上げようということでございますので、進め方を含めたご示唆を賜ればというふうに思います。

 よろしくお願いを申し上げましてご挨拶にさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

(事務局)

続きまして、ご出席の委員の皆様をご紹介申し上げます。資料1、委員一覧に従いましてご紹介申し上げます。

 まず、本第三部会の主査をお願いしております○○委員でいらっしゃいます。

 続きまして、○○委員におかれましては、本日所用のためご欠席でございます。

 ○○委員でいらっしゃいます。

 ○○委員でいらっしゃいます。

 ○○委員でいらっしゃいます。

 ○○委員でいらっしゃいます。

 ○○委員におかれましては、遅れて来られる予定というふうにお伺いしております。

 続いて第一部会及び第二部会所属の委員の方のご出席をお願いしております。ご紹介申し上げます。

 第一部会より○○委員でいらっしゃいます。

 第二部会より○○委員でいらっしゃいます。

 国総研幹部等につきましては、座席表をご覧いただくということで省略させていただきます。

 それでは、○○主査にご挨拶をいただきまして、以後の議事をお願い申し上げたいと存じます。○○主査、よろしくお願いいたします。

 

〈分科会主査挨拶〉

(主査)

最近は夏休みの時期に入りましても、研究所も大学も結構忙しくて、いつ夏休みがとれるのかなというような感じですけれども、そういう非常にお忙しい中、皆さんお集まりいただきましてどうもありがとうございました。

 今年の4月から第3期の科学技術基本計画がスタートしまして、それに合わせて国土交通省におかれましても研究の基本方針をつくられ、国総研でも同じように、それに合わせて基本方針を策定されたということですので、そういうお話も伺いながら、評価委員としてきちんと提案されているものについて評価していただきたいと思います。今日は3時間の長い会議でございますが、どうぞ皆さんのご協力をよろしくお願いしたいと思います。

 それでは、議事に入りたいと思います。議事次第に従いまして、1の評価方法等につきまして、最初に事務局のほうからご説明をお願いします。よろしくお願いいたします。

評価の方法等について(確認)

(事務局) 

それでは、最初に、評価の方法等についてご確認をお願いしたいと思います。

 まず、その前に資料2でございます。国総研の研究方針でございます。7月と書いてありますように、まだ改正されたばかりでございます。

 1枚開けていただくと「目次」がございますが、今回の改正の大きなところは、「2.4研究活動のマネジメント」のところでございます。ここにつきましては、議事の最後のところ「その他」で報告をさせていただきます。本委員会でご説明させていただいたものの抜粋資料でご説明させていただきたいと思います。

 また、研究課題につきましても、これまで7本の柱という形でやっておったわけでございますけれども、今般4本の柱と総合的な手法という形に括り方を変えているわけでございます。元の4本につきましては、4つの使命ということで同じような形でございますが、あと3つの柱になっていたものを総合的な手法という形で少し再編した形になっております。

 では、開けていただきますと、2ページのところに安全・安心、こういう4つの柱を書いておるかと思います。あといろいろ書いておりますけれども、4ページのところ、「研究活動のマネジメント」でございますけれども、これは議事の最後の「その他」のところで説明させていただきますけれども、国総研として是非やらないといけない「コア」のもの、それから研究の流れにつきまして、全体の大枠を考えながら進めていこう、また効果に対するチェックをしっかりやっていこうというものでございます。このページのところが全く新設という形でございます。まだ議論している最中でございますけれども、どんな議論をしているのか最後にご説明させていただければと思います。

 あと5ページに、これまで7本の柱と17課題で整理したもの、4つの柱は同じでございますけれども、あと総合的な手法という形で13課題にもう一回再整理した形でございます。これにつきましては、社会資本整備、また交通政策審議会の技術部会、進むべき方向の4本の柱、これにもちょうど整合がとれた形になっております。

 18ページでは、研究評価について書いております。評価につきましても自律的なマネジメントサイクルを構築してやっていこうというものでございます。(2)の「内部評価」、これは先ほど所長の挨拶にもございましたが、内部でも評価しておりますというものでございます。

 (1)の「外部評価」、これが委員会にお願いしているところでございます。「所として重点的に推進するプロジェクト研究等」というのがございますが、「等」といいますのは、予算上必要とされるような固まりの研究、これについてお願いするわけでございます。段階といたしまして、事前、中間、事後の3段階、中間につきましては5年計画のものの3年目という形になっておりますが、該当は少し少ない形でございます。

 あと19ページ、「研究方針の見直し」でございますけれども、マネジメントとなるからには、研究方針そのものも常に進化、更新していくということで書いております。

 資料3のところで「評価の方法等について」、1枚の表裏紙が入っているかと思います。

 「評価の対象」でございますけれども、プロジェクト研究及び予算要求上必要とされるものという形でございまして、プロジェクト研究は、研究方針のところから抜き書きしておりますけれども、国総研として重点的に推進する研究、これを評価の対象、あと予算上必要とされるものという形でございます。時期でございますけれども、事後、中間、事前という形でございます。中間については、本年度は該当ございません。

 それから「評価の視点と項目」でございますけれども、この事後評価につきましては、目標の達成度、成果の活用方針、それから方法・体制が妥当であったかどうか、あと本研究が良かったかどうかという形でございます。中間はございませんが、事前評価につきましては、研究の必要性、また方法・体制が妥当か、また成果の見込みというか、活用方針がしっかり考えられているか、アウトカムがしっかり考えられているかどうかという形でございます。

 裏側にまいりまして、「評価の進め方」でございますけれども、当部会が評価責任分科会となっている課題につきましてやっていただくという形になります。各委員から意見をいただくとともに、他の部会の委員から事前に伺っている意見を紹介する形になっております。

 また、議事につきましては、口頭で発言された意見につきましては、議事録のほうで整理いたしますので、委員の方につきましては、事後評価の4段階評価、これは必ずチェックしていただきまして、あとコメント欄につきましては、言い漏らしたことがありましたら筆記していただければと思っております。口頭につきましてはすべて議事録で整理いたしますので結構でございます。本日の審議内容、事前意見、また集計結果に基づきまして、最後に主査より総括していただく形になります。それからあと、委員が課題に関与している場合ということがございますけれども、当部会につきましては該当ございません。

 「評価結果のとりまとめ」でございますけれども、主査の責任においてとりまとめ、その後、研究評価委員会委員長の同意を経まして、最終的に評価結果とする形でございます。

 「評価結果の公表」でございますけれども、議事録とともに公表いたしますけれども、発言者名につきましては、「主査」、「委員」、「事務局」という形の括りとさせていただこうと思っております。

 あと、本委員会、分科会の日程でございますけれども、本委員会につきましては7月4日、後ほど説明させていただきますマネジメントのあり方等につきましてご審議いただいたわけでございます。

 それから、資料4、課題の一覧でございますが、課題を時系列的に並べている形でございます。黄色く研究名を塗ったところが本日評価をお願いするものでございます。表の方に事後評価が2つ、それから裏を返していただきますと、事前評価を2つという形でございます。低頻度メガリスクにつきましては、これは研究内容につきまして、事前評価を1回いただいておるわけでございますけれども、今般、相当研究内容の拡充を図っておりますので、それに関しまして、事前評価の追加をお願いするものでございます。また事後評価のものにつきましては、過去の事前評価結果がわかりやすいように赤色のペーパーで印刷しております。

 それからあと、資料5のほうで本日お願いいたします課題につきまして、4本の柱と総合的な手法に分けた形で整理したものを載せております。茶色に塗りましたのが、本日お願いする研究課題でございます。

 以上でございますので、よろしくお願いしたいと思います。

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(主査) 

改めて評価の方法、或いは視点を説明いただきましたけれども、何か今ご説明いただいた点でご質問とかご意見はありますでしょうか。

 それでは、また実際の評価の中で問題が出てくれば、ご質問を随時いただくということにして、早速評価に入らせていただきたいと思います。

 それでは、最初に、「ゴミゼロ型・資源循環型技術に関する研究」についてご説明をいただきたいと思います。これは先ほどお話がありましたように、平成17年度に終了したプロジェクト研究の事後評価ということで、その最初の方のご説明ということでございます。

 それでは、ご説明をよろしくお願いいたします。

 

 

<事後評価@:ゴミゼロ型・資源循環型技術に関する研究>

(国総研)

港湾研究部長の○○でございます。私の方から「ゴミゼロ型・資源循環型技術に関する研究」についてご説明させていただきたいと思います。

 本研究は港湾研究部をはじめ、5研究部の連携によって平成13年度から行われたものであります。

 まず廃棄物の状況ですけれども、産業廃棄物の約2割、それから最終処分量の約2割、不法投棄の約9割が建設系の廃棄物ということになってございます。その中でも建設系廃棄物の再資源化率を見た場合に、「アスファルト・コンクリート」とか「コンクリート塊」は非常に高いのでございますけれども、これからご説明いたします「建設混合廃棄物」とか「建設発生木材」については非常に再資源化率が低くなってございます。従いまして、結局、建設系廃棄物については、どのようにして発生を抑制するかということと、それから、資源の循環的な利用をどのように推進していくか、それから、適正な最終処分をどのようにしていくかという3つの大きな課題があるかと思います。

 本研究の大きな柱としては3つございまして、最初に建築廃棄物の発生抑制リサイクル技術の研究、次に静脈システム形成に関する技術の研究、最後に海面処分場の建設技術に関する研究となっております。

 それで、少し見にくいですけれども、さらにそれを7つの研究に分けてございます。この7つの研究について、これからご説明させていただきますけれども、施策への反映といたしましては、例えば、木造建築物の設計・施工の事例集でありますとか、ガイドラインですとか、政省令、それから計画手法、マニュアルとなどといった形で、それぞれ成果に結びついているという点を先に申し上げておきたいと思います。

 これは個別のスケジュールでございます。最初に、「木質系建築廃棄物の発生抑制技術の開発」でございますけれども、これにつきましては、やはり目標が3つございまして、まず、廃棄物の発生が少ない木造建築物の設計・施工技術の構築、次に解体した後で生ずる除去材の合理的な再資源化技術の確立、最後に環境評価の普及支援システムの構築ということで、それぞれ設計・施工事例集、これは次にございますけれども、このような形の設計・施工事例集ですとか、それから技術指針案、そして物質循環データベースなどの形で成果を得ております。

これは物質循環算定プログラムで、これも少し見にくくて恐縮ですけれども、ある建材を製造したときと解体したときに、それぞれどのようなCOとか、エネルギーの負荷が生ずるかということで、最終的に解体材の排出量とか、COの排出量といった形のアウトプットが出てくるプログラムになっております。

 それから2番目の柱でございますけれども、建設廃棄物の合理的な再資源化技術に関する研究ということで、こちらは断熱材と塩ビ管を選定いたしまして、目標の1としては、建設混合廃棄物の再資源化推進のための技術基盤、どのような品質のものだったら受け入れられるのかということを表で整理いたしましたのと、その普及基盤の開発ということで「シナリオ分析ツール」を構築したという2つでございます。こちらが、例えば、石こうボードを土壌改良材として使うときにどのような品質が要求されるかといったような形で、それぞれ塩ビ管と石こうボード等について表の形で整理したという成果でございます。

 それからこちらは、やはり市場を意識いたしまして、例えば塩ビ管ですと塩ビ管協会というところがございますけれども、その協会が二次輸送に対して支援を行っているということですけれども、その支援を行うことによって再資源化率(マテリアルリサイクル率)と言っておりますけれども、これがどれくらい増えていくかということの相関をあらわしたシミュレーションモデルでございます。そういったものも開発してございます。

 それから3番目といたしまして、これはディスポーザーによる環境負荷低減技術に関する研究ということで、こちらも目標が一杯ありますけれども、アメリカとか、北海道における実態調査を踏まえまして、最初にディスポーザー導入による環境影響の総合評価に関する研究ということで、これはCVMによって、まず利便性をどのように評価するかといったこと、それからライフサイクルアセスメントの手法によって、環境面でディスポーザー導入の効果をどのように測定するかといったようなモデルを開発しておりまして、最終的にはガイドラインの形で反映されております。

 それから同じくディスポーザーを使った分散型の生ゴミ処理システムということで、これも同じくライフサイクルコスト、それからライフサイクルCOをベースとした計画手法、これをガイドラインの形でまとめておりますのと、それからディスポーザーを各ディスポーザーとか、排水処理システムとか、そういった要素ごとに性能評価を行えるようなシステムを構築したというような点が挙げられます。

 それから4番目、これは少し毛色が違いますけれども、静脈物流システムの計画手法ということで、これは結果を先にお見せしたほうが良いと思うのですけれども、こちらにつきましては、日本全体を8ブロックに分けまして、それぞれのブロックで、この場合は中国に対する金属くずの輸出でございますけれども、それを一つの拠点港から一旦拠点港で積み替えて輸出する場合と各港からばらばらに輸出する場合を比較してございます。比較いたしましたところ、8ブロックのうち三大湾以外の地域では拠点港を設けて積み替えたほうが総コストは安くなるという結果が得られてございます。

 それから5番目でございますけれども、ここからが廃棄物埋立護岸の性能設計ということでございますけれども、これにつきましては、目標が4つございまして、まず大きな地震が来たときのいわゆる遮水工、これが局所的にどのような変形をするのかということ、それから管理型の埋立護岸が地震時にどのような挙動をするのかということ、それらを踏まえまして、性能設計法を構築いたしております。これが実際に載荷実験を行った模様でございますけれども、性能規定型の設計法といたしましては、最初に有限要素法を用いて、動的解析によって護岸の変形量を評価いたしました。一方でその中にある遮水工の変形量を応力ひずみモデルを使って算定いたしまして、その弾性変形の中に収まるような形で護岸の各諸元を決めていくと、こういった手法による性能規定の設計法でございます。

