VICS


 

研究の背景

 

我が国では、自動車保有台数の増加に対応して道路整備水準は着実に改善されてきましたが、その道路整備も交通需要の伸びには及んでいないため、渋滞等の道路交通問題が引き起こされてきました。このような社会状況を反映して、特に都市部において交通渋滞に対する不満が高まり、道路整備の促進を求める声とともに、わかりやすい道案内や空き駐車場案内を含めて快適な交通環境を求めるニーズが高まってきました。
 快適な交通環境を創出するためには、質の高い高速交通ネットワークを柱に、道路交通の運用面に着目した道案内(ナビゲーション)や道路交通情報提供の充実も重要な課題といえます。

 

 

研究概要

 


VICSとは?

               

VICS(道路交通情報通信システム)とは、ドライバーが必要とする情報をすばやくカーナビに提供することにより、適正なルート選択を促し、快適でスムーズなドライブをサポートする情報通信システムです。交通流を適切に分散させ、道路交通の安全性や円滑性を向上し、さらには道路環境を改善するために、日本が世界に先駆けて1996年4月よりスタートさせました。VICSにより、渋滞状況、区間旅行時間等のリアルタイムな情報を、道路上に設置したビーコンからカーナビへ、ドライバーのニーズに合わせ図形や文字によりわかりやすく提供します。さらに、広域情報はFM多重放送がカバーしています。

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VICSの経緯

               

旧建設省では、道路交通情報の提供へのニーズに応え得る路車間での情報通信システムの開発を図るべく、昭和61年度(1986年)から平成元年度(1989年)の4カ年にわたり、民間メーカー25社との路車間情報システムの開発、実用化のための共同研究を実施しました。
 共同研究においては、路車間通信システムを構成する通信用機器や情報処理機器の開発、デジタル道路地図の標準フォーマットの検討等を行うとともに、公開実験を実施して路車間システムの有効性を検証しました。
 このような研究開発を踏まえ、平成2年(1990年)、道路交通情報通信システム(VICS)の実現を目的として、警察庁、旧郵政省、旧建設省の3省庁による「道路交通情報通信システム連絡協議会(VICS連絡協議会)」が発足しました。
 その後、実用化に向けた取り組みが推進され、平成8年(1996年)4月、情報提供サービスが開始されました。以降、サービスエリアの拡大とともにVICS車載器が着実に普及し、着実に今日に至っています。

VICSの経緯

昭和61年〜平成元年
(1986〜1989)
旧建設省土木研究所と民間企業25社による路車間情報システムに関する共同研究の実施
平成2年(1990)3月 警察庁、旧郵政省、旧建設省の3省庁による「道路交通情報通信システム連絡協議会(VICS連絡協議会)」発足
平成3年(1991)10月 「VICS推進協議会」発足、201法人・団体が参画
平成5年(1993)11月 VICS公開デモ実験の実施
平成7年(1995)7月 財団法人VICSセンター発足
11月   「第2回ITS世界会議 横浜」でデモ実施
平成8年(1996)4月 東京圏で情報提供サービス開始

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VICSの普及とその効果

 


VICSの急速な普及

               

カーナビに装着されるVICSユニットは急速に普及し、1996年4月のサービス開始から2005年6月には累計約1,260万台を出荷しています。2004年度の出荷台数は過去最高の277万台で、前年度比9%増の伸びとなっています。また、出荷カーナビのVICSユニット搭載率は、4年連続で約80%を記録し、カーナビの標準的な装備として定着しています。
 こうしたVICSの急速な普及の理由として、リアルタイムな道路交通情報へのニーズの高まりとともに、サービス提供エリアの拡大が挙げられます。また、VICS受信機のカーナビ内蔵化の急増、好調なカーナビの出荷状況、それによる価格低減なども普及に拍車をかけています。


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情報提供エリアの拡大

               

VICSの情報提供エリアは、1996年4月に東京圏(東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県)の一般道路、および東京から100km程度までの高速道路ならびに東名・名神高速道路全線等でスタートしました。その後、着実に全国へと拡大を続け、現在では全都道府県をカバーします。


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VICSの具体的な効果

               

利用者へのアンケートによると、VICSの具体的な効果について、約8割の利用者が「心理的余裕に余裕ができる」、「目的地までの道路状況がわかる」、「渋滞を避けたルート検索ができる」を挙げています。

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VICSの高度化

 

―より高精度なVICS情報の提供を目指して―

現在のVICS情報に対し利用者から「見やすさ」、「正確さ」、「多くの道路での情報提供」等を求める声が高まっています。こうしたことから、「IT政策パッケージ2005」(2005年2月IT戦略本部決定)を踏まえ、より高精度な道路交通情報提供を推進するため、VICS車載器を活用したプローブ情報の収集のあり方等について、産学官で議論する場として、VICSプローブ懇談会が設置されています。次世代道路サービス提供に関する共同研究とも連携し、規格・仕様を策定する予定です。



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