各種資料

第3章 評価の結果に対する対応方針




評価の結果に対する対応方針

 分科会の評価結果を受けて、国総研では、以下のような対応をすることとした。

(事後評価)
1. 公共事業評価手法の高度化に関する研究
 評価結果を踏まえ、本研究の成果に関するフォローアップ、関連分野への研究成果の応用を図って参りたい。まず、本研究の成果に関するフォローアップについては、外部経済・不経済に関する評価、感度分析、事業評価カルテ等について地方整備局等における運用結果等をもとに研究のフィードバックの方法、データベースの活用方法等についての研究を継続して参りたい。また、関連分野への研究成果の応用については、たとえば、PI(パブリックインボルブメント)等の関連研究に向けた展開等に対して、本研究成果の反映等について今後さらに検討を進めて参りたい。
 
(中間評価)
2. 健全な水循環系・流砂系の構築に関する研究
 評価結果を踏まえ、水循環系及び流砂系の「健全性」の定義、評価手法及び、「総合化」のイメージ・方法を明確にし、「総合化」により多くの研究資源を投入して、研究を進めて参りたい。
 また、水質、環境等についても具体的な健全化の手法やツールづくりの中で、大学、土木研究所等とも連携を図りながら進めて参りたい。
 その他ご指摘いただいた意見については、十分に念頭に置いた上で、研究を進めて参りたい。
 
3. 都市地域の社会基盤・施設の防災性能評価・災害軽減技術の開発
 評価結果を踏まえ、多種多様な各種自然災害の「総合化」のイメージを明確化するとともに、広く外部の専門家の方々からの意見を受けつつ、各災害の担当研究官のワーキングを通じて力点をおいて研究を実施して参りたい。
 また、各種自然災害を防ぐための戦略的な防災論(戦略的な方法論の体系化と災害毎の様相に応じたシナリオ、地震防災においては、予防対策・緊急対等・復旧の3つの切り口等)の構築が図れるよう研究を進めて参りたい。
 その他ご指摘いただいた意見については、十分に念頭に置いた上で、研究を進めて参りたい。
 
4. ゴミゼロ型・資源循環型技術に関する研究
 中間評価結果を踏まえ、建設混合廃棄物のリサイクル技術、静脈システム形成のための技術、信頼性の高い廃棄物海面処分場の建設・管理技術について、引き続き計画通り研究を進めて参りたい。
 また、個別テーマの成果を総合して目標達成が図られるように留意するとともに、その他ご指摘いただいた事項についても配慮して参りたい。
(事前評価)
 
5. 社会資本整備水準の評価手法に関する研究
 評価結果を踏まえ、予算等の制約にも配慮しつつ、研究事例とする社会資本サービスとそれに対する受益者の評価を把握する手法を明確化し、より詳細な研究計画を立案したい。
 研究事例とする社会資本サービスについては、個人の嗜好の影響度が小さいものを選びつつ、サービスに対する評価値の相違を個人の属性や個人を取り巻く社会資本その他の社会経済条件の相違により説明を図ることにより、研究結果より導出されるシビルミニマムの水準に対する合意を形成したい。
 受益と負担の関係、その他ご指摘の受益者の評価把握にあたってバイアスを生む可能性がある事項については、十分な配慮を図り、意向調査手法の設計を行いたい。
 また、防災関係研究プロジェクト担当者との情報交換を密に取り、災害リスクに対する基本的、包括的研究にも活用できるよう、研究事例とする災害について、安全の水準とそれに対する評価・効用の関係の把握を図りたい。
 経済理論の活用、その他ご指摘いただいた事項については、十分に念頭に置いた上で、研究を進めて参りたい。
 
6. ヒューマンエラー抑制の観点からみた道路・沿道環境のあり方に関する研究
 評価結果を踏まえ、ヒューマンエラーとはどのようなものか、またそれをどのようにとらえるかについて、既往の研究成果及び課題も踏まえて十分に検討した上で、ヒューマンエラーの具体的内容を把握するべく、ヒューマンエラーに関する基礎的なデータ収集を含めて研究を推進していきたい。
 また、検討対象について、沿道を含んでいるが、沿道に関してどのようなコントロール方法があるかについて、十分考慮して検討対象を設定したい。また、その際に合わせて、コストやその効果についても十分考慮したい。
 その他ご指摘いただいた事項についても十分に念頭に置いた上で、研究を進めて参りたい。
 