 それから6番目でございますけれども、これが海面処分場の信頼性向上技術ということでございまして、これは廃棄物海面処分場の場合に、中に保有水という汚れた水が残るわけですけれども、これを出さないように長期安全性を評価する手法をどうするかということと、それから信頼性の高いフェイルセーフ機能を持った遮水構造はどのようにするかといったこと、長期的に維持管理技術をどのようにするかといったようなことを目標として掲げてございます。これがその有限要素法による中の赤い部分、これが保有水の濃度でございますけれども、その濃度の分布図として遮水シートが損傷した場合を挙げてございますけれども、この場合ですと、潮位差、これを考慮した方が濃度の分布がより薄くなるという結果が得られております。それから、こちらが鋼矢板継手部、ここにアスファルトですとか、そういった充填剤を入れて遮水性能を向上させたものと、粘土の中にベントナイトというものを入れて、変形追随性を強化したもの、この2つからなる鉛直の遮水壁を設けて、それで現地で実証実験を行った様子でございます。いずれも10−7cm/sec以下の保有水の浸出速度になったということで、品質的には問題ないということになりました。

  それから最後でございますけれども、これは海面処分場のための社会的受容性の分析ということで、住民に対して海面処分場に対する意識調査を行おうと思ったのですけれども、残念ながら、海面処分場そのものに対するデータがとれませんでしたので、陸上における事例として、ここに掲げましたが、有明海の住民に対する意識調査というのを行いまして、どういった項目に興味を持っているかというようなことを割り出しております。水質・底質とか、それからごみ捨てのマナー、それから次世代への警鐘ということに非常に重きを置いているということがわかってございます。

 以上7つの研究を駆け足でご説明申し上げましたけれども、中間評価時に特に今ご説明した中の「静脈物流ネットワーク」と「海面処分場の社会的受容性」について、もっと分析を追加してほしいというご意見が出ておりましたので、静脈物流ネットワークについては、先ほどご説明した海上輸送ネットワークの効果について、それから海面処分場の社会的受容性につきましては、有明海での住民意識調査を追加してございます。

  それから2番目ですけれども、個別テーマの達成成果を統合し、新しい方向性を出してほしいということですけれども、これにつきましては、残念ながら7つの研究で、それぞれ統合した成果を出そうという打ち合わせ等を行うことができませんでした。例えば、海面処分場の遮水構造でフェイルセーフ機能を有する、そういったものを提案したとか、そういう個々の成果は出ていますけれども、なかなか全体としての成果の統合までには至らなかったというところです。

 以上7つの研究の中で、具体的に技術基準とかガイドライン、そういった形で施策に結びついているものが「◎」、残念ながら少しそこまでいかなかったものを「△」という形で、その中間にあるものを「○」ということで評価してございますが、全体として見ると、本研究としては概ね妥当であったのではないかと思われます。

 今後の取り組みといたしましては、今7つそれぞれ精粗まちまちな成果が出ておりますけれども、これをなるべく統合するような方向でもっていくのと、例えば発生抑制部分、発生抑制技術などについては、有害物質を含んだ廃棄物の再資源化をどうするかといったような話。それから静脈システム、ディスポーザーについては、もっと広い都市レベルでの分散型の静脈システムをどうするかといった方法。それから海面処分場につきましては、できた後、廃止した後の管理をどのようにしていくかといったような方向へさらに取り組みを進めていったらいいのではないかと考えております。
  以上でございます。
               〈課題説明終了〉

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(主査) 

どうもありがとうございました。委員の先生にご意見を伺う前に、書面で意見を提出された委員がおられますので、お願いいたします。

(国総研) 

 筑波大学の○○先生からご意見をいただいておりまして、3点ございます。

 まず、個々の研究成果については評価すべきものがあると。次に、ただし先ほど申しましたが7つの課題の相互関連が不明でばらばらな印象を持っていると。最後に、「あまり達成できなかった課題」が他の課題の成果に及ぼす影響についてはどうなのかという3点をいただいてございます。

 2番目については、今申しましたとおり、残念ながら、統合するところまでは至らず、今後の課題として残ると思います。

 それから「あまり達成できなかった課題」、ただいまの中では静脈物流システムと社会的受容性の2つだと思いますけれども、静脈物流システムにつきましては、今回、金属くずとか、いわゆる税関のデータが得られるものに限られてしまったというものがありますので、同じ税関のデータでもまだ使えるもの、特に今回発生抑制の方で使いました木質系の廃棄物とか、そういったものの静脈物流システムについては、確かにやるべきであったというふうに思いますので、影響があったと思います。

 それから社会的受容性につきましては、他の6つの研究の成果とは直接結びつかないわけですけれども、最終的にそのパブリックアクセプタンスというのを考えると、やはり必要な研究ではないかと思われます。

 以上でございます。

(主査) 

今の書面で出していただいたコメントについては、資料の後ろに綴じたものが入っておりますので、この課題に対するご意見について答えていただきました。

 それでは、今のご説明に対して、委員の先生方からご質問、あるいはコメントがあれば出していただいて、評価を進めたいと思います。いかがでしょうか。

(委員) 

自己評価と比例していると思いますけれども、成果の公表というところだけを見ても、随分とテーマごとに違いがありますが、グループのリーダーとして、この辺はどのようにコントロールされたのでしょうか。

(国総研) 

すみません。リーダーになってからまだ2週間ですけれども、前任から聞いたところでは、研究者間でのメール等による打ち合わせは行っていますけれども、全体が集まって、こういう成果をこちらで使おうとかというような打ち合わせは開かれなかったと聞いております。

(委員) 

例えば、あるテーマですと、一つ小さな発表があって、あとは予定です。複数年の研究としては、どうもアウトプットが少なく、研究期間中に何か手が打てたのではないかと思います。一方、他のテーマでは5060も出力をしている。これを見ると、先ほどご指摘があったように全体をまとめて何かテーマを打ち出すという面では、抜けたところがあるかなという気が強くします。

(国総研)

ちょっと残念ながら……。

(主査) 

では、○○先生。

(委員) 

ほかの方がもう既におっしゃっているので、1点だけ言いますと、簡単に言うとリスクマネジメントの問題だと思いますが、これはかなりグローバルなテーマなので、もう少し海外発表があって良い分野があるのではないかと思いますけれども。今の発表量の偏りということもありますし、それから発表の件数が多くても、必ずしも情報が海外に出ていっていないという気がします。日本の住宅事情とかそういう特殊なことも絡んでいると思うのですが、やはり、もう少し国際貢献的な形で発表というのはすべきで、特に大学はそれを何時も言われているものですから、研究所もそういうことが必要なのかなと思った次第です。

(国総研)

確かに、論文のリストを付けさせていただいておりますけれども、英語のものが非常に少ないというのが気になっておりまして、ディスポーザーの研究などは特にアメリカでせっかく調査をしているので、アメリカの学会に発表した方が良かったのかなとは思っております。

(国総研)

ディスポーザーの担当をいたしました下水道研究部の○○と申します。ディスポーザーについては、海外、特にアメリカでは既に当たり前のものとして認知されておりまして、それを日本で導入した場合にどうかという影響をみましたので、ディスポーザーの分野については、海外で発表する意義よりは、むしろ日本でそれを紹介するといった意義のほうが高いと思いまして、国内で主に発表しているところでございます。

(主査) 

よろしいですか。その他。

(国総研)

住宅研究部の○○でございます。木質系建築廃棄物の研究につきましては、CIBのTG39デコンストラクションの分野において、毎年、カントリーレポートの形で提出しておりまして、ここでは論文ということでしたので挙げてございませんが、海外に対する情報発信は継続して行っていきたいと思っております。

(主査) 

すみません。CIBというのは何ですか。

(国総研)

建築の研究機関の国際的な組織(建築研究国際協議会)でございます。

(主査)

どうぞ。

(委員) 

私、このレポートを読んでいて思ったのですが、ゴミゼロ型・資源循環型の社会というものに対する全体のイメージが存在しないのではないかと思います。どういう意味かというと、これは研究を始めるときに、そもそも我々が目指すべきゴミゼロ型・資源循環型の社会というのがどういうものであるかというイメージをある程度持った上で、その上で要素技術を開発するというのが本来の筋道であったのに、実際にはそのイメージが漠然としたまま、それぞれの要素技術をどう高めるかというところで一生懸命研究をされたと思います。最後にそれをまとめるのも、ただ一緒に束ねただけというイメージしか残さないと思います。ですから、これは恐らくプロジェクトリーダーというよりも研究所の所長がどのように思われるかということだと思うのですが、研究を始めるときに、各要素を開発する技術者、研究者が目標とする社会に対する共通のイメージを持てるかどうかというところが、最後に研究をインテグレートできるかどうかというところの別れ道になると思います。ですから、最初の段階でもう少しイメージをみんなで話し合うべきだったというのが私の感想です。

(国総研)

プロジェクトリーダーとして責任は感じております。やはり最初に会合を行うべきテーマだと思います。

(主査) 

お願いします。

(委員) 

 同じような意見で嵩にかかって言いますけれども、一つ例を挙げてお話ししたほうがいいかもしれませんけれども、ディスポーザーの話がありましたが、これも一応総合計画手法を確立したというふうなお話をされていますね。この総合というのがどこまでの総合なのかということが問われるべきだと思うのです。時間的なライフサイクルコストを安くするとか、ある意味で総合的に物を考えようとしているということは伺えるわけですけれども、それが例えば空間的に持っている人、持っていない人が混在していたときに都市の中でどんな仕組みになるか、生ごみを燃やしたときと、生ごみをこういうふうな形で管で流して燃やして資源化したときとの2つの系統を総合的に評価する必要があります。木質のごみがどういうふうになったときにどうなるかという問題がありましたが、ごみごとに最適化するのではなくて、ごみをシステムとして考えて、合理化できるところがあれば合理化するみたいな意味の総合性というのは問われるのではないかと思うのです。

 そのようにだんだん話をややこしくしてくると、そこに共通の指標、「できるだけ安く、できるだけ環境負荷を少なく」ということでお互いに共通に会話ができるというか、要するに資源が限られているわけですから、こちらのプロジェクトで環境負荷を小さくしたほうが良いのか、こちらのプロジェクトで環境負荷を小さくしたほうが都市全体にとって良いのかということを、言ってみれば、相互に比較するというのが最終的な総合だと思うのです。そういう意味で、共通の会話ができるような指標があれば、どちらがより都市にとってメリットがあるかということがわかりますね。あまりうまく説明できないですけれども、そういうことです。

(国総研)

 ディスポーザーに関しての総合という意味は、ほかの木質系とか、その他産業廃棄物、建設廃棄物を取り込んだ施策をどうするかという総合ではなくて、いろいろな影響がディスポーザー導入により考えられるのですが、それを総合的に見る視点として、経済性、環境面というものを取り上げて、ライフサイクルで評価するというものです。よって、あまりプロジェクトを超えたところとしての総合という意味合いは持っていないというのが実態でございます。

 しかし、これまでの行政の施策は、セクター等個別に考えられてきた傾向がありますので、経済性、環境面という総合的に見るというのは、一つの一般性を持った考え方であり、「総合的な」と言ってもいいのではないかと考えております。

(委員)

少し教えてほしいのですけれども、アメリカでは、うちの都市はディスポーザーを認める都市のマネジメントをやりますよという宣言をしているところもあるでしょう。そういうことで意外に安く、意外に環境負荷が少なく成り立っている街もあるのでしょうけれども、それを例えば日本で実現できるのかどうかという意味での総合評価というのはされているのですか。

(国総研)

我が国においてはディスポーザーの導入の是非の判断は、基本的には下水道管理者である地方自治体が行うことになっておりまして、国としては、意思決定を支えるような評価方法の確立が求められておりました。このような中、各施設への影響やそれらを統合した環境面の評価方法等についてここで確立したというところでして、それを踏まえて下水道管理者の方で地域に即した意思決定を行うということですので、今後そういった取り組みが期待されるところだと思います。

(主査) 

○○先生どうぞ。

(委員) 

弁護になるかどうかわからないし、批判になるかもわからないのですが、静脈物流という、例えば、そこにマーケットがきちっとあれば分析するのは非常にとっつきやすいかもわかりませんが、マーケットがないですよね。マーケットをこれから制度として作っていかなければいけないという、そういう難しさが非常にあるというか、放っておいて自由にマーケットができる世界では実はないのです。

 それからもう一つは、いろんな省庁の端境に静脈物流は入ってしまっているというか、静脈の全体像を把握しようと思うと国土交通省の範囲をはるかに超えてやっていかなければいけない。その中でこのプロジェクトでやろうとしたときに、国土交通省の範囲の中でと考えてしまうと、ごく一部というのか、或いは、とてもではないけど全体像が見えない。そこにやるときのジレンマが多分おありになったのだろうと思いますが、しかし、これは今後非常に重要な話になってきますので、少なくとも、もう少し勇敢に垣根を越えて、少しお節介かもわからないですけれども、少なくとも研究のレベルではそれぐらいの射程の中で議論を、これはここで終わる話ではなくて、これから継続して研究を続けていっていただきたいと、そういうふうに思います。そのときにも、もう少し勇敢さをもってやっていただければというふうに思います。

 それからもう一つ、テーマも循環技術というのはまだまだこれからですので、例えば、再利用率が100%近くなっていったから、それで良しとするのではなしに、例えばアスファルトも骨材として使ったときに、長もちするのかどうか、かえってライフサイクルコストが増える結果にならないのかとか、まだまだ多様な評価の視点が出てくると思います。これも継続してフォローアップをぜひやっていただきたいというふうに思います。

(国総研) 

ありがとうございます。確かに研究そのものも少しばらばらでしたし、省を越えるというところまでは、当時全く発想も至っておりませんけれども、やればやるほど省を越えないとできない部分に食い込んでいきますので、そういった体制を作って継続していきたいというふうに思っております。

(主査) 

○○先生、お願いします。

(委員) 

 全体に関する印象は、皆さんと同じですが、7つの項目を包括するような研究というところがなかなか難しいと感じます。一方で、例えば、ディスポーザーの研究の中で出てくる技術の考え方が木造建築物の研究に何らかの形で役に立つということがあるとおもしろいと思います。全体をまとめる研究ということでなくても、相互の成果が影響し合ってそれぞれの研究を高め合うという成果が出てくると良かったなというふうに感じます。

 それから、私、特に建築のところに関心を持って見せていただいたのですが、木質系の建築物の廃棄物の抑制というのは、何よりも、もとの建築が、どのような質のものかということが非常に効いてくるわけです。もともと質の低い建築を作っている場合、接合部をどう作ろうがだめなわけです。住宅そのものの質の問題とか、或いは修理や修繕の仕組みをどのように取り込んでいるかということが、重要ではないかと思います。要するに長期耐用財の技術というのは、ごみになるときにどうするかという話だけではなくて、使用過程の問題を含めて論じる必要がある。ここでやっておられることは非常に意義があることだというふうに思いますが、建築の質や使用過程の問題全体の中で、例えば接合部なら接合の問題がどういう位置付けになるかというようなことで押さえていただけると良かったなというふうに思います。以上でございます。

(主査) 

何かお答えがありますか、よろしいですか。

(国総研) 

はい。

(主査) 

どうぞ。

(委員)

多分、毎回議論になると思うのですけれども、特に課題のDとか、Eは港空研でも同様のことをおやりになられているので、国総研の独自性がどこにあるかといつも議論されます。こういうテーマでしたら、積極的にもっと連携して研究を進めているのだということを示した方が良いのではないかと思います。配付された資料の41ページを見ると、港空研の提供されたものを改変と書いてありますが、もっと精神的にも実態としても連携をして研究を進めているテーマであると主張した方が良いのではないかと思います。

(国総研)

ご指摘の点、十分配慮してこれからも連携してまいりたいと思います。港空研との関係でございますけれども、やはり大規模な実験等を伴いますような現場での技術のようなものは、港空研の方で今回実施していただいたものを、我々も港空研と共同しながらどのように実用化していくことができるのだろうか、ここに書いてございますけれども、マニュアルへの取り込みをどうしていこうか、並行して法に基づく技術基準の中に書いていこうかどうか、というような議論も別途しているところでございます。そういう議論になってくると、港空研の方でやられた実験なり成果を踏まえて、私どもが中心となって本省との議論を進めていくのかなと。そういう役割分担なり連携になるのだろうというふうには思っております。

(委員)

ぜひ、うまい連携をして成果を有効に使っていただきたいと思います。

(主査)

最後に、せっかくの機会ですから、もう少し議論をしておきたいポイントがあります。2週間前に着任された部長さんだけにこの議論をしていただくのは、所長さん、あるいは副所長さんがいらっしゃるので、2点ほどお願いしたいのですが、1つは、事後評価ということですので、一つのまとまりのあるプロジェクト研究をどのように作っていくかということです。最初にいろいろご意見が出まして、2つぐらいポイントがあったと思うのですが、1つは、研究の構想段階で共通の目標をきちっと作って、全体を括る大きな方向性を持った研究計画、研究目的を作るべきではないかという話が1つ。

 それから2つ目は、研究体制です。同じ国総研の中で5年間おやりになっていて、ちょっと相談ができませんでしたというのはどうしてなのかなといろいろな方が感じることです。プロジェクト研究と銘打ってやるからには、中身の点でも、研究体制の点においても、相談・連携ができるべきなのではないかなと。これは5年前から始まった研究ですから、5年前はどうだったかということになるのでしょうけれども、せっかくの機会ですので、少しどのように考えておられるかということです。

 それから2番目の点は、中にピンクの紙が入っていて、中間評価当時の○○委員長の指摘事項がありまして、それの2番目に「新しい提案や方向性を示す点に重点を置いて研究を進めていただきたい」と中間評価が書いてあります。我々の任務からすると、最初に事前評価があって、中間評価で何か指摘して、その指摘事項を含めて事後評価をするということです。我々としては、この中間評価で言われたことが、どのようにやっていただけたのかというのをチェックするのが宿題のようなものなのだと思うのです。そういう評価の枠組みがあること自体、非常に重要だと思うので、そういう点から見て、プロジェクトのマネジメントについてどのようにお考えか。○○部長だけではなくて、研究所の幹部の方も含めて、少しご意見があればお願いしたいと思います。

(国総研)

御指摘のように、今後、研究のやり方を工夫しなければいけないということがございます。

 まず、研究を始める前に、よほど議論をして全体の構想について意思統一しておくということがどちらにしても要ると思います。この研究については、問題意識とか研究の必要性は非常にはっきりしていて、それで研究をスタートさせたのだけれども、中身は動きながら考えようというような取り組み方をしたのではないかといった印象があります。こういう場合には、どうしてもあっちにいったり、こっちにいったりしてしまうというところがあるし、残念ながら人事異動が結構あるものですから、そのうちに連携が不十分になってしまうので、どうしても最初に全体の枠組みを作っておかなければいけないということだと思います。

 それから、それぞれ忙しい中でいろいろなことをやりながら連携をとってやっていかなければならない。その辺についてどういう仕掛けを作るかというのが次に大きな課題になってくると思います。メールのやりとりぐらいではなかなか難しいでしょう。本来、研究所自体が自己評価というのを当然やってきているわけで、そのプロセスをいかにうまく活用するかというのも一方で考えておかなければいけない話だろうというふうに思います。

 いずれにしましても、最初に申しましたような全体の枠組みで共通認識を持っていれば、中途段階ももちろん大事ですけれども、かなりやりやすくなる、バックグラウンドとしてはやりやすくなるような状況になるのかなと思います。実は、もっと大きな枠組みを作らないと、中々うまく進まないのではないかというふうに思っておりまして、と申しますのは今のこの研究テーマにしても、これがまた全体、もっと大きな枠組みの中でどう繋がっていくのかということを、さらに皆が共通認識を持っていれば、もっとやりやすいわけでございますので、後ほど、御説明させていただく「大枠」というような概念を導入していこうという議論を、今、所内で進めさせていただいているということでございます。

 ご指摘の点は全くそのとおりでございますので、差し当たりは、今、申しましたような対応策を考えているという状況でございます。

(主査)

ありがとうございました。所長にそのように言っていただければ、議論した甲斐があったというか、非常に前向きな議論になったと思います。その他に何かご指摘はありますでしょうか。

(委員)

技術開発を統合的に進めるというときの研究のマネジメントの仕方なのですが、これは最初に日本の社会がどう変わっていくかというイメージをまず持つことが大事だと思います。技術開発の限界みたいなものを検討していく中で、日本社会の将来像のイメージが変わってくるというのが、技術的な研究を統合していくというプロセスに必要だと思います。まずはゴミゼロ型・循環社会型の社会というのは、日本でどう実現されるのかというイメージを創るべきだと思います。

(国総研)

厳しいご指摘ありがとうございます。

(国総研)

実はこの研究の一部のプロジェクトなのですけれども、第2期の科学技術基本計画に基づくゴミゼロ・イニシアチブがございましたけれども、ゴミゼロ・イニシアチブの中で幾つかのものを報告させていただいて、その中でいろいろなご議論、ご評価もいただいているところでございます。確かに全体としての枠組みの中でどこに位置付けられるという十分な議論はできていないところかと思いますけれども、少し自分で弁護するようになって申し訳ないのですけれども、そういう形でも幅広く評価の枠組みの中で、揉んでいただいている部分もあるということを少し申し添えさせていただきたいと思います。

(国総研)

今の御指摘、社会がどうかということを考えないとだめだというのは全くそのとおりだと思います。すみませんが、これは職員に向かって発言させていだだくのですが、例えば、グランドチャレンジの議論、自然災害に対する減災の議論では、どういう社会を描くかというところから始めているわけです。そうすると、何が足りなくて、何をしなければいけないのかというのが出てきます。また、全体像が見えるわけです。そういうアプローチは大変大切なものだと思いますから、お互いに社会のイメージを考えながら進みましょう。すみません、身内の話で恐縮です。

(主査)

 評価委員会の場を使って、評価委員と研究所と一体となって研究のあり方を議論するようなことになって、私自身としては非常に有意義な議論をさせていただいていると思っております。

 その他に何かありますでしょうか。

 それでは、大体ご意見が出て、全体のとりまとめ方の話は結構出たのですけれども、個別の研究成果がどのように出ているかということも含めて、よく評価をしていただきたいと思います。

 お手元に事後評価シート@というのがございますが、そこに評価指標に○をして、それからもし追加のコメント、あるいは特筆すべき点というのがあれば、記入をしていただきたいと思います。今、書いていただいて、この後にすぐに回収するということでございますので、若干時間をとってお願いしたいと思います。

(主査) 

どうもありがとうございました。皆さんにつけていただきました○の数は、上のようになっておりまして、まず、目標の達成度にいたしましては、「概ね目標を達成できた」が5名、「あまり目標は達成できなかった」が2名です。これは今の議論を反映していると思いますが、個別の目標ごとには目標を達成した課題が多かったと。しかし、全体的な連携とか研究自体に期待されている重要性を考えると、十分達成できていないものもあるのではないかと、こういうような評価ではないかと思います。これは 2.5とかというのはないものですから、目標達成度といたしましては、「概ね目標を達成できた」というようなことにさせていただければと思います。

  さて、それの研究の実施方法、達成等の妥当性につきましては、これは均衡しておりまして、「概ね適切であった」が4名、「やや適切でなかった」が3人、これは多数決ということにせざるを得ないかもしれませんが、「概ね適切であった」というようにさせていただきたいと思います。しかし、コメントでは先生方のご意見がいろいろ出たということはメモでもとっていただいております。研究構想段階の総合的な議論の問題、それから研究の連携の問題、個別分野ごとに研究の推進の程度にばらつきのある問題、最後に成果の発表についてもばらつきがある問題、こういう問題についてご指摘があったというのはコメントで書くということです。

 わかりました。そのようなコメントをつけさせていただいて、今のような評価にさせていただきたいと思いますが、先生方いかがでしょうか。よろしゅうございますか。

               (「はい」の声あり)

(主査) 

 では、そういうことでお願いいたします。どうもありがとうございました。

 続きまして、平成17年度終了プロジェクトの評価の2番目「東アジアの航空ネットワークの将来展望に対応した空港整備手法に関する研究」につきまして、同じく発表をお願いいたします。

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<事後評価A:東アジアの航空ネットワークの将来展開に対応した空港整備手法に関する研究>

(国総研)

空港研究部長をしております○○でございます。よろしくお願いいたします。

 ご案内のように東アジア、特に中国は経済的な拡大が続いておりまして、それに応じて東アジア地域内の航空需要も拡大を続けているということでございます。これに対応して表題にありますように、日本国内の国際空港はどのように整備すべきかを中心的な課題として研究を進めました。研究期間は14年度から17年度の4か年間、研究費総額は3,500 万円でございました。

 研究の背景としましては、今申し上げた東アジアの経済の拡大が続く一方で、我が国は相対的に国際競争力が低下しつつあるということ。利用される航空機材の点につきましては、中型ジェット機の比率が世界的に大きくなる傾向があると同時に、次世代超大型航空機、エコノミークラスがすべてだとすると、最大840席というエアバス社製のA380が登場するという見込みでございまして、空港としてどう対応するかということが大きな事柄です。また、空港におきますIT化を進めるということも国としての方針でございまして、これは他の研究部の協力を得て検討したということでございます。

 研究の成果目標としましては、今後の東アジア地域における航空需要の推計を行い、これをもとに我が国の主要な国際空港の容量を検討し、将来容量が不足すると想定される場合の対応方策を検討すること。あと先ほど申し上げたA380が導入された場合、車輪荷重か相当大きいですので、滑走路、誘導路、それから高さの関係もありまして、旅客乗降施設、ボーリングブリッジ等の空港施設が対応できるかどうかのチェックと対応策等を成果の目標としました。

 研究の成果を要約しますと、東アジア地域における都市間の航空事業についてのデータベースを作成したということ。そして、それをもとに将来の変動をシミュレーションするモデルを構築いたしました。また、我が国の主要空港の将来需要の推計を行い、国際空港容量の確保方策を検討しました。具体的には供給量の不足に対応するためには、とりあえずの方策としては、地方空港の国際空港化、国際空港としての利用により、相当程度の対応が可能であることが明らかになりました。

 また空港のIT化の見通しを整理しています。これは研究の成果というよりも実際に空港においては、IT化の活用によるチェックイン手続がどんどん進んでおるという状況にございます。

 あと先ほど申し上げたA380の対応として、滑走路等の舗装についてですが、これについては、現状の構造で対応可能であるということが設計計算から明らかになりました。すなわち、現在のジャンボジェット機対応の舗装構造で対応が可能であるということでございました。

 ここから具体的な研究成果に入るわけですが、データベースとして整理した結果などから説明します。

  左が1985年のデータですが、ICAO(国際民間航空機関)のデータをもとに東アジア地域内の34都市の都市間のODデータを作成しています。今から4断面、198519901995及び2000年の4断面の変化の状況をお示しします。

 これは1990年、大分、線が太くなっていることが判ると思います。そこからさらにネットワークが広がり、2000年時点ではこのような状況ということで、全体マスとしては、15年間で約3倍に、東アジア地域内の国際航空旅客数が膨らんだということでございました。この間、国際旅客数は15年間で3倍になったということでございましたけれども、我が国の伸びは順調ではありますが、東アジア全体の平均を下回っていました。また路線数は2倍以上の増加になっているわけですが、シンガポール発着が26路線、バンコク発着路線が19路線であるのに対して、東京発着路線、成田ですが、これが13路線に留まっているということでございます。