7. 四次元GISデータを活用した都市空間における動線解析技術の開発
 評価結果を踏まえ、今後、IT技術を活用した人の動きに関する全数調査や産学官で連携をとりながらデータの計測・収集などを進めていく予定である。また、このような研究は近年、大学の研究室単位でも行われるようになってきたので、国土交通省の責務である安全・安心の確保に重点をおきつつ、研究の的を絞り方向性を明確にした上で進めて参りたい。
 
8. 歴史的文化的価値を踏まえた高齢建造物の合理的な再生・活用技術の開発
 評価結果を踏まえ、研究対象となる建造物のイメージを明確にしつつ、単なる劣化の修復だけでなく、新しい価値をもった建造物へ再生させるなど、歴史的価値と現代的価値との整合についての検討の方向性について十分検討のうえ研究に着手したい。また、研究の鍵となる技術については、分かりやすく表現することに努め、さらにアウトカムのイメージについては、再生・活用の実現に貢献する成果を生み出すという観点に留意しつつ、研究を進めて参りたい。
 その他、ご指摘いただいた意見については、十分に念頭に置いた上で、研究を進めて参りたい。
 
9. 人口減少社会に対応した郊外住宅地等の再生・再編手法の開発
 評価結果を踏まえ、対象住宅地の範囲、地域性の違い、関係研究調査との連携等に配慮して研究開発を進め、成果を得るよう努めて参りたい。
 また、研究においては、「郊外」の概念を明確にし、住宅地以外の用途への転換を含めた再生・再編の将来展望について幅広く検討していきたい。
 その他ご指摘いただいた事項については。十分に念頭に置いた上で、関係研究部等や本省、関係学会等と連携を図りながら研究を進めて参りたい。
 
10. 既存住宅の省エネルギー性能向上支援技術に関する研究
 評価結果を踏まえ、省エネルギー改修が一般的な改修においても採用され定着すべく、住宅所有者にとってのメリットの拡大に寄与する成果を得るように最大限の配慮をしていきたい。すなわち、快適性・健康性の向上効果、光熱費の節約効果、耐震改修やバリアフリー改修を含む他の目的の改修工事との並行実施による工事の経済性等、所有者にとってのメリットを明確化するための分析及び技術開発をより一層重視して参りたい。
 また、省エネルギー改修工事の信頼性、妥当性、期待できる効果の判断基準を明確にし、住宅所有者及び設計施工者(特に中小の設計施工業者)双方にとっての目安が提供できるよう、関連する部分の研究を強化していきたい。
 
11. AIS情報を活用した海上交通による沿岸海域の効率的利用に関する研究
 評価結果を踏まえ、新たなIT技術であるAIS(船舶自動識別装置)によって得られる情報を活用することにより、沿岸海域における海上交通の実態を定常的・定量的に分析し、沿岸海域の効率的利用方策の検討を進めて参りたい。
 また、AIS情報の有効性を詳細に検討し、航路・泊地等の効果的な整備や沿岸海域・港湾の利用可能容量の拡大等の実現を目標として研究を進めて参りたい。
 
12. 海辺の自然再生のための計画立案と管理技術に関する研究
 評価結果を踏まえ、生物や生態系の既往研究成果も十分参考にするとともに、様々な地域で実践的な研究を行えるように努めて参りたい。また、国際的な比較研究なども試み、地域の自然や社会に見合ったアプローチのしかたをさぐって参りたい。
 その他、ご指摘いただいた事項については、十分に念頭に置いた上で、研究を進めて参りたい。
 
13. アジア経済統合時代の国際物流ネットワークとインフラ整備政策に関する研究
 評価結果を踏まえ、国際物流に関するシナリオ検討、国際物流予測、各種政策による経済効果算定のためのシステムの開発を進めて参りたい。
 また、貿易や国際物流等に関するモデルや分析手法の開発に加えて、国際物流や物流インフラに係る政策シナリオについても、国内外の研究機関や政策立案者である国土交通本省との連携を図って十分検討し、効率的に研究を進めて参りたい。
(評価結果を受け、課題名を「東アジア経済連携時代の国際物流ネットワークとインフラ整備政策に関する研究」に変更した。)
 
14. 地域の観光力の維持向上に資するストックマネジメント方策に関する研究
 評価結果を踏まえ、本研究の取りまとめにあっては、既存研究成果との違いを意識した整理が行えるよう努めて参りたい。