 また、使用される航空機材について整理した結果であります。東アジア全体ではジャンボ機等の大型ジェット機による輸送は低下しているものの、依然、大きな比率を示しております。この変化率でございますけれども、78.7%であったものが、2000年でもまだ64%程度ということで、大型ジェット機による輸送に依然として大きく依存しているということです。

  この資料の画面では示しておりませんが、一方、細かく見ますと、シンガポールにおきましては、座席数が 200未満の小型ジェット機の比率が次第に増加しておりまして、2000年には25%ということでございます。因みに、東京、成田は4%という状況にございます。

 この次が、小型航空機材による国際航空路線の動向についての整理であります。小型航空機による多頻度運航というものは、航空自由化などを背景に、特にEU地域内で旺盛な伸びを示しております。近隣の東アジア地域についてどうかということについて、関係機関、エアライン等からヒアリングをした結果でございます。それによりますと、台湾、韓国の航空会社による小型航空機による路線進出の可能性といいますか、意欲があるということが判明いたしております。

 次に、東アジアの航空需要が将来どのように変化するかの検討結果であります。その前に、この検討のためにネットワークモデルというものを研究レベルでございますけれども構築しました。このモデルは経済発展による需要増加ですとか、政策、交通変化のシナリオ、新空港の開港、小型ジェット機による多頻度運航などによって運航パターンがどのように変化するかを把握しようとするものであります。

  このシミュレーションモデルを使っての検討の一事例でございますけれども、ここでは上にありますように、シミュレーションのシナリオとしましては、中国発着旅客ODが単純に50%、どんと大きくなった場合、かつ関西国際空港発着路線のサービスレベル、これは旅客のサービスレベルでパイプの太さと考えていいと思いますが、座席数ですとか、便数が50%増加する場合を想定しています。その結果が、その下の段でございまして、結果を見ますと、関空が伸びていて、この要因としては、成田から関西空港に需要が大きくシフトするのではないかという結果でございました。

 次に、このシミュレーションモデルとはまた別でございますけれども、将来の日本発着の国際航空路線の伸び率を仮定して、2015年時点における主要空港の発着回数を推定した結果でございます。伸び率の設定根拠としては3つございまして、Aとしては過去の伸び率を使用するもの。BとしてはIATA(国際航空運送協会)、エアライン等の団体でございますけれども、それの推定伸び率を用いる場合。そしてこれは政府機関でございますが、ICAO(国際民間航空機関)の推計伸び率を使用する場合の3つがございます。ここで示しますのは、これら3種類の伸び率のうち、過去の伸び率、最も伸び率が低いものというものによる推計値でございます。

 主要空港ごとの発着容量と発着需要推計値との比較を示してございます。これが将来の供給量でございまして、それに対して羽田の第4滑走路、あるいは関空の2期工事によりまして、余力が随分ある形になっております。緑の部分が余力でございます。それに対して赤い斜めの線が便数の不足、容量の不足分でございまして、例えば成田ですと、少し見にくいですが、一日当たり 604便の容量に対して、834 便の需要があるということで、差引230 便の容量不足。羽田は先ほど申し上げたとおりで、93便の余裕がある。あと関空については189 便の余裕、伊丹については118 便の不足。中部についても不足、そして福岡も87便の不足という形になっています。

  因みに、右上に書いていますが、主要6空港全体で一日362 便の発着枠が不足するという結果になっております。また、余裕のあると見られる関西空港についてもIATAの伸び率、これは過去の伸び率よりも若干高いですが、それを用いますと、空港容量は不足するという結果になっています。

 これに対応する方策としていろいろな方策があり得るということですが、今回の研究では、新空港の設置、既存空港の滑走路増設というような方策ではなくて、まず、大都市圏に集中している国際航空発着需要を新千歳、仙台、新広島などの他の地方空港に分担させる方策を検討しました。出国旅客の居住地や出国空港などから最寄りの地方空港に移動可能な便数は移動してもらうというような推計でございます。

  推定の結果、成田空港では一日当たり70便から90便を他の空港に移動させることができました。また首都圏、近畿圏、中部圏、福岡圏の合計で見ますと、一日当たり 100便程度の発着需要を分散させることができるという想定でございます。ただし、依然、この地方空港の活用によっても、すべての需要に対応するだけの容量の確保には至っておりません。

  今後の取り組みでございますけれども、まず、先ほどお示ししました航空機材に関するデータベース、あるいは将来の変動変化をシミュレーションするモデルを構築しているわけですが、この更なる更新改良をしていきたいということでございます。そしてまた、これらのツールをもとに我が国の航空政策に関する提言につながる研究を引き続き研究していきたいと考えています。

  また、このスライドでお示ししておりませんけれども、次の社会資本整備計画、これは平成20年度から始まるわけですが、それに向けての航空需要の推計作業が始まっております。国土交通省の交通政策審議会、航空分科会も開催する予定と聞き及んでおりまして、今回の研究成果も、その検討材料として説明する機会を得るべく協議したいと考えております。

  説明は以上でございます。

〈課題説明終了〉

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(主査)

どうもありがとうございました。それでは書面で提出された意見についてご紹介をお願いいたします。

(国総研)

 今日ご欠席の筑波大学の○○先生からのご質問でありまして、個々の課題(大課題5、小課題11)ごとの達成度や残された課題を自己点検評価に示す必要があるということと、別紙様式[事後]の研究成果の活用及び活用方針については、よりきめ細かい記述が必要である。単に「活用可能」ではなく、より具体的な活用の方法を示すべきということでございました。

  これにつきましては、お手元の「様式7」の資料の4枚目、横書きの紙がございますけれども、ここに大課題5、小課題11が列記してあり、また研究成果として私どもで考えたこと、あるいは活用方針等々、あるいは目標達成度の一括表がございます。

  この表にございますとおり、達成度として、私ども全般的には「○」あるいは「◎」で「概ね目標は達成できた」ものと評価しておりますけれども、確かにご指摘のとおり、残された課題の書き込みが不足しているという指摘のとおりでございます。これにつきましては、レポートにまとめるに当たりまして、残された課題、あるいは今後の取り組みとして整理をしたいと考えております。

 あと成果の活用につきましては、大まかな書き方しかしてございませんが、先ほどスライドの最後でご説明しましたように、国土交通省の航空交通審議会航空分科会において今回の研究成果の説明材料として提示したいと考えておりますので、そこで全体的な成果の活用にはなるのかなと考えている次第でございます。

  以上です。

(主査) 

どうもありがとうございました。それでは委員の先生方からご質問、ご意見をお願いします。

(委員)

先ほど85年から2000年までの時系列的な航空便の増加のデータを見せていただいたのですが、資料によると、「単一の航空会社により運航されている国際航空路線についてのODデータは、元データの制約上含まれていない」というのは、東アジア圏以外から以遠権を使って飛んできているものは入っていないということですか。

(国総研)

このデータの特性として、路線について1社だけ飛んでいるものについては、統計として入手できないということです。

(委員)

一寸意味がわかりません。1社だけしかないというのは。

(国総研)

2社とか、3社とか飛んでいる路線については空港間のODとしてデータが取得できますが、1社だけの単独便だと、その営業内容がわかってしまうということで、これはXという値で整理できていないので取得できません。

(委員)

この東アジア圏以外から、特に成田から東南アジアに行くアメリカから飛んで来るフライトがコードシェアなどをして飛んでいますよね。それは入っているのですか。

(国総研)

コードシェア便も当然入っています。ただし、それが空港間で1社の場合は、その数字が得られないということです。ですから、データ全体としては不完全ということになります。全体でカバー率は70から80%ぐらい、或いはもう少しあるかもしれませんが、その程度ということです。

(委員)

その次の質問なのですが、日本の航空政策、空港の整備を考える上で基本的に検討されたと思うのですけれども、この研究以外から見ると、例えば仁川であるとか、香港であるとか、ほかの国の空港整備ということによっては経由地を変えますね。乗客のサービスのためにそういうシナリオというのは考えられないのですか。考えないと一寸まずいのではないかなという気がするのです。

(国総研)

 それについては、この研究の範囲外といいますか、対象とはなっておりません。 まず、東アジア地域内、世界から来る航空機も当然入るわけですが、東アジア地域のような国際ネットワークとなる政策変数等が変わった場合のシミュレーションモデルを構築するということと、あと既往の伸び率等、ICAOとかの伸び率を用いて、空港容量と供給量の比較をしたに留まっています。

(委員)

それは少し、非常に楽観的なシミュレーションという気がするのですけれども、そうではないですか。

(国総研)

経由地が変わるとか、あるいは航空政策とかで国際間の二国間協定を超えたいろんな動きとかについては、当然フォローすべき課題とは思っていますけれども、今回のものには入っていないということでございます。

(主査) 

今後はそういう多国間の近隣の空港、諸国の空港との競争まで含めたような予測とかというのに研究を広げられるという予定はあるのですか。

(国総研)

もちろん、それがこれから空港研究部の大きなテーマになると考えています。

(委員)

研究の体制について少しお伺いしたいのですけれども、最初に空港研究部と道路研究部と情報化センターという3つの部署からの連携というふうに伺いましたが、道路の研究部と航空の研究部の連携というのはどういうところに成果が出たと見たらよろしいのですか。路線の分散とかそういうことなのでしょうか。

(国総研)

この表に示しましたとおり、大きな背景としては、IT国家戦略がありまして、これは空港についてもe−エアポート、エレクトリックの「e」のエアポートということだと思いますが、ITを使った航空、或いは旅客の利便性を高める工夫をしようということが国の政策としてありました。そういう中で先進的な事例としては、道路サイドとかで進んでいるIT化の動きというのが非常に参考になるということで、連携というよりもいろいろお教えいただいたということになります。実際には成田空港なんかでは、eチェック、或いはパスポートについてもいろいろIT化しているということで、研究での成果、或いは研究での整理、過去4年間の整理以上に現実の空港ではIT化なりが進んでいるのかなと思っております。

(主査)

ありがとうございました。○○先生、お願いします。

(委員) 

 この研究の成果と内容をお伺いしていて一番重要な成果というのは、配分問題を解くためのネットワークモデルが完成したということと捉えてよろしいでしょうか。 というのは、その後、いろいろな将来予測をされているのですが、これは非常に簡単な仮定を置いて乗客の伸びを、言ってしまえば、過去のトレンドをそのまま延ばしてみるという、そういう計算ですね。ですから、将来予測に関しては、あまり考えていないという印象を私は持ちます。これは、基本的にはもし本当に需要予測をするのだったら、何らかの経済モデルと結び付けて、各地域での経済の状況を踏まえて需要がどう変わっていくかという問題を解くべきなのですが、そこはこの研究の目的ではない。配分問題を解くためのネットワークモデルを完成させて、将来に対する需要変化の計算ができたときには、然るべき配分が計算できるようにツールを整えましたというふうに捉えてよろしいでしょうか。

(国総研)

ここは東アジアに重点を置いて、アジアの航空ネットワークの需要パターンが将来どうなるかということの配分モデルをつくったということであります。これは決して完成形だとは思っておりませんで、参考資料でお示ししている厚い資料のほうにはいろいろな計算結果も入っているわけですけれども、先ほど関空の供給量が50%増えた場合の一例を示しましたけれども、10%、20%増やした場合等々で感度が悪かったりなかなか納得できないような結果も出ておりますので、まだこれは完成途上かなとは思っております。ただ、一定の政策変数に対して、一定の需要変動の動向は把握できるようなツールは、我が部として初めて持てたかなと思っております。

主査)

その他の先生方は。○○先生、お願いします。

(委員)

研究成果の公表ですが、もう少しあってもいいのではないかなという気はしますけれども、研究成果と同時にデータの公表といいますか、それはお考えをお持ちかどうか。この分野もなかなか、特にエアラインのデータなどはほとんど入手できませんね。空港のデータも非常に難しい、特に財務という話になったら厳しい空港も出てくる。そういうデータベースというか、もう少し研究者の層を厚くするために何とかしていただく方向はないものですか。

(国総研)

研究成果の公表はしていくわけですが、元データの公表というと、今、委員がおっしゃったとおり、いろいろ制約がかかるものがありますが、私どもとしては、なるべく出せるものは公表して、ホームページとかで掲示していきたいと考えておりますし、先ほど申し上げたとおり、国のほうで次期社会資本整備計画の議論が始まりますので、そこで審議会等でまたいろいろデータが出てくると思います。その動向も見ながら、私どもとしても協力してまいりたいと考えております。

(主査)

では、○○先生、お願いします。

(委員)

10枚目のスライドで、少し細かい話ですけれども、ここでのシナリオ、中国の旅客が増えて、関西空港のサービスが高まれば、一番下の「・」ですけれども、中国発着欧米旅客が日本経由ということになっています。コンテナ航路なんかだと、中国発着の荷物が増えると、釜山を経由しないで直接行くのではないですか、みたいなことがありますね。どうしてこういう結論が出るのかなということを思っていたら、やはり、競争があまり入っていないのですね。先ほどのもので関空だけが良くなってということなのですか、これ?

(国総研)

そうです。

(委員)

そうすると、この結論は少しきついかなと思います。だから、前提と結論を示すべきでしょう。誤解がないように、こういう条件でやったからこの結果が得られた。そこら辺ははっきりしないと結論だけがひとり歩きするとまずいかもしれませんね。

(国総研)

成果の一例を示すという意味でお示ししているわけでありまして、これだけを示しレポートにすると当然誤解を招く、相当前提条件を置いた説明をしないと誤解を招く内容かと考えています。

 ご指摘のとおり、ネットワークを構成する各空港のこれからの供給量だとか、或いは航空量の制約だとか、政策とかいろいろなものが動きますし、それを入れたいろいろなシミュレーションをする必要があると思っております。先ほど申し上げたように一定レベルのツールができたと考えておりますので、いろいろな計算をして、またフォローして発表していきたいと考えております。

(主査)

少し教えていただきたいのですが、これまでも成田空港や関西空港の整備などのときに、当然、国際的な旅客輸送の見積もり等から予想だとか、或いは中国やほかの国の空港との配分をどうするかを考えられた上で計画もされたと思うのですが、従来は今示されたようなネットワークモデルというものじゃなくて、別の方法で推定をされてきたということなのでしょうか。

 私が今聞きたかったのは、このネットワークモデルが従来からの研究の流れの中で、どれぐらいのポジションにあるのかというのが良くわからなかったものですから。

(国総研)

基本的には、国内線であればGDPとの相関というのが一番効きますから、それで過去のトレンドをベースに伸ばすというのが一番大きいと思います。国際旅客についても、概ねそうだと思います。ただ、全体のコントロールトータルとして、ICAOとか、IATAとか、国際機関のデータとか地域別にも出ていますので、それをある程度コントロールトータルにしながら推計しているということだろうと思います。

(主査)

この他にありませんでしょうか。

 それでは、他にまだご意見、ご質問はあるかもしれませんけれども、この課題につきまして、先ほどと同じように事後評価シートに記入をお願いします。2つの評価項目について評価指標に○をつけていただき、ご発言のなかった点についてコメント、あるいは特筆すべき点について、さらに記入していただければと思います。

(委員)

結構金額が少ないのに、頑張っていますね。

(主査)

そうですよね。ちょっと桁が一つ違うかなと最初思いましたけれども。今のような評価は、ぜひ評価する前に言っていただいたほうが……(笑)。

 それでは、まず「目標の達成度」、下のほうからいきます。皆さん、「概ね目標達成できた」と、今の議論であったとおりだと思います。それから、「研究の実施方法、体制の妥当性」ということで、これも「概ね適切であった」というところが6名の方が○をしています。「適切であった」というところにも2名の方が書かれていて、研究費に比べて、効率的に適切な研究を進めていただいた。先ほど意見もございましたが、地域内でのいろいろな競争とか、国際的なシェアの問題など重要な課題がたくさんあるので、そういう方向を考えて、今後ぜひまた展開していただければというふうに思っております。あとのコメントについては、事務局のほうでまとめてくださったものと併せて付けさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。

 それでは、ここでちょうど事後評価の部分が終わりましたので、10分休憩をさせていただきます。この計画では1510分から20分ということですので、今、10分ほど早めに進行しておりますので、1510分に再開をしたいと思います。

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<事前評価@:地方振興を目指した空港利用の地域間連携及び空港ターミナルの交通連結機能の高度化に関する研究>

(主査) 

それでは、再開をさせていただきたいと思います。

 次は、(3)の「平成19年度開始予定研究課題の事前評価」のほうに入ります。

 これも2題ございまして、最初に、「地方振興を目指した空港利用の地域間連携及び空港ターミナルの交通連連結能の高度化に関する研究」についてご報告をお願いいたします。

(国総研)

では、ご説明させていただきます。

 「地方振興を目指した空港利用の地域間連携及び空港ターミナルの交通連結機能の高度化に関する研究」ということで、事項立ての要求です。

 まず、背景です。地方空港については、配置的側面からの整備は概成したと言われております。しかし、それを高質化したり、高度利用したりすることが今喫緊の課題になっています。即ち、新設の時代から今あるストックを改良・利活用する時代になってきたと言えます。そういたしますと、それぞれの地方空港の改良・利活用に当たって、利用のニーズであるとか、地域の特性に応じたメリハリのある計画なり整備のあり方が求められてくるのではないかと考えられます。

 更に具体的に、問題意識についてご説明するため、私どものほうで空港を出ていく観光客

属性や行動について調べたものを若干、ご紹介いたします。

 例えば観光客について見ますと、鹿児島空港の場合、個人旅行でレンタカーを利用する客が多い。それに比べて仙台の場合、パッケージの旅行客が多くて、しかも2次交通の手段としては貸切バスが多い。このように空港によってそこを利用する者の属性とそれに応じた行動特性が異なるように思われます。それからINOUT について見ますと、例えば鹿児島ですと、殆どの人が鹿児島空港から出て鹿児島空港で戻っていくというようにINOUTが同じです。仙台ですと、逆に仙台空港を出て東北内を周遊して、東北諸空港から戻っていくというような動きが見られます。

  このように、全国における広範囲な旅客の動きを把握して、広域な地域間連携を図っていく必要があるのではないかと考えております。最近、若干小松とか能登とか一緒に、利用促進を進めようとする動きが出てきておりますが、そういった地域間連携をもっと図っていく必要があるのではないか。それも全国一律に進めるのではなく、メリハリを全国の中で見つけていこうということを考えております。

  また、パラダイムが新設から利活用へと変化していくと、空港の設備・改良の方法も変わる筈なので、そういった考え方についても明らかにしたい。それから国が補助等で支援するわけですから、どういうところに効率的に支援していけば良いのかといった、支援の根拠を明らかにしたい。さらに、自治体同士、どことどこを連携させると、より効率的なのかというような地域間連携方策、こういったものを打ち出せないかと考えたということです。

研究の成果目標(アウトプット)としては、ネットワークについての提言、ターミナル自体の高度化、それから計画の考え方を出していくということでございます。

 研究の内容です。まず、現在、どのような有効利活用をやっていて、どのような課題があるかということを把握する。それから各地域間のネットワークについても、国内外の成功事例、失敗事例をきちんと収集して、その原因を分析したい。

 それから全国規模で、空港を出て、地域に入ってくる人たちに対してヒアリングやアンケートを行い、ニーズや課題を把握し、それから彼らがどこに向かうのかといった行動特性について分析をしたい。

 それから、以上をもとに、空港のタイプ分けをし、タイプ別に施策の提言を行いたい。その前に、県を超えたような地域間連携の効果が見込めるような場所を選んで関係諸団体に集まっていただいて、社会実験をしてみたいということでございます。

 研究実施体制としては、関係自治体、大学の有識者の方々と連携をとりながら進めてまいりたいということでございます。

 研究の全体像としては以上です。

(主査)

ありがとうございました。それでは、書面でいただいた意見の紹介をお願いいたします。

(国総研)

研究方法を明確にとの指摘がございましたので、パワ−ポイントのほうに書かせていただいたのと、資料8の3枚目の年度計画というところに細かく内容を書かせていただきました。

 それからもう一つ、過去の類似研究とどう違うのかというご指摘がございました。これについては、何年か前にゲートウェイの整備手法という調査をしたことがあるのですが、これは基本的に空港の修景と景観の向上の話ということでございました。それから、今年度で終了しますが、観光のプロジェクト研究が1本あります。また、それと同じときに事項立てで観光の調査を要求したことがあります。これは、どちらとも、対象は、観光客メインで、目的としては、地域の観光振興一般論をテーマとしてやっておりましたが、今回の対象は、観光のみならず、ビジネス等も含めた旅客全体であり、目的としては空港の、或いは航空ネットワークを含めた徹底的な有効利活用というのを目的にしているというところが過去の研究との相違です。

 以上でございます。

(主査) 

配付していただいたパワーポイントの資料の6ページ目を見ると、「研究の成果目標(アウトプット)」に関するパワーポイントが3枚あるのですが、それは今のご説明では飛ばされたところでしょうかね。少しどういう目標なのかを説明していただいたほうが皆さんのご意見も出やすいと思うので、説明していただけますでしょうか。

(国総研)

 すみません、失礼いたしました。

 一つ目は、ネットワークの話です。航空路のネットワークと陸域のネットワークというのを考えておりまして、例えば、可能性として、広域連携の観点から新規路線が開拓できないだろうか。それから乗り継ぎ利便性の促進・向上。或いは、地方空港間をダイレクトに結ぶような交流可能性が何とかならないのだろうか。また、エア&レールをより利活用・向上させたい。さらに、イン・アウトが異なる場合の広域における地域支援の連携方策といったようなことができないか。

 それから二つ目は、空港ターミナルの高度化ということです。これは乗り継ぎ利便性の向上であるとか、2次交通の円滑化、情報提供機能の拡充、ターミナル施設の多機能化、複合機能化といったようなことを考えております。

 それから最後は、空港の利活用方策の設定手法ということです。どういうデータを取得分析していったら良いのか、それをもとにどのように利活用方針を定めていったら良いか、それからそういったものをどう評価していったら良いかといったようなことが含まれるのかなと考えております。

 以上でございます。

〈課題説明終了〉

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(主査) 

どうもありがとうございました。それでは、ご質問、ご意見いただければと思いますけれども、いかがでしょうか。

(委員)

今、ご説明いただいたアウトプットを出すために、社会実験という方法がなぜ有効なのかということをこれから考えていただければなと思うのです。本省がやっている社会実験というのは、「実験」という言葉はついているのですけれども、どちらかと言えば、データをとるというよりも、合意形成できるか、できないか、を試しているように見えます。実験という名前でみんなを盛り上げて、ちょっと踏み出して試してみて問題がないかどうか調整するという合意形成が主体で、本格実施に繋げられればいい実験ということだと思うのです。ただ、社会実験という言葉を素直に捉えればもっと客観的なデータをとることに力点があってもいいと思います。別に本格実施するしないにかかわらず、いいデータがとれれば、それは成功実験だというふうな見方で行っている社会実験もあると思うのです。国総研がやる社会実験というのはどちらなのかと思うわけです。合意形成が主なのか、それともいいデータ、どういう需要のデータをとれるかとか、行動のデータをとれるかというようなところをやるのか、何か今日の説明ですと、どちらかというと、合意形成の社会実験に見えたのだけれども、この1、2、3のアウトプットを見ると、そうじゃなくて、何かデータをとるというような雰囲気もあるので、社会実験を何のためにやるのかをもう一遍整理いただければと思います。

(国総研)

どうもありがとうございます。先生が言われたように、まず、基本的には旅客の動向がどう変化するか、それから旅客がどう評価しているかといったデータを把握する予定です。もう一面としては、合意形成ではないのですけれども、施策を実施するときの行政サイド側における課題の抽出も目論んではいます。例えば、2次交通の円滑化とか、情報提供機能の拡充といったメニューについて、実際に、やるときにどんな隘路や問題点があるかといったことを関係者に集まっていただいて、整理するというということも考えております。

(主査)

では、○○先生、お願いします。

(委員)

私もしばらく地方空港のユーザーで地域連携をやっていたのですが、不便だからそうしておるのです。地元の空港から飛びたいけれども、思った時間に来ないから仕方なく別のところに行って飛んでいるということが結構ある。それから、いい場合もありますし、悪い場合もあるのですね。こういう空港によっていろいろな行動特性が出てきているという、まず、「なぜか」というところにきちんと引き込んでいただきたいので、その上でベストな、本来だったらこういけるというのがひょっとしてあるかもわかりません。社会実験をやられるというのは、そういう規範的な目というのか、現状を追随するという点だけではなしに、そういう視点も入れていただきたいというふうに思います。よろしくお願いします。

(国総研)

はい、わかりました。

(主査) 

では、○○先生、お願いします。

(委員)

 非常に似たコメントになるかもしれませんが、最初の研究の背景で、九州と東北の図面が出てきましたけれども、九州はわりと事情が特殊で、真ん中に大きな山があって、鉄道の移動に非常に時間がかかるものですからわかるのですが、東北の場合は新幹線もあり、道路のネットワークも発達していて、競争する交通機関があるわけです。しかも空港が比較的近くにあって、ここに載っていない、例えば、福島空港とか大館能代とか、大きな飛行機が飛んでいるのですけれども、非常にサービス頻度が低くて、私も大分前ですが、一度大館能代に行ったら、朝飛んでいった飛行機が夕方までずっと飛行場にいるんですね。それで帰ってくる。その間、私、用事が終わって、二、三時間空いたのにどうしようもなかったという経験があります。

 結局、空港が使われる頻度が低い事情は、一つは、航空会社の運航のサービスとコストの関係から頻度低下を招いていると思うのですが、一方では、それが故に空港と周辺に何ら魅力が発達しないという問題があって、空港にいる気にならないのですね。だから早く行く気にもならない。とにかくぎりぎり飛び込めばいい。飛んで行って、降りたらすぐいなくなって空港は殆ど無人の状態になってしまう。こういうような空港をどうするかというほうがもっと問題のような気がしています。観光客が来るとか、ビジネスマンが多いというところは何となく成り立っていくのですよ。そちらのほうについてどうお考えかなという気がします。

(国総研)

基本的には空港の類型化をやりたいと思っています。先ほど先生が言われたように、非常に恵まれているところ、或いは理想的じゃない状況で致し方なくそうなっているところとか、そういったものを評価して、分類をしたいと思っています。例えば、市街地が近くてアクセスも優れていて、都市観光もできるところと、山の中にあるところでは、全然違うわけです。タイプに分けた上で、どんな対応策を考えられるのかというのを示したいと思っております。

(主査)

どうぞ。

(委員)

 今ご指摘になった空港の類型化というのはかなり難しいと思うのです。それで、例えばさっきのパワーポントのご説明は需要面から分類をしていらっしゃったけれども、今のお話の中で出てきたのは、例えば空港の立地という側面から分類ということだろうと思います。このように、いろんな軸があって、それぞれに分類は出てくると思うのですけれども、そこの辺をどういう整理し、分類にするのかというのは極めて重要だと思うのです。

 ここで類型化とおっしゃっているのはどういうことかということで質問しようかと思ったのですが、今お話を伺う中で、これからそれをお考えのようなので質問はやめますけれども、逆に言うと、今、1種、2種、3種というふうに空港を分けていて、ここでは恐らく3種を考えられると思うのですけれども、1種、2種、3種という分け方自体がもう陳腐化しているねというのは随分前から言われていますね。その分類ではなくて、もっと機能的だったり、或いは場合によったら政策的であったり、そういう形で空港の種別も変えるべきだという議論があるわけですから、そういう意味ではここでいう類型化というのは、うまくいくと制度的な面とか、あるいは補助スキームとか、そういうところに繋がっていくのかなというふうに思います。その辺を期待したいと思います。

(主査)

他にいかかでしょうか。

(委員)

この研究は、日本全国の網羅的な調査をして、量的なデータを取得して、それをもとに空港を分類し類型化し、類型別の処方箋を作っていきましょうということのようです。最終的に求められているものが、もし新しいアイディアで幾つかの個性的な空港について新しい施策を提案するということであるとすると、今考えておられる網羅的な調査というのは本当に必要かどうかというのは少し考えてみたほうがいいかなという気がいたしました。

 というのは、基本的には量的なデータを取得して類型化していくというのは研究の一つのパターンではあるのですが、もう一つは、幾つかの空港について質的にその特質を分析していくという方法もあると思うのです。ですから、最終的にターゲットとしておられるものに関して、どちらのほうがより有効な方略なのかということも少し検討される必要があるのかなと思います。

(国総研)

類型化については、機械的にできるようなものではなく、現実的には、いろいろな切り口を複数出していくのかなと思っております。例えば、これは規模とビジネス、観光目的の利用者比率の表なのですが、それぞれの利用者比率の大小によって、いろいろなタイプに分かれる訳ですが、それぞれに応じて、例えばピーク率の現れ方が異なってくる訳です。また、利用者構成でいうと、利用者の中身によっても要求していくものがそれぞれ違うとか、それから、立地の話とか、多分いろいろな切り口があるのだろうと思っております。そういったものをできるだけたくさん見つけて、こういう特性を持った空港にはこういう対策が有効ですといったことを提言する事を考えております。

(主査)

他にありますか。

(委員)

同じようなことを言うようですが、地域振興を目指したというところが少し気になっています。この研究の中で地域振興というのは、何を目指すのでしょうか。空港利用者が増加するということなのでしょうか。

(国総研)

基本的には旅客そのもの、或いは観光客のリピーターが増えるといったことがあると考えております。それからもう一つは、今回説明しませんでしたが、非旅客、つまり、地域の人がどう空港を使っていくかという、そういったことも視野の中には入っております。それが全部の空港に適用できなくても、特殊な立地とか、条件の場合にはそういうこともありえるかなと思っております。

(委員)

良くわかりました。社会実験のところで、利用実態とか利用者の評価という項目が入っています。地域側から見た評価というのがどうなのかが気になるのですが、この利用者の中には地域の利用者が含まれているのでしょうか。

(国総研)

はい。

(主査) 

 まだご意見もあるかもしれませんが、これは事前評価ということですので、評価シートを見ていただきますと、必要性、効率性、有効性の観点から皆様のご意見をいただいて、それでコメントを付して評価をするということになっております。今のご意見は、明示的ではないのですけれども、実施をするというようなことについてはご意義がないように感じました。ここに例を持っていまして、「実施すべき」というのと、「一部修正して実施すべき」、「再検討すべき」と3つカテゴリーがあるのですが、今の先生方のご意見を伺うと、「一部修正して実施すべき」というか、修正或いはもっと明確にすべき点があるというようなご意見も結構あったように思いますので、そのような評価にするのでどうかと思っているんですが、いかがでしょうか。

              (「結構です」の声あり)

(主査) 

 それで、どういう点を明確にすべきかということを少し言ってみます。この研究計画の中で、研究の対象がどういうところにあるのかが課題です。先ほどの類型化の議論でありますように、空港をどのように扱うのかというところを、研究のスタート時点で計画の中ではっきりさせるべきだと。

 もう一つ、研究の目的をもう少し明確にする必要があると思います。というのは、ここの研究の計画は、3つの点について提言すると書いてありますが、研究計画の中身を見てみますと、ご意見にありましたとおり、ニーズの把握であったり、課題の抽出であったり、それから解決策の提言であったりと、幾つかの要素がありますから、すべてが方策の提言ということには収斂できないわけです。ですから、具体的にどういうアウトプットを出していくのかということをもう少し明確にしていただいて、そのアウトプットを得るために社会実験の必要性、必然性についてもっと明確にすることが必要です。研究の目的と、その目的を達成するための研究方法を具体化していただくというようなことが少し必要かなと。ですから、これは一部修正といっても、具体化というような意味です。

 今、私が申し上げませんでした具体的な中身、例えば各種の空港の課題であるとか、需要側、立地側、地域の側から見た評価、そういう点については、先ほどの議事録を見ながら最後また書かせていただこうと思います。

 そういうことで、今言われた点以外、先生方が発言された点以外でコメントがございましたらどうぞお書きいただければと思います。

 では、それでよろしいでしょうか。
 どうもありがとうございました。

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<事前評価A:低頻度メガリスク型の沿岸域災害に対する多様な効用を持つ対策の評価に関する研究>

(主査)

 それでは、2番目の課題で「低頻度メガリスク型の沿岸域災害に対する多様な効用を持つ対策の評価に関する研究」、これは開始予定の研究課題ですけれども、研究内容の拡充ということですので、ご説明をお願いいたします。

(国総研)

沿岸海洋研究部沿岸防災研究室長の○○でございます。それでは説明させていただきます。

 本研究、「低頻度メガリスク型の沿岸域災害に対する多様な効用を持つ対策の評価に関する研究」は、昨年度の同時期に開かれました評価委員会分科会で評価をいただき、今年度から着手しているところでございます。事前に配付させていただきました資料には、この研究内容の拡充ということではなく、「統合高潮・高波対策施設マネジメントシステムの構築の関する研究」ということで評価をお願いしたいということで資料を送付させていただきました。

 その後、本省等の予算要求上の折衝の過程で、これは予算要求上統合していかざるを得ないだろうというようなことが出てまいりまして、今回、研究内容の拡充ということで評価をお願いしたところでございます。その辺の経緯につきましても、後ほどもう少し詳細に説明させていただきたいと存じます。

 ただ、統合に伴いまして、予算額も大幅に減少したということもございまして、それに合わせて一部内容を見直し、圧縮して合理的に実施するような形で整理しているところがございます。

 続きまして、まず、「低頻度メガリスク型沿岸域災害とは」ということでございますけれども、基本的には、ここにございますように、計画外力を上回る津波・高潮等による災害ということを考えてございます。一番下のところにインドネシア大津波の状況を出してございます。インドネシア大津波の経験でございますとか、

  それから、次、これは、昨年のハリケーン「カトリーナ」による浸水の原因を各地に分けて書いたものでございますが、詳細な説明はいたしませんけれども、これはまさに想定していた外力を超えるような現象が起こって、それによって甚大な被害を引き起こしたという、まさにこういった事例でございます。こういうものを参考にしつつ、研究の枠組みをまとめていきたいということを考えてございます。

  具体的に何が対策になるのということですが、これも昨年ご説明させていただいたところですけれども、各種、本来防災機能を持たないものの減災効果をどう評価して考えていくのかといったようなところ、それから土地利用の見直し、遊休地の有効活用を図るような際に、どういう機能を導入していくかという土地利用そのものにかかわるものというようなことを考えてございます。

 それと、今回合わせて、そういう施策を下支えするものとして、施設のマネジメントと、地域の脆弱性評価、リスク評価を一体として行え得るような統合的なマネジメントシステムを導入していくというような対策を追加していこうということで研究の枠組みを考えてございます。

 研究の背景でございますけれども、低頻度メガリスク型沿岸域災害対策の必要性が非常に大きく叫ばれるようになってきた。これも昨年いろいろご議論いただいたところでございますけれども、「後悔しない政策」、要は災害発生したときに備えを行っていなかったということで後悔しない。また、無駄な投資ではないということで後悔しないというような意味でのNo-Regret-Policyの提案に結びつけていきたいということでございます。

 研究の背景、これは追加分についてでございますけれども、ハリケーン「カトリーナ」の甚大な被害を受けまして、我が国でもゼロメートル地帯の高潮・高波対策施設の緊急点検、応急対策計画策定、それに対応する事業費要求というような動きが出てまいりました。こういうところで得られたデータというのは、本省、地方整備局で緊急的に動き出そうとしているところでございますけれども、こういうものとタイアップして、本研究では本省なり地方整備局で得られた成果を活用しながら、メガリスク型の沿岸域災害対策に結び付けていくということを考えてございます。それと合わせて海岸保全施設の維持管理、これはLCM手法ということで提案がなされて、それについて検討が行われておりますけれども、それをいろいろな関係者が統一的に活用していく枠組みが作られていない。そういう状況がありますので、実際に緊急点検で行われたデータを全体のマネジメントシステムとして作り上げていくというような必要性が非常に高くなってきているところでございます。

 そこで本研究のねらいと位置付けですけれども、実際には非常に厳しい財政状況下でいかに効率的に研究を実施していくかという観点、それから新しい行政展開、先ほど申しましたような本省における緊急点検ですとか、LCMを活用した施設管理をどうしていくかといったような観点と、それから本研究で想定しておりました想定を超過する現象を扱うというようなことで、一体的な研究の実施を考えていきたいということでございます。

 研究の概要でございますけれども、赤字部分が新規追加部分です。高潮・高波対策施設のマネジメント及び減災効果を有する他インフラ等と共同で利用できる沿岸域のリスクマネジメントを統合したシステムの構築を図るというのが追加部分でございます。

 具体的には、施設の老朽化ですとか劣化、構造耐力等の評価等、他インフラとも共用で

きるようなリスクマネジメントの枠組みを提案していくというような内容でございます。

 こちらのほうは、施策のイメージです。本来の本研究で実施すると言っていた内容に、それを下支えするような形で対策施設のマネジメントシステムが位置付けられるのではないかということで考えてございます。

 研究成果の活用方針につきましては、省略させていただきます。

 連携のあり方としましては、緊急点検の成果なりを国土交通省、地方整備局、地方自治体等と共有しながら研究を進めていく。それから大学・学会等には現象のハザードの評価でございますとか、評価手法についての連携を図っていきたいと考えてございます。また、独法港空研とはLCM手法等の連携を図っていくというようなことで考えてございます。

 あといろいろ書いてございますけれども、以上で説明を終わらせていただきます。

〈課題説明終了〉

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(主査) 

○○先生からのご意見を。

(国総研)

○○先生から2点、事前のご意見をいただいております。1点は、港湾のみを対象とするのかということでございます。それから2点目といたしまして、“統合”の意味が不明ということでございます。

 まず、1点目なのですが、本研究の成果につきましては、港湾に限定されずに、全国の海岸保全施設に活用されることを目指すものと考えてございます。ただ、研究に当たりましては、既存のデータの整備状況などを踏まえまして、モデル的に港湾及びその背後を対象として検討を進めてまいりたい。具体的には、東京湾あたりを想定して、これからいろんな自治体なりとの折衝を先行的に始めていきたいと考えてございます。

 “統合”ということがどういうことかということなのですけれども、先ほど簡単に触れさせていただきましたけれども、海岸保全施設、高潮・高波対策施設のLCMの手法というのは大分体系化されたものが整備されてございます。一方でそういったものを活用して、全国でといいますか、ゼロメートル地帯を中心として一斉点検を行う。そういうデータが出てきているわけで、それはデータベース化の方策を考えていくことになりますけれども、そういう施設自体のマネジメントをどうしていくかというシステムと、それから背後を含めたリスク管理をどう考えていくかというシステムを一体化しようじゃないかということで統合”という名称をここで使わせていただいております。

(主査)

どうもありがとうございました。ご意見をいただく前に、一つだけ全体にかかわることで、1ページ目に、平成18年度から21年度の研究費総額が約5,700万円と書いてありますが、これは追加分の金額、全体ということですか。

(国総研)

全体です。

(主査) 

 大変ですね。わかりました。

  それでは、事前評価ですので、実施すべきかどうか、もし修正すべき点があればどこか、そういうことを含めて先生方からご質問、ご意見、評価をいただければと思いますが、いかがでしょうか。

 こういうようなものは、最近台風も厳しくなってきているし、非常に重要だと私は思っているのですが、6枚目の「研究の背景」のところに、関連する行政の動向ということで、緊急点検という話が出てきましたね。緊急点検という話のときに、特に我が国の沿岸防災施設というのはできて40年ぐらい経っているようなものもあって、老朽化がかなり懸念されていると思うのですけれども、老朽化対策というようなものとの兼ね合いは、どういうことになるのでしょうか。

(国総研)

老朽化対策ということにつきましては、研究の中では、やはり対象災害としてはメガリスクということを考えてまいりますので、耐力評価をどうしていくかというのが非常に大きなポイントになると考えております。実際に対策をどう講じていくかというのは、これは本省のほうで応急計画を早急に策定して、早いものは来年度から事業要求できるものはしていこうじゃないかという動きになってございます。そういうものを私どもとしては、さっき言いましたような研究としての耐力評価をどう考えていくかという、むしろ構造的な問題で、こういうような港空研ともタイアップしながらやっていくテーマになると思いますけれども、そういう部分と、それから本省に対して、今の時点で本省がとりまとめた結果なりデータなりをどう公表して、どういう整理をしていくか。そういう観点でのタイアップといいますか、助言なり共同体制というのを今年度から組んでいく必要があるのだろうというふうに思っております。

(主査)

そこのところを少しお伺いしたいのです。というのは、もう三、四年前から施設の点検要項などができていて、目視などで堤防にひびが入っていないかどうかの点検とかそういうのをやっておられて、台帳を港湾ごとにとか、海岸施設ごとに作っていく事業が進行中とだと思います。片一方で現実にそういう話が進行中なわけですから、現実に集められているデータを活用して実際にどういうところに弱点があるのかというのをきちんと把握していく、そういうことを重ね合わせてやったほうが効率的なのではないでしょうか。この緊急点検というのはよくわからなかったのですが、そういうデータも取り込んでやっていくということであれば非常に結構なのではないかなと思います。そういうような計画はあるのですか。

(国総研)

ぶっちゃけた話を言いますと、この研究の中だけですと、実際モデル的にどこかのデータを集めるというので精一杯なのだろうと思います。ただ、本省のほうである一定のルールに従って、かなりのデータの集積を地方整備局海岸管理者の協力を得ながら集めますので、そういうものを可能な限り活用させていただきながら、即座にフィードバックできるものはフィードバックしていくのかなというふうに思っております。

(主査)

では、○○先生から。

(委員) 

私、専門外なのですけれども、少ない知識で少し思いついたことを申し上げますが、リスクの頻度に応じて対策の仕方、規模であるとか、コストのかけ方が当然違ってくるというのはやむを得ない面があると思うのです。例えば、河川の場合は確率洪水という考え方を入れて、30年に一回か50年に一回とかということならば、ここまで対応しましょうというランク分けをしますよね。メガリスクとなると、想定を超えると言いながら想定しなければいけないわけで、どのぐらいの頻度の想定をされた上で、幾つかのレベルなり、期間、発生頻度を想定された対策評価をするか。その辺が、要するに3世紀に一回とか言われても、現在の政府では想定外になってしまうとかいろいろな政策、行政的な判断も入ると思うのですが、その点はいかがでしょうか。

(国総研)

そこのシナリオの書き方といいますか、現実の話として、先ほど○○主査のお話にもございましたけれども、実際に計画された時点から30年、40年経っている施設というのも、都市部中心として非常に多い状況になる。そういう中で実際に起こる現象を今の時点で評価し直してみると、確率年を大きく動かさなくても、そこを超過する可能性というのは現実の話としてございます。行政的にどう取り扱っていくかというのは非常に難しいところですけれども、そういう現象が想定されるということ。

 それからもう一つ、高潮を対象とするのか、津波を対象とするのかというところが出てくるのですけれども、津波を対象とした場合、実は中央防災会議の想定そのものがメガリスクになってしまっているような地域というのは多々ございます。そういった地域について、ハード対策というのも物理的にとてもじゃないですけれども間に合わないような状況なので、各種施設が実際にどういう効用を持ち得るのだろうか、減災性能を持ち得るのだろうかというようなところを何らかの形で提案していければ役に立つのだろうと思います。

 少しまた話を戻しますけれども、高潮につきましては、現状でもう一度評価し直してみるということと、それから、これは非常に乱暴な仮定になりますけれども、もう一度モデル台風のルートなり考え方なりをどう見直すかという議論もいろいろな方々と少し、これは本当にメガリスクの中でもエキストラケース的な取扱いになるのではないかと思うのですけれども、考えていかなくてはいけないかなと思っております。

(委員)

 ちょうど2週間前の7月17日にインドネシアのジャワ島でまた津波がありました。そこからも日本の防災に関する教訓が、それもそんなに大きな津波ではなくて、中規模の3メーターか5メーターぐらいの津波に対してどういう被害が起こるかというのがわかったわけです。これは今、各地方、例えば神奈川県でありますとか、地方公共団体で今まさに防災対策をどう作るかという問題に取り組んでいる時です。この研究の結果出てくる、特に統合的なマネジメントシステムというのが地域での防災対策を作っていくうえで非常に重要になると思います。

 去年この話を伺ったときに、非常に良い研究テーマが出てきたなと思ったのですけれども、さっき伺うと減額になったという話なのですが、これは残念な事で、今こそこの研究をして、地域計画の中に防災を取り込もうとしているときにどうすれば良いのかを国が主導するべき時期だと思います。だから、減額になったのは非常に残念だと私は思います。

 それはそれとして、マネジメントシステムの中に先ほど津波と高潮というお話があったのですが、これは地域によって主に高潮がリスクのところと、主に津波がリスクのところとあるのですけれども、両方リスクになるところというのはあるのですか。

(国総研)

両方という可能性は現実の問題としては低いと思います。

(委員)

同時に来るという意味ではなくて、その地域が抱えているリスクとして、どちらの災害を想定するかというときに、両方を想定する地域はあるのですね。

(国総研)

もう一度見直してみる必要はございますけれども、それは非常に限られると思います。

(委員)

もちろん限られた地域ですけれど。

(国総研)

可能性としてはあり得ますけれども、全国を対象とするというよりも、まず基本的には都市域を考えていきたいと考えますので、津波の可能性よりも高潮のほうが高いだろうと思います。

(委員)

地域の防災計画を作っていくときに、順番に津波のリスク、高潮のリスクというのを考えていきますけれども、結局、防災計画は一つになります。一方だけを考えていて、もう一つのリスクは一切ありませんという考え方ができるところと、そうではないところがあり、後者については、統合的マネジメントシステムの中に高潮と津波の両方の可能性が入るように配慮しないほうがいいというふうに私は思っております。

(国総研)

ありがとうございます。

(主査) 

では、○○委員。

(委員)

今年度新たに追加されたところというのが施設マネジメント、それからリスクマネジメント、これは2つキーワードですね。それからさらにそれを統合したマネジメントという話になってくると、大きなもともとのタイトルが「対策の評価に関する研究」、それと比べると後の今年のほうがもっと包括的で大きな内容に、これができたら前は要らないのではないかと。それぐらい大きな内容の話が全部入ってくるのですね。聞いていて、もう一つポイントというか、追加として全部を目指されるわけでもないでしょうし、ここで言われている施設マネジメント、それからリスクマネジメントといってもものすごくたくさんあるので、ここで考えられている、やられようとしているリスクマネジメントはどこなのかというポイントというか、それを少し教えていただけたらありがたいです。

(国総研)

 リスクマネジメントと言いましても、基本的にはそこの土地利用形態だとか、インフラの配置状況に応じた脆弱性の評価をやっていくところが一番のベースだろうと思います。そのための方法というのをこの研究の中ではやっていきたいというのが手法論としては一番大きなところかと思っております。

 その上で海岸保全施設そのものについてのデータベースというのは、この枠組みの中である程度整備できてまいりますので、その脆弱性評価と具体的には土地利用だとか、インフラだとかに応じた脆弱性の評価と、そこでの浸水リスクとを一体として結び付けていくことができるかというところが、かなり限定的な意味にはなりますけれども、ここでいうリスクマネジメントだというふうに考えております。

(主査)

じゃ、最後にお願いします。

(委員) 

11枚目のスライドを見ますと、新しく右のほうから来たもの、これまで頻度の低いものは、ある意味対応が難しいから減災でやると、或いは土地利用のほうで何とか対応するということで、何か方針があったのを、いやいや待てよと、それはあまりにも単純過ぎると、もう少し広い枠組みで考え直そうと思ったということでしょうか。減災と言っていたのも、そんなに単純に言っていいのかということで考え直そうというような雰囲気で出てきたと解釈しました。前のページの10ページだと、減災ということの枠組みの中で統合を考えることになっています。減災の中に統合が入っているようにも見えるますね。この統合と減災というものの関係が、どっちがどっちを含めた広い枠組みになっているのかが少し見えにくいですね。

(国総研)

 ご指摘のとおり、少し資料は舌足らずのところがあると思っております。現実の話としては、ここで提案していきたいと考えているような統合的なマネジメントシステムというのは、2つの用途が現実にあるのではないかと思います。それは現状のメガリスクなりを考えない状態でも施設そのものが健全なのかどうなのか。海岸保全施設が健全なのかどうなのか。どこからどういう補修を図っていく必要があるのだろうか。そういう行政ニーズに応じるような施設自体のマネジメントを行うためのシステムという側面を一つ持っていると思います。

 それともう一つは、こういうメガリスク対策という中で、実際には保全施設の機能が役には立ちますけれども、保全施設だけでは防ぎ切れないような災害を及ぼす可能性があるもの。そういうものの地域に及ぼす被害がどうかというような評価を行う際にもこのシステムが使えるのではないか。そういう両方の性格を持っていると考えているところがございまして、ある意味こっちの図面はこういういろいろな検討なり施策なりを導入し考えていく上でのベースとなる性格、ベースとなる情報基盤みたいなものですよということで、役割も持ちえますよということで外付けになっていますけれども、実際に研究の中でやっていく部分というのは、むしろ、こちらに近いのかなと思います。ただ、でき上がったシステムの使い方次第で両用あり得るのではという欲張ったところがあるかと思いますけれども。

(主査)

 どうもありがとうございました。少し時間も過ぎていますので、そろそろまとめに入りたいと思います。先生方のご意見を伺っていると、この問題は非常に重要だし、一昨年インド洋の津波、昨年のハリケーン「カトリーナ」の事例などからして非常に重要な課題であると。柴山先生の言葉をかりれば、金額が減ったのは残念である課題ということなので、実施すべきということだと思いますが、ただ、今ご指摘ありましたように、そういうメガリスクに対して減災ということでいくのか、それとも、施設マネジメント、リスクマネジメントというようなものと組み合わせてもっと大きな構造物で守る部分もあれば、土地利用などで危険を事前に回避してやっていく、それから被害が起きたときに、それにどう復旧していくか、そういう全体の枠組みの中でやっていくものなのか、その辺の整理をもう少ししてくださいというようなご意見がございました。

 研究を始める前に、研究の対象と目的、それから研究の方法というのをきちんと構想しておくというのは非常に重要ということですので、そういう意味でのコメントがあったという評価をさせていただくのでどうでしょうか。

(委員)

少し良くわからなかったのですけれども、メガリスクと言ったときに、東南海地震の津波は当然入るのですけれども、例えば、南関東地震とか、神縄・国府津−松田断層が動いたときの津波とかというのは入らないのですか、入るのですか。

(主査)

そこは、まだどういう評価がされるかによりますけれども、入ってくる可能性が高いのではないでしょうか。

(委員)

わかりました。

(国総研)

まだ具体の個別ハザードの評価がされていない段階ですので、実際、誰に対して、どういうかというのは何とも言えませんけれども。

(主査)

 先ほど研究対象を明確にするという話の中には、何を、どういう災害を想定するかということも入ってくると思いますので、研究を始める前に、ある程度こういうものを対象にするということも想定をしていただければと思います。

 それではどうもありがとうございました。

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〈その他〉

(主査) 

それでは、(4)その他ということで国総研のほうからご報告がございますので、この(4)に関するご報告をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

(国総研)

 それでは、研究方針の説明のときにも少し触れさせていただきましたけれども、これは7月4日の評価委員会のほうでやられたマネジメントのあり方に関します資料の枢要部分の抜粋でございます。

 国総研の研究活動、マネジメント、とにかくどうやれば、いかに効果的また効率的な研究活動がやっていけるのか。このためには、国総研としての研究の中でどういう考え方をやらないといけないのか、どういうマネジメントをやらないといけないのかということで、現在まだ所内で議論されている最中ではございますが、一応その議論の中で、これだけはある程度避けて通れない、ある程度固まったものにつきまして、今回、委員会のほうで議論いただきまして、研究方針のほうに取り入れさせていただいたものでございます。

 国総研の特徴につきましては、独法ではございませんで、国の研究機関という形でございまして、行政機構の一部、それからまた研究機関という性格を持っているわけでございます。その中で研究活動のマネジメント、これを考えるときに「コア」、とにかく何を忘れてはいけないのか。また研究を進めるに当たりまして、先ほどから議論されておりますような、どういう全体の枠組の中で研究をやっていくか、これが「大枠」、それから効果把握のための「チェック」、この3点を考えていかなければならないと考えております。

 まず、コアの設定でございますけれども、これは国総研としてやらないといけない。また国総研しかできないようなもの、要するに、例えばデータベース、これをきちんと常に保持していくとか、また知識としてのデータベース、こういうのを確実に守っていく。これは国総研しかできないでしょうし、また国総研が常にやらなければならないもの、こういう原点を絶対に忘れてはいけない、こういうコアを考えていこうという形でございます。

 これにつきましても現在、議論している最中でございますけれども、一応各部、こういう形が一つのコアの考え方になるのではないかということでございます。まだ範囲が非常に広すぎるところもございます。議論している最中でございますけれども、国総研としてのコアもございますし、また各部として、例えばブレークダウンしまして、各研究室としてこれだけは忘れてはいけない、これだけはうちでやらざるを得ないというコア、それをしっかり掴んで、自分の役割を果たしていかないといけないのではないかというところでございます。

 また、大枠の設定でございます。これは今日の分科会のほうでも本当に全体のイメージをきちんとしっかり掴んでやっているのかどうかとか、また、最後に主査のほうからありましたように、研究を始める前に全体の枠組み、全体の到達すべきイメージ、これをしっかり掴んで、それから研究の考え方をやらないといけないのではないか。

 それから先ほど所長からございましたように、あるべき姿のことを考えまして、そこに到達すべき考え方の枠を示していかないと、まずそれがないと研究の方針が立てられないのではないかということで、研究の全体を始める前の考え方、しっかりしたイメージを掴まえないといけない。こういうことが所内のほうで議論しておりまして、大枠の考え方自身もまだ議論の最中でございますけれども、課題が包括的に提示されているかどうか。その中で優先的にどれをまずピックアップするか。それから政策目標を実現に繋げるための工程。短期的なものになりますとロードマップのような形になろうかと思いますけれども、少し長期の考え方もあろうかと。それからあと、他の機関との連携等あろうかと思います。

 これ以外にも先ほどからご意見をいただきましたように、世の中がどう変わっていく、将来はどうなるべきだと、そういうところも、この大枠の中にひょっとしたら入ってくるのかなということで、今後の大枠の考え方の議論の検討の中で今日のご意見等も参考にさせていただきながら、さらに議論を詰めていきたいと思います。

 一応、今までの議論で詰まったものだけを研究方針のほうに盛り込んだという状態になっておりまして、この4点はこの大枠の中に入るであろう。そういうことを考えて、初めて自ら取り組むような研究課題、それからあと自らやっていくのではなくて、コーディネーター役だけに徹するようなもの、こういうことの仕分けに繋がっていくのではないかということで議論している最中でございます。

 この大枠というのが、まだイメージが非常に曖昧としておりますけれども、この大枠の考え方に近いというもので、交通安全のほうのマップ作成の試み、これが近いのかなという形でございます。これでもまだ全体を表していないのではないかという形でございますけれども、この中でも背景とか課題、特徴、それからどういう連携の体制になっているかが分かると思います。

 例えば、これは少し短期的なロードマップではございますけれども、工程計画がどうなっているか。大枠という概念はこれ以上にもっと長期的なもの、これを取り巻く外との関係まで含める形かとは思いますけれども、これが大枠の考え方をある程度ピックアップした例かなということで考えております。後ほど港湾空港分野におきますコア、大枠、チェックの考え方につきましての例もご紹介させていただきます。すべてまだ現在議論している最中という形でございますけれども、こういう議論を深めながら、研究活動のマネジメントをより進化させていこうと考えているわけでございます。

 3番目のチェックでございます。一応、このPlanDoCheck Actionという形でやっていく中で、計画段階からチェックのことまで考えてこういうことを回していかないといけない。その中に現場からの声、また社会の環境の変化、いろいろ取り巻く計画の変化、こういうことを考えながら、このサイクルを回していこうという形でございます。

  その中で研究活動のマネジメントにおけるチェックでございますけれども、研究活動のマネジメント自体が国総研としてのコア、これをしっかり意識し、また研究の方針につきまして、全体の大枠、これがしっかりと意識されたものになっているか、研究を進めるに当たりましてプロセス、またサイクルというのがしっかり機能しているかどうか、これを常に考えながらやっていかないといけないということで議論しているところでございます。

  そのためのツールといたしまして、こういう研究者の意識がそれぞれどうなっているか。また研究がきちっとこういう「コア」、「大枠」を考えた形になっているか。また、それぞれPDCAのサイクルとか、チェックの設定、これがどう設定されているか。それで特にチェックのときにも必要でございますけれども、最終的なお客様の考え、これがコミュニケーションとして吸い上げられるような形できちっと捉えられているかどうか、このあたりを考えていかないといけないということで考えておるわけでございます。

  このチェックの1つの例でございますけれども、交通安全のほう、これにつきましても、このPDCAのサイクル、データの集積方法、それから評価手法、こういう形のチェックのある程度の考え方が一通り入った例という形でございます。

 こういうのを入れまして、今回の研究方針の改定につきまして、マネジメントに関する記述につきまして追加させていただいたのと、あと研究方針につきましても、常にマネジメントを行う中でより進化させたものへと更新していくということで宣言しているわけでございます。研究方針自体をマネジメントの一環と捉えまして、更新し続けていくという形で考えているわけでございます。

 あと課題の整理でございますけれども、これにつきましては、これまで7本柱という形でやっておったわけでございますけれども、この7本柱と言いながら、実際の1、2、3、4につきましては、これは今までも同じような形でございまして、5、6、7が少し横断的なものという形になっております。ですから、7本柱と言いながら、4本と3本で少しイメージがわかりにくい状態でございますので、今回いつもあります4つの柱、少し順番が変わっておりますけれども、4つの柱とそれを統合する横断的な手法ということで、4つの柱と統合的な手法という形で少しわかりやすいように整理させていただいたわけでございます。これまでの7本柱、17の課題を4つの柱、それから統合的な手法、それで13課題という形に一応再編したという形でございます。

 あと港湾のほうから、空港港湾のコア、大枠、チェックの考え方につきまして、説明させていただきます。

(国総研)

ただいまご説明ございましたとおり、まだ議論中のところもございますので、今、○○が申し上げた資料の中で港湾空港部門ということで考えているものについてご報告させていただきたいと思います。

 最初の部分、これは今ご説明した資料と同じですけれども、その中で私どもの研究の中では「物流政策の企画・立案のための物流予測、政策評価技術のマネジメント」というものがコアとして挙げられておりましたので、そこからまずスタートをさせていただきます。

 次に2ページ目、2枚目のところに「研究の大枠」というふうに書いてございますけれども、これも我々の解釈として研究の大枠ということで、まず、上のほうの3つ、これが「経済・インフラ整備の動向・政策に関する将来シナリオの検討」という部分が入りまして、それから「国際・国内物流に関するシミュレーションモデルの構築・改良」、それから物流政策に関する評価手法の構築・改良」という、この3つがプロジェクト研究、政策研究として位置付けられておりまして、将来のしっかりしたシナリオがあるから、それをインプットしてシミュレーションモデルを使おうと。今までともすれば、この2つの部分というのはかなり切り離されて、モデルはモデルでやっていると、シナリオはシナリオで考えるという部分が多かったので、この2つを連携された形でプロジェクト研究的に考えているのが上の部分、それからそれを支える基礎的な研究としてデータベースの構築、これは書き方としてはアジアを意識しておりますけれども、アジアの場合、統計ベースでも貨物量統計ベースでも、例えば、品目が合っていないとか、かなりそういう不整合が見られますので、そういうデータベースを構築するということと、その他に物流を取り巻く経済状況と政策動向、一般論ですけれども、そういったものを基礎的な部分として捉えて、その上にこの3つが成り立つんだと。

 それでなおかつ忘れてはいけないのが、この連携の部分で、「関係機関」と書きました左側の部分、これは本省を含め、通常我々が連携しなければいけない部分なのですけれども、それと「学協会」と書いてございますけれども、ここで意識している研究では土木学会の小委員会(国際交通ネットワーク戦略研究小委員会)というのがございますけれども、これとの連携をかなり密にしているという特徴がございます。それから「国際機関等」ではAPECの専門家会合とか、北東アジア港湾局長会議とか、あと幾つかの国際機関、そういったものとの連携を強めていくということだったのですけれども、今のご説明だと、どうもこのデータベースの部分がかなりコアに近い、国の機関としてやらなければいけない部分だろうということなので、これは「大枠」というタイトルで掲げていますけれども、「大枠+コア」といったような解釈ができるのかもしれません。

◎(3)研究活動のチェック

 それから3番目のチェックですけれども、これも我々なりの解釈では、「研究の進捗・水準のチェック」ということ、それからもう一つが「施策等への反映チェック」ということで、左側は先生方がよくご存じのとおりの各種講演会における発表とか投稿論文とか、そういった引用した回数とかそういったことなのですけれども、右側の施策、これは今回のイメージでは国土形成計画とか、社会資本の整備重点計画、港湾の基本方針、それから具体的には港湾関係で出ておりますスーパー中枢港湾とか、ロジスティックハブとか、あとそれに加えて単年度ごとの行政支援としての港湾行政マネジメント、政策チェックアップ。これをどうやってチェックするのかということについて、我々が思いついた範囲では、政策の企画立案者との打合わせ回数とか、各種施策の検討資料に引用されたシミュレーション結果、分析結果といったようなものが考えられます。

◎参考「物流政策の企画・立案のための物流予測・政策評価に関する研究」の活動プロセス

 以上を1枚の図面でまとめたのがこういうことで、PlanDoSee ということで、それぞれ数年タームでやる赤い部分の研究と、継続的にずっと取り組む青い部分の研究、大きくその2つに分かれてございますけれども、このPDCAのサイクルで動いていって、なおかつ連携もしていく。これが港湾研究部、空港研究部のほうで今考えております研究活動のマネジメントのあり方ということでございます。

 以上ご紹介させていただきました。

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(主査)

どうもありがとうございました。あまり長い時間はないですが、今、聞いていただきまして、何かご意見、コメント等がありましたら、ご自由にご意見を言っていただいて、また今後の議論に生かしていただくということでご発言をお願いしたいと思います。いかがでしょうか。

(委員)

 幾つかコメントさせていただきます。先ほど「国の組織力を駆使して収集する情報」という話があったのですが、これはおっしゃるとおりなのですが、これで優位性を発揮しようと思わないでいただきたいというのが私のお願いです。要するに、集めた情報は研究者にどんどん公表していただいて共通の基盤として使っていただく方向で考えてください。

 国土技術総合研究所の優位性は、外から見ると常勤の研究者がグループとして存在して知的な基盤をきちんとして形成しているということだと思います。大学は教授、助教授以外は、学生たちが次々通り過ぎていく場所ですから、国総研とは違います。確固とした地域の知識としての基盤を持っているというところが優位性の発揮するところだと思います。

 それから先ほどからPlanDoCheck というお話をされているのですが、これは恐らく全体のせいぜい六、七割の研究がこうあるべきだと思います。基本的にはパラダイムがきちんと確立していて、通常科学として方法論が確立していて、誰がやってもある程度の成果が出る研究という意味では、こういうサイクルが回ってマネジメントでできるのだと思います。ただ、マネジメントにはマネージャーがいますが、高位のマネージャーが持つべき意識は、こういう研究のマネジメントが通用する六、七割はそうかもしれませんけれども、そうでない部分で新しい課題が出てきたときに、新しい方法論を研究者が次々と探していけるようなシステムをつくるということだと思います。

 国土技術の面でも新しく必要とされている技術というのは、今たくさんあるわけです。例えば、これまで専門家は専門家として検討していればよかったのが、一般市民と一緒に合意形成を図っていくというのは、これは新しい技術ですから、その場合には、これまでとは違った、例えば社会科学技術論などいろいろの分野の新しい方法論をくみ取っていかなければいけないわけです。そういうものに関して非常にフレキシブルな研究者が集まっているというところが強いところだと思います。新しい方法論を革新期にある分野において、間違いなく選びとっていくというのが非常に重要なマネジメントの方法だというふうに思いました。

(主査)

 ありがとうございました。そのほかに何かありますでしょうか。

 よろしいでしょうか。少し今の○○先生のお話で、私も一言だけ感想を言わせていただきたいんですが、プロジェクト研究とか、国総研の研究全体について戦略的なアプローチをしようということで、こういうように考えられてきたというのは、私、非常に結構なことだなと思います。それが一つですね。

 ですけれども、新規の研究力をどうやって育てていくかというのは非常に難しくて、研究マネジメントという本を読んでみると、マイクロマネジメントをやり過ぎると活力がなくなるとか、その逆のことも書いてあります。ですから、毎年毎年数量的に測れる結果だけで評価をしないで、少し長い時間をかけて見ていくことも必要と思います。中長期的にとんでもなく良い成果が出てくるとか、そういう効果をどの程度考えられるのか難しいところですけれども、そういう余地もあったほうが良いという気もします。悩みは尽きないところだと思うのですが、ご検討いただければというふうに思います。

  それで最後5番目、今後の予定についてということですが、これは事務局のほうでお願いいたします。

 

〈今後の予定〉

(事務局)

ありがとうございました。

 それでは幾つか事務局よりご連絡申し上げます。

  本日の議事録についてですが、後ほど委員の皆様にご確認をしていただいた上で、主査とご相談させていただきまして、確定するということになろうかと思います。また評価書についてでございますけれども、評価書の作成は主査と事務局の間で精査の上、本委員会の委員長の同意を経て最終決定されることになります。報告書でございますけれども、議事録と評価書が決定された後に、他の分科会の関係の資料も含めまして、全体をとりまとめた分科会報告書を作成いたします。

 また、公表の関係でございますけれども、冒頭ご説明させていただきましたとおりに議事録等につきましては、発言者のお名前を伏せた形で公表するということでございますし、評価書、報告書についても同様公表するということでございます。

 それからお手元にございます本日の資料でございますけれども、封筒の中に入れさせていただきまして、後ほどご郵送させていただきますので、そのまま机上に置いておいていただければと思います。

 以上、事務連絡でございました。

 それでは、最後に○○国総研所長よりご挨拶申し上げます。

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〈国総研所長挨拶〉

(国総研)

非常に長時間にわたりまして熱心にご討議を賜りました。大変ありがとうございました。レポートとして整理をするということもございますが、実際の研究の場面で活用させていただきたいというふうに思っております。

 実は4つご議論願って、4つ目のメガリスクという部分、新規に少しプラスした部分というのは、去年のハリケーン「カトリーナ」を念願に置いています。今、日本の高潮対策の状態はどうなっているか、データをどれだけ関係者が持っているか、担当する人が大勢いるわけです。河川の堤防はもちろん高潮に対して機能してもらわなければいけないわけですね、ですから、河川と海岸、それから直轄と県があります。海岸も四省庁あります。国土交通省になりましたから、港湾局と河川局が同じ国交省の中なのですが。

 では、彼らがすべて情報を共有しているか、例えば、老朽化の度合いなどもきちんと把握できているか、共有できているか。

「カトリーナ」の場合には、ご案内のとおりですけれども、情報共有以前の問題で原点を取り違えていて高さが間違っていたのですね。一番大事なことを間違えていたのですけれども、それがきちんと日本ではできているのか。また、情報共有はできているのか。これができていないようでは話にならないわけです。

これは研究というのか、何と言うのかわかりませんけれども、直ちに着手しなければいけないと思っているところでございます。全体のメガリスクの議論とは異質なものかもしれませんが、今般、付け加えさせていただいたとういうような事情でございます。

 余分なことを申しました。非常に長時間にわたりまして本当にありがとうございました。引き続きよろしくご指導のほどお願い申し上げます。どうもありがとうございました。

〈閉 会〉

(事務局)

それでは以上をもちまして、平成18年の第3回の研究評価委員会分科会を閉会いたします。本日はまことにありがとうございました。

